とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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kinsho_second

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だれでも歓迎! 編集
「皆仲良いじゃんよー。一方通行、お前もちゃんと参加するじゃん。 さて、今日は能力使用ありの女子対男子のドッジボール! ……ただし一方通行は能力無しじゃんよ。さーてスタート!手ぇ抜いた奴はお仕置きじゃん!」



「あァ!? 待てよおィ、そりゃァ俺に不利すぎだろォがよォ!」
「じゃあ、新入りは女子の方に入るっていうのはどや?…なんか、違和感なさそやな…ってか、ボクが入りたいわ!!!」


「おいおい、お前に能力使わせたら勝てるわけないじゃんよー。 いや青ピ、男子でいいじゃん。さ、スタート!」


ボールを投げる黄泉川。女子はもうスタンバっている。


その頃男子写真部員の3名は少し離れたところに隠れて……、



「こちらアルファ、撮影を開始す。」カメラ担当
「ベータ、音感度よろし。」マイク担当
「チャーリー、援護体制ようそろ。」レフ板担当



「えーと……雪、降れ!それとそこの上条くんにあたれぇ!」白雪の能力が発動。
能力で雪を降らしつつ、攻撃。


「わーっ!!、いきなり俺かよー!! ……な~んて、こんなときこそ右手(イマジンブレイカー)の出番! 不幸だからってなめんn………」


「この節操なしのフラグまみれが!」
「ちょっと本気になっちゃった私の純情を返せ!」
「浮気者! 信じてたのに!!」
「でもそんな上条クンがイイ!」
「受け取ってぇー、私の想い!」



「……ああ、なんで右手は一本しかねぇんだろ。」
能力集中砲火、直撃。


「テメェ、ンなことやってンのかよ……。信じらンねェ駄目男だなァ。 最弱、そンなンで俺に説教したンかよォ?」
倫理観を問われるのはテメェの方だろよォ、とあきれ混じりでつぶやいたアクセラレータ。上条の方に近寄ったため巻き添えを食う。



迫る無数の能力、能力禁止・杖が必要な体だが、なんとか避ける。
(っても正直これ以上はキツイ。ってか無理する義理もねェし、素直にボールくらって外野行っとくか。)
と考え、飛んでくるボールの前に身を投げ出す一方通行。



と、そこへ、


「危ないにゃー!」
「ふげぶっ!?」
 ボールに当てられる前に土御門に蹴っ飛ばされた。


「テメェ、何しやがる!?」
「助けてやったんだから感謝してほしいにゃー。」
「嘘つけっ!!!どー見ても嫌がらせだろォが!! っていうかにゃーにゃー言うンじゃねェ気色悪ィ!」




数分後。




「……とまあなんだかんだあって、四人仲良く外野行きになってしまったわけですが。」
「っていうか、何でテメェはそんなにピンピンしてるンですかってンだよ。」
「慣れてるから。(キッパリ) それはともかく、このままやられっぱなしなのも癪なので、ここら反逆を企てたいと思うのですがどうよ?」



「何を言いますかカミやん、僕は女性の味方でっせ? そんなん一人で勝手に――」
「まぁまぁ、ちょいと待つにゃー。 ――おーい、ここらで罰ゲーム決めとこーぜい! 勝ったチームが負けたチームを自由に出来る、もちろんそっちが勝てばカミやんも思うがままだにゃー!」



「「「乗った★★!!」」」



即座に返事を返す女子一同(吹寄除く)。 ギラギラした視線が一斉に上条に集中する。


「……と、言う訳でカミやん、なんなりとお申し付けるがいいぜい。」
「……なんや複雑やけど、女子を思うがままに出来るのならば! いくぜでぇ、野郎ども!!」



「「「うおおおおおおおおおおっ!!」」」 女子の負けず劣らず盛り上がる男子一同。



「っていうか俺だけ背水の陣っぽくないですかー!? 畜生、俺ってばなんでこんなに女子に恨まれてんの!?」
「………付き合い切ンねェ。」
「こらこら二人とも、何置いてけぼりくらったような顔してんねん。 もちろんキミにも手伝ってもらうで?」


「いやいや、こいつ能力がないとただのもやしっ子……ごめんなさい、ガン付けないでくださいまし。」
「チッ、要は能力使ってるってバレなきゃいいンだろ? 自分の運動のベクトルだけ適当に操作すりゃ、人並みに動けるしバレもしねェだろ。」


「よっしゃ、それじゃよろしく頼むで。……えーと、一方通行はんでええかな?」
「……前々から思ってたけど、いちいち一方通行(アクセラレータ)って呼び難い!
 一通(いっつう)さんor一方(ひとかた)さん! さぁどっち!?」



