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*一方その頃(時間経過)その4&aname(top) [[セリフ集に戻る>セリフ集]] [[時間経過時・その1>一方その頃(時間経過)]] [[時間経過時・その2>一方その頃(時間経過)2]] [[時間経過時・その3>一方その頃(時間経過)3]] →時間経過時・その4 [[時間経過時・その5>一方その頃(時間経過)5]] [[都市船外出時・その1>一方その頃(街)]] [[都市船外出時・その2>一方その頃(街)2]] [[都市船外出時・その3>一方その頃(街)3]] [[夜明けの船乗船時>一方その頃(夜明けの船)]] #contents **地球軍 &aname(地球軍) ***タフト大統領の紹介 一方その頃&aname(タフト大統領の紹介) 地球政府 大統領官邸。 官邸内を元気良く走るエノラは、 大統領の姿を見る。 エノラ・タフト/ おじいちゃん! ジョージ・タフト地球大統領/ おぉ、エノラ。 良く来た。 エノラ・タフト/ 大統領就任、2周年おめでとう。 ジョージ・タフト地球大統領/ ありがとう。 エノラも飛び級での大学卒業、 おめでとう。 エノラ・タフト/ ありがとう。 これ、お母さんから。 ジョージ・タフト地球大統領/ すまないな。 フィオも、遊びにくればいいのに。 エノラ・タフト/ お母さんは、あんまりおじいちゃんと 話したことないから…。 ジョージ・タフト地球大統領/ 話したことがないなら、 話し始めればいいんだよ…。 まだ、私を許してはくれんらしい。 エノラ・タフト/ ううん。 お母さんは、おじいちゃんが宇宙人と 停戦したことは怒ってないわ。 エノラ・タフト/ お父さんの復讐をしても、 何も解決しないって言っていたから。 ジョージ・タフト地球大統領/ …そうか。 補佐官が、 大統領のそばによって口を開いた。 ベーカー補佐官/ 大統領、お時間です。 そろそろいかれませんと。 ジョージ・タフト地球大統領/ おお、そうか、残念だ。 エノラ、すまないが。 エノラ・タフト/ お留守番でしょ。 いいわよ。 ジョージ・タフト地球大統領/ すぐ戻ってくる。 …不思議だな、お前は息子にそっくりだ。 エノラ・タフト/ 親子だから、似ていて当然よ。 ジョージ・タフト地球大統領/ …そうか、そうだな。 では行ってくる。 エノラ・タフト/ お仕事、がんばってね。 ***タフト大統領の社会的事情 一方その頃&aname(タフト大統領の社会的事情) 地球政府 大統領官邸 会議室。 大統領が着席すると、場が静まった。 ゆっくり口を開く。 ジョージ・タフト大統領/ それではスタッフの諸君。 今我々の懸案である火星問題について 話そうではないか。 ジョージ・タフト大統領/ …ベーカー補佐官。 ベーカー補佐官/ 火星の状況ですが、反乱はもはや、 火星政府では押さえ切れないレベルにあります。 アンナ・グレースは早急な支援を要請しています。 コリンズ財務長官/ ただでさえ戦後復興が遅れているというのに…。 オナー分析官/ とはいえ、盟主である地球でしか、 この事態に対処出来る所はあるまい。 ジョージ・タフト大統領/ 静かにしたまえ、諸君。 …ベーカー君、続けたまえ。 ベーカー補佐官/ はい。 すでに反乱は反乱軍と呼べる規模になりつつあります。 ベーカー補佐官/ 汎銀河大戦終戦にともなって市場に流れた 大量の武器を買いあさって武装しています。 コリンズ財務長官/ 緊縮財政にあえぐタイタン政府あたりが放出した 大気圏軍の装備でしょうな。 ベーカー補佐官/ 確かに、火星の弱体なコーストガードでは 対処不能と思われます。 早急な対応を。 コリンズ財務長官/ まて。 ジョージ・タフト大統領/ コリンズ財務長官。 コリンズ財務長官/ そろそろ中間選挙だ。 市民はそぞろ孤立主義にもどりつつあるし、 この不景気だ。 コリンズ財務長官/ 税金の使い道に関してもうるさくなっている。 オナー分析官の意見がききたい。 オナー分析官/ 何もしないのが上策だね。 火星の政権がかわっても、 宇宙人とまた戦うことでもない限り、影響はない。 オナー分析官/ そんなことは、従軍者が多いんだ。 