とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part11

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見知らぬ記憶


「……ん……うん……ムニャムニャ……」

「……ニャハハ……」

 現在は深夜、上条当麻は夢の中である。
 ここのところ美琴の教育がかなりキツい。毎日朝6時にモーニングコールが入り、早朝の勉強を開始。7時半には美琴が朝食を作りに来て(美琴は寮で済ませている)くれて、それを食べて8時過ぎには美琴お手製の弁当を持って寮を出て学校へ。
 授業もしっかり受けて学校が終わった後、3時半にはいつもの自販機の前で待ち合わせてスーパーで買い物をしてから上条の寮へ戻って夕食まで勉強。
 夕食も美琴が作ってくれて、それを一緒に食べた後、後片付けを上条がして、その間に美琴が勉強内容をチェック。その後厳しい指導が入って、門限時間に間に合うように美琴を寮まで送っていって、残っている課題をやってから風呂、就寝というスケジュールである。
 休みの日は、朝から夜まで美琴が付きっきりで直接指導とオツムの弱い上条にはかなり厳しい毎日な訳だが、美琴と一緒に居られる事が何より。という事で充実した毎日を過ごしている。

 そんなある日の事。

(・・・・あれ?・・・・美琴?・・・・なのか・・・・?)

(ちょっと、雰囲気が違うな・・・・。何となく美鈴さんのような感じもあるけど・・・・やっぱり美琴だ)

(何か・・・・スゴい大人っぽいな・・・・色っぽいって言うか・・・・)

(え?・・・・わわわわわわわわわわわわ・・・・ききききききききききキスですか・・・・上条さんは幸せです・・・・)

(あ、アレ?・・・・み、美琴?・・・・お、お、おおおおまっおまっおまっお前っ・・・・!!!!)

(えええええええええええええええええええっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

(そそそれっそれっそれっそそそそれって・・・・はだっはだっはだっ・・・・はだかぁ~~~~~?)

(ままままままままままままままま待てッ!待てッ!!かかかかかかかかかかかかかか上条さんは“中学生に手を出したスゴい人の称号”はいらないのですのコトよ)

(むむむむむむむむむむむむねっ!むねっ!!むねっが!!!・・・・胸がッ!!!!・・・・大きい!!!!)

(えっ!?えっ!?えっ!?えっ!?えっ!?ええええええええええええええええええええええええええっ!?)

(まっ、まっ、まっ、まっ、まままままままままままままさか・・・・)

(うっ、うっ、うっ、うわああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・)

『ガバッ!!!』

「ハァーッハァーッハァーッハァーッハァーッ・・・・ンッ・・・・ハァーッハァーッハァーッ」

「ハァ・・・・お、お、お、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおオレは何て夢を見てるんだあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

 今見た夢の内容に身悶えして苦しんでいる上条。
 「男の子だねッ♪」
 では済まないようだ。



 病院から戻ってきたあの日、上条と美琴が誓いを立てたあの日から数週間が経とうとしていた。
 この間は上条にとって目まぐるしいモノだった。

 日曜日の一件から、美琴は上条に「せめて補習・追試を受けなくても済むようにしなさい」と言い出した。それはそうだろう。補習や追試があったのでは、上条と過ごせる時間が少なくなってしまう。それは美琴の望むところではない。
 それに、この学園都市には絶対の尺度がある。レベル(強度)がそれだ。例え上条の右手が“神に貸し与えられた浄化の力”を備えた右手であろうと、上条当麻のレベルは“0”なのだ。
 それに対し、御坂美琴は学園都市では一番有名なレベル“5”。この格差は如何ともし難い。二人にとっては大したことのない問題なのだが、周りはそう思ってくれない。
 その事を一番肌で感じ取っていたのはやはり上条だった。だから上条は美琴を見習い努力する道を選んだ。『御坂美琴とその周りの世界を守るために、御坂美琴に相応しい男になる』と決意したのだ。そしてその為に美琴に協力を仰いだ。
 美琴にしてみれば、そんな周りの声など気にする事はない。と言うつもりだったが、それ以上に上条の言葉が嬉しかった。その言葉を聞いた時は泣いた。泣きじゃくった。そして、改めて上条に惚れ直してしまった。旗男の面目躍如と言ったところなのだろうか。
 とは言え、人はそう簡単には変われない。だから美琴は敢えてスパルタで上条を鍛える道を選び、上条もそれに応える日々を過ごし始めた。

 コレはそんな時間の中の物語である。


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