「どっちも却下だクソッタレ。」




「じゃあ一行(IKKO)さんだにゃー。」
「死なすぞテメェ!!」
「……上条くん人気だねー。まー私も結構好きだし。 あの白い子もかっこいいけど」



そういいつつ、外野に向かって吹雪を起こした白雪。ちなみに雪のせいで視界は悪いし、いい加減手が冷たい。でも白雪自信は平気。なぜなら自分の能力を使うためいつでもどこでも耳あてと手袋を携行しているからである。ちなみに手袋は五個。 女子の何人かに渡して交替で使っている。


「たしかにあの白い子ちょっと雰囲気が気になるなぁ(あとで情報屋にいろいろ聞いておこっと)」



「――ホラ、とっととあの幻想(なだれ)をぶち殺しちまえよ最弱?」
上条「滅相もございませんよ最強! ほらさっさと、『こっから先は一方通行だー』ってアレ(なだれ)に言ってやってくださいよ!!」



 互いを盾にしようと取っ組み合った挙句、白雪の中に消える我らがHEROES



 雪崩の中で。


 一方通行はおもむろにチョーカー型電極のスイッチを弾く。


「おらァ最弱! 俺ンとこから先はテメェの方に一方通行だ!」
「何ぃっ!? 理不尽だけど仕方ねぇ。その幻想(なだれ)をぶち殺す!」


非常に合理的だった。協力しているわけではないのだが。


「おお、これぞ正に少年マンガの王道パターンだにゃー!」
「かつて敵としていがみ合っていた二人がいざという時に見せる絶妙コンビネーション!まさしく好敵手と書いてトモと呼ぶやね!」


「「で、お前らはさっさと人サマの後ろに隠れて何してたんですかってンだよ?」」
「「……うわーっ!!!、ホントに息ピッタリーってうぎゃあああああああああ!!」」



「白雪ちゃん、ドッジボールなんだから雪崩起こしたらマズいでしょ…。内野の足を奪うならともかく外野組じゃボール帰ってこなくなるだけじゃん…上条君が消したみたいだけど。」


と、内野からぼやく。


ちなみに状況は女子優勢。このままではなし崩しに負けもありうる。



「うっ!?や、ご、ごめん。分かった、量を減らすよ……、ついでに雪雲、男子だけに移動させるから……」


さっきよりはマシになった雪。視界は男子だけが悪くなる。



この状況で黄泉川先生が楽しそーににこにこ笑ってるのはなぜ?



「ってしまった!? バカ二人の相手してたらピンチになってますよ主に俺が罰ゲーム的に!」
「テメェのクビなんぞ知ったこっちゃねェが、とりあえずあの雪女(白雪)は場外確定だなァ?」


「そこの男子共、ゲームにきっちり参加しなさい、まだ頭が回ってないの!?それならシュガースティックをお勧めするわっ!」


主人公達にシュガースティック2本が投げられる。ほぼ同時に、白雪は危機を察知したのか、雪の壁を作り始めている。


「危ない!月夜ちゃん!鼓膜破砕起動!!
  目標、上条当麻と一方通行!雪壁を壊してぶつけますっ!!
    総員、対ショック・対鼓膜破壊防御!!発射10秒前!! 9・8・・・」親友を救うため茜川が能力を発動しようとする。


ちなみにカウントダウンしてるのはレベルが高くないために最大限のチカラを出すのに時間がかかるため。
断じて「宇宙○○ヤ○ト」のパクリではない。ここ重要。


「(ん?あの二人、白雪狙う気か……馬鹿だなーよけ専門の白雪狙って当たるかよ。 あいつ、翻弄してぜってぇにあてさせない代わりに投げんのへろへろボールだし。 最後まで残ってることもあるくらいだ。あ、逆に茜川が投げ専門なんだっけ。ま、どーでもいいか。)」


傍観者となっている男子D。


「おいそこの頭文字D、何笑ってやがるっ……!」
「良い度胸だなァオイ! 雪女と一緒に場外ホームランの刑だぜェ!」


茜川以外の女子の攻撃で崩れはじめた雪壁より早く飛び出した一方通行は宣言通り男子Dをひっつかんで放り投げる。 その先には雪の壁。ついでにその向こうには白雪が。 頭文字Dと白雪がどうなるかを考えるのも面倒くさい一方通行は、シュガースティックを口に流し込んだ。



だが、上条が不幸体質ならば白雪はその逆。



一方通行が男子Dを投げるコンマ3秒前に………


「…2、1、発射っ!!!!」ドゴーン!!!!



