温泉旅行プロローグ
「ところで、なんでこんなとこに居るのよ?」
美琴は目の前にいる母親-美鈴-に聞いた。
外部の人間は簡単には入れない学園都市に親がいるのは不自然である。
外部の人間は簡単には入れない学園都市に親がいるのは不自然である。
「大学のレポートの資料が欲しくてね」
「まったく、来るなら連絡ぐらいくれれば迎えにいったのに」
「いやぁ、当麻君とのラブラブな時間を邪魔しちゃ悪いと思ったから」
「本当は?」
「驚かせようと思って」
「やっぱりね」
「まったく、来るなら連絡ぐらいくれれば迎えにいったのに」
「いやぁ、当麻君とのラブラブな時間を邪魔しちゃ悪いと思ったから」
「本当は?」
「驚かせようと思って」
「やっぱりね」
美鈴の解答を聞いて、美琴は呆れる。
この母親は面白いことが好きだが、それで弄ばれるのはいつも自分なのだ。
今回も実際に驚ろかされたが。
この母親は面白いことが好きだが、それで弄ばれるのはいつも自分なのだ。
今回も実際に驚ろかされたが。
「でも、驚いたのはこっちよ?美琴ちゃんが当麻君と付き合ってるだなんて」
「私も驚きましたよ?当麻さん何も教えてくれませんでしたし」
「「いやいや、普通言わないから」」
「あらあら、息もぴったりですね」
「「うっ」」
「私も驚きましたよ?当麻さん何も教えてくれませんでしたし」
「「いやいや、普通言わないから」」
「あらあら、息もぴったりですね」
「「うっ」」
詩菜も美鈴とよくいるためか、からかうのが楽しみになってきたらしい。
「ところで、なんで母さんまでいるんだ?」
「美鈴さんに誘われたんですよ」
「え?そんな簡単に通るもの!?」
「同時に申請したら通っちゃった。えへっ」
「いい年してえへっとか言うな」
「美鈴さんに誘われたんですよ」
「え?そんな簡単に通るもの!?」
「同時に申請したら通っちゃった。えへっ」
「いい年してえへっとか言うな」
上条・御坂親子が盛り上がっていると突然当麻の携帯に電話がかかってきた。
誰だよと思い携帯を見てみると画面には土御門と表示してある。
誰だよと思い携帯を見てみると画面には土御門と表示してある。
「もしもし」
『カミやん、温泉行こうぜい』
「温泉?」
『そうだにゃー。カミやんが心配なお金はいらないぜよ』
「また何か巻き込むつもりじゃないよな?」
『安心していいぜよ。日ごろの疲れを取るためだからにゃー』
「いまいち信用できないけど、メンバーは?」
『俺、舞夏、青ピ、姫神、吹寄、小萌先生だぜい』
「なら大丈夫だな。行くよ」
『カミやん、温泉行こうぜい』
「温泉?」
『そうだにゃー。カミやんが心配なお金はいらないぜよ』
「また何か巻き込むつもりじゃないよな?」
『安心していいぜよ。日ごろの疲れを取るためだからにゃー』
「いまいち信用できないけど、メンバーは?」
『俺、舞夏、青ピ、姫神、吹寄、小萌先生だぜい』
「なら大丈夫だな。行くよ」
そのとき、当麻の袖が引っ張られた。
横を見ると美琴が見つめている。
横を見ると美琴が見つめている。
1.抱きしめる
2.キスする
3.お持ち帰…
2.キスする
3.お持ち帰…
頭の中に浮かんだ発想を首を振って消した当麻は、美琴が何を言いたいのか考える。
「美琴も行きたいのか?」
コクコクと美琴は頷く。
美琴の意思を確認した当麻は土御門に尋ねることにした。
美琴の意思を確認した当麻は土御門に尋ねることにした。
「なあ、俺以外も追加していいか?」
『何人でもいいぜよ』
「太っ腹だな」
『何人でもいいぜよ』
「太っ腹だな」
当麻はちょっと待ってくれと言った後、
「温泉いくやついるか?」
「温泉ですか?」
