-⑫後日談 みんなでプールへ行ってみようか プール編-
「当麻は飲まないの?」
「あ、いや……来る最中に飲んできたからな」
ふーん、と美琴に上条はじと目で見つめられる。
「「「それじゃいただきまーす」」」
御坂妹と佐天に初春は声を揃えて飲み物を取っていく。
「………」
白井は無言で取り……
{上条さん、今のうちにお姉様を連れて他の所に移動してくださいな}
と、こっそり耳打ちするのであった。
一瞬訝しげな顔をした上条ではあったが
{わかった、気を使ってもらって悪いな白井}
{私はお姉様に喜んでいただける提案をしただけですので、謝られる筋合いはありませんのよ}
そう、さらっと言ってのけるあたりが白井らしい。
{ま、それでもありがとな}
上条は白井にニッっと笑うと、美琴の方へ行って話し始めた。
「なあ美琴ちょっとあっち行ってみないか?」
「ん? ちょっと今飲んでるんだけど?」
「まあ、歩きながらでもさ」
「うーん、しょうがないわね……」
渋々といった感じに美琴は上条について行った。
しかし、渋々といった感じではあるが、嬉しそうにしているのは上条からのお誘いだからであろう。
「あ、いや……来る最中に飲んできたからな」
ふーん、と美琴に上条はじと目で見つめられる。
「「「それじゃいただきまーす」」」
御坂妹と佐天に初春は声を揃えて飲み物を取っていく。
「………」
白井は無言で取り……
{上条さん、今のうちにお姉様を連れて他の所に移動してくださいな}
と、こっそり耳打ちするのであった。
一瞬訝しげな顔をした上条ではあったが
{わかった、気を使ってもらって悪いな白井}
{私はお姉様に喜んでいただける提案をしただけですので、謝られる筋合いはありませんのよ}
そう、さらっと言ってのけるあたりが白井らしい。
{ま、それでもありがとな}
上条は白井にニッっと笑うと、美琴の方へ行って話し始めた。
「なあ美琴ちょっとあっち行ってみないか?」
「ん? ちょっと今飲んでるんだけど?」
「まあ、歩きながらでもさ」
「うーん、しょうがないわね……」
渋々といった感じに美琴は上条について行った。
しかし、渋々といった感じではあるが、嬉しそうにしているのは上条からのお誘いだからであろう。
「御坂さん、行っちゃいましたね」
「そうですね、佐天さん」
「まあ、お姉さまはお姉さまで楽しむのでいいのではないですか? とミサカは率直な感想を述べます」
「それではこちらはこちらで楽しみませんこと?」
そうですねー、と意見もまとまったところで白井には迎えが来た。
「白井さん、一緒に回らない?」
「また、貴女ですの……」
結標が白井に話しかけてきた。
「いいじゃない、別に減るものでもないし」
それに、私が話せるような知り合いって白井さんと御坂さんしかいないし、と結標は続けた。
「それじゃ仕方ないですよ白井さん」
初春が割って入る。
「それに結標さんのお話も聞きたいです」
「あら、可愛いこと言ってくれる子もいるじゃない」
騙されてはいけない、去年のあの事件の際に白井をサポートをしていたのはこの少女なのだから。
それから5人でプールを回るのであった。
「そうですね、佐天さん」
「まあ、お姉さまはお姉さまで楽しむのでいいのではないですか? とミサカは率直な感想を述べます」
「それではこちらはこちらで楽しみませんこと?」
そうですねー、と意見もまとまったところで白井には迎えが来た。
「白井さん、一緒に回らない?」
「また、貴女ですの……」
結標が白井に話しかけてきた。
「いいじゃない、別に減るものでもないし」
それに、私が話せるような知り合いって白井さんと御坂さんしかいないし、と結標は続けた。
「それじゃ仕方ないですよ白井さん」
初春が割って入る。
「それに結標さんのお話も聞きたいです」
「あら、可愛いこと言ってくれる子もいるじゃない」
騙されてはいけない、去年のあの事件の際に白井をサポートをしていたのはこの少女なのだから。
それから5人でプールを回るのであった。
□ □ □
「それで……当麻はどこに行きたいの?」
手を後ろで組み、振り返って聞いてくる美琴
「あ、ああ……あれだ」
もちろん、白井に言われて連れ出した為……行きたい場所が明確にあるわけでもなく、適当に指を指した。
「………………」
美琴は固まった。
それを確認して上条は、恐る恐る指先を見る。
「……カップル限定スライダー」
………これって、ポカったのか?
