とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part07-2

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-⑦閉幕から開幕へ-


時間を少し戻し午後2時頃
白井が急にいなくなり取り残された上条と美琴は10分くらい立ち尽くしていたが白井が戻りそうにないという事で
縁田と約束したいつもの公園に向かうことにした

「なあ、美琴…俺は…」
白井がいなくなってから上条は一言も喋らなかったのだが不意に口を開いた
歩くのも上条が遅れていたため美琴が後ろの上条に振り向く形になる
「俺は…お前の周りの世界を歪めたと思っていた…でも、それは白井に言われて違うことに気付かされた…
 それでもこのまま付き合い続けることでいつかは本当に壊してしまうかもしれない……
 こんな俺で本当にいいのか? こんな俺で…」
白井は上条にしっかり美琴を支えてもらいたくて放った言葉だが上条にはそうは伝わっていなかった
上条は「アナタが御坂美琴と付き合っている限り御坂美琴の世界を崩す可能性がある」と言われたように感じた
その所為か今は戦時中にフィアンマにインデックスに記憶喪失がばれると言われた時と同じ感覚が上条を襲っている
あの時は一方通行との戦いで冷静になれたし結論も出た、でもこればかりは自分で決められない…
そして、他人にも決められたくないという堂々巡りの思考……それでも絞り出して言葉に出せたのがここまで

美琴は上条が言いたいことはわかる、上条が約束した『御坂美琴と彼女の世界を守る』というのは実際に自分も立ち
会っていたから知っている…それでもその約束が今では上条の中で大きくなって上条自身を苦しめている
「ねえ、当麻…その約束はそんなに大事? 私より大事なこと?」
そう美琴は上条に聞いた

私より大事なこと? 約束は『御坂美琴と彼女の周りの世界を守る』だ、つまり美琴と美琴の世界を守る約束だ
その約束と美琴を比べる…同じじゃないのか? そこまで考えた上条は先程白井に言われたことを思い出した
『私はそんな誓いや約束よりも行動で示されたほうがお姉様も喜ぶと思いますの』
そこで上条はやっと気付いた……自分が約束に縛られて本当に大事な事を見失っていたことに
「悪い、美琴…約束よりも大切なものを見失ってた…」
上条はそう言うと顔を上げ、美琴をしっかりと見る
「俺は美琴の方が大事で大切だ、約束は守らないといけない…でも美琴が悲しむならそんな約束は守れない
それに約束とか誓いとか幻想めいたことを守る力は俺にはないんだよな…だから俺は行動で示すことにする」
そう美琴に告げた上条は美琴に近寄り抱き寄せ
「美琴、俺はお前を守りお前の周りの世界も守ってみせる…だけど確実な約束も出来ないし誓いも出来ない…
 だがこの覚悟と想いだけは受け取ってくれ、俺は…上条当麻は御坂美琴を愛してる」
そう言って上条は美琴を強く抱きしめ唇を重ねた…
重ねていたのは一瞬だったかもしれないが、それでも美琴には十分に上条の想いが伝わった
「うん、受け取ったよ…当麻の覚悟」
それだけ言って美琴は上条を抱き返す

