時は進み場所も変わり柵川中学、神裂のクラス(実質初春のクラス)のHRでちょっとした珍事が始まろうとしていた。
「突然ですが今日は皆さんの新しいお友達を紹介します」
「神裂先生、その新しい友達って男の子ですか? 女の子ですか?」
「女の子ですよ佐天。それと初春と席をぴったりくっつけるのは止めなさい、羨ましい……失礼。では紹介します、入って来て下さい」
「神裂先生、その新しい友達って男の子ですか? 女の子ですか?」
「女の子ですよ佐天。それと初春と席をぴったりくっつけるのは止めなさい、羨ましい……失礼。では紹介します、入って来て下さい」
初春の協会寄宿舎入りの件以来、神裂は今までよりも初春に対する態度を隠さなくなってきているがそれなりに弁えているので問題無い。
ちなみに他に変わったことといえば初春の右隣に佐天、後ろに春上という席の配置に。
入るように促した神裂だが、いつまで経ってもドアが開く気配が無いので気になって開けようとしたが、
ちなみに他に変わったことといえば初春の右隣に佐天、後ろに春上という席の配置に。
入るように促した神裂だが、いつまで経ってもドアが開く気配が無いので気になって開けようとしたが、
「とうっ!」
掛け声と共に窓から入ってきた転入生を見て神裂は困ったように頭を抱えた。
転入生を見た初春と佐天はあまりのサプライズに嬉しくなったが、とりあえず大人しくすることに。
転入生を見た初春と佐天はあまりのサプライズに嬉しくなったが、とりあえず大人しくすることに。
「皆さん超はじめまして! 今日からこの学校に通うことになった絹旗最愛です♪ 超よろしくです!」
「あー絹旗さんなのー」
「おや春上さんも同じクラスでしたか、これは超喜ばしいです♪ そして飾利と涙子も同じクラス、やはり私達3姉いだっ!」
「あー絹旗さんなのー」
「おや春上さんも同じクラスでしたか、これは超喜ばしいです♪ そして飾利と涙子も同じクラス、やはり私達3姉いだっ!」
転入生こと絹旗のテンションの高さと常盤台の制服並みに短いスカートに圧倒される初春、佐天、春上以外の生徒はまた初春絡みなのかと思っていた。
元気というかはしゃぎ過ぎの絹旗を黙らせたのは神裂の拳骨だった。
元気というかはしゃぎ過ぎの絹旗を黙らせたのは神裂の拳骨だった。
「絹旗、初日からあまり目立つのはいただけません。それとさっき言おうとしたことは内緒です。初春が怒ってしまいますので」
「そ、そうなんですか、それは超困ります……。分かりました、さっきのことは超秘密にしましょう。それにしても神裂さん、飾利に対して超他人行儀なぎゃんっ!」
「言い忘れてましたがその件も内緒の方向で。まあ隠すべきことは後できちんと説明しましょう。とりあえずあなたの席は……って絹旗!」
「そ、そうなんですか、それは超困ります……。分かりました、さっきのことは超秘密にしましょう。それにしても神裂さん、飾利に対して超他人行儀なぎゃんっ!」
「言い忘れてましたがその件も内緒の方向で。まあ隠すべきことは後できちんと説明しましょう。とりあえずあなたの席は……って絹旗!」
神裂との話し合いを早々に切り上げた絹旗は自分の座るべき席を初春の左隣へと定め、最初から居る生徒に交渉していた。
「あなたの席、私に超譲って下さい」
「喜んで!(よかったー! ここの席だと落ち着かねーから助かったぜ)」
「というわけです神裂さん、私の席は飾利の左隣で超決定です。しかし超良かったです、応じてくれなかったら【窒素装甲】で殴っていたかもしれませんし」
「冗談でもそうゆうことを言うのは止めなさい。あなたはレベル4なんですから洒落にならないんですよ。それと学校では神裂先生と呼ぶように。
「喜んで!(よかったー! ここの席だと落ち着かねーから助かったぜ)」
「というわけです神裂さん、私の席は飾利の左隣で超決定です。しかし超良かったです、応じてくれなかったら【窒素装甲】で殴っていたかもしれませんし」
「冗談でもそうゆうことを言うのは止めなさい。あなたはレベル4なんですから洒落にならないんですよ。それと学校では神裂先生と呼ぶように。
絹旗がレベル4だと聞いて彼女を知らない者達は驚きを隠せずにいた。
そんな雰囲気などお構いなしに絹旗はすぐさま机を初春の机とピッタリくっ付けた。
そんな雰囲気などお構いなしに絹旗はすぐさま机を初春の机とピッタリくっ付けた。
「今日からクラスメートとしても超よろしくです飾利、涙子♪」