ギュッ、そう思っていたら美琴に抱きつかれた。
「当麻は、ちゃんと私のことも考えてくれてたのよね」
すまん、美琴……白井の差し金だ。そして、激しく奇跡的な幸運。
「まあ、うん……それなりに考えて」
「ありがと」
美琴は抱きつきながらも、小さく微笑みそう言ってきた。
手を後ろで組み、振り返って聞いてくる美琴
「あ、ああ……あれだ」
もちろん、白井に言われて連れ出した為……行きたい場所が明確にあるわけでもなく、適当に指を指した。
「………………」
美琴は固まった。
それを確認して上条は、恐る恐る指先を見る。
「……カップル限定スライダー」
………これって、ポカったのか?
ギュッ、そう思っていたら美琴に抱きつかれた。
「当麻は、ちゃんと私のことも考えてくれてたのよね」
すまん、美琴……白井の差し金だ。そして、激しく奇跡的な幸運。
「まあ、うん……それなりに考えて」
「ありがと」
美琴は抱きつきながらも、小さく微笑みそう言ってきた。
…………………
「本当にこれで行くんですか?」
上条は思わず係員の女性スタッフに聞いていた。
「そうですよ? このカップル限定スライダーは、彼氏が彼女を後ろから抱きついた格好で滑るんですよ」
笑顔でそう返され、目の前に視線を戻すと美琴の頭。
「当麻……これって知ってたの?」
「い、いや…カップル限定って書いてたから、美琴喜ぶかなーって思ってただけでした」
嘘じゃない、というよりも嘘ですが知ってたら誘いません……普通の所に行ってます。
「ま、一応信じてあげるわ……当麻こういう所に来たがらないから」
そうですよ、というか行ったら理性が持ちません。
「それじゃ、行きますよー」
係員がスイッチを押す。
ブファッ、という勢いで水が放射されて上条と美琴は押し流された。
「ちょっ、これ勢いがスゴ過ぎませんかっ!」
「きゃー」
上条はあまりの勢いに驚きの叫びを、美琴は楽しそうに叫びを上げる。
そして……ドパンっ!!!!
勢いよく着水。
「プハッ、ハァハァ……美琴大丈夫か?」
上条は掴んでいた手を引いた。
スルッ……そんな感じで、美琴のトップの水着は美琴を置いて上条の手に引き上げられた。
「へ?」
上条は気付いた。自分のしでかした瀕死級の過ち……いくらベタ惚れの美琴でも許してくれない事。
「か、返しなさいっ」
そう言って首までプールに浸かり、頬を赤らめて目を吊り上げる愛しの彼女。
「ごめん……」
そう言って上条は水着を水の中で渡し、美琴に背を向けて隠すように立ち、周りに目を配る。
これはそう、ボディーガードの様に……
「振り返っていいわよ……」
「美琴、本当にゴメンな」
上条は泣きそうな顔で謝る。
「泣きそうなのはこっちよ、もう……これでお嫁にいけなくなったら当麻の所に行くしかないんだからね」
ぷんぷんと怒る美琴だが、本当に可愛らしい事を言う。すこし苛めたくもなる。
「え? お嫁に?」
「なによ………私はいけないとでも?」
ふくれっ面に涙を溜め始める美琴。
「しかもいけなくなったらって……」
「そうよ、一応これでも女の子なのよ…お嫁さんになるのだって夢なんだからっ! って私はなに言ってるのよ……」
必死に言う美琴、涙も限界まで溜まってきてる。
「というか………俺、簡易的にでもお前にプロポーズしてるし、お前は受けたし、ある意味もう夫婦だろ?」
ついに涙のダムが決壊。
「ちょ、何も泣く事ないだろ」
「う、嬉しくて泣いてるんだもん……スン、なら今日泊まっていい?」キラキラ
変わり身の早い姫様です。
「ダメだ、寮監さんも今日来てるんだから羽目外しすぎるのもいけないだろ?」
そう諭すのだが……
「うぅ、妻なのに一緒に暮らせないなんてぇぇ」クスン
嘘泣きとは分かってても……正直に断れなくなってくる上条。
「ハァ……しょうがねえ、わかったよ……次の休日の前の日からならいい」
まあ、この発言が後に寮監VS上条の形を作る事になるのだが今はまだ誰も知らない。
上条は思わず係員の女性スタッフに聞いていた。
「そうですよ? このカップル限定スライダーは、彼氏が彼女を後ろから抱きついた格好で滑るんですよ」
笑顔でそう返され、目の前に視線を戻すと美琴の頭。
「当麻……これって知ってたの?」
「い、いや…カップル限定って書いてたから、美琴喜ぶかなーって思ってただけでした」
嘘じゃない、というよりも嘘ですが知ってたら誘いません……普通の所に行ってます。
「ま、一応信じてあげるわ……当麻こういう所に来たがらないから」
そうですよ、というか行ったら理性が持ちません。
「それじゃ、行きますよー」
係員がスイッチを押す。
ブファッ、という勢いで水が放射されて上条と美琴は押し流された。
「ちょっ、これ勢いがスゴ過ぎませんかっ!」
「きゃー」
上条はあまりの勢いに驚きの叫びを、美琴は楽しそうに叫びを上げる。
そして……ドパンっ!!!!
