とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part07

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第六話 アクセル全開


 ―夕方 寮 上条の部屋―



美琴の訪問を予想すらしていなかった為、ゲコ太人形制作中に訪問されるといういきなりの窮地………にもかかわらず、上条は顔色ひとつ変えず返事をした。



当麻「あぁ、一端覧祭準備での俺の担当作業が一段落して時間が余ってるから、今度は我がクラスでのクリスマス会に使う飾りを作れっていう話なのですよ。
   何やら今年は大部屋借りて大いに盛り上げようって話になって、それで。」



当然、大嘘である。今日の昼に布を渡された際に姫神から貰った策である。
しかし記憶喪失という大事件を未だに(美琴以外には)隠し通している程の高い演技力をもつ上条なら、この策を使えば問題(嘘がバレる等)は発生しない。



美琴「へぇ……でも、こういうのって普通は女子が張り切ってやるものじゃないの?」
当麻「いやいや、我がクラスの女子はみんな一端覧祭で出すメニューの試行錯誤で
   時間が足りないらしく、それで俺が作るハメになりやがったワケなのです」



もちろんコレも姫神直伝の嘘。確かに一端覧祭のメニューを考えているのは女子たちだが時間が足らないレベルではない。
しかし上条の不幸体質や出し物(ファミレス)を踏まえて練られた巧妙な策と上条の演技力が合わさった為、かなり信憑性のある情報と化している。



美琴「…手伝おうか?」
当麻「おぉ、美琴にそうして貰えると上条さんは非常に助かります」



と言って、今日の昼に姫神から渡された2つ目の紙袋(と、裁縫道具の一部)を美琴に手渡す。


美琴「んで、これでクリスマスっぽい飾りを作ればいいのよね?」


と言い、返事を聞く前に非常にスムーズな手つきで縫い始める。
ペルシャ絨毯の修繕すらこなせる美琴が小物1つ作るぐらい、そう時間もかかるはずもなく…



美琴「できたー♪ 作品第一号ー♪」



手のひらサイズの雪だるま完成。
以後、ヒイラギ、ミニサンタ、プレゼント箱等の手のひらサイズのクリスマス小物が
どんどん出来上がっていく。しかもそれらは全部が市販品より見栄えが良いというオマケつき。



当麻「……………。」(じー)
美琴「…? どうしたの? 当麻」
当麻「す……凄ぇ………上手い…」
美琴「え、そ、そうかな?♪////」(照れ笑い)
当麻「いやぁ外見も性格も可愛らしくて料理も上手なうえに裁縫の技術も最高級だなんて
   上条さんは最高に素敵な彼女を手に入れたと改めて実感しておりました」(満面の笑み)
美琴「えへへー♪ ありがと、当麻♪」(にこにこ+頬擦り)




今回は(お互い手に針を持ってるため)抱きつきナシという、(いつもよりは)目に優しい桃色空間を構築しつつ、その後も最終下校時刻までいちゃつきつつ作業をして、例によって美琴を寮まで送っていった後、自室に戻った上条は



当麻「いやぁ…話には聞いていたけど、こんなにも上手に…」


美琴の作品を見て、先ほどまで目の前に起きていた光景を思い出しているようだ。


当麻「…あまりにも美琴が素敵すぎて、上条さんはうっかりその勢いでプロポーズするところでしたよ」


……危なかったな上条。そういうのは勢いじゃなく、しっかり自分の意志で言うんだぞ。


…しかし、そんな事を口に出して言ってると、誰かに聞かれr


舞夏「ほう……相変わらず御坂との関係は順調なようだなー上条当麻ー」
当麻「あーそうだなー…んなっ!? い、いつからそこ(ベランダ)で覗いてたんだ!?////」


ほら言わんこっちゃない。



舞夏「大丈夫だぞー本人には内緒にしておくからなー。んじゃ私は仕事があるからこのへんで…」
当麻「それ以前に覗きをするなー!!////」



弄り能力のレベル5たる土御門舞夏によって、夕食のパスタよりも早く茹で上がった上条であった。



 ―翌日午後 一端覧祭準備中の教室内―



吹寄「ほぅ……意外と順調に進んでいるようだな、上条当麻」
当麻「あの…吹寄サン? “意外と”は余計なのでは…?」
姫神「よかった。意外と順調そうで。安心した」
当麻「姫神まで!?」



そりゃそう言うだろうよ。お前の裁縫スキルや不器用さを知ってる者としては。



当麻「…ところで、今、何か手伝う事無ぇか?」
吹寄「急にどうした?」
当麻「いやぁ、元々裁縫道具譲ってもらった時そういう話だった訳だし、
   それ以前にお前らが頑張ってる最中にぼんやり暇してるのも悪ぃしさ」


吹寄「……そうか。 うーん…広告用のチラシ配りは放課後のほうが効率良いし、他には…」
姫神「じゃあ。今私たちが作っている。試作料理の味見とか。どうかな」
土御門「あーそうだにゃー、カミやんが“広告塔”である以上、メニューに『上条さんおススメ』とか、そういうのあったほうが良いんだにゃー。
    ぜひそうして貰えると助かるんだぜい」



 ―数分後 家庭科室―



当麻「ほぉ~…近所のファミレスより美味そうなのが並んでるな」



その4割以上は姫神が手作りorプロデュースしたものであるが、確かに美味そうである。



当麻「んで、味のほうは…」(ひょい)(パクッ)(ひょい)(パクッ)(ひょい)(パクッ)……


試食とはいえ、弁当食ってまだ2時間経たないのに、この速さ…さすが男子高校生。
その周囲には、自分の作った料理に対する上条の評価が気になる女子クラスメイトたちと『呼び込み+小道具+メニュー表等作成』担当土御門の姿が。


当麻「…なぁ、『上条さんおススメ』とやらは複数あってもいいのか?」
吹寄「まぁ、良いんじゃないのか?」
姫神「大丈夫。上条君のことだし。そう言うだろうとは思ってた」
土御門「多すぎるとメニュー表作成作業が面倒くさくなるけど、各ジャンル1品ずつならOKだぜい」


当麻「ん……じゃあ、これと、これと、これと…(中略)…これだな。」


美琴の愛と友人たちのおかげでフル回転な上条。しかし……?





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