英語の接辞

ここではカタカナ語においてよく派生語として使われている英語の接辞の大まかな解説をしていきます。

日本語は英語(ヨーロッパ言語)に比べて接辞が弱いと感じます。
接辞がついた英単語を訳すとき、接辞として存在してる言葉(再~や不~、~的など)を用いて直訳しても、よく分からない場合があります。
その場合は意訳もしくは接辞の意味を考慮した文にするのが適切だと思います。

接頭辞

  • anti-:anti-aircraft, antibodyなど
    • 後にくる言葉と向かい合わせもしくは反抗していることを表す。反~。
  • dis-:discount, dislikeなど
    • 後にくる言葉の否定やしないことを表す。含まない。
  • im-:impossibleなど
    • in-に同じ。
  • in-:informal, invisible, includeなど
    • 後にくる言葉の否定を表す。不~。できない。
    • 後にくる言葉を含んでいることや込めることを表す。
  • inter-:interview, internetなど
    • 後にくる言葉と関わりがあるまたは持つことを表す。相互。相~。
  • non-:nonstop, nonfictionなど
    • 後にくる言葉が無いことを表す。無~。~無し。不~。非~。
  • re-:reset, reform, recycleなど
    • 後にくる言葉にもう一度の意味を持たせる。再~。~直す。
  • tele-:television, telephoneなど
    • 遠隔を表す。
  • un-:unlock, unbalance, uninstallなど
    • 後にくる言葉でなくすることや否定を表す。不~。未~。

接尾辞

  • -able:reasonable, fashionableなど
    • 前にくる言葉ができることを表す。える。
    • 前にくる言葉の傾向にあることを表す。~な。~的。
  • -al:trial, logical, centralなど
    • 前にくる言葉を形容詞化させる接尾辞。~な。~の。~的。
    • 前にくる言葉を名詞化させる接尾辞。~する事。
  • -an:musician, magician, Americanなど
    • 前にくる言葉を形容詞化させる接尾辞。~な。~の。~的。
    • 前にくる言葉をする人あるいは物や所属を表す。~者。~家。~士。~機。~器。~人など。
  • -ed:used, finished, walkedなど
    • 前にくる言葉をしたもしくは終えたことを表す(過去形)。した。
  • -er:uesr, maker, ownerなど
    • 前にくる言葉をするものを表す。~者。~家。~士。~機。~器など。
    • 前にくる言葉によりの意味を持たせる(比較級)。
  • -est:biggest, longest, hardestなど
    • 前にくる言葉が一番であることを表す(最上級)。最~。
  • -ful:powerful, colourfulなど
    • 前にくる言葉で溢れていることを表す。
  • -ic:romantic, dynamic, organicなど
    • 前にくる言葉にような(形容)の意味を持たせる。~な。~っぽい。
  • -ing:shopping, ranking, happeningなど
    • 前にくる言葉を名詞化させる接尾辞。~する事。
    • 前にくる言葉が進行中であることを表す(進行形)。している。
  • -ion:communication, variation, collectionなど
    • 前にくる言葉を名詞化させる接尾辞。
  • -ise:customise, categorise, synchroniseなど
    • 前にくる言葉にすること表す。~化。
  • -ish:stylish, Britishなど
    • 前にくる言葉を形容詞化させる接尾辞。~な。
    • 前にくる言葉を名詞化させる接尾辞。
  • -ism:feminism, communismなど
    • 前にくる言葉の傾向にあることを表す。~主義。
  • -ist:artist, specialist, journalistなど
    • 前にくる言葉に携わる人を表す。~者。~家。~士など。
  • -ity
    • -tyに同じ
  • -ive:positive, negative, aggressiveなど
    • 前にくる言葉の傾向にあることを表す。~な。~的。
  • -ize
    • -iseに同じ
  • -lessendless, limitlessなど
    • 前にくる言葉が無いことを表す。無~。不~。非~。~無し。
  • -ly:daily, friendly, timelyなど
    • 前にくる言葉にような(形容)の意味を持たせる。~みたいな。~っぽい。~性。~質など。
  • -ment:management, harassmentなど
    • 前にくる言葉を名詞化させる接尾辞。
  • -ness:business, sharpnessなど
    • 前にくる言葉を名詞化させる接尾辞。
  • -ous:humorous, mysteriousなど
    • 前にくる言葉を形容詞化させる接尾辞。~な。~の。
  • -ship:leadership, partnership, ownershipなど
    • 前にくる言葉の状態や能力があることを表す。~性。~質。~感。~柄。
  • -tic
    • -icに同じ。
  • -tion
    • -ionに同じ。
  • -ty:originality, community, realityなど
    • 前にくる言葉に性質や状態の意味を持たせ、名詞化させる接尾辞。~性。~質。
  • -y:lucky, speedy, spicyなど
    • 前にくる言葉を形容詞化させる接尾辞。

脚註

  • big, bigger:大きい、大きい
    • biggerを「より大きい」と訳すのは便宜上の訳で日本語としては「大きい」にbigとbiggerの意味があります。
  • move, moving:動く、動く
    • movingを「動いている」と訳すのは便宜上の訳で日本語としては「動く」にmoveとmovingの意味があります。

翻訳の例

  • 厚さ(厚い+さ):thickness(thick+ness)
  • 睦まじい(睦む+しい): harmonious(harmony+ous)
  • 建て直す(建てる+直す):rebuild(re+build)
  • 使える(使う+える):usable(use+able)
  • 望ましい(望む+しい):desirable(desire+able)
  • 恐ろしい(恐る+しい):scary(scare+y)
  • 勇ましい(勇む+しい):heroic(hero+ic)
  • 愛らしい(愛+らしい):lovely(love+ly)
  • 不平等(不+平等):inequality(in+equality)
  • 無国籍(無+国籍):stateless(state+less)
  • 可能性(可能+性):possibility(possible+ity)
  • 商品化(商品+化):commercialise(commercial+ise)
  • 非営利(非+営利):nonprofit(non+profit)

文化の違いというのは当然付き物で、ある物事に言葉を付ける順序が異なるものが多くあります。
例えばbeautifulはbeauに接尾辞tyを付けたもの(beauty)で先に「美しさ」と言葉があって、それで溢れているという意味の接尾辞fulを付け「美しい」となったようです。

最終更新:2023年03月30日 19:43