勢いよく着水。
「プハッ、ハァハァ……美琴大丈夫か?」
上条は掴んでいた手を引いた。
スルッ……そんな感じで、美琴のトップの水着は美琴を置いて上条の手に引き上げられた。
「へ?」
上条は気付いた。自分のしでかした瀕死級の過ち……いくらベタ惚れの美琴でも許してくれない事。
「か、返しなさいっ」
そう言って首までプールに浸かり、頬を赤らめて目を吊り上げる愛しの彼女。
「ごめん……」
そう言って上条は水着を水の中で渡し、美琴に背を向けて隠すように立ち、周りに目を配る。
これはそう、ボディーガードの様に……
「振り返っていいわよ……」
「美琴、本当にゴメンな」
上条は泣きそうな顔で謝る。
「泣きそうなのはこっちよ、もう……これでお嫁にいけなくなったら当麻の所に行くしかないんだからね」
ぷんぷんと怒る美琴だが、本当に可愛らしい事を言う。すこし苛めたくもなる。
「え? お嫁に?」
「なによ………私はいけないとでも?」
ふくれっ面に涙を溜め始める美琴。
「しかもいけなくなったらって……」
「そうよ、一応これでも女の子なのよ…お嫁さんになるのだって夢なんだからっ! って私はなに言ってるのよ……」
必死に言う美琴、涙も限界まで溜まってきてる。
「というか………俺、簡易的にでもお前にプロポーズしてるし、お前は受けたし、ある意味もう夫婦だろ?」
ついに涙のダムが決壊。
「ちょ、何も泣く事ないだろ」
「う、嬉しくて泣いてるんだもん……スン、なら今日泊まっていい?」キラキラ
変わり身の早い姫様です。
「ダメだ、寮監さんも今日来てるんだから羽目外しすぎるのもいけないだろ?」
そう諭すのだが……
「うぅ、妻なのに一緒に暮らせないなんてぇぇ」クスン
嘘泣きとは分かってても……正直に断れなくなってくる上条。
「ハァ……しょうがねえ、わかったよ……次の休日の前の日からならいい」
まあ、この発言が後に寮監VS上条の形を作る事になるのだが今はまだ誰も知らない。
そして、その二人を見ていたのは寮監含む大人三人。
「いやー、しっかり青春してるじゃん」
「黄泉川先生、青春って言うかプロポーズの時点で青春でもない気がするんですが?」
「小萌先生もそんな堅っ苦しい子と言わないで、しっかりと応援してやるじゃん」
「うぅ~」
どうにも論点をずらされ、太刀打ちできない小萌先生。
「ふっ、少年……そこまで行っていたとは初耳だ…あとでじっくりと話をする必要が出来たな、ふふっふふふふ」
寮監も、自分より先に結婚前提の付き合いをしている二人に黒い物を煮立てている。
「いやー、しっかり青春してるじゃん」
「黄泉川先生、青春って言うかプロポーズの時点で青春でもない気がするんですが?」
「小萌先生もそんな堅っ苦しい子と言わないで、しっかりと応援してやるじゃん」
「うぅ~」
どうにも論点をずらされ、太刀打ちできない小萌先生。
「ふっ、少年……そこまで行っていたとは初耳だ…あとでじっくりと話をする必要が出来たな、ふふっふふふふ」
寮監も、自分より先に結婚前提の付き合いをしている二人に黒い物を煮立てている。
□ □ □
「それで、なんでこのメンバーが集まるのにゃ?」
土御門の目の前には、不貞腐れた様な一方通行とちょっと苦笑いの佐天、ニヤニヤと笑みを作る結標。
……どうやら二人楽しみな所を冷やかしに来た結標、そこに俺が来てしまった図かにゃ?
