小ネタ 美琴から上条さんにメールが届きました。
From:御坂美琴
Sub:相談したいことがあるんだけど
『えっと、私の友達の話なんだけど。好きな人ができたんだけど、相手が年上らしいの。それで、いろいろ頑張ってるらしいんだけど相手がスルー、じゃなくて振り向いてくれないんだって。そう言うのってどうすれば良いの?』
From:上条当麻
Sub:Re:相談したいことがあるんだけど
『まず相手に話を聞いてもらうところから始めなくちゃダメなんじゃねぇの?』
From:御坂美琴
Sub:Re2:相談したいことがあるんだけど
『……話しかけてもスルーされるって言ってるんだけど』
From:上条当麻
Sub:Re3:相談
『それはスルーと言うより最初から相手にされてねぇんじゃねえの? お前の友達、お前みたいに能力使ったりとかして、相手から怖がられてたりとかしてないのか?』
From:御坂美琴
Sub:そんなこと……
『能力は……どうなんだろう。どれだけ呼びかけても聞く耳なしって言うのが不思議なのよね』
From:上条当麻
Sub:Re:そんなこと……
『あのな、いくら何でも極悪非道な性格でなけりゃ、普通に話しかければ普通に答えてくれると思うぞ。相手の歳っていくつとかわかるか?』
From:御坂美琴
Sub:アンタと同い年
『一六歳だって。アンタくらいの高校生って、私くらいの歳の子が話しかけても無視するのが普通なの?』
From:上条当麻
Sub:それはない
『お前みたいなのが相手でなけりゃ、よっぽどのことがない限り話は聞くぞ』
From:御坂美琴
Sub:アンタねぇ
『お前みたいなの、とか失礼にもほどがあるわよ! アンタが毎回毎回人のことをスルーするのが悪いんじゃないのよ!! 人のことをビリビリ中学生とか言ってなかなか名前覚えないし』
From:上条当麻
Sub:それはともかく
『相手の好みとか、タイプとか聞いたのか?>友達』
From:御坂美琴
Sub:まだ
『聞いたことないみたい。参考までに聞きたいんだけど、アンタの好みのタイプってどんな人?』
From:上条当麻
Sub:Re:まだ
『年上で包容力があって料理とかできればOK。大食らいでなければなお良し。つか俺の好みより、お前の友達とやらの相手の方が重要だろうが』
From:御坂美琴
Sub:ふーん
『参考にさせてもらうわ>年上で包容力があって料理 それで、アンタって好きな人いる?』
From:上条当麻
Sub:Re:ふーん
『いない>好きな人 出会いがないんだからいるわけない』
From:御坂美琴
Sub:ちょっと
『私との出会いはカウントに入ってないわけ?』
トゥルルルル、ガチャッ。
上条『……なぁ御坂、相談には乗るからメールのやりとりはやめないか?俺指がつりそうなんだけど』
美琴『メールもできないなんてアンタおじさんなの?』
上条『お前らみたいなメール大好き中学生じゃないんだから、こんな短時間でちっこいボタンでぽちぽち文章打ってるの面倒なんだよ』
美琴『ま、良いわ。それで、とっ、友達のことなんだけど。勘違いしないでよね、私の話じゃないんだから』
上条『はいはいっと。んで、何だっけ。相手が無視するんだっけ?』
美琴『そう、そうなのよ。いっくら声かけてもスルーするし、人に面倒を押しつけるし、勝手に海外行っちゃうし、気がついたら怪我だらけで帰ってくるし』
上条『……今ものすごく既視感を感じたんだが……まぁ良いか。基本はあれだ、礼儀を持って、相手をよく知ってつきあえば、友達くらいにはなれるだろ。そっから先は本人の努力次第だけどな』
美琴『そっ、そうよね。そこから先は努力次第よね。うんうん。それで、相手の好みのタイプが年上だった場合、こっちが中学生だと……見込みない、かな』
上条『いや、どうなんだろう。確かに好みのタイプは重要かもしれないけど、気がついたらその子のことが気に入りました、ってのもないワケじゃないし』
美琴『そっ、そっ、そうよね。好みのタイプと違うからってあきらめちゃダメよね、うん』
上条『御坂……これ、本当にお前の友達の話か? やけに力入ってるけど、ひょっとして白井の恋話でもしてるのか?』
美琴『ちっ、違うわよ! あくまでも私の友達の話よ』
上条『そっか、なら良いんだけどな』
美琴『ねぇ。アンタの例で良いから、聞きたいんだけど』
上条『俺の? まあ良いけど、何?』
美琴『えーっとね、例えばの話よ? 例えば、うーん、アンタが友達だって思ってる女の子が、突然アンタに告白してきたら、アンタどう思う?』
上条『うーん。相手にもよる、かな。そんな素敵イベント起きたことないから、その時にならないとわかんねぇな』
美琴『ふむふむ。相手にもよる、と』
上条『なぁ、これ俺の意見だからあまり友達とやらの役には立てないと思うぞ?』
美琴『い、い、いいのよ。あくまでも同世代の意見ってことで』
上条『あ、そうだ御坂。一つアドバイス』
美琴『なっ、何?』
上条『短パンでハイキックはやめとけよ?』
美琴『なっ、なっ、なっ、なっ……』
上条『ああ、これお前の友達へのアドバイスな』
美琴『余計なお世話よ!』
ブツッ。ツーツーツー。
美琴「……やっちゃった……。相談のフリしてアイツの好みやあれこれを聞き出す作戦が台無し……。その前に、どうして素直になれないんだろうなぁ……。ちゃんと好きって言えればこんな回りくどいことをしなくても良いのに……不幸だわ」
終。