「こちらこそ改めてよろしくお願いします最愛さん。おかげで昨日言っていた待ち合わせが必要無いって意味が分かってスッキリしました」
「あたしもちょっと驚いたけどやっぱり嬉しいな。これからもよろしくね最愛♪」
「3人とも、積もる話は後にして下さい。そろそろ授業を始めますよ?」
「こちらこそ改めてよろしくお願いします最愛さん。おかげで昨日言っていた待ち合わせが必要無いって意味が分かってスッキリしました」
「あたしもちょっと驚いたけどやっぱり嬉しいな。これからもよろしくね最愛♪」
「3人とも、積もる話は後にして下さい。そろそろ授業を始めますよ?」
学校だということを半ば忘れて話し込んでいた義妹トリオを制した神裂だが、初春とベッタリな佐天と絹旗が羨ましいという気持ちが多少はあった。
絹旗が転入して来たことで初春は思った、今さらな気もするけどいつまで静かで目立たない学校生活が送れるのかと。
絹旗が転入して来たことで初春は思った、今さらな気もするけどいつまで静かで目立たない学校生活が送れるのかと。
その頃、黒子を引き取りに来た怒れる寮監が友愛高校に到着した。
「やぁ、○○君だったかな?うちの白井が迷惑をかけたな」
「い、いえいえ。はよ黒子はんが起きんうちに連れて帰ってください」
「い、いえいえ。はよ黒子はんが起きんうちに連れて帰ってください」
寮監は青ピから見たら正直怖かった
顔は笑っているのに目は笑っていなかった
顔は笑っているのに目は笑っていなかった
「そうか、じゃあ、球技大会の練習がんばりたまえ。さてこいつの処罰はどうしようか……フフフ……」
(こわー!)
(こわー!)
寮監の独り言を聞いた青ピは心身共に動けなくなってしまった
そのころの上条のクラスは一時間目は休講で自習をしていた
……とは言ってもなまけてる生徒しかいないが。
……とは言ってもなまけてる生徒しかいないが。
「なあ、そういや青ピどうした?」
「さあ?そういや黒子ちゃんとどっか行ってたっけか?」
「情報提供ありがとう浜面。それで青ピの料理方法どうしようかにゃー?」
「だなァ。ったくあの青、勝手にバカンスやってンじゃァねェよ」
「全くだ。…………まあ俺と浜面も言えなくもないが」
「さあ?そういや黒子ちゃんとどっか行ってたっけか?」
「情報提供ありがとう浜面。それで青ピの料理方法どうしようかにゃー?」
「だなァ。ったくあの青、勝手にバカンスやってンじゃァねェよ」
「全くだ。…………まあ俺と浜面も言えなくもないが」
あわれ青髪ピアス、ただの被害者だというのにボコボコにされようとは。
とはいっても良い思いをしたのだから殺られてもしょうがないと思うが。
とはいっても良い思いをしたのだから殺られてもしょうがないと思うが。
「貴様らっ!!ちゃんと自習せんかッ!!」
「「「「「家庭科の予定をたてていましたァ」」」」」
「うちの学校に家庭科無いだろうが!?」
「「「「「家庭科の予定をたてていましたァ」」」」」
「うちの学校に家庭科無いだろうが!?」
この後、青髪ピアスが帰ってきた瞬間にリンチにあったのは言うまでもない。
「ふー、何とか一時間目終了までには間に合ったぁ。……うわっ! な、何で青髪がボロボロに!」
災誤との特訓のダメージが回復し、教室に戻って来た青ピはクラスの男子に有無を言えずにリンチに遭い、遅れてやって来た真夜が驚くような有様に。
真夜が今の今まで居なかったことにようやく気付いた当麻達の驚きの反応に少しショックな本人に、最初から気付いていた真昼と赤音が心配そうに駆け寄った。
真夜が今の今まで居なかったことにようやく気付いた当麻達の驚きの反応に少しショックな本人に、最初から気付いていた真昼と赤音が心配そうに駆け寄った。
「何やってたんだよ真夜! いつまで経っても来ねーから心配したんだぞ!」
「そうだよ真夜君。私てっきり真夜君が何か事件に巻き込まれて大変な目に遭ってるんじゃないかって心配したんだから」
「ゴ、ゴメンね2人とも。今度からちゃんと連絡するから。遅れたのは建宮のおっさんに頼まれて炊き出しの後片付けを手伝ってただけだよ」
「そうだよ真夜君。私てっきり真夜君が何か事件に巻き込まれて大変な目に遭ってるんじゃないかって心配したんだから」
「ゴ、ゴメンね2人とも。今度からちゃんと連絡するから。遅れたのは建宮のおっさんに頼まれて炊き出しの後片付けを手伝ってただけだよ」