そうして二人は公園に向けて歩き出した

しばらく歩いてふと美琴が
「ねえ、当麻…さっきのあれってさ…」
と上条になにかハッキリして欲しいのか顔を赤くして見つめてくる、ウルウルした上目遣いで可愛いことこの上ない
「……………」
上条は美琴が言いたい事を理解しているつもりだ…
言った後に気づいたのだが、先程言った言葉は思い返せばプロポーズの様だったのだ
「「………」」
無言になってしまう二人、そのまま歩いていたが耐えられなくなった上条は打開するように
「な、なあ美琴…えっと、さっきのあれなんだが…」
と先延ばしにしようとした…のだが、それがわかったのか見つめていた美琴が涙目になってきたのを見て
これって今結論ださねえといけねえよな…
上条はそう思い気づかれないように一つ小さい溜息をつき、ポケットに手を入れる
「プロポーズだよ一応な…俺でも言った後に気付いたもんだから正式って訳じゃないけど」
上条はポケットから小さな包みを取り出し、包みを開け中身を取り出した
取り出したのは小さな可愛らしいリングにチェーンを通したネックレス
実は美琴に似合いそうだったのでコッソリ午前中の露天で買っていたものだった
「こんな安もんしか今は形としてあげられねえが…本物はまた今度、ちゃんとしたプロポーズの時な」
そう言って上条は美琴の首にネックレスをかける
「ヒック……グスッ……スン………」
しかし、ネックレスをかけ終え美琴を見ると…美琴は泣いていた
「え、えぇ! み、美琴さん…なんで泣いてるんでしょうか…もしかして仮とかネックレスはダメでしたか…」
と泣いている美琴を見て慌てる上条は自分がいけなかったのかと思い始めるが
「ち、ちがうわよ…えっと、その…うれしいの…例え仮だとしても…ね、ありがと…当麻」
美琴はそう言って上条の頬にキスをし
「えへへ、当麻大好き」
と言って上条の腕に抱きつくのであった

二人は公園に着くまでしばらくこの幸せを味わうのであった

□ □ □

午後2時50分 柵川中学校にて
6校時目が始まって半刻が過ぎた頃に佐天にメールが届いた
ん?授業中に誰だろ、初春は前で授業聞いてるし…音楽サイトかな?
と差出人を見てみるとそこには白井の名前が
あれ?どうしたんだろ白井さん授業中に…あ、そういえば今日は常盤台って入学式だっけ
佐天は急用でもあるのかと思いメールを開く

差出:白井さん
件名:ちょっと伺いたいことが…
本文:佐天さんはお姉様に妹さんがいらっしゃるのを知ってらっしゃるみたいですのね…
   後ほど説明を承りたいのですがよろしいですか?
   あーそれと、初春も今日は非番のはずなので是非ともお連れになって欲しいですの
   それでは、待ち合わせはいつものファミレスで…4時に

とそこで文面は終っているわけだが…
白井さんは御坂さんの妹さんがいることを知らないはずだよね…危ないから教えない方が良いって事になったし
でも…私が知っていることを知ってる? って事は妹さんか打ち止めちゃんが捕まった?
と最悪な方の予感をたてたのだがそこで少し冷静になって考える佐天
あれ? でもそうなると知っていたのに隠していた私達ってもしかして死亡フラグなんじゃ・・・
そういう結論に至った佐天は「終った…」と授業を放り出し放心状態になるのであった

放課後
「あれ? 佐天さんどうしたんですか、放心状態なんて珍しいですね…ってひゃぁっ!」
あれからずっと放心状態だった佐天に話しかけた初春だが突然現実に戻ってきた佐天にスカートをめくられ叫んだ

「いやーこれで初春のパンツを見るのも最後だと思うと…もう1回いい?」
「よくありません!! それに、最後ってどういう意味ですかっ!」
そう言って顔を赤くし叫ぶ初春に白井から送られて来たメールを見せる
「………………えっと、なんで白井さんが知ってるんですか?」
先程まで叫び、顔が赤かった初春だが…メールを読んだ途端に顔色が青くなる

「知らないよ、私だって聞きたいもん…で、初春…行くしか…ないよね」
「……そうですね、佐天さん」
と二人共に肩を落とし無事に今日は帰れるんだろうかと大きく溜息をつくのであった

□ □ □

午後3時10分 いつもの公園
「悪い、遅れちまった縁田」
そう言って現れたのは美琴と手を繋いだ上条
「ま、遅れた理由は後で読ませていただければお許ししますかね…というかよく私だとわかりましたね」
縁田は二人を見て笑い、今の自分の姿でよく気付いたと思った
「それは簡単だろ、この場所にその格好は目立ち過ぎだぞ」
と上条はあきれている
確かにこの公園でドレスを着ている女性がいるなら目立つし、奇妙だろう
「朝に色々ありましてね…」
ああ、なるほど…彼女か、と上条と美琴は納得した

