―――そっちも?
この記号にいやな予感が、確かに土御門によぎった。
この記号にいやな予感が、確かに土御門によぎった。
「え?今何つった?」
『そっちもかって言ったんだよ。さっき青髪から電話が来て、「去年のチョコの倍はあるでー!?帰ってきたら死を覚悟しろー!!」とか言ってた……』
「……どっから情報が漏れた」
『いや、そこまで深刻ぶらなくてもいいだろ?俺と美琴の家がどこにあるかは知ってるだろ?』
「学舎の園の玄関前……なんでそんなところに家建てたんだァァァあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」
『お義父さんがな……色々となんだよ』
「今『お義父さん』って言った!?」
『そっちもかって言ったんだよ。さっき青髪から電話が来て、「去年のチョコの倍はあるでー!?帰ってきたら死を覚悟しろー!!」とか言ってた……』
「……どっから情報が漏れた」
『いや、そこまで深刻ぶらなくてもいいだろ?俺と美琴の家がどこにあるかは知ってるだろ?』
「学舎の園の玄関前……なんでそんなところに家建てたんだァァァあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」
『お義父さんがな……色々となんだよ』
「今『お義父さん』って言った!?」
どこまで彼女の親と親睦深めてるんだよ!?と土御門は心の中で突っ込んだ。
だが、上条の悲劇にはまだ続きがあった……
だが、上条の悲劇にはまだ続きがあった……
『お義父さんで思い出したんだけど……どうやら外の家の方にも、実家の方にも届いてるらしい。数え切れないくらいに……』
「それこそどっから情報が漏れたんだよ!?」
『そっちはお前の専門じゃーい!!
それに母さんから……「当麻さんったら、また女の子と仲良くなって……家に帰ったら覚えてなさい」って言ってた。……特に最後がものすごく怖かった』
「ご愁傷様です」
「それこそどっから情報が漏れたんだよ!?」
『そっちはお前の専門じゃーい!!
それに母さんから……「当麻さんったら、また女の子と仲良くなって……家に帰ったら覚えてなさい」って言ってた。……特に最後がものすごく怖かった』
「ご愁傷様です」
土御門は携帯を持ちながら、静かに合掌した……。
「でこのチョコのことなんだけど、いつもは俺たち三人で食っているけど、今回はインデックスがいるからインデックスに食わせるのはどうぜよ?」
『……そうか今回はインデックスもいるのか。ならインデックスにも頼もうぜ。それで早く処理して、ホワイトデーに返さないときゃな。』
『……そうか今回はインデックスもいるのか。ならインデックスにも頼もうぜ。それで早く処理して、ホワイトデーに返さないときゃな。』
上条は土御門に記憶喪失なのを悟られない様に少し考え、土御門に合わせることにした。
「相変わらず、カミやんはしっかり返すんだにゃー。」
『まあな。なんか貰ったのに返すべきだと思うからな。』
「そうか。とりあえずここにあるチョコはそっちに送っておくぜよ。」
『分かった。』
『まあな。なんか貰ったのに返すべきだと思うからな。』
「そうか。とりあえずここにあるチョコはそっちに送っておくぜよ。」
『分かった。』
土御門はそういうと電話を切った。
「さて、次は宅配業者に頼むぜよ。」
土御門が宅配業者に電話に出ようとした時、突如土御門の携帯に電話が掛かった。
「ん?小萌先生?一体俺に何の用があるんだにゃー。」
「私も分かんないよ。とりあえず出ようよ。」
「私も分かんないよ。とりあえず出ようよ。」
土白はなぜ小萌から電話が掛かってくるのか疑問に思ったが、とりあえず電話に出ることした。
「もしもし小萌先生、一体何のようだにゃー?」
『土御門ちゃん、ひょっとして忘れたのですか?白雪ちゃんのシステムスキャンの事を。』
「「あ、忘れてた。」」
『土御門ちゃん、ひょっとして忘れたのですか?白雪ちゃんのシステムスキャンの事を。』
「「あ、忘れてた。」」
土白は先ほどまでこのチョコをどうするのか考えていたので、システムスキャンの結果のことを忘れていたのだ。
「(すっかりこれの事で精一杯だったので悪あがきをするのも忘れてたにゃー。とりあえず結果を聞いてみるにゃー。)で、月夜のシステムスキャンの結果はどうだったのにゃー?」