「ああ。何人でもいいと言ってるし、せっかく知り合いになったんだからどうだ?」
「行きます(の)!」
「温泉ですか?」
「ああ。何人でもいいと言ってるし、せっかく知り合いになったんだからどうだ?」
「行きます(の)!」
佐天と白井が早速のってきた。
「ちょっと佐天さん」
「初春も行こうよ、せっかくの機会なんだしさ」
「でも」
「遠慮すんなって」
「初春も行こうよ、せっかくの機会なんだしさ」
「でも」
「遠慮すんなって」
遠慮がちな初春に当麻が声をかける。
そして美琴も初春を誘う。
そして美琴も初春を誘う。
「もともと当麻の友達もいるようだし、気にする必要はないわよ?」
「分かりました。行きます」
「分かりました。行きます」
初春も了承した。
ここのメンバー全員が行くことになり、それを土御門に告げる当麻だが、
ここのメンバー全員が行くことになり、それを土御門に告げる当麻だが、
「すまん、俺以外に5人追加で」
『随分多いな、まあいいけどにゃー』
「わりい」
『それで、手続きがいるからメンバー教えてくれ』
「手続き?」
『あぁ、温泉の場所は外ぜよ』
「何か巻き込まれそうな気がする」
『その時は俺も一緒だぜい。だから何処所属の誰か教えて欲しいにゃー』
「分かった。俺、インデックス」
『他には?』
「常盤台中学の御坂美琴に白井黒子」
「は?」
『随分多いな、まあいいけどにゃー』
「わりい」
『それで、手続きがいるからメンバー教えてくれ』
「手続き?」
『あぁ、温泉の場所は外ぜよ』
「何か巻き込まれそうな気がする」
『その時は俺も一緒だぜい。だから何処所属の誰か教えて欲しいにゃー』
「分かった。俺、インデックス」
『他には?』
「常盤台中学の御坂美琴に白井黒子」
「は?」
メンバーを教えることで土御門を怒らせることになる。
「で、ええと初春さんと佐天さんはどこの中学なんだ?」
「柵川中学です」
「柵川中学の初春飾利に佐天涙子がメンバーだ」
『何で女子中学生ばっかりなんだにゃー!!』
「柵川中学です」
「柵川中学の初春飾利に佐天涙子がメンバーだ」
『何で女子中学生ばっかりなんだにゃー!!』
周囲にいた全員に聞こえるほど土御門が叫んだ。
「な、なんだ?」
よく分かっていない当麻に対し、女性陣は思った。
まあ、そうなるよねと。
まあ、そうなるよねと。
『カミやん、むかつくぜい』
「何でだ?」
『覚えてろ』
「何でだ?」
『覚えてろ』
ブチッっと電話が一方的に切られた。
「なに怒ってんだあいつ?」
翌日学校で当麻がクラスメイトにボコボコにされるのはまた別の話。
☆
そして、温泉旅行当日。
美琴と黒子は寮監にいってきますと告げ、寮を出た。
ある程度寮から離れると、二人は急にはしゃぎだす。
美琴と黒子は寮監にいってきますと告げ、寮を出た。
ある程度寮から離れると、二人は急にはしゃぎだす。
「これで寮監の目を気にしなくて済みますの」
黒子にとって今回の旅行は鬼の居ぬ間になんとやらである。
仮に夜中にはしゃいでも首を変な方向に曲げられることもない。
無駄に広いプール掃除なんかをさせられるわけでもない。
仮に夜中にはしゃいでも首を変な方向に曲げられることもない。
無駄に広いプール掃除なんかをさせられるわけでもない。
「今宵はお姉さまと、ぐへへへ」
変な妄想にトリップしている黒子に対し、美琴は初めての当麻との旅行でテンションが上がっていた。
しかし、黒子の状態をみて若干下がっていた。
しかし、黒子の状態をみて若干下がっていた。
「黒子、変なことしようとしたら旅行終わるまで気絶させるからね」
「な、何をおっしゃっていますの?」
「まあいいわ。私は当麻と行くからあとでね」
「な、何をおっしゃっていますの?」