「佐天さん、白井とか他のメンバーはどこに行ったぜよ?」
「あ、白井さんと妹さんは初春とパフェ食べに……で、打ち止めちゃんは今私達二人で探してたんです」
「私はこの二人を冷やかしに」
そんなの聞かなくても分かってるにゃー
「とにかく行くぜェ……それじゃァな」
一方通行は佐天の手を引き、この場から逃げようとする。
「おや、天下の学園都市第一位様は好きな子にそれも告げず、逃げるんだ……とんだヘタレね」
結標は黒い笑みを作って言い放つ。
「「「…………」」」
唖然・苦笑い・赤面の三人。
結標、少し強引過ぎだぜよ、と言うかそんな事言ったら……とばっちりは俺かにゃー
「へ、ヘタレだァ? 悪いがなァ、俺はこいつを死ぬ気で守るってちゃんと伝えてるんだぜェ……そんな疑惑は」
「ふーん、ちゃんとそう言う所はしっかりと言ってあげてるんだ……偉い偉い」
ギリギリギリッ、歯を噛み締める音ってここまで聞こえてくるもんなのか…よく覚えておくぜい……
「このォショタコン女がァ!!!!!!!」
「ストップ……それ以上、近づく・攻撃を加えようとする・暴言を吐く様な事をするなら水着飛ばすわよ?」
アンタと土御門、佐天さんの三人分まとめてね、そう言って一方通行を牽制する結標。
「なんの話し?ってミサカはミサカは手に持ったアイスを舐めながら聞いてみる」
そこに現れたのは打ち止め、それによってこの対峙は終る……かに見えた。
「あら、アイスのお味はどうかしら?」
「うん、とってもおいしいよ、ってミサカはミサカは情報料を美味しく頂いてることを伝えてみる」
………どうやら、今回の原因はこの少女らしい
「クソガキィ、なにアイス1つでこの女に個人情報教えてんだァ?」
「ん? アイス1つじゃないよ、パフェにプリンにえとえと~その他たくさん、ってミサカはミサカは両手を広げて…」
ざわっ、と背筋に嫌なものを感じて一方通行に視線を戻す。
ああ、わかってた……追い詰められたアイツは手がつけられないと、それじゃ……一足先に俺は逃げるにゃー!!
土御門の目の前には、不貞腐れた様な一方通行とちょっと苦笑いの佐天、ニヤニヤと笑みを作る結標。
……どうやら二人楽しみな所を冷やかしに来た結標、そこに俺が来てしまった図かにゃ?
「佐天さん、白井とか他のメンバーはどこに行ったぜよ?」
「あ、白井さんと妹さんは初春とパフェ食べに……で、打ち止めちゃんは今私達二人で探してたんです」
「私はこの二人を冷やかしに」
そんなの聞かなくても分かってるにゃー
「とにかく行くぜェ……それじゃァな」
一方通行は佐天の手を引き、この場から逃げようとする。
「おや、天下の学園都市第一位様は好きな子にそれも告げず、逃げるんだ……とんだヘタレね」
結標は黒い笑みを作って言い放つ。
「「「…………」」」
唖然・苦笑い・赤面の三人。
結標、少し強引過ぎだぜよ、と言うかそんな事言ったら……とばっちりは俺かにゃー
「へ、ヘタレだァ? 悪いがなァ、俺はこいつを死ぬ気で守るってちゃんと伝えてるんだぜェ……そんな疑惑は」
「ふーん、ちゃんとそう言う所はしっかりと言ってあげてるんだ……偉い偉い」
ギリギリギリッ、歯を噛み締める音ってここまで聞こえてくるもんなのか…よく覚えておくぜい……
「このォショタコン女がァ!!!!!!!」
「ストップ……それ以上、近づく・攻撃を加えようとする・暴言を吐く様な事をするなら水着飛ばすわよ?」
アンタと土御門、佐天さんの三人分まとめてね、そう言って一方通行を牽制する結標。
「なんの話し?ってミサカはミサカは手に持ったアイスを舐めながら聞いてみる」
そこに現れたのは打ち止め、それによってこの対峙は終る……かに見えた。
「あら、アイスのお味はどうかしら?」
「うん、とってもおいしいよ、ってミサカはミサカは情報料を美味しく頂いてることを伝えてみる」
………どうやら、今回の原因はこの少女らしい
「クソガキィ、なにアイス1つでこの女に個人情報教えてんだァ?」
「ん? アイス1つじゃないよ、パフェにプリンにえとえと~その他たくさん、ってミサカはミサカは両手を広げて…」
ざわっ、と背筋に嫌なものを感じて一方通行に視線を戻す。
ああ、わかってた……追い詰められたアイツは手がつけられないと、それじゃ……一足先に俺は逃げるにゃー!!