「まあ、それは置いときまして御坂さん能力は戻りましたか?」
縁田は本題に入った
「ええ、まあね」パチッ
そう肯定した美琴だが上条は「え、戻ってたのかよ」と驚いていたがさらに驚くことになる
「で、縁田さんは私に本気でぶつかられても文句は言わないのよね?」
「ええ、木曜に伝えたとおりに…」
縁田は覚悟を決めていた、本来なら美琴には顔向けも出来ない酷い事をしたのだ
能力を使えなくし、人からも認識されなくなる…絶望とも言っていいほどの体験をさせてしまったのだ
「それじゃ、いかせてもらうわ」
そう言うと美琴は縁田に走り出し、上条は「ちょっと、待て美琴!」と止めに入るが遅い

美琴は縁田の前に立ち手を振り上げ、縁田は目を閉じ次に来る衝撃に備えた

…が衝撃は期待外れもいいとこでデコにポンとチョップをされただけだった
「えっ……」
縁田は唖然とした表情で美琴を見る
「不思議そうな顔するのもわかるけど、私達は縁田さんのおかげで結ばれた様なものなんだから
 感謝はすれども恨んだりするのは勘違いもいいとこだと思うわけ…だよね? 当麻」
美琴が言い終ったと同時にもう一度ベシッと今度は頭にチョップされた
二度目のチョップをしたのは知らぬ間にこちらに来ていた上条
「まったく、色々迷惑だったが感謝してることには変わりはねえしな」
そう言って笑顔を向けられる

「な…なんでですか、私は上条さんと御坂さんには多大な迷惑、いや嫌がらせに近いことを…」
と未だに理解しがたいという顔をする縁田
「だから、お前のしたことは間違いだったかもしれない…でも、俺達は幸せになったんだ
 結果を見れば俺達にしっかり恩を返したことになってるんじゃないか?」
そこまで言われたが、納得しない縁田
「そこは出来たことによかったと思っています、でも今はそれ以前の罰を受けると言っているんです」
「罰も何も俺達は友達だろ、そんな小さな事にこだわってんじゃねえよ、それにもう恩返しもいい…
 助け合うのが普通の友達だろ? だったら遠慮しないで頼れ、俺も困ったら頼るからさ」
友達…上条さんは色々迷惑をかけたりした私をそれでも友達と呼んでくれるのか
そう思った時には涙が流れていた、今までの人たちは完璧にこなさなければ何かしら罰を与えてきた
その反動もあるのかすぐには涙が止まらない
「あれ…おかしいな、嬉しいはずなのに涙が…でも上条さん、本当に私が友達でもいいんですか?」
泣きながらも嬉しそうにそう聞いてくる縁田、彼には心を許せる友達は理解者で彼女の少女しかいなかったのだろう
「ああ、むしろ人のためにここまでしてくれた奴を他人呼ばわりするほど上条さんは人でなしではないんですよ」
そう上条は半分ふざけながらもそう言って縁田と肩を組む
縁田は涙目ながらもかなり喜んでいた

こうして縁田に心を許せる友達が増えるのであった


縁田の涙が止まった頃
「そうそう、上条さん先程の言葉に一つツッコミを入れさせてください、上条さんの心を読む限りでは…
 『俺も困ったら頼るからさ』の部分はどうも信用できないのですが…」
と縁田が申し訳なさそうに言うと
「確かに、当麻は一人で何でも解決しようとするわね」
そう言って美琴も縁田に同意する
「……そう言われれば反論できません」
上条は自分の味方がいないことに若干泣きそうになる
「それともう一つ」
そう言うと共に縁田が陽炎のように揺らいでいく
「プロポーズという私が期待していた以上の結果をもたらしてくれてありがとうございます、明日また学校で」
と言い終わると同時に縁田は消えてしまった、多分彼女に何かしら合図を送って消してもらったのだろう
「あの野郎…読みやがったな…」
上条と美琴は赤くなりながらも今はこの場から消えた縁田に今度会ったら一発殴ってやると思うのだった