男子Dは元来た方(一方通行側)へ「くるくると」吹っ飛んでいく。
かと思われた。



「おおっとさせませんのことよ!」 が、その衝撃をぶち殺すのは上条当麻。
 頭文字Dの軌道はいっさい変わらず、白雪とまさかのゴッツン。
「「「「「「「あ……」」」」」」」


「はーいそこの砂糖のんだ白髪。レッドカードじゃん。 能力は使うなって言ったじゃんよー。白雪と○○(D)は内野戻っていいじゃん。」
「だ、大丈夫?月夜ちゃん」


「あァ? 普通に飛んで普通に投げただけだぜェ?」
「「「嘘つけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」」



「はぁ……とりあえず悪かったな白雪。 俺が茜川の『鼓膜破砕』を消しちまったばっかりに痛い目あわせちまって」 白雪に怪我がないか確認し、無傷であることに胸をなで下ろす。「よかった。じゃあ俺はふっとんだ○○を運んでくるから」



「うっ!?……だめ、競争率高いもの。(いや、そりゃ好きだけどさ……) かっ、上条くん、その気がないのにそういうことしちゃうと可哀想だよ!?一応言っておくけど、ど、どうせフラグたてまくるんだろうけどっ」
顔を真っ赤にしながら叫ぶ白雪。


上条は意味が分からず首を捻っている。さっきの事の所為で雪が暴走して吹雪化。こんな時にフラグをたてた旗男のせいである。


「……だっ、だれかどうしよう!このままじゃさすがに男子に悪いよーっ とめてその不思議な右手の人っ」





「よーっく見ておけ新入り。あれが旗男、全男子(おれたち)の敵だっ!!!」
「あァン? よくわかンねェが、つまりスクラップにしてもOKって事か?」
「イエス・オフコース!! やっちゃってください先生!!」


「ぎゃー!! こんな暴風雪警報な時に何をくっちゃべってますかーーー!!
うお寒い寒い!白雪もう雪止めろさすがの上条さんでもこの勢いの吹雪は無理っつーかこれがドッジボールであるという事実は何処にー!?」



「む、そう言われればそうだったにゃー。」
「とは言っても、既に雪崩とか吹雪とかでボールがどこにあるのかもわからへんけどねー」
一方(退場中)「っつーかよォ。俺が投げたアイツはどこ行ったんだよ?」


「あー…埋まった?」


「呑気に疑問系してないで助けろよ伊井!同本ー!何処だー!?」
「(只今絶賛暴走中!)うわあ、ちょ、えーとこういうときは……。く、雲の温度さがれ……!」


頑張った結果。豪雨になった。


普段、雪しか降らせないのでため傘は持っていない白雪。雹が降らないだけましだろうが。
「止められないの、月夜!?」


しかし、雨のおかげで雪がとけ始める
「って温度を下げて雨はおかしいだろーっ!?お前制御が無茶苦茶んなってんぞ!」
「クソッ、これ以上能力使用モードにしてっと1日もたねェ……(パチン)雨が冷た……いや、だンだン温かくなってきてやがンぞォ?」


 もはや温水シャワーになる豪雨。


 フラグとはこれほどまでに能力を狂わせるものなり。
「はーい試合終了。
女子の勝ちじゃん。ああ、雨は多分その手じゃ消せないけど 雲なら消せるじゃんよー。というわけで、いつの間にか戻ってる一方通行。 そいつを雲に向かって飛ばすじゃーん♪」



せいぜい五メートルしか雲の高さはない。というわけで超凶悪な笑みを浮かべ一方通行は幻想殺しに近づいた。



「え、ちょっと待って黄泉川センセーそりゃない、ってなにやる気になってんだ一方通行!ってうぎゃぁあああああ!!!!!」宙を舞う上条。いきなりのことでもしっかりと対処して雲を消しているのはさすがである。



だが高まった位置エネルギーは重力によって運動エネルギーに変わるのである。



「でも受け止めてはくれないのですねあぁもう!うわ白雪危ない!!ぶつかる避けろーっ!」
白雪は言われた通り避ける。 上条はというと何とか足で着地するものの、バランスを崩して白雪の方へ……


「させるかっ!狙撃班!撃てえっ!!!!!」



あらゆる遠距離攻撃系能力者(主に女子)から能力が当麻に向かって一直線に吹き飛ばす。



上条は白雪射線上から一気にずれて(大体90°程)吹き飛んでいく!その先にはコンクリートが!
「さしものカミやんもフラグを立てすぎてこれ以上立たなくなってるにゃー。そのまま吹っ飛べザマァ見ろ」


「でも少し羨ましいでー!ボクも女子特にロリっ娘にああされてみたいんよー!」
「ロリコンの上にMかァオマエは。ったく救いよォがねェな」


そのころ写真部の面々はというと……、
「ふはははっ!撮れ!撮りまくれぇぇ!!」
「よいネタだ!!実に良いネタだ!!」
「さすが上条!ありえないショットがバンバン撮れるぞおオオ!!」