「まあいいわ。私は当麻と行くからあとでね」
しらを切る黒子に呆れつつ、美琴は当麻の寮へと向かう。
黒子は初春、佐天との合流場所へ向かった。
黒子は初春、佐天との合流場所へ向かった。
当麻のアパートに着いた美琴はインターホンを押す。
すると、中から現れたのはインデックスだった。
すると、中から現れたのはインデックスだった。
「おはようインデックス。準備はできた?」
「できたんだよ。そろそろ当麻も出てくるかも」
「できたんだよ。そろそろ当麻も出てくるかも」
告白以降、仲良くなっていた二人は雑談しながら当麻が出てくるのを待つ。
シェリーが攻めてきた時の仲の悪さが嘘のように。
シェリーが攻めてきた時の仲の悪さが嘘のように。
「時間を守るようにきつく言わないとダメかしらね」
「まったく、とうまは時間にルーズかも」
「まったく、とうまは時間にルーズかも」
一度説教するべきかなと美琴が考えていると、
「準備できたぞ」
と声が聞こえ、二人分の荷物を持った当麻が家を出てきた。
「準備は早めにしておきなさいよね」
「わりぃ、インデックスが準備手伝わねえから」
「ちょっととうま、人のせいにしないでほしいかも」
「そういうことはやってから言え!」
「わりぃ、インデックスが準備手伝わねえから」
「ちょっととうま、人のせいにしないでほしいかも」
「そういうことはやってから言え!」
当麻は前日から準備をしてはいたが、二人分を一人でこなしていたために遅くなってしまった。
インターホンが鳴り、インデックスが美琴と話している間も確認をしていたのだ。
インターホンが鳴り、インデックスが美琴と話している間も確認をしていたのだ。
「え、アンタ準備してないの?」
「したもん、1時間前には着替えたんだよ」
「洋服をバックに入れた?」
「それは、してないかも…」
「下着ぐらい、入れたわよね?」
「それも、してないかも…」
「したもん、1時間前には着替えたんだよ」
「洋服をバックに入れた?」
「それは、してないかも…」
「下着ぐらい、入れたわよね?」
「それも、してないかも…」
一般的な旅行の準備をやっていないシスターに美琴は呆れた。
そして美琴は思う。
子供ができたらきちんとしつけなきゃと。
そして美琴は思う。
子供ができたらきちんとしつけなきゃと。
「それじゃあ待ち合わせ時刻にも遅れるわね」
「分かってくれたか?」
「ええ、相変わらずねえ」
「分かってくれたか?」
「ええ、相変わらずねえ」
一人で何もかもやった当麻に同情する美琴。
インデックスは少々逃げるようにエレベーターへと急ぐ。
インデックスは少々逃げるようにエレベーターへと急ぐ。
「当麻も苦労してるわね」
「おかげさまでな」
「おかげさまでな」
インデックスの自由奔放ぶりに、二人は苦笑いした。
「それより当麻、ん…」
「ん…」
「ん…大好きよ当麻」
「俺もだ、美琴」
「ん…」
「ん…大好きよ当麻」
「俺もだ、美琴」
ここ最近日課になってしまった朝の挨拶をする二人。
しかし、そんな甘い時間は長くは続かないわけで。
しかし、そんな甘い時間は長くは続かないわけで。
「ちょっと二人とも!人前でいちゃつかないでほしいかも!」
エレベーター前で待っているインデックスに邪魔をされてしまう。
もう少し時間くれてもいいじゃないと美琴は思いつつも、これを言うとまた怒られそうなのでやめた。
もう少し時間くれてもいいじゃないと美琴は思いつつも、これを言うとまた怒られそうなのでやめた。
「もうさっさと行くよ!」
朝から目の前でいちゃつくバカップルに多少イラついたインデックスは二人を促してエレベーターに乗った。
「分かったから一人で行こうとするな」
