小ネタ 正夢?
上条『おまたせ、クレープ買ってきたぞ』つクレープ
美琴『あ、ありがと///』
上条『じゃあ、食べようぜ!』
美琴『でもいいの? おごってもらって?』
上条『臨時収入があったしな、それに……』
美琴『? それに?』
上条『な、何でもねーよ。ほら、はやく食おうぜ』
~食事終了~
美琴『うーん、おいしかった! あれ?』
上条『どうした、御坂?』
美琴『アンタ頬にクリームついてるわよ?』
上条『えっ? どこだ?』
美琴『ほら、ここよ』
ヒョイ パクッ
上条『なっ……おまっ///』
美琴『アンタ何赤く……』
美琴『あっ……///』
上条『///』
美琴『///』
上条『お前なぁ……///』
美琴『ご、ごめん……』シュン
上条『いやいや謝んなくても……むしろ好きな御坂にやってもらって光栄というか幸せというか……』オロオロ
美琴『えっ? アンタ今……///』
上条『あっ……///』
美琴『///』
上条『///』
美琴『ね、ねえ///』
上条『な、何だ御坂?///』
美琴『まだクリームついてるわよ。取ってあげるから動かないで?///』
上条『お、おう』
チュッ
上条『み、御坂? 今のは///』
美琴『わ、私も好きな人にしかこんな事しないんだから……///』
上条『み、御坂……///』
美琴『ねぇ、私にもクリームついてるから取ってくれないかな?///』
上条『えっ? どっ、どこでせうか?///』
美琴『えっと……その……く、唇かな?///』
上条『!!??』
美琴『お願い……当麻』スッ
上条『美琴……』
…ネーサ……オネエサマ
「お姉様!」
その言葉で美琴は夢から醒める。そこは常盤台の学生寮、白井と美琴が住んでいる部屋である。
「やっとお起きになられましたか……はやく準備しないと遅刻なさいますわよ」
ため息混じりにそう言うと白井は自分のベッドに戻り、シーツのシワを伸ばし始める。美琴はまだ覚醒しきってないのか目を擦りながらまどろんでいる。
「あれ? 当麻は?」
「上条さんですか? 上条さんなら自分の寮にいらっしゃると思いますわ」
「…………夢?」
ここに来てやっと美琴の脳は完全に目覚めた。
そして先程のものは夢であることを自覚し、夢の内容が頭の中に蘇った。
「~~~~~~!?」
そのとたんに美琴の顔は赤くなり、顔を両手でおおって身悶え始める。そしてしまいには顔を布団に埋めて足をじたばたさせていた。
「……あのお姉様?」
「……何?」
「とりあえず時計をご覧くださいな。黒子は先に行ってますの」
そういいながら白井は部屋を出ていく。
「……時計?」
美琴は白井の言う通りに時計を見た。
そしてそれを見た瞬間、美琴の顔は赤から青へと変わっていく。
「……あ、ああっ! ち、遅刻だ~~っ!」
そう言うなり電光石火の動きで制服に着替え、身辺整理をして部屋から飛び出した。
こうして美琴の慌ただしい1日が始まる。
その日の放課後、美琴はとある公園に来ていた。
それは夢の中で出てきた公園。そして上条によく会う公園でもある。
そして一人呟く。
「はぁ……不幸だわ」
その言葉の通り、彼女は不幸であった。
朝の夢のおかげで授業に集中出来ないわ、授業中に夢がフラッシュバックして顔が赤くなるわ、それで教師やクラスメイトから変な目で見られるわで散々である。
「それもみんなアイツのせいだわ」
そして妙な方向へと怒りが向いていたりする。
「アイツって誰のことでせうか?」
「ニ゛ャッ!?」
いきなり後ろから声がかかり、美琴は慌てて振り向く。電撃のおまけつきで。
「どわっ、危ねえ!」
その声の主は慌てて電撃を打ち消した。
声の主は上条当麻。右手に『幻想殺し』をもった青年である。
「お前な……出会い頭に電撃を放つなと言ってんだろうが!」
「ご、ごめん……じゃなくてアンタがいきなり後ろから声をかけるのが悪いのよ!」
そういいながら美琴は頭に紫電を走らせた。
「はいはい上条さんが悪かったですよ」
「アンタね……」
その上条の反応に美琴の怒りが倍増する。
そしてその怒りを電撃に乗せて打ち込もうとした時に上条が口を開く。
「ところで御坂は今暇か?」
「へっ?」
美琴の頭から紫電が消えた。いつもならありえない上条の言葉に動揺し、そして少し期待した。
「いや、ほら、あれだ……そこに新しくクレープの屋台が出来たみたいだから一緒に食べないかなと上条さんは思ったのですが」
「……へっ?」
朝の夢の内容と一致する。
(ま、まさか正夢なの?)
「えっと、その……嫌か?」
「……行く」
「じゃ、じゃあ行こうぜ?」
上条はそう言うと後ろを振り返りスタスタと歩いていく。顔が少し赤いのはきっと気のせいだろう。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
美琴は上条が歩いていくのを見て慌てて後をついていく。
こうして御坂美琴の恋の勝負が始まろうとしていた。
(絶対に正夢にしてやるんだから!)
そう心に誓う美琴。その瞳には決意が現れていたという。
そしてこれが正夢になるかは……きっと神のみが知っているだろう。
~終わり~
「さて、上手くいくでしょうか? とミサカはカメラを構えながらそっと後をつけます」
「上手くいくに決まってるわよぉ。そうじゃなきゃ朝から私が動いた意味がないじゃないのぉ」
「それにしてもアイツらいつ自分達が相思相愛だって気づくンだ? あンなに分かりやすいのによ」
「ふたりとも似た者同士だから仕方ないかも。でもいい加減に気付いてほしいんだよ!」
「お姉様……黒子は影ながら応援していますの!」
~おしまい?~