すぐわかる。 ベーカー補佐官/ どうなさいますか、大統領。 ジョージ・タフト大統領/ 周辺国は? ベーカー補佐官/ 光国は重大な懸念を持つと、 大使を通じて連絡してきました。 ベーカー補佐官/ 必要であれば、友邦国のために 艦隊を送る用意があると。 ベーカー補佐官/ ネーバルウィッチは何も、 声明は出しておりません。 オナー分析官/ 光国は友邦国の立場よりも、 太陽系を従属させたいようですな。 ジョージ・タフト大統領/ 真に対等な国家間の関係などないよ。 ジョージ・タフト大統領/ …ベーカー君、地球人は? 火星に在住する地球人の被害は? ベーカー補佐官/ 数名のビジネスマンが 反乱軍を名乗る者に誘拐されています。 ベーカー補佐官/ 身代金の要求もでています。 おそらく反乱軍とは無関係でしょう。 もっとも事件自体、事件の性質上、極秘ですが。 ジョージ・タフト大統領/ それを公表するか。 それを口実に出兵する。 コリンズ財務長官/ それなら選挙にも勝てます。 いい手ですな。 コリンズ財務長官/ 金を使うのを嫌がる国民も、 殴られれば殴り返すことに躊躇はないでしょう。 ジョージ・タフト大統領/ 誘拐されている者には悪いが、 その線で火星の内乱に介入することにしよう。 ベーカー補佐官/ わかりました。 ジョージ・タフト大統領/ ホン・サン将軍をあとで呼んでくれ。 ベーカー補佐官/ はい。 ***タフト大統領の個人的事情 一方その頃&aname(タフト大統領の個人的事情) 地球政府 大統領官邸。 エノラ・タフト/ お帰りなさい、おじいちゃん。 ジョージ・タフト大統領/ ああ、ただいま、エノラ。 エノラ・タフト/ その人は? ホン・サン/ ははは。 あなたのおじいちゃんの部下の ホン・サンです。 ジョージ・タフト大統領/ 将軍で私の親友だよ。 同期だった。 ホン・サン/ そう言うと、私まで年寄りに聞こえるな。 ジョージ・タフト大統領/ 実際そうだろうが。 エノラ・タフト/ 仲がいいのね、二人とも。 ホン・サン/ いやいや、…ははは。 いや、お嬢さんには、勝てませんな。 その通りです。 エノラ・タフト/ 歓迎するわ、ホン・サン将軍。 ホン・サン/ ありがとうエノラ・タフト。 お話はたくさん伺ってます。 エノラ・タフト/ いえいえ。 そう言えば、おじいちゃん。 アステルから聞いたんだけど。 エノラ・タフト/ 火星に軍隊を送るの…? ジョージ・タフト大統領/ …ああ、送ることになるよ。 …折角の平和だ。 地球だけというのは、もったいない。 エノラ・タフト/ 平和のために戦争を起こすの? ホン・サン/ お嬢さん、戦争を起こすんじゃない。 今起きてることを治めるんだ。 ホン・サン/ 軍人だって戦争は望んでいない。 負けた責任を取らされるのが軍人だとすれば、 なおさらな。 エノラ・タフト/ …でも勝てると思っていたら? その論法なら、勝てるなら軍人は 戦争するんじゃないの? ホン・サン/ ははは、頭のいい子だ。 確かにそうだな。 ホン・サン/ だが、考えてみてくれ。 たとえ勝っても、戦争には被害は必ず出る。 ホン・サン/ 私の部下も死ぬな。 私も死ぬかもしれん。 死にたくはない、誰でもな。 ホン・サン/ それでも戦わなければならんのは、 それ相応の理由がある。 ジョージ・タフト大統領/ ……エノラ、そろそろホンを許して やっておくれ。 ジョージ・タフト大統領/ おじいちゃんたちは、 夕食までに会議せねばならん。 エノラ・タフト/ …ごめんなさい、おじいちゃん。 ジョージ・タフト大統領/ いや…、お前が戦争を嫌うのはわかる。 お前からお父さんを奪ったのは戦争だ。 ジョージ・タフト大統領/ …だが、平和はね、 我々だけの独占物ではない。 出来るなら、全部に平和を、だよ。 ホン・サン/ そして、自立だ。 ホン・サン/ 前の戦争で味方だった光国も、 太陽系がごたごたするようなら どう出るかわからん。 ホン・サン/ 太陽系の自立を守るためにも 火星の反乱を鎮圧せねばなりません。 エノラ・タフト/ ソフィーはそういう宇宙人じゃないわ、 将軍。 ホン・サン/ 一人だけなら。 だが、集団というものは恐ろしいものです。 ***タフト大統領の退陣 一方その頃&aname(タフト大統領の退陣) 地球政府 大統領官邸前。 大統領就任式などをおこなう庭に、 タフトは立っている。 彼を映す報道カメラの列。 ジョージ・タフト地球大統領/ 皆さんに発表があります。 ジョージ・タフト地球大統領/ 本日をもって、私、ジョージ・タフトは 地球大統領及び、太陽系連合議長の職を 辞職します。 一斉にどよめき、フラッシュがたかれた。 報道陣/ 大統領退陣ですか。 報道陣/ それは、火星問題の責任をとると いうことですか? ジョージ・タフト地球大統領/ そう思ってもらってもかまいません。 …民主主義の根幹は、最も多くの 支持される者が政権を担うということです。 ジョージ・タフト地球大統領/ 私は、今もっとも多くの支持を得ているという 自信を失いました。 報道陣/ 今後は、地球と太陽系は、 どうなるのでしょうか。 ジョージ・タフト地球大統領/ 今後の後任は規定に従い、 副大統領のワトソン君が就任することになります。 報道陣/ 大統領が退陣することで、 より強硬派が勢力を伸ばすと思われますが? 報道陣/ たとえば火星にさらなる軍を送り、 完全に占領するなどの選択があると思われますが。 ジョージ・タフト地球大統領/ それが市民の選択なら、仕方がありません。 ただ、一市民として言えば、 私はこれ以上の事態の悪化を望んでいません。 報道陣/ 元々出兵を決めたのは、 大統領ではありませんか。 ジョージ・タフト地球大統領/ 戦争を激化させるために、 軍を送ったわけではないと言いたいのです。 ***火星行きを決めるタフト 一方その頃&aname(火星行きを決めるタフト) ***誘拐の話を聞くタフト 一方その頃&aname(誘拐の話を聞くタフト) 地球政府 大統領官邸。 ベーカー補佐官/ 大統領。 ジョージ・タフト地球大統領/ おお、ベーカー補佐官。 そちらに孫が、遊びにいってないかね。 探しているんだが。 ベーカー補佐官/ 残念ですが、エノラ・タフトは火星反乱軍に 誘拐されたようです。 ベーカー補佐官/ 要人の家族を狙うのは…、 ジョージ・タフト地球大統領/ なん…だと? SPはどうした! ベーカー補佐官/ 全員死んでいました。 お孫さんの学校の中にも、 火星出身者などがいたようですな…。 ジョージ・タフト地球大統領/ ………。 ベーカー補佐官/ お気の毒です。 今すぐ非公式のチャンネルで 接触を図りましょう。 ベーカー補佐官/ なんとか大気圏内で犯人たちの逮捕が 出来るといいのですが。 ***タフトの停戦 一方その頃&aname(タフトの停戦) 地球政府 大統領官邸前。 大統領就任式などをおこなう庭に、 タフトは立っている。 彼を映す報道カメラの列。 ジョージ・タフト地球大統領/ 皆さんに重大な発表があります。 ジョージ・タフト地球大統領/ 本日、火星に派遣している 太陽系総軍火星鎮定軍全軍を停戦、 撤退させることで、同国政府と同意しました。 報道陣/ 大統領、それは火星からの撤退という ことですか。 事実上の敗北では? ジョージ・タフト地球大統領/ コスト的に見て、もっとも有効な選択肢を 選んだということです。 ジョージ・タフト地球大統領/ これ以上、地球市民である兵士が傷つくことを 政府は望んでいません。 今後は、外交の場で封じ込めることになります。 報道陣/ 問題はそもそも、終戦後の火星放置、 つまり、火星を忘れたからだという説が ありますが、それについては? ジョージ・タフト地球大統領/ 火星を忘れたことは一度もありません。 ただ、戦時と違って火星を特別扱いすることは 出来なくなったというだけです。 報道陣/ 反乱軍が火星を掌握し、 外光を求めた場合はどうされますか? ジョージ・タフト地球大統領/ それが正当な手続きを経た民主的な 政権であれば、外交チャンネルは常に 開かれているでしょう。 報道陣/ 停戦ということでしょうか。 ジョージ・タフト地球大統領/ 最初からそう言っていたと思いますが。 ***タフト暗殺 一方その頃&aname(タフト暗殺) 都市船ユートピア。 ハカマダ/ はい! ハカマダです。 ハカマダ/ 火星の首都ユートピアからお伝えしています。 ハカマダ/ そろそろですねー。 