『統括理事会の貝積さんのもとで調べた結果、白雪ちゃんはレベル5になりましたよ。さらに、前回は6位って言いましたが、今回は5位になりそうなのですよ。』
「マジなのかにゃー!!(やばいぜよ。これで月夜がもっとこっちにきたら俺でも守れる気がしないぜよ。)」
『統括理事会の貝積さんのもとで調べた結果、白雪ちゃんはレベル5になりましたよ。さらに、前回は6位って言いましたが、今回は5位になりそうなのですよ。』
「マジなのかにゃー!!(やばいぜよ。これで月夜がもっとこっちにきたら俺でも守れる気がしないぜよ。)」
土御門は表面上は喜んでいたが、内面では喜んでおらず逆に月夜を心配していたのだ。
『次に真夜ちゃんたちにも伝えなければいけないので電話切りますね。』
「分かったぜよ。」
「分かったぜよ。」
土御門は小萌からシステムスキャンの結果を聞いたら電話を切った。
それから土御門はコネの利く業者に上琴新居二号の住所、ここにあるチョコをそこへ運ぶように電話をした。
次に土御門がしたこと、それはインデックスに当麻のチョコを出来るだけ多く食べてもらうという依頼をすることだった。
次に土御門がしたこと、それはインデックスに当麻のチョコを出来るだけ多く食べてもらうという依頼をすることだった。
「さて、じゃあ早速ステイルに連絡するぜい」
「ステイルくんに? インデックスちゃんじゃなくて?」
「おそらく禁書目録はステイルと行動してるはずぜよ。禁書目録本人よりも話の分かるステイルに事を伝える方が建設的だからにゃー♪」
「ステイルくんに? インデックスちゃんじゃなくて?」
「おそらく禁書目録はステイルと行動してるはずぜよ。禁書目録本人よりも話の分かるステイルに事を伝える方が建設的だからにゃー♪」
そして土御門はステイルの携帯に電話をかけた、予想通り二人一緒だったのだが場所が土御門の想定外だった。
『急にどうしたんだい? 土御門。悪いけど僕は忙しいんだ、また後日にしてくれ』
「ステイル、悪いけど今から禁書目録を連れてカミやんの」
『ねーねーステイルー、一緒に来てご飯食べるんだよ。一人より二人の方がご飯が美味しくなるってりこうも言ってたんだよ』
『ステイルの坊主、インデックス嬢ちゃんのお誘いだぞー!』
「ステイル、悪いけど今から禁書目録を連れてカミやんの」
『ねーねーステイルー、一緒に来てご飯食べるんだよ。一人より二人の方がご飯が美味しくなるってりこうも言ってたんだよ』
『ステイルの坊主、インデックス嬢ちゃんのお誘いだぞー!』
ステイルの携帯から聞こえてきたインデックス、そして『喰わせ殺し』の店長の声に土御門は少し考えた後でニヤリと笑った。
気付かれたことに焦るステイルだが土御門が相手では時既に遅し。
気付かれたことに焦るステイルだが土御門が相手では時既に遅し。
「ほーほー♪ ステイル君は禁書目録とデートの真っ最中だったかにゃー♪ いやー、失礼したぜよ。つーわけで今からそっちに向かうぜい♪」
『断る! どんな用件かは知らないが』
「いーのかにゃー? お前さんの気持ちを禁書目録にばらしちまうかもしれないぜよ? それが困るなら大人しく『喰わせ殺し』で待ってることですたい♪」
『…………分かった』
『断る! どんな用件かは知らないが』
「いーのかにゃー? お前さんの気持ちを禁書目録にばらしちまうかもしれないぜよ? それが困るなら大人しく『喰わせ殺し』で待ってることですたい♪」
『…………分かった』
携帯を切った後も土御門のにやけ顔は収まる気配を見せなかったが、同じく話を聞いていた月夜もにやけていた。
「行くんだね? 元春。インデックスちゃんとステイルくんを冷やかしに♪」
「人聞きの悪いことを言うもんじゃないぜよ。あの二人を冷やかすついでに迎えに行くだけだにゃー♪」
「ホント元春っていい性格してるよ。じゃあ行こっか、初々しい二人を盛り上げる為に♪」
「月夜、忘れちゃいかんぜい。冷やかし、盛り上げるのはあくまでついで。本当の目的は二人を迎えに行くことだからにゃー」
「人聞きの悪いことを言うもんじゃないぜよ。あの二人を冷やかすついでに迎えに行くだけだにゃー♪」
「ホント元春っていい性格してるよ。じゃあ行こっか、初々しい二人を盛り上げる為に♪」
「月夜、忘れちゃいかんぜい。冷やかし、盛り上げるのはあくまでついで。本当の目的は二人を迎えに行くことだからにゃー」
かくして土白は『喰わせ殺し』にいるインデックスとステイルを迎えに行くことに。