「荷物持ってないんだから少しは待ちなさいよ」
「荷物持ってないんだから少しは待ちなさいよ」
慌てて乗って来た二人を加え、エレベーターは下に移動する。
☆
場面は変わりここは上条が通う高校の校門前。
一番最初に来ていた土御門兄妹が他のみんなを待っていた。
一番最初に来ていた土御門兄妹が他のみんなを待っていた。
「みんな来るの遅いにゃー」
「兄貴ー、ちょっとぐらい我慢するんだなー」
「まあ舞夏といられるならそれでいいけどにゃー」
「兄貴ー、ちょっとぐらい我慢するんだなー」
「まあ舞夏といられるならそれでいいけどにゃー」
土御門兄がシスコンぶりを炸裂していると、白井、初春、佐天の三人がやってきた。
「ごきげんよう、本日は…って土御門!」
「おー白井」
「どうしてこんなところにいるんですの?」
「幹事の妹だからなー」
「はい!?」
「おー白井」
「どうしてこんなところにいるんですの?」
「幹事の妹だからなー」
「はい!?」
上条の友人の妹が舞夏というのは、少々意外だったようだ。
それに対し、あまり知らない初春、佐天はリアルメイドに興味津津である。
それに対し、あまり知らない初春、佐天はリアルメイドに興味津津である。
「盛夏祭の時にいた人ですよね?」
「そうだぞー」
「繚乱家政女学校には休みがないって聞いたんですけど、本当ですか?」
「メイドに休みなんて存在しないのだよー」
「ならなぜここに?」
「いきなり休みを与えられたんだー。兄貴がなにかやったんだろうけどなー」
「そうだぞー」
「繚乱家政女学校には休みがないって聞いたんですけど、本当ですか?」
「メイドに休みなんて存在しないのだよー」
「ならなぜここに?」
「いきなり休みを与えられたんだー。兄貴がなにかやったんだろうけどなー」
と、柵川中コンビによる土御門舞夏への質問タイムが始まると、今度は青髪、吹寄、姫神が到着する。
「おはよう。土御門君」
「おはようさん」
「土御門、そこの子達に何かやってないでしょうね」
「やるわけないにゃー」
「そんなすぐに。疑わなくても」
「おはようさん」
「土御門、そこの子達に何かやってないでしょうね」
「やるわけないにゃー」
「そんなすぐに。疑わなくても」
来て早々、疑いをかける吹寄にそれをなだめる姫神。
一番危険なのは青髪ピアスなのだが。
その証拠に…
一番危険なのは青髪ピアスなのだが。
その証拠に…
「そこのお二人さん、どこの子達なん?」
早速、舞夏を質問攻めにしている初春と佐天をナンパしだした。
しかし、それに制裁を加える者が二人。
しかし、それに制裁を加える者が二人。
「貴様、早速ナンパするな!」
「青髪君。おしおき」
「青髪君。おしおき」
吹寄が思いっきり右ストレートを放ち、青髪を吹き飛ばす。
その後、姫神の魔法のステッキで青髪はマヒ状態となる。
その後、姫神の魔法のステッキで青髪はマヒ状態となる。
「ふん、残りのメンバーが来るまで気絶してなさい」
「相変わらず吹寄は怖いにゃー」
「何か言ったか、土御門」
「な、なんでもないぜい」
「相変わらず吹寄は怖いにゃー」
「何か言ったか、土御門」
「な、なんでもないぜい」
吹寄の恐ろしさを再確認した土御門元春。
姫神も恐ろしく感じたのは気のせいだ。
土御門達には当たり前の光景も他の人には驚くものである。
姫神も恐ろしく感じたのは気のせいだ。
土御門達には当たり前の光景も他の人には驚くものである。
「あの、だ、大丈夫なんですかあの人…」
「大丈夫。心配ない」
「大丈夫。心配ない」
いや、大丈夫じゃないでしょと初春と佐天は思ったが、口には出さなかった。
そんなこんなで10分ほど待っていると、インデックスを先頭に当麻と美琴がやってきた。
