とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part06

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子供


「御坂さーん、上条さーん」

ここは、美琴がゲームに負けたファミレス。
そこへ来た上条と美琴に声をかけたのは初春飾利。
佐天、白井と片方の椅子に座っている。
机を挟んで反対側の椅子に二人は座った。

「当麻を連れてこいだなんて、どうしたのよ?」

座って早々美琴が尋ねた。
金曜日だった昨日、佐天からのメールで
『上条さんといっしょにいつものファミレスに来てくれませんか?』
ときた。
上条に連絡を取ってみると『暇だしいいんじゃね?』と反応があったためやって来たのだった。
不幸の始まりとも知らずに…

「今から話しますから。上条さん、私佐天涙子です」
「初春飾利です」
「あの時白井と一緒にいた二人だな」
「「はい」」

とりあえずの自己紹介をした後に本題に入る。

「さて今日呼んだ理由ですが、初春?」
「えぇ、佐天さん」

初春と佐天はお互いに見た後、一息ついて

「「馴れ初めを教えてください!」」
「「はぁあああ!?」」

いきなりのことで上条も美琴も驚いて叫んでしまった。

「出会いはいつごろですか?」
「恋心を自覚したのは?」

そんなことはおかまいなしに初春佐天の柵川中コンビは質問攻めにする。

「二人とも落ち着きなさいな」


ひとまず落ち着き、尋問タイムが始まる。

「お二人の出会いはいつごろですか?」

早速、答えづらい質問が来た。
美琴は覚えているにしても、記憶喪失である上条は自販機前からしか知らない。
そのことを気遣い、美琴は大まかに話し始めた。

「初めて会ったのは夏休み前ね。私が不良に絡まれた時…」

と初めて出会った時の話をし始めた。

「なんか助けに来たのよね」
「でも、御坂さんなら大丈夫ですよね?」
「まあね。それで何かムカついたから電撃浴びせたんだけど…」

「上条さんだけ無事だったとか?」
「ご名答」

この話がまた、上条への興味を抱かせることになる。

「上条さんレベルいくつですか?」
「0だけど」
「「え?」」

上条の解答にキョトンとする初春と佐天。
レベル0なのにレベル5の電撃くらって無事なんてありえない。
そう考えた二人は質問の対象を上条に変える。

「どうしてレベル0の人が御坂さんの電撃を受けて無事なんですか?」
「それはな、俺の右手は幻想殺しといって、異能の力なら全て打ち消すんだよ」
「「幻想殺し?」」
「あぁ」

いまいち信用していなさそうな二人に証拠を見せようと

「美琴、少しだけビリっとしてくれないか?」
「私は別に構わないけど、いいの能力教えて」
「お前の友達だしな。信用できるだろ」

確かに、この二人なら信頼できると思った美琴は指の間に電気を通す。
電気を確認した上条は美琴の頭に手をのせた。

「うわ、本当だ」

始めてみる幻想殺しの効果に二人はただ驚いていた。
しかし一名ほど様子がおかしな人がいた。

「お姉さま、顔が赤いですわよ?」
「だって、当麻に触れられてると思うと///」

付き合い始めて日が浅いためか、美琴にはまだ耐性がついていなかった。
そしてもう一人も。

「そんなこと言うなよ、俺まで照れるじゃねえか///」

今まで平気でやってきたことでも、好きな美琴に言われたせいで意識してしまった。

「それでも、手は離さないんですね」
「「///」」
「二人ともうぶですね」

上条に触れられて真っ赤になっている美琴にとって、ふにゃけるのは時間の問題だった。

「ふにゃぁ」

ぽふっと力が抜けた美琴は上条によりかかった。
幸せそうな顔をして。


「ちょっとコーヒーでも取ってきますの」
「あれ、白井さんコーヒー飲むんですか?」
「桃色空間見せつけられて、苦いものでも飲まないとやっていられませんの」

白井の目の前には、上条と美琴が寄り添っていて甘い空気を醸し出している。
上条の右手はいつの間にか美琴の肩においてあった。

「それにしても、こんな御坂さん始めてみました」
「私たちといる時よりも幸せそうだね」
「「私も彼氏欲しい」」

見ている方も甘くなりそうな雰囲気を出している上琴に、羨ましそうに見つめる初春・佐天という構図ができあがっていた。
ちなみに白井は、取って来たコーヒーを無言で飲んでいる。

(うぅ、ブラックなのになんだか甘いですの)