ただ、迎えに行くことよりも二人を冷やかしに行くことが主目的になりつつあるのだが。
ただ、迎えに行くことよりも二人を冷やかしに行くことが主目的になりつつあるのだが。
一方、電話を切られたステイルはこれからやって来る土御門のことを考えると憂鬱にならざるを得なかった。
しかしインデックスの前で暗い顔は出来ないのでポーカーフェイスを装ってインデックスの隣に腰を下ろす。
しかしインデックスの前で暗い顔は出来ないのでポーカーフェイスを装ってインデックスの隣に腰を下ろす。
「ステイル、電話誰だったの?」
「あ、ああ、土御門だよ。今から僕らに用があるからこっちに来るらしい。内容は分からないけどどうやら上条当麻絡みらしいね」
「ふーん。あ、このケーキとっても美味しいんだよ! ステイルもきっと気に入ってくれるかも」
「あ、ああ、土御門だよ。今から僕らに用があるからこっちに来るらしい。内容は分からないけどどうやら上条当麻絡みらしいね」
「ふーん。あ、このケーキとっても美味しいんだよ! ステイルもきっと気に入ってくれるかも」
インデックスが料理を独り占めすることなく、他人にも勧めるようになったのはひとえにインデックスマイスター滝壺の功績に他ならない。
ステイルがインデックスの無邪気な笑顔に見惚れていると、豪放磊落を絵に描いたような店長が爆弾発言をする。
ステイルがインデックスの無邪気な笑顔に見惚れていると、豪放磊落を絵に描いたような店長が爆弾発言をする。
「おーおー、二人ともいい雰囲気じゃねーか! 最初は兄妹にしか見えんかったが今じゃ立派なカップルだぜ、お二人さん!」
「「カ、カップルじゃないっ!!!!!!!!」」
「(ほぉ、ステイルの坊主はともかくインデックスの嬢ちゃんも満更でもねぇようだな)がっはっはっ、照れるな照れるな。後は若い二人でゆっくりやんな」
「「カ、カップルじゃないっ!!!!!!!!」」
「(ほぉ、ステイルの坊主はともかくインデックスの嬢ちゃんも満更でもねぇようだな)がっはっはっ、照れるな照れるな。後は若い二人でゆっくりやんな」
インデックスの変化に本人とステイルは気が動転していて気付かなかったが、これでも大人な店長だけはバッチリ気付いていた。
店長が店の業務に戻った後、インデックスとステイルの間にはなんとも言えないむず痒く、やや甘い空気が流れた、土白が来るまで。
店長が店の業務に戻った後、インデックスとステイルの間にはなんとも言えないむず痒く、やや甘い空気が流れた、土白が来るまで。
その頃の上琴新居二号、あれから当麻宛のチョコがどんどん送られてきて対応に追われた青黒、佐天、絹旗、建宮。
黒子の『空間移動』、絹旗の『窒素装甲』が大活躍し、全てのチョコを上琴新居二号の中へと入れ終えた所だ。
黒子の『空間移動』、絹旗の『窒素装甲』が大活躍し、全てのチョコを上琴新居二号の中へと入れ終えた所だ。
「あ~~~~~ホンマしんどかったわぁ。何でボクらがこないなことせなアカンかったんやろ……」
「仕方ありませんわよ○○様。あのまま玄関や外にチョコを放置するわけにはまいりませんもの」
「それにしてもお兄ちゃんのフラグ体質は超恐ろしいですね。この家じゃなかったら超入り切らない量でしたから」
「でもさ、あたしは量よりもあのデッカイのが気になるよ。なんていうかさ、すっごい異彩を放ってる感じがして……」
「ああ、アレな。確かにアレはデカ過ぎる上に一際目立ってる感じがしてるのよ……」
「仕方ありませんわよ○○様。あのまま玄関や外にチョコを放置するわけにはまいりませんもの」
「それにしてもお兄ちゃんのフラグ体質は超恐ろしいですね。この家じゃなかったら超入り切らない量でしたから」
「でもさ、あたしは量よりもあのデッカイのが気になるよ。なんていうかさ、すっごい異彩を放ってる感じがして……」
「ああ、アレな。確かにアレはデカ過ぎる上に一際目立ってる感じがしてるのよ……」
五人がリビングでくつろいでる先に見えるもの、それは1mもの大きさの箱、つまりは五和のウエディングチョコケーキである。
中身を知らない五人、その中で特に気になってしょうがなかった絹旗が意を決してその中身を開けた、後で上琴に謝ろうと決意しながら。
中身を知らない五人、その中で特に気になってしょうがなかった絹旗が意を決してその中身を開けた、後で上琴に謝ろうと決意しながら。