それから二人は鉄橋に向かって歩き出し、着く頃には真赤な夕焼けが照らしていた

「ここって私達にとって思い出深いところよね」
美琴は橋から沈んでいく夕日を眺めて言う
「って言っても当麻は記憶がないんだったわね…」
上条を振り返り笑う美琴だが上条は気付いていた、笑顔は笑顔でも少し寂しげな笑顔に
「悪いな、美琴…一人だけ忘れちまって、寂しいよな…二人しか知らない記憶なのに……」
と、上条は頭を掻いて寂しそうな美琴の笑顔に本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになったが

「ううん、当麻は悪くないよ…それに昔の思い出も大切だけど、これから作っていく思い出の方が大切かなって
 まあ寂しくないって言ったら嘘になっちゃうけどさ、今は当麻がずっと一緒にいてくれるから…ね?」
美琴がそう言ってくれただけで上条は、どんなことがあっても美琴の笑顔は守っていきたいな…と思うのだった

「ありがとう、美琴…まあ、何はともあれ無事に終りましたな…」
「そうね、また当麻には助けられちゃったわ」
上条は美琴にニッと笑い、美琴は上条に微笑む
「いや、俺の方こそ今回怪我はなかったけど精神的なところで美琴には助けられてばっかりだったよ
それと…明日からまた一人暮らしか…少し寂しくなるな」
と上条は天を仰ぐ、夕日は沈んで空には月が浮んでいる
「少しだけなの?」
上条の呟きに美琴は少しムッとする
「あ、いや…その…」
と、かなり困った顔をする上条を見て美琴は笑う
「プッ、アハハハ…わかってるわよ、私も寂しいから………」
そう美琴が言った時には上条は美琴を抱きしめていた

「もう少しこうしてていいか?」
「……うん」
月が二人を見守る中、二人は長い…長いキスをするのであった

□ □ □

時刻は午後11時30分 上条の部屋
美琴の道具をクローゼットの中にしまっている上条はさて、どうしたものかと考える
「やっぱり下着も畳まないといけないのか…いや、袋に入ってるしこのまま放り込んどくって方法も……」
と本気でどうするか悩む上条

上条はあの後、名残惜しいが美琴を常盤台の寮まで送っていった
そこまでで午後8時くらいになっていたのだが寮までの帰りに小萌先生、黄泉川先生、鉄装先生に捕まり
夕飯をご馳走になった訳だが…散々な目にあった

………午後8時20分頃……………

ハア…部屋に帰っても今日から美琴はいないんだよな
と、溜息しつつ上条は少し寂しく歩いていたのだが…ふと聞き覚えのある声が上条を呼んだ
「あれ? 上条ちゃんこんな時間に一人歩いてるって事はもう事件は終ったんですか?」
「小萌先生…あ、はい今回は怪我もなく無事に終ったんで明日から学校に出ます」
何故か小萌先生が上条の後ろに立っており普通に会話が成立してしまった
「こもえせんせーい、はやくくるじゃーん」
「ちょ、黄泉川先生飲み過ぎですよ」
よく見ると上条の近くに屋台があり、そこには上条の高校の体育教師黄泉川と眼鏡の自身なさそうな女の人がいた
「で、小萌先生は飲み会ですか?」
向こうで飲んだくれてる人達を見て上条が聞いたと同時にぐぅ~と上条の腹が鳴った
「上条ちゃん、もしかして夕飯はまだなのですか? だったら先生がご馳走してあげるのです~、さあさあ」
半ば強引にご飯をご馳走になる上条だったのだが……