桃色空間から帰還した上琴に、佐天から一つの提案が出された。

「ちょっとゲームしません?」
「ゲーム?」
「この前のジュースあてるやつです」

「あ、アレをするの?」
「?」

美琴が上条にキスをするきっかけとなったゲーム。
そのことを思い出し、若干顔を赤くする美琴に何の事だか分かっていない上条。

「どんなゲームなんだ?」
「ジュースを2種類混ぜてくるので、それを当てるんです。
 間違えたら罰ゲームですけどね」

うっ、と上条はつまった。
お馴染みの不幸のせいでゲームに勝つことはあまりないし、罰があるとなおさらだ。

「こんかいはペアでやりましょう」
「ち、因みに負けたペアはなにをするの?」

この前よりもなんだか張り切っている初春と佐天。
それに対し、不幸な予感しかしていない上琴。

そうですねえと佐天はメニューを広げて、

「これを飲んでもらいましょう」

と指を指した先には…

「「ラ、ラブラブドリンク…」」

こんなの恥ずかしすぎて飲めないと余計に赤くなってしまった。

「勝った方には何かあるのか?」
「そうですね、冷やかす権利がつくぐらいですかね」

悪魔で罰ゲームだけが目的であり、勝った方への特典はないようだ。

「仮にそっちが負けたら女の子同士で飲むことになるけど、いいのか?」
「「別にかまいませんけど?」」

この二人ってそういう仲なの?と一瞬思ってしまいそうだがそうではない。
二人は必ず勝てると確信している。
なぜなら、前回同様美琴は顔を赤くしてショートしそうだし、上条も似たような感じがしたからだ。

「分かった」
「ちょっと当麻、やるの?」
「ああ、この二人は平気なんだ。
 カップルである俺らが恥ずかしがってちゃダメだろ」

いや、そこは普通恥ずかしがるべきですの、と白井は思った。


結果、上琴は負けた。

「それじゃぁ注文しますね。すみませーん」

佐天は早速ラブラブドリンクを注文した。
運ばれてくるまでの間、上琴は顔を赤くしたまま無言で、初春と佐天はニヤニヤしていた。


「お待たせいたしました。こちらラブラブドリンクになります」

運ばれてきたドリンクは上琴の前に置かれた。
明らかに一人分ではない大きさに、ストローが二つ。
しかも、その二つのストローはハートの形を描いていた。

「さ、御坂さん上条さんどうぞ」
「「うぅ///」」

恥ずかしさで、なかなか二人ともストローを咥えようとしない。
しかし、ゲームにのったのは自分だと上条は決心し、ストローに顔を近づけた。

「御坂さんも早く!」

美琴はやはり恥ずかしさのせいで決心がつかず俯いている。
その時初春に名案が浮かんだ。

「佐天さん」ゴニョゴニョ

それを聞いた佐天は早速実行した。

「じゃぁ私が相手しようかなぁ」
「さ、佐天さん!?」

佐天の言葉に美琴は焦りだした。

「佐天さん、ずるいです!私が相手します!」
「ちょ…」
「私!」
「私です!」

初春と佐天が上条の相手をめぐって言い争いを始める。

「だ、ダメ!当麻は私の彼氏なんだから、私がやるの!」

美琴の言葉を聞いた二人はニヤリとする。

「それでは改めて、どうぞ」

言い争いなどなかったかのようにしている二人に美琴はやられたと思った。
でも、言った以上やるしかない。
ようやく美琴は決心してストローを咥えた。
上琴は恥ずかしさで視線をそらしつつも、ジュースを飲みだした。

「ダメですよ。ちゃんと見つめ合わないと」

ちょっと不幸かもと思いつつ、二人は見つめ合った。
しかし、それがいけなかった。

(何なんですかこの可愛い生き物は!?)

顔を赤くし瞳を潤ませながらじーっと見つめてくる美琴のせいで上条が少しおかしくなったのだ。


ジュースを飲み終えて、ストローから離れた途端、上条が美琴を抱きしめた。

「ちょ、ちょっと当麻」

いきなりの上条の行動に驚く美琴。

「お前が可愛すぎるのがいけないんだぞ」
「か、可愛いって///」

これまたいきなりすぎる上条の可愛い発言に美琴は恥ずかしながらも嬉しくなった。

「当麻も、かっこいいよ」
「美琴」

互いの距離がどんどんなくなっていき…
先ほどよりも甘い桃色空間は発生させている上琴の反対側では…

「ね、ねえ初春」
「なんですか佐天さん」
「見てるこっちが恥ずかしくならない?」
「同感です」

自分たちがやっているわけでもないのに、顔を赤くして俯いていた。
それに対し、一人だけほぼ無言でコーヒーを飲んでいた白井。
内心では、

(る、類人猿めぇえええええ!)