その場を走って逃げた土御門、途中で結標に盾にされるまで後、数分。
倒れた所を佐天に介抱され、さらに八つ当たりを喰らうまで後、数十分。
その後、倒れて放置されたいた土御門を義妹が回収するまで後、1時間位。
倒れた所を佐天に介抱され、さらに八つ当たりを喰らうまで後、数十分。
その後、倒れて放置されたいた土御門を義妹が回収するまで後、1時間位。
□ □ □
「今日は楽しかったー、ってミサカはミサカは大はしゃぎっ……ふわぁ、でも眠いって言って見たり」
大きなあくびをして、佐天に抱きついてウトウトしている打ち止め。
「ほーら、よしよし」
その打ち止めの頭を撫でている佐天は、まるで本当のお姉さんの様だ。
後部座席でスペースも十分ある為、一方通行はその佐天の隣だ。
「なァ、ほんとに俺なんかが隣にいていいのかァ?」
一方通行は窓から外を眺めつつ、小さな声で聞いた。
「なんでですか?」
「いや、俺といると危険だからなァ」
「それでも、私が一緒にいたいんです……それじゃダメですか?」
微笑みながらそう言われ、何も言えなくなる一方通行。
大きなあくびをして、佐天に抱きついてウトウトしている打ち止め。
「ほーら、よしよし」
その打ち止めの頭を撫でている佐天は、まるで本当のお姉さんの様だ。
後部座席でスペースも十分ある為、一方通行はその佐天の隣だ。
「なァ、ほんとに俺なんかが隣にいていいのかァ?」
一方通行は窓から外を眺めつつ、小さな声で聞いた。
「なんでですか?」
「いや、俺といると危険だからなァ」
「それでも、私が一緒にいたいんです……それじゃダメですか?」
微笑みながらそう言われ、何も言えなくなる一方通行。
「それにしても、あなたも親友取られてすこし寂しいんじゃない?」
「そ、そんなことないですっ!」
結標に言われ、少し慌てる初春。
「まあ、すこし会う時間は減っちゃいましたけど……それでも、佐天さんは佐天さんです」
残念そうに、そして嬉しそうに告げる。
「ふーん、じゃあ暇ならあの子連れてくれば私が色々連れて行ってあげるわ」
あの子、と言って結標は御坂妹を指し、初春にそう言った。
「いいんですか? ま、自分で言うのもなんだけど知り合いって言ったら腐れ縁の一方通行に、土御門と変態一名
あとは、白井さんに御坂さんの二人…ああ、お世話になってるあの先生ってこれだけだからね、寂しい人生よ」
そう言って疲れたように笑う結標に、初春は何か秘め事があるのを感じるが触れないでおいた。
「わかりました、あ……言っておきますけど、妹さんと私、佐天さんはもう友達ですよ?」
「ふふっ、それはありがたいわね」
今度は嬉しそうな笑顔だ。
「それじゃ今度、皆で色々回りましょう」
「ええ」
とても楽しい時間だ。
「そ、そんなことないですっ!」
結標に言われ、少し慌てる初春。
「まあ、すこし会う時間は減っちゃいましたけど……それでも、佐天さんは佐天さんです」
残念そうに、そして嬉しそうに告げる。
「ふーん、じゃあ暇ならあの子連れてくれば私が色々連れて行ってあげるわ」
あの子、と言って結標は御坂妹を指し、初春にそう言った。
「いいんですか? ま、自分で言うのもなんだけど知り合いって言ったら腐れ縁の一方通行に、土御門と変態一名
あとは、白井さんに御坂さんの二人…ああ、お世話になってるあの先生ってこれだけだからね、寂しい人生よ」
そう言って疲れたように笑う結標に、初春は何か秘め事があるのを感じるが触れないでおいた。
「わかりました、あ……言っておきますけど、妹さんと私、佐天さんはもう友達ですよ?」
「ふふっ、それはありがたいわね」
今度は嬉しそうな笑顔だ。
「それじゃ今度、皆で色々回りましょう」
「ええ」
