とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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だれでも歓迎! 編集

小ネタ 超電磁砲五巻特装版裏表紙にて



※特装版を買ってみてからのほうがいいかもしれません
 まぁ、買って絵を見れば状況は一発で分かります。
 その後の妄想ネタです。

きしっとソファーのバネが軋む音がする。
それは勿論それなりの重さをもった物体がソファーの上で動いたからで
今軋んだソファーにも当然物体が乗っている。
それには一組のカップルが仲睦まじく腰掛けていた。

「はい、あーん」

一人は中学生の少女。

「お、おい……いいって、やめろよ」

もう一人は高校生の少年。
一見ただの若干歳の差のある恋人に見えるが
その実、一人は学園都市の誇るレベル5、超電磁砲の異名を持つ御坂美琴であり
相手の少年はその学園都市の落ちこぼれ、レベル0の上条当麻だ。
歳の差どころか彼らのことを知るものが見れば釣合いが取れないどころのカップルではない。

「なによ~当麻、この前手作りのクッキー食べたいって言ってたじゃない」

「いや、確かに食べたいとは言いましたが、食べさせてもらうのはちょっと……」

だがそんな事は恋人同士の二人には関係は無い。
そして今状況を説明している私にはけしからん、いいぞもっとやれである。
……ちなみに、二人の状況は上条の太ももにあたりに美琴が背がのり、寝そべったまま
クッキーをアーンしている。いいぞ、もっとやれ。

「……せっかく作ったんだからたべてよ」

少し目を潤ませて上目遣いで上条を見つめる。
それを見た上条は誘惑に負けるかと目をぎゅっと瞑り美琴から顔を逸らし
右手で「駄目です」と美琴の手を静止させる。

「俺は自分の手で食べるから、寝ててもいいからアーンは勘弁してください」

「なによ……」

うっ、と本格的に涙を流し始める美琴。
その声を聞いて上条は慌てる。

「……ちょ!!?美琴!?待て待て!泣くな!」

「ひく……喜んでくれると思ったのに……うぇ」

「わ!わかった!食べる食べるあーんもしてやるからそんな顔で頼むな!」

それを言った途端美琴の表情がぱぁっと明るくなる。

「じゃ!食べて!」

どうやらはめられたらしい。
後悔しても遅く、はい、アーンと満面のまぶしく、上条の弱点であり
大好きな美琴の笑顔で迫られる。

「……あー、む」

甘いクッキーの味が口に広がり、上条は満たされる。
先ほどまでの恥ずかしさは消えてしまい、もっと美琴の喜んだ顔がみたくなる。

「どう?おいしい?」

不安げに聞く美琴。
そこで先ほどはめられた上条は仕返しを思いついた。

「……自分で食べてみろよ」

「え?でも……当麻のために作ったから当麻に食べてもらいたいな……」

「……じゃ、食べさせてやるよ」

ひょいっと皿に乗ったクッキーを取り上げて、今度は美琴の口に入れようとする。

「あぅ!ま、待って!」

「俺だって恥ずかしかったんだぞ?お前も恥ずかしさを味わいなさい」

「うぅ……」

今度は美琴が目を瞑り、上条の手が口に移動するのを待つ。
だが、いっこうにクッキーの甘い味は美琴の舌を刺激しない。

「……?」

うっすらと目を明けると上条がクッキーを口に入れる瞬間だった。

「あ!だ、騙したのね!」

「へへーん、騙される方が悪いんですのことよ~」

一口で食べ終わらずに半分残した状態でクッキーをひらひらと美琴の顔の前で振り
ニヤニヤと笑いながらそのままもう半分も口に入れた。

「あ!ぜ、全部食べさせたかったのに!」

あーんで全てのクッキーを食べさせたかった美琴はその行動に怒り心頭する。
そして抗議を続けようとした

「当麻のば――――――んむっ!」

美琴の口はふさがった。
上条の唇でしっかりと、隙間無く。

「ん……ふ……ぁぅ……」

口の中に唾液以外のものが流しこまれる感覚がする。
上条の食べていたクッキーだとすぐに分かり、口移しされたのだと理解した。

「ん……は……どうだ?うまいか?」

行為が恥ずかしかったのか顔を真っ赤にしながらいじわるな笑顔を美琴に向ける。
上条の精一杯の仕返しだった。

「――――――ずるい……当麻の馬鹿」

美琴はその仕返しに上条の首の後ろに腕を回し顔を寄せ
もう一度、今度は自分から上条の唇を奪った。


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