「小萌先生…ここってなんの屋台なんですか?」
そう聞く理由は目の前に並べられたメニューに問題がある、普通に砂肝とかの焼き鳥はいいとして……
見た事もない料理や豚の顔を焼いた様な物まで出ている…
「気にしない、気にしないですよ上条ちゃん」
そう言って小萌先生はグビグビとお酒を飲んでいる、すでに体育教師の黄泉川はべろんべろんになって眼鏡の女性に
運び出されて帰ってしまった
「そうですか……それにしてもご馳走になっちゃってホントにいいんですか?」
と、すでに食べてしまってる身で言えた事ではないのだが一応聞いてみる
「ま、困っている生徒には手を差し伸べるのが先生のお仕事なのですよ」
そう言ってさらにグビグビと飲む小萌先生を見て上条はどこにそんだけのお酒が入るんでしょうかと思うのだが
「あ、上条ちゃんは明日から補習が放課後にあるので忘れないで残っていてくださいね」
と言う言葉でそういえばすっかり忘れてたな…と思う上条であった
「わかりましたよ、わかりましたとも…いつものことなんで大丈夫ですよ……」
「いつものことだと先生は困ってしまうんですけどねー」
そう言って小萌先生は空になったビンを横に置く

それからしばらくご馳走になり、腹も満たされた上条は小萌先生を家まで送り帰路に着くのであった

……………………

そして先程帰って来た上条はまず風呂に入り一息休憩を入れた
その後、部屋に美琴の服や生活用品が放置されていたので少し片付けを行っていたのだ……で
「美琴のこれどうしようか…」と上条は先ほど美琴の下着をどうするか悩んでいたわけだが
結局袋に入れたままクローゼットに放り込んでおくことにする、まあ後で怒られるかもしれないが見て怒られるより
はましであろうと上条は判断した

「さてと…風呂にも入ったし、片付けも終った………寝るか」
そう言って電気を消し、ベッドに潜り込んだ
「そういえば、こうしてゆっくり寝るのも一週間ぶりくらいか…」
そう呟いて上条は天井を見て目を閉じる、がすぐに目を開けてしまう…それをしばらく続けているうちに
「……」
上条は確信した、ホントにどうしようもないくらい美琴がいないと寂しいと思ってしまう自分がいることに
「しゃあねえ、自分に踏ん切りつける為に……っと」
上条は暗がりからあるものを手元に持ってきてしばらくいじった後に眠りに着いた

□ □ □

午後11時40分 常盤台の寮
「お姉さまぁ~ん、黒子は、黒子はぁ~」
と隣のベッドにはすでに眠り、妙に甘ったるい声で寝言を言う白井がいる
「どんな夢を見ているか激しく気になるわね…」
それをやさしく見守る美琴
「あーあ、とうとう共同生活も終っちゃったか…当麻とは彼女にもなれたし幸せなのは幸せなんだけど…寂しいな」
そう言って今自分のそばにいない上条を想う美琴
ケロケロッ、ケロケロッ
そんな時に美琴の携帯が鳴り出した
「だれよ、こんな遅くに……って当麻からメールだ!」
後半ちょっと大きな声を出してしまったことで白井を見るがまったく起きる気配がないことに安堵する
「ふぅ……で、なによ…こんな遅くに」
とメールを開いた

差出:当麻
件名:遅くに悪い
本文:あー、寝てたらごめんな、美琴
   実は…恥かしながら上条さんは寂しくて寝れそうにないです
   それで少し踏ん切りつける為に迷惑かもしれないけどメールさせてもらったんだ

おやすみ、美琴…また明日

「………………」
なんとも今までの上条には見られないメールの内容だった
「なんだ、当麻も寝れないのか」
自分だけじゃなかったことに少しほっとし、メールを返す

「まったく、でも…おかげで私も寝れるかも」
そう言って美琴はあくびをしてベッドに潜った

……………………

差出:美琴
件名:Re.遅くに悪い
本文:起きてたから心配することないわよ
   それに、私だって寂しくて寝れないんだから……
   メールありがと、当麻…おやすみ、また明日ね


縁田汰鶴という少年を助けた上条当麻
その恩返しという珍事件に巻き込まれ、上条にめでたく相思相愛の御坂美琴という彼女が出来た
縁田は無事恩返しを終えることができた……物語でいう閉幕である

しかし、上条当麻と御坂美琴の二人の物語はここから始まるのである…つまり、開幕である



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