あの上条当麻が、常盤台の女の子と仲良く…
もちろん、そんなことをスルーできるやつらは揃っていない。
あの上条当麻が、常盤台の女の子と仲良く…
もちろん、そんなことをスルーできるやつらは揃っていない。
「上条当麻、なぜ常盤台の子と仲良く歩いている?」
「また。フラグ立てたの?」
「よく見たらその子、あの時カミやんに抱き付いた子やん!?」
「フラグばっかり立てやがって、ムカつくにゃー」
「また。フラグ立てたの?」
「よく見たらその子、あの時カミやんに抱き付いた子やん!?」
「フラグばっかり立てやがって、ムカつくにゃー」
当麻のクラスメイトは一気に騒ぎ立てる。
それに対し、美琴の知り合いは大人しいものだった。
それに対し、美琴の知り合いは大人しいものだった。
「「いいなあ」」
「お待ちしておりましたわよお姉さま」
「お待ちしておりましたわよお姉さま」
これが真実を知っている者と知らない者との差である。
そして、舞夏が元春達にとって聞き捨てならない言葉を口にする。
そして、舞夏が元春達にとって聞き捨てならない言葉を口にする。
「おー御坂ー、相変わらずラブラブだなー」
「舞夏、それはどういうことぜよ?」
「舞夏、それはどういうことぜよ?」
「それは、上条ちゃんと御坂さんがカップルってことなのですよー」
「「「小萌先生」」」
「おはようございますみなさん」
「「「小萌先生」」」
「おはようございますみなさん」
ちょうどいいタイミングで月詠小萌がやって来た。
これで全員揃ったのだが、すぐに出発とはいかない。
これで全員揃ったのだが、すぐに出発とはいかない。
「カミやんがフラグを回収しただと?」
「そんなの嘘やー」
「上条君は。その人と付き合ってるの?」
「そんなの嘘やー」
「上条君は。その人と付き合ってるの?」
なんか3人の目が怖い―
そう感じた当麻は逃げたくなったが、余計に面倒なことになりそうだったため
そう感じた当麻は逃げたくなったが、余計に面倒なことになりそうだったため
「フラグの意味が分かんねえが、俺はこいつと付き合ってる」
と正直に話した。
「「そんな…」」
このフラグ魔に彼女ができたことは土御門・青髪ペアには怒りよりショックが大きいらしい。
しかし、そんなことを認めたくない者が一人。
しかし、そんなことを認めたくない者が一人。
「上条君は。御坂さんのことが。好き?」
「な、何だよ姫神」
「いいから。答えて」
「な、何だよ姫神」
「いいから。答えて」
よくわからないが、姫神の目が真剣だったため当麻も真剣に答える。
「ああ、好きだ」
「そう」
「そう」
その一言で姫神の涙腺が崩壊しそうになるが、当麻の前でそんなところを見せるわけにはいかない。
また、美琴はこの人もフラグ立てられているのだと気付いた。
涙をこらえながら姫神は美琴に近づくと―
また、美琴はこの人もフラグ立てられているのだと気付いた。
涙をこらえながら姫神は美琴に近づくと―
「上条君を弄んだら。私が許さないから」
一言だけ、告げた。
その言葉に美琴は―
その言葉に美琴は―
「そんなことしません。絶対に」
姫神に誓うように言った。
その言葉を聞いた姫神は美琴に背を向け、
その言葉を聞いた姫神は美琴に背を向け、
「早く。出発しよう」
「「姫神さん(ちゃん)…」」
「「姫神さん(ちゃん)…」」
姫神が当麻に想いを寄せていることを知っている吹寄と小萌は何とも言えなくなるが―
「早くしないと。楽しむ時間がなくなる」
涙を我慢している姫神の思いを察した二人は、
「そうですね、早く行って思う存分楽しみましょう」
「さっさと乗るわよ」
「さっさと乗るわよ」
と、皆を促した。