真夜が遅れて来た理由が建宮にあると分かった真昼と赤音、すぐさま建宮を襲おうと教室を出ようとしたが真夜の必死の説得に断念することに。
二人の恋人を落ち着かせた真夜は教室に入って気になっていたこと、青ピがボロボロに転がされている理由を当麻から聞いていた。
二人の恋人を落ち着かせた真夜は教室に入って気になっていたこと、青ピがボロボロに転がされている理由を当麻から聞いていた。
「へぇ、そうなんだ。これで闇咲先生が自習にした理由も白井さんがうちの学校に居たのも納得いったよ」
「どうゆうことかにゃー? 井ノ原弟」
「教室に着く前にさ、ナース姿で気絶してる白井さんと一緒のきつい感じの女性が闇咲先生と話してたんだ。話してたというよりは女性が謝り倒してた気もするけど」
「どうゆうことかにゃー? 井ノ原弟」
「教室に着く前にさ、ナース姿で気絶してる白井さんと一緒のきつい感じの女性が闇咲先生と話してたんだ。話してたというよりは女性が謝り倒してた気もするけど」
そう、一時間目は闇咲の古文だったのだが生活指導の立場から迷惑をかけたと謝罪してきた寮監に捕まり、今もなお寮監の相手をしている所だ。
その話を聞いていた姫神が席を立ち、目を覚ました青ピに対して魔法のステッキ(ヘッドクラッシュ)を振り下ろした。
その話を聞いていた姫神が席を立ち、目を覚ました青ピに対して魔法のステッキ(ヘッドクラッシュ)を振り下ろした。
「あれ? 何でボク、こないな所で寝てギャンッ!!」
「しばらく寝てて。闇咲先生の授業。自習にした青髪くんには。当然の報い。せっかくのお父さん(予定)との触れ合い。台無しにしたから」
「しばらく寝てて。闇咲先生の授業。自習にした青髪くんには。当然の報い。せっかくのお父さん(予定)との触れ合い。台無しにしたから」
姫神の容赦無い一撃&耳を疑いたくなるような発言に静まり返る当麻のクラスの教室、そこに一時間目終了のチャイムが聞こえてきた。
しばらく目を覚ましそうに無い青ピを見かねた当麻は彼を背負って保健室へと向かうのだった。
しばらく目を覚ましそうに無い青ピを見かねた当麻は彼を背負って保健室へと向かうのだった。
一方、闇咲への謝罪を終えた寮監に足を持たれて引きずられながら常盤台中学女子寮へ運ばれた黒子、背中や後頭部の痛みのおかげで目を覚ました。
そして黒子はパニックに陥った、いつの間に友愛高校から常盤台中学女子寮に戻ったのか、自分の足を掴んでいる寮監の表情が鬼すらも逃げ帰るほど恐ろしいものになっていたことに。
そして黒子はパニックに陥った、いつの間に友愛高校から常盤台中学女子寮に戻ったのか、自分の足を掴んでいる寮監の表情が鬼すらも逃げ帰るほど恐ろしいものになっていたことに。
「何だ目を覚ましたのか白井。さて、私は今から学校に貴様の欠席の旨を伝えようと思ってるわけだが理由は分かるな?」
(ど、どうして寮監様が黒子を引きずってますの? 確か○○様と一緒に居てそして……)
「ん? 答えるつもりが無いのか。まったく本当にどうしようもない奴だ、貴様は。貴様の恋人の高校に迷惑をかけたことは反省するに値しない、そうゆうわけだな」
(ど、どうして寮監様が黒子を引きずってますの? 確か○○様と一緒に居てそして……)
「ん? 答えるつもりが無いのか。まったく本当にどうしようもない奴だ、貴様は。貴様の恋人の高校に迷惑をかけたことは反省するに値しない、そうゆうわけだな」
黒子は単に今の状況を考えてる為に黙っているだけなのだが、寮監はその沈黙を反省していないと受け取り更に怒りのボルテージを上げる。
寮監の怒りを感じ取った黒子は今までも寮監に恐怖を抱いたことはあるが、今回は今までのものを凌駕するレベルの恐怖だった。
寮監の怒りを感じ取った黒子は今までも寮監に恐怖を抱いたことはあるが、今回は今までのものを凌駕するレベルの恐怖だった。
「も、ももももも申し訳ございませんでした神様仏様寮監大明神様! 後生ですから黒子の命を奪うようなことだけはしないでくださいませ!」
「白井、貴様は面白いことを言うのだな。私が生徒を殺すわけが無いだろう。全く懲りない貴様のためにきつーいお灸を据えるだけだ。安心しろ、廃人にはしない」
「は、ははは廃人にしないということはつ、つまり廃人一歩手前までにはするということですわよね! どうかそのよ……へ? ギャフンッ!」
