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怪物上手

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2006年12月7日、あったら嫌な妖怪に怪物上手(かいものじょうず)という四字熟語の解説としてGeorge氏が書き込んだ短編。(あったら嫌な妖怪 0692)
鬼喜期待のときと同様、伯爵が登場している。

怪物上手

「う~ん、読ませるねェ…」
「・・・・・・?」
「おお、これはァ…」
「?!・・・・・・」
「そうかァ… なるほどなァ…」
「は… 伯爵様… ?」
「ん? おお、コム君…何か?」
「伯爵様… それって… !?」
「ああ、コレね… 見ればわかるでしょ?
 笑鬼夜(ワラキヤ)タイムスだよ、笑鬼夜タイムス☆」
「う… 嘘… 嘘だああぁ~~ッ!!!!」

気が動転した蝙蝠は、屋敷の中をバタバタと飛び回った。

「おおう、おおう、コムよおォ…ズイブンじゃねェ~かオウッ!!
 ここは普通喜ぶトコじゃねェの?」
「ううゥ~そおォ~だあァ~~ッ!!!!」
「・・・・・・」

バタバタと旋回し、部屋の花瓶や壷が次々と倒れる。

「信じらァ~れェ~ねええェ~~~ッ!!!!!!」
「・・・・・・」
「伯ゥ爵ゥさァ~まァ~が、ご乱心なァさァれェたァ~~ッ!!!!」
「焼き鳥にすっぞ、テメぇーッ!!」
「冗談ですよ…」
「あ」
「いつも貴方様が私になさっている事を、ここで実演したまでです。」
「ええ~ッ、ボクってそんなに馬鹿っぽいかなァ~?」
「いつもの半分くらいですよ? これでも…」
「ふ~ん… あ、コムやん これ見てみ」
「はい?」

伯爵が蝙蝠に新聞を開いて見せる。

「ああ、飲酒運転ですね… まったく、人間界ならまだしも
 誇り高き妖怪のする事じゃないですよ!」
「んだなァ、ダメだよねェ、呑んで運転しちゃ…」
「年末は特に多いですね…やっぱり我々妖怪も、少しラフになっちゃう
 んでしょうか…?」
「う~ん、私はいつもラフだから、よく分からないね。」
「そうですね。」
「あ」
「ご自分で仰ったんじゃないですか…」
「グハッ☆」

蝙蝠は軽く溜息をつくと、伯爵の側から離れ
何やら念を集中し始めた。
シュインと言う音とともに、蝙蝠の姿は小太りの青年に変わる。

「ん? もう行くのか!?」
「ええ、伯爵様がどうしても人間界のワインが呑みたいと仰いますもので…」
「悪いねェw」
「別に…コレも私の仕事ですから!」
「でもねェコム君…その姿はちょっとねェ…」
「またアノカッコウさせるんですかァ?
 言っときますけどねェ、ああいうハイクオリティーな容姿に
 メタモルフォーゼすると、パワーの消費が多いんですよ…ご存知でしょう?」
「私は君と違って、変身するのに多くのパワーを必用としないから
 イマイチよく分かりませんな!」
「はいはい…どうせ私は小モノでございますよ…」
「なのでねコム君、例のカッコウで行きなさい…
 人間はアホだから、容姿にすぐ騙されるw」
「ふう… イヤだなァ、もう…」

ブツブツと呟く蝙蝠は、再び念を集中する…
シュインと言う音とともに、今度は細身の若い女に姿を変えた。

「ああ、疲れる… これでイインでしょ…?」
「そそ、それそれ☆ いいよねェ、見た目がww」
「私にソッチの趣味は無いですよ!!!?」
「ボクにも無いよ… でもまあ、人間界で買い物する時は
 そのカッコウの方がサービスしてもらえるでしょ?」
「…そんなモノですかねェ~…」
「そんなモンだァ~」
「それじゃあ、行って参ります。」
「ふあァ~~い♪」

そう言うと「美女に化けた蝙蝠は」人間界へテレポートして行った。
伯爵は再び新聞へと目をむける…。

「う~ん… 何々? 年末の飲み屋街で乱闘騒ぎ!!
 酒豪妖怪Pと呑み比べをしていた妖怪鴉が突然発狂 !!
〝オイラはアイツの手足じゃねェ〟などと、訳の分からぬ
 言葉を連呼、止めに入った幹事の妖怪狐や、その他大勢の
 妖怪に負傷者が出たもよう。
 偶然通りかかった妖怪ポリス特殊武隊に御用となる…
〝年末はこういった事件が増えて困ります…
 我々は鬼神を追うので手一杯ですので、今回は本当に
 偶然です…ラッキーでした〟とは、特殊武隊隊長のコメント…か」

伯爵は小指を鼻に突っ込み、目を細める…。

「火間蟲の居所が悪かったんだろうかねェ、この鴉…」(by shion)

窓の外は漆黒の闇…雨の打つ音だけが聞こえる。

「ふう… なァ~んか面白い事でもないかなァ…
 タマにはボクも変身でもしてみようかなァ…
 …鬼神ライダーに… ウフ☆」



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