と、上琴がファミレスに着いた時から実は思っていた。
しかし、桃色空間発生中の上琴に声をかけてきた人物がいた。

「二人とも、いつからそんな関係になってたの?」

聞き覚えのある声にビクッとした二人は恐る恐る声の発生源を見ると、

「やっほー」

美琴の母親である御坂美鈴がいた。
それに、もう一人。

「あらあら、当麻さんは中学生が好みだったんですか」

上条当麻の母、詩菜も立っていた。

「「か、母さん!?」」
「美琴ちゃんに当麻君、いつからなのか教えてくれない?」

ここから、美鈴&詩菜による質問攻め(尋問)が始まった。
因みに、白井、初春、佐天は隣のあいているテーブルに移動した。

「2週間ぐらい前」
「ふ~ん、つまり2週間でバカップルになったんだ」
「「バカップルじゃない!!」」
「こんな人がいるところでキスしてたのに?」
「「うっ」」

「当麻さん、人前でのキスはオススメしませんよ?」
「だってな、その…」
「何ですか?」
「美琴以外見えなかったというか…」

「うわぁ」
「あらあら」


「告白したのはどっちから?」
「一応俺からです」
「何て言ったの?」
「ストレートに好きだって」

「美琴ちゃんは何て返事したの?」
「い、言うの?」
「ここまで来たらねえ」
「その、思わず抱きついちゃって…」

「あらあら、言葉じゃなくて行動で返事をしたのですか」
「美琴ちゃんやるぅ~」


「じゃぁ、どこまでやったの?」
「「ぶっっっ!!」」
「親が聞くことじゃないでしょ!!」
「その反応はもうやっちゃった?」
「「やってない!!」」
「そこまで本気にならなくてもいいのにぃ」


と、母親二人による攻撃に上琴はタジタジだった。

「これぐらい聞けばいいかなぁ」
「あらあら、詩菜さん的にはこれで満足ですか?」
「詩菜さんは何かあります?」
「えぇ、一つだけ」

今までのからかう表情から一変、上条詩菜の表情が真剣になった。

「当麻さん、これからどうするんですか?」
「どうするって?」
「まさかある程度付き合ってぽいなんてしませんよね?」
「するわけないだろ」

詩菜の言葉に、言っていいことと悪いことがあるだろと上条は思った。
しかし、詩菜にとっては真剣そのもの。
この子は上条刀夜の息子でフラグ体質を引き継いでいる。
いつ他の子が言いよってくるかわからない。
自分のような心配を美琴にしてほしくなかった。

「他に魅力的な女の子が言いよってきても?」
「美琴より魅力的な女はいない」
「ほぉ」
「えっ///」

「ずっと美琴さんといると?」
「あぁ。一生美琴を守り続ける」
「そうですか。なら大丈夫なようですね」

息子の言葉に満足した詩菜はふと周りを見た。
すると、3名ほど顔を赤くしていた。

「か、上条さん、それって」
「ぷ、プロポーズですよね?」

上条のセリフをプロポーズと認識した初春と佐天。
そしてそのプロポーズをされた美琴。

「ぷ、プロポーズ!?」
「///」
「そんなつもりは…」
「やっぱり美琴ちゃんは捨てられるんだぁ」

自分の発言をプロポーズと言われ、焦りだした上条を美鈴がからかう。
しかし、その美鈴の言葉に反応したのは美琴であった。

「当麻、私捨てられちゃうの?」
「美琴まで!?」

泣きそうな表情で上条を見つめる美琴をギュッと抱きしめ、

「今はまだ早いだけで、捨てるなんてことは絶対にしないから安心しろ」
「うん」
「俺はお前も、お前の周りも一生かけて守る」
「うん」
「美琴が嫌だって言ってもな」
「そんなこと言うわけないじゃない…バカ」ギュッ

「初春、やっぱりこれプロポーズだよね?」
「ですよね、私も言われてみたいです」

一気にレベルが上がった天然バカップルに、それを見守る母親二人。
羨ましそうに上琴を見つめる柵川中コンビに、お姉さまオーラと戦っているツインテール。

「やっぱり、刀夜さんとの子供ですね」


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