「なんつーか、これぞ正に……不幸だぁぁぁぁぁぁぁふげぎゃふ!(コンクリ激突)」


授業終了後。


コンクリートにたたきつけられた上条は当然のごとく保健室に運び込まれた。それで済む所に上条さんのタフさが表れている。



「ちくしょう、腕とか擦り傷だらけだぜカミジョーさんはっ!!」
「良い気味だなァ最弱」
「とか言いつつ保険室まで来てるツンデレ一方通行、略してツンデレータなんだにゃー」



「あァ? いっぺン死ンでみるか?」
「まーまー、温泉旅行も近いんやし、カリカリせんときやー」
ニヤニヤといやな笑みを浮かべる青髪ピアス。


どうせ女子風呂を覗くことでも考えているのだろう。他にこの男は考えることがないのか ?



その保健室の前では。


「ちょっと、おさないでよ」
「面倒だなあ、入ればいいじゃ……袖つかまないでよ」
「抜け駆け禁止。ずるいよ、さっきも危なかったし」
「私が暴走したせいで怪我したんだから謝るの当然でしょ?」
「全く、何をやってるの」
「あ、吹寄ちゃん。あー興味ないんでしょ、帰っててよ」
「月夜ちゃん、今のうち」
「……。ちょっと。お見舞いにしても。やりすぎ」



どうやら、上条当麻のお見舞いに来ているらしい。


(あン? 外でコソコソなンかしてやがンな……)


気づいたのは一方通行だけ。残りの3人は話に夢中で全く気づいていない。
一方通行はツカツカとドアまで歩いて躊躇なく開け放ち、「オマエら何してやが、ンだァ!?うげっ!!!」
バランスを崩したA、白雪、Kの3人に押し倒された。



「あー……。白い子だ」
「そっかー白い子……って何の能力者?剛腕?」
「一方通行って名前……じゃないよね。能力名?」


興味津津の女子に取り囲まれたことない一方通行。さすがに最強でもこれは怖かったらしい。後ずさるその様子を青ピがものすごく羨ましそうに見つめていた。



「あ、上条くんさっきはごめんね?お詫びに雪だるま」
なんの皮肉か自分の能力で作り出した雪で雪だるまを作って持ってきたらしい。


「あ、ああ、ありがとな。」念のため左手で受け取る上条。
(家の冷蔵庫にでも保存しとくか……しかし放課後まで持つか?)





そんなこんなでエキサイティングな学校も何とか終わり。


「あー、今日は一段と疲れたなぁ……主にあの白もやしのせいで。」
無事かどうかはともかく、なんとか今日を乗り切った上条当麻はただいま下校中。


「おーっす、今帰り? ……何かやつれてない?」
「おっ、御坂か……。今日は一限目から白い人が転校してきて、白い雪に降られて、白いコンクリに激突したりして、上条さんはもう真っ白ですよ?」言葉づかいもそうだが、御坂をスルーしてない時点でおかしい。



「……何か知らないけど、壮絶だったみたいね。」
「ま、白いおみやげもあるんだけどな。」
当麻の左手には魔法瓶な水筒が。



「? 何ソレ?」
「いやー、うちのクラスの連中はみんな物持ち良くってなー。探せば健康グッズからメイド服まで何でも揃うんだから、魔法瓶なんて簡単に見つかったぜ。」
「じゃなくて、その中身よ。」


「ん? 雪だるま。」
「……どうしたの、それ?」
当麻「ああ、雪降らせちまった“女子”がお詫びにってうひゃあ!?」


 お約束の電撃。


「い、今のどこにブチ切れる要素があったのかを切に問いたいのですが!?」
「だぁからアンタはアホなのよーーーーっ!!」



 ~数分後~


「ぜぇ、ぜぇ……まったく、もうすぐ修学旅行だってのに何でこんなにイライラさせられなきゃいけないわけ?」
「そっちが勝手にキレただけだろーが……何、おまえんとこも旅行いくの?……常盤台だもんなぁ、さぞかしブルジョワなとこ行くんだろうなぁ、ケッ!」


 弱小高校(まけいぬ)の遠吠えである。


「不貞腐れたいのはこっちよ。
去年まで海外だったのに、今年は色々物騒だから近場に行くことになっちゃってね。」
「……マジか。そりゃ残念だな。」


 打って変わって気まずそうになる当麻に美琴は苦笑し、
「でもまぁ、いい温泉があるって話だし。せいぜい楽しんでくるわよ。あ、私そこで立ち読みしてくから。」


 じゃあねー、とコンビニに入ってく美琴。


おー、と当麻は手を振って…………気がついた。、


「……待て、近場の温泉? …………………………まさか、ねぇ?」
そのまさかである。



2日目、了
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