「白井、貴様は面白いことを言うのだな。私が生徒を殺すわけが無いだろう。全く懲りない貴様のためにきつーいお灸を据えるだけだ。安心しろ、廃人にはしない」
「は、ははは廃人にしないということはつ、つまり廃人一歩手前までにはするということですわよね! どうかそのよ……へ? ギャフンッ!」
うるさく抗議してくる黒子を持ち上げて地面に叩きつけて黙らせた寮監、そのまま自室へと運んだ。
その後、常盤台寮では寮監の自室で黒子の泣き叫ぶ声が放課後まで止むことは無かったという(対馬&浦上談)
その後、常盤台寮では寮監の自室で黒子の泣き叫ぶ声が放課後まで止むことは無かったという(対馬&浦上談)
時は進みお昼休み、柵川中学の屋上では初春、佐天、絹旗が昼食を摂っていた。
ちなみに神裂は教師達から昼食の誘いを渋々ながらも了承、春上は別のクラスの枝先と一緒なのでここには居ない。
ちなみに神裂は教師達から昼食の誘いを渋々ながらも了承、春上は別のクラスの枝先と一緒なのでここには居ない。
「それにしてもビックリしたよ、まさか最愛がうちの学校に転入してくるなんて」
「本当です。そうゆうことなら一言くらい相談してくれても良かったのに……」
「内緒にしてたのは超謝ります。けどこれもみんな飾利と涙子を超驚かせる為ですよ。おかげで作戦は成功したうえに超喜んでくれて嬉しかったです♪」
「最愛とこうして学校でも会えるのは嬉しいよ、あたしも飾利も。けどさ、どうしてうちの学校なの? 最愛のレベルなら常盤台でもいいんじゃない?」
「本当です。そうゆうことなら一言くらい相談してくれても良かったのに……」
「内緒にしてたのは超謝ります。けどこれもみんな飾利と涙子を超驚かせる為ですよ。おかげで作戦は成功したうえに超喜んでくれて嬉しかったです♪」
「最愛とこうして学校でも会えるのは嬉しいよ、あたしも飾利も。けどさ、どうしてうちの学校なの? 最愛のレベルなら常盤台でもいいんじゃない?」
佐天の疑問はもっともなことで絹旗のレベルを考えるなら高位能力者の集まる常盤台への転入が妥当なはずだ。
問題は絹旗プロフィールだがそんなものはいくらでも誤魔化しが効くだろうからさしたる問題ではない。
そんな絹旗の答えは初春と佐天をとても嬉しくさせるものだった。
問題は絹旗プロフィールだがそんなものはいくらでも誤魔化しが効くだろうからさしたる問題ではない。
そんな絹旗の答えは初春と佐天をとても嬉しくさせるものだった。
「常盤台にはお姉ちゃんや白井さんも居ますし、レベルのことを考えれば涙子の疑問も超分かります。けど私は飾利と涙子と一緒の学校生活を超送りたいんですよ」
「最愛さんそれって……」
「あーもう飾利ったらそこまで超言わせる気なんですね。要は超シンプルなんです。私が超大好きな飾利と涙子との一緒の時間をもっと作りたかっはわわっ! る、涙子いきなり何を!」
「最愛さんそれって……」
「あーもう飾利ったらそこまで超言わせる気なんですね。要は超シンプルなんです。私が超大好きな飾利と涙子との一緒の時間をもっと作りたかっはわわっ! る、涙子いきなり何を!」
自分達との友情以上の強い絆を選んでくれた絹旗の心意気が嬉しかった佐天がいきなり抱きついてきたことで、久々に絹旗は顔を赤くさせてあたふたする。
「最愛ったら嬉しいこと言ってくれちゃってー♪ ほらほら飾利も恥ずかしがってないで一緒に最愛をハグするっ!」
「は、はいっ! じゃ、じゃあ最愛さん、失礼します。えいっ!」
「はわわわわっ! 涙子だけじゃなくてか、飾利までとはっ! ちょ、超恥ずかしいけどそれ以上に嬉しいです!」
「よーしえらいえらい♪ 飾利、最愛、これからも大親友として義姉妹としてよろしくね!」
「「はいっ!!」」
「は、はいっ! じゃ、じゃあ最愛さん、失礼します。えいっ!」
「はわわわわっ! 涙子だけじゃなくてか、飾利までとはっ! ちょ、超恥ずかしいけどそれ以上に嬉しいです!」
「よーしえらいえらい♪ 飾利、最愛、これからも大親友として義姉妹としてよろしくね!」
「「はいっ!!」」
佐天の完全主導権のもと、絹旗の柵川中学転入の義妹トリオ内での歓迎はほのぼのムードで幕を閉じた。
念のため言っておくと他にも屋上利用者は数名いて、全員から注目を集めているが義妹トリオはお昼休みが終わるまで気付くことは無いのだった。
念のため言っておくと他にも屋上利用者は数名いて、全員から注目を集めているが義妹トリオはお昼休みが終わるまで気付くことは無いのだった。