とても楽しい時間だ。
「みさか妹~、今日は楽しかったかー?」
舞夏は御坂妹に聞いてみた。
「はい、それはもう今迄で一番楽しかったかもしれません、とミサカは舞夏さんに報告します」
最初出会った頃には見れなかった、美琴のような笑顔。
「うんうんー、みさか妹も可愛らしい笑顔ができるようになってわたしも嬉しいぞー」
「え、今可愛く笑えていたのですか?とミサカは自分の顔を確かめてみます」
ぺたぺたと自分の顔を触って確かめようとする御坂妹に舞夏は……
「触っても分かんないと思うぞー、それじゃあ今度カメラで取ってあげるから、約束だぞー」
「ありがとうございます、とミサカは舞夏さんに感謝のお礼を告げます」
そう言ってまた笑顔になる御坂妹。
やっぱり、みさか妹の方は素直でいい子な気がするなー、みさかー。
舞夏は御坂妹に聞いてみた。
「はい、それはもう今迄で一番楽しかったかもしれません、とミサカは舞夏さんに報告します」
最初出会った頃には見れなかった、美琴のような笑顔。
「うんうんー、みさか妹も可愛らしい笑顔ができるようになってわたしも嬉しいぞー」
「え、今可愛く笑えていたのですか?とミサカは自分の顔を確かめてみます」
ぺたぺたと自分の顔を触って確かめようとする御坂妹に舞夏は……
「触っても分かんないと思うぞー、それじゃあ今度カメラで取ってあげるから、約束だぞー」
「ありがとうございます、とミサカは舞夏さんに感謝のお礼を告げます」
そう言ってまた笑顔になる御坂妹。
やっぱり、みさか妹の方は素直でいい子な気がするなー、みさかー。
「やっぱり。私達だけ扱いが酷い」
「どうしたの?」
急にぼそっと呟いた姫神に、吹寄が頭を傾げる。
「大丈夫。ただの思い過ごしだと思うから」
「そう? それならいいけど、具合が悪いとかなら言いなさい……薬は持ってきてるから」
「うん。ありがとう」
………いつも通り?の二人であった。
「どうしたの?」
急にぼそっと呟いた姫神に、吹寄が頭を傾げる。
「大丈夫。ただの思い過ごしだと思うから」
「そう? それならいいけど、具合が悪いとかなら言いなさい……薬は持ってきてるから」
「うん。ありがとう」
………いつも通り?の二人であった。
「やっぱり、カミやんは充実してて羨ましいにゃー」
「それを言うてくれるな、悲しくなるだけや」
こっちも……いつもの二人だ。
「こうなったら、あることない事カミやんの彼女に教えてやるで……」
「やめとけ……そんなことして嘘がバレたら今度は俺らが殺られる番だにゃー」
「ちくしょう、世の中不公平やー!!!!」
悲しき男達の会話であった。
「それを言うてくれるな、悲しくなるだけや」
こっちも……いつもの二人だ。
「こうなったら、あることない事カミやんの彼女に教えてやるで……」
「やめとけ……そんなことして嘘がバレたら今度は俺らが殺られる番だにゃー」
「ちくしょう、世の中不公平やー!!!!」
悲しき男達の会話であった。
「さて、少年……」
「なんでしょう」
上条の隣に座るのは鬼のオーラを纏い、とびっきり笑顔の寮監様。
「いや、先程私達三人で聞いていたのだが……御坂にプロポーズをしたのは本当なのか?」
こっそりと聞く。
「え、えっと……はい、しました」
「なんと言った?」
小声の会話……その実は運転席にいる黄泉川に筒抜けである。
「えっと…ですね……」
上条は歯切れも悪く言い出し、告白の部分は綺麗に言ってのけた。
「美琴、俺はお前を守りお前の周りの世界も守ってみせる…だけど確実な約束も出来ないし、誓いも出来ない…だが、この覚悟と想いだけは受け取ってくれ、俺は…上条当麻は、御坂美琴を愛してる」
……これは、プロポーズなのだろうか?