あ、姿が見えました。 ジョージ・タフト地球大統領です。 ハカマダ/ 大統領は、歴史的な和平提案を持って火星に出てきたようです。 ハカマダ/ この日はお孫さんの誕生日らしいですから、 ぜひ良いニュースをもって いきたかったんでしょうねえ。 ハカマダ/ 和平を歓迎する民衆にもみくちゃにされています。 ハカマダ/ あれ、大統領の姿がみえなくなりましたね。 あれ、あれ? AD/ ハカマダちゃん! ハカマダ/ ええー? ちょ、ちょっと今レポート中…。 AD/ 馬鹿、銃声だ! 頭下げろって。 ハカマダ/ ちょっと、え? 誰か撃たれたの? …え、ええ? AD/ 軍隊経験者の言葉、信じろよ! いいから! ハカマダ/ な、なんか大変なことが 起きてるみたいです。 あー! 大統領が倒れています! ハカマダ/ ちょっ、ちょっと、そんなニュースが倒れる、 じゃない。 これもニュース!? うにゃー!? ハカマダ/ 暗殺…暗殺です! 地球大統領が暗殺されました…!! ***第2次汎銀河大戦勃発 一方その頃&aname(第2次汎銀河大戦勃発) 地球政府 大統領官邸 会議室。 大統領が着席すると、場が静まった。 ゆっくり口を開く。 ジョージ・タフト地球大統領/ もう緊急の連絡は全員に入っていると思うが、 宣戦布告が入った。 ベーカー補佐官。 ベーカー補佐官/ 各異星人が同時に動き出しました。 ひとつの権力の空白が次々に争いを 誘発しています。 ジョージ・タフト地球大統領/ …呪われた戦いの神の星だな。 火星というものは。 …参謀議長。 参謀議長/ 第2次汎銀河大戦の勃発は、 また太陽系を軸にはじまりましたな。 ジョージ・タフト地球大統領/ そういう話を聞いているわけじゃない。 勝てるかどうかだ。 参謀議長/ 負けたら太陽系知類が全滅するだけです。 勝てるかどうかではなく、 勝しかないでしょう。 参謀議長/ どれくらい勝てるかは、皆さん良く おわかりのはずだ。 参謀議長/ こちらが内乱で疲弊している間、 他国がどう動いていたか、それぐらいこの会議に いるものならば、知っているでしょう。 参謀議長/ 皮肉にも火星にまた、戦略的価値が出ましたな。 ジョージ・タフト地球大統領/ コリンズ財務長官。 コリンズ財務長官/ 火星に援助するしかないでしょう。 絶滅戦争で我々が最後に逃げ込む場所は、 あそこしかない。 ジョージ・タフト地球大統領/ もう一度、手を取ろうと? コリンズ財務長官/ 他に選択肢がありますか? ***孫を可愛がるタフト 一方その頃&aname(孫を可愛がるタフト) 地球政府 大統領官邸。 祖父と孫娘が、 向き合ってリンゴをむいている。 ジョージ・タフト地球大統領/ 中々、リンゴの剥き方が しっかりしてきたな。 エノラ・タフト/ おじいちゃん、料理好きなの? ジョージ・タフト地球大統領/ 宇宙軍の士官も兵士も、 みんなこういうのが好きでな。 ジョージ・タフト地球大統領/ なぜだかな。 宇宙にいると、 こういうのがみんな好きになる。 エノラ・タフト/ …そう。 あのね、おじいちゃん。 ジョージ・タフト地球大統領/ うん? エノラ・タフト/ 私、おじいちゃんの孫じゃないんでしょ。 …お母さんからきいちゃった。 …その、なんていうかな。 エノラ・タフト/ 戦争でお父さん死んで、 お父さんと言っていいのかな…。 エノラ・タフト/ うっ、お父さん死んじゃって、 それでお母さん、ひどいめに…。 ジョージ・タフト地球大統領/ あの頃の戦争は、本当にひどかった。 私がフィオを探し出したときは、特に。 ジョージ・タフト地球大統領/ 人間と人間が争うのさ。 宇宙人と戦っているのにな。 ジョージ・タフト地球大統領/ いや、宇宙人と戦うことだって、 いいことじゃない。 …人は、なんで人はこうなのかなあ。 ジョージ・タフト地球大統領/ だから、…だから気にするな。 わしの孫は、お前だけだよ。 エノラ・タフト/ ………。 ジョージ・タフト地球大統領/ 泣くな。 せっかくのリンゴタルトが 塩味になると困るだろう。 [[topへ>一方その頃(時間経過)4#top]]
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