とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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小ネタ 自転車に二人乗り



(何やかんや事件に巻き込まれて自転車に二人乗りすることになった二人)

上条「ん?どうした、乗らねぇのか?」
美琴「え?う、うん。乗るんだけどさ………」
   (どうしよう、普通なら後ろに立ち乗りするところだけど………でもこれは公然とあいつに引っ付くチャンス
    なんじゃ?………って、私はこの非常事態になに馬鹿みたいなしょうもないこと考えてんのよおおおおお)
 頭を抱えて悶絶する美琴。
上条(御坂がまた変だ。いつもの病気か?こういう時はそっとしておくに限るけど………)
  「み、御坂センセー?あの、時間が無いのでそう言うのは後に………」
美琴「だー!もう、わかってるわよ、乗るわよ、乗れば良いんでしょ!」
    と言いつつちゃっかり後ろに横座りする。
上条「?………えーっと、飛ばすからしっかり掴まってろよ?」
美琴「う、うん」
 上条の背中に抱きつこうとするが、いざしようとすると抱き付くという行為を意識してしまう。
 いつも気軽に触れていたり叩いたり殴ったりしていたはずなのに、どういうことか今は鼓動が
どんどん速くなるばかりで、体が金縛りのように動かない。
上条「ん、美琴?」
美琴「ぁ、ひゃい!」
 突然名前を呼ばれて動揺したが、金縛りが解けた勢いで思い切って上条の背を掴んだ。
上条(ひゃい?)
上条「てか、あの、御坂?」
美琴「………な、何よ」
上条「それは……何してんだ?」
 本人的には思い切って差し出したはずの手、の指先は上条のシャツをちょこんとつまんでいるだけだった。
上条(もしかして、俺に触りたくないのか?)
 と後ろ向きな想像をして泣きたくなる上条。
美琴「なな、何よ、あんたまさか、私があんたを抱き、抱きしめ…………だからその、ふ…」
上条「いや、掴むのはサドルでも……ってぎゃあああああああああああ」
 切なげに言いかけたところで美琴がふにゃーとか良いながら放電。
 体勢的に右手が間に合わず、やや食らって上条の体が痙攣する。
上条「お、お前・・・・・・これで何度目だふざけんなコラッってちょっとまだ出てるぅぅ!!落ち着け落ち着け
    落ち着いて下さいぃぃ」
上条「お、お前・・・・・・これで何度目だふざけんなコラッってちょっとまだ出てるぅぅ!!落ち着け落ち着け
   落ち着いて下さいぃぃ」


 美琴の肩に右手を置きつつどうにか美琴をなだめると、何故か目がグルグル回って訳が分からなくなって
いたのが徐々に回復していく。
美琴「…………わ、悪かったわね」
上条「いや、わざとじゃねぇんだろ?だったら別に良い……………って全然良くねぇ!!目的地に着くまでに
    俺が死ぬ」
 上条はややためらってから、美琴の右手を右手で取ると、ハンドルを握らせ、その上を右手で掴んだ。
 同時に座る位置を少し前にする。それでも美琴の体が引っ張られる形になるため体は自然と密着した。
上条「こ、こうするしかないな。少しくらい我慢しろよ」
 怒られるかとも思ったが、これ以外に良い方法も見つからない。
 スピードが出て落ち着いてきたら頃合いをみて離せばいいかも、と考えた。
美琴「う、うん」
 美琴はとっさのことにそれだけしか言えなかった。
 頭がおかしくなりそうになりながらも、何とか左腕も上条の腰を抱く。
上条(あれ、素直?……………って御坂、何か当たってる!)
上条「み、御坂?」
美琴「ふぁい」
上条「………ま、まぁいいや。それじゃ、行くとしますか」
 上条はやや緊張した声でそう言い、ペダルを強く踏んだ。

 美琴はまだ不安だった。
 さっきの返事が思い切り上擦ったことを変に思われなかっただろうか。とか、未だに速く大きくなる鼓動に
気付かれはしないだろうか。なんてことばかりが頭の中を駆け巡る。
 しかし、そんな滅茶苦茶な意識にも関わらず、漏電は起こっていない。
 右手がまだ上条の右手に握られたままであることに緊張しつつも、少しだけ安堵する。
 自転車はどんどん加速して、風が頬を撫でた。
 試しに大きく静かに息を吸ってみると、風の匂いと共に上条の匂いが鼻腔をくすぐり、更に緊張が解れて
逆にフニャフニャに弛緩しそうになる。
美琴(やば………私今変な顔になってるんじゃ?)
 そう思って顔を隠すように上条の背中に埋めると、余計に顔がにやけるような気がした。
 あとどのくらいこうしていられるのだろうか。
 ずっとこのままなら良いのにと、心の中で静かに呟いた。


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