普通プロポーズは誓うもの、約束をするものではないのか?
「あ、誓いや約束は俺にとっては幻想と同等のものかと思うんです……それに縛られてたら自由に動けなくなる……そんな所から俺は約束や誓いではなく覚悟したんです、必ず美琴と美琴の周りの世界を守るって」
その言葉を言う少年はどこか自分達大人にはないすごく強い意志を感じる事ができた。
「そうか、それなら御坂が高校を卒業するまでいかがわしい事はするなよ? キスや抱き合うのも問題ない……が妊娠なんかしてみろ、少年……君の命は無いものと思っていいからな」
純粋に笑顔で言われるとこれほど怖いのかと改めて思う上条、これならまだフィアンマの方が怖くなかった。
「ま、私からの話は以上だ……が、小萌先生は勉強を御坂にしっかり見てもらえとおっしゃってたぞ?」
上条には別角度から第二ラウンドが始まるようです。
「なんでしょう」
上条の隣に座るのは鬼のオーラを纏い、とびっきり笑顔の寮監様。
「いや、先程私達三人で聞いていたのだが……御坂にプロポーズをしたのは本当なのか?」
こっそりと聞く。
「え、えっと……はい、しました」
「なんと言った?」
小声の会話……その実は運転席にいる黄泉川に筒抜けである。
「えっと…ですね……」
上条は歯切れも悪く言い出し、告白の部分は綺麗に言ってのけた。
「美琴、俺はお前を守りお前の周りの世界も守ってみせる…だけど確実な約束も出来ないし、誓いも出来ない…だが、この覚悟と想いだけは受け取ってくれ、俺は…上条当麻は、御坂美琴を愛してる」
……これは、プロポーズなのだろうか?
普通プロポーズは誓うもの、約束をするものではないのか?
「あ、誓いや約束は俺にとっては幻想と同等のものかと思うんです……それに縛られてたら自由に動けなくなる……そんな所から俺は約束や誓いではなく覚悟したんです、必ず美琴と美琴の周りの世界を守るって」
その言葉を言う少年はどこか自分達大人にはないすごく強い意志を感じる事ができた。
「そうか、それなら御坂が高校を卒業するまでいかがわしい事はするなよ? キスや抱き合うのも問題ない……が妊娠なんかしてみろ、少年……君の命は無いものと思っていいからな」
純粋に笑顔で言われるとこれほど怖いのかと改めて思う上条、これならまだフィアンマの方が怖くなかった。
「ま、私からの話は以上だ……が、小萌先生は勉強を御坂にしっかり見てもらえとおっしゃってたぞ?」
上条には別角度から第二ラウンドが始まるようです。
「お姉様、今日はしっかりと楽しんでいただけましたか?」
今回の企画発端人の白井は美琴に聞く。
「ええ、楽しめたわよ? えっと……黒子、この企画アンタが私のためにって言ってくれたんでしょ?」
ビクッ、と身を跳ねさせて土御門を背後から睨む。
「土御門さんから聞いたわよ……夏休みでも当麻は補習だからこういう企画をしないと動けないから助かったって」
そう、なんだかんだ言ってもあの人も色々世話になっているみたいで、上条の事を気にしているのだ。
「そうでしたの……でも、私はお姉様に喜んで頂けただけで満足ですの」
頬を少し染めて、美琴に微笑む白井。
「ううん、私だけじゃない……当麻も感謝してるし、一方通行や妹、佐天さんや初春さんに結標も皆喜んでたわよ?」
黒子はもっと喜んでいいの、そう言って美琴は白井の頭を撫でる。
「お姉様……それなら少し、甘えてもいいですか?」
美琴と上条が付き合い始めてから……白井の変態度はダウン、どちらかといえば妹の様?に甘えてくるようになった。
美琴の肩に白井は頭を預け、撫でてもらう。それで十分なのだ。
今回の企画発端人の白井は美琴に聞く。
「ええ、楽しめたわよ? えっと……黒子、この企画アンタが私のためにって言ってくれたんでしょ?」
ビクッ、と身を跳ねさせて土御門を背後から睨む。
「土御門さんから聞いたわよ……夏休みでも当麻は補習だからこういう企画をしないと動けないから助かったって」
そう、なんだかんだ言ってもあの人も色々世話になっているみたいで、上条の事を気にしているのだ。
「そうでしたの……でも、私はお姉様に喜んで頂けただけで満足ですの」
頬を少し染めて、美琴に微笑む白井。
「ううん、私だけじゃない……当麻も感謝してるし、一方通行や妹、佐天さんや初春さんに結標も皆喜んでたわよ?」
黒子はもっと喜んでいいの、そう言って美琴は白井の頭を撫でる。
「お姉様……それなら少し、甘えてもいいですか?」
美琴と上条が付き合い始めてから……白井の変態度はダウン、どちらかといえば妹の様?に甘えてくるようになった。
美琴の肩に白井は頭を預け、撫でてもらう。それで十分なのだ。
運転をしている黄泉川は、小萌先生に言われた言葉を思い出す。
『しっかり子供達を送り届けてくださいですよー、それじゃ急ぎますので……』
ハァ……小萌先生、これって押し付けただけな気がするじゃん。
まあ、小萌先生も知り合いに頼まれたらすぐにすっ飛んでいくのはここにいる奴らに負けず劣らず良い人じゃん。
あたしはなぁ……子供の為なら、って感じじゃん、大人の為に動くのか分からないじゃん……
そう考えていたが、思考をやめ運転と上条がしぼられる会話に集中するのであった。
『しっかり子供達を送り届けてくださいですよー、それじゃ急ぎますので……』
ハァ……小萌先生、これって押し付けただけな気がするじゃん。
まあ、小萌先生も知り合いに頼まれたらすぐにすっ飛んでいくのはここにいる奴らに負けず劣らず良い人じゃん。
あたしはなぁ……子供の為なら、って感じじゃん、大人の為に動くのか分からないじゃん……
そう考えていたが、思考をやめ運転と上条がしぼられる会話に集中するのであった。
こうして、途中で小萌先生が帰ってしまい、1人欠けてはいるがバスはゆっくりと今度は各自の寮まで送って行くのであった。
一通 佐天 打止
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結標 初春 白井 美琴
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元春 青ピ 吹寄 姫神
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上条 寮監 舞夏 御坂
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黄泉川
各自を家に送り、最後に降りたのは黄泉川自身だ……レンタルしたショップにバスを返しに行ったからだ。
そこからは普通に部屋に帰り、芳川に今日のことを話す。
まあ、なんだかんだで楽しく聞いてくれる彼女もいい関係だ。
「少し奮発していいお酒でも買うかな」
そう一人呟き、自分の車に乗り込んで黄泉川はレンタカーショップを後にするのだった。
そこからは普通に部屋に帰り、芳川に今日のことを話す。
まあ、なんだかんだで楽しく聞いてくれる彼女もいい関係だ。
「少し奮発していいお酒でも買うかな」
そう一人呟き、自分の車に乗り込んで黄泉川はレンタカーショップを後にするのだった。
□ □ □
その夜。
差出:当麻
件名:今日は本当に楽しかった
本文:一緒に回ったり、一緒にご飯食べたり、いつもと変わらない事をやってたけど
やっぱり、みんなでワイワイ今日みたいにいるのもいいよな?
俺は楽しかった、美琴はどうだった?
差出:美琴
件名:Re.今日は本当に楽しかった
本文:うん、楽しかったよ
二人きりってのは少なかったかもしれないけど、ワイワイやれて楽しかった。
今度は……二人きりってのもいいかもね。
差出:当麻
件名:Re.今日は本当に楽しかった
本文:ああ、そうだな。
それじゃあ、来週は二人で遊園地にでも行こう。
あ、そろそろ夕飯作らなきゃいけないから一旦メール終るな。
それじゃ、また後で。
差出:土御門
件名:カミやん、ちょっと来い
本文:あ、やっぱ来る必要はないにゃー
ちょっと魔術関連でイギリスまで行ってもらう事になったから、そこ動くな。
「嫌な予感しかしねえ……」
上条は多分この後に降りかかる不幸を予知し、メールを送る。
上条は多分この後に降りかかる不幸を予知し、メールを送る。
差出:当麻
件名:悪い……美琴
本文:しばらく帰れそうにないかもしれない……
帰ってきたら文句はいくらでも聞いてやるから、今はごめん。
元気にしてろよ
送信が完了したと同時に部屋は白い煙で満たされる。
上条の意識は深い深い奥底に沈んでいく。
上条の意識は深い深い奥底に沈んでいく。