とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part06

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匿名ユーザー

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第五話 順調…?


 ―昼休み 上条の教室―


吹寄「……ったく、雑巾縫うだけでそこまで怪我するのは貴様だけだ上条当麻」
土御門「これでよく、ゲコ太人形を手作りしようなんて思いついたにゃー」
姫神「なんだか。血まみれのゲコ太が。出来上がりそうで。怖い。」


上条の指の怪我の事情を聞いた友人3名から酷い言われようである。


当麻「…ったく、しょうがねーだろ。最後に針使ったのは去年の夏だし」


前言撤回、友人3名から至極当然な言われようである。
3年ぶりに針作業してちゃんと修繕でき無傷だった筆者とはえらい違いだ。



姫神「…それで。もう。大丈夫なの?」
当麻「あぁ、痛みはとっくにひいたし」
姫神「そうじゃなくて。もう。指に針が刺さる心配は…」
当麻「大丈夫だ。血が付いた雑巾は1枚目だけだ」


そこは胸を張って主張する事じゃないだろう。


姫神「じゃあ。これ。昨日買ってきた」(紙袋を渡す)
当麻「ん?…あぁ例の緑色の布か。サンキュー姫神」


まて、今さっきの主張で布渡すなよ。(上条の指とゲコ太の色が)危ないじゃないか。



当麻「ぉおお! スゲェこの布の触感! 頬擦りしてみたくなるぐらいだ!」
姫神「…よかった。気に入ってもらえて。 ……あと。これも」(もう1つの紙袋を渡す)
当麻「おぉ。……ん? こっちは緑だけでなく…赤と白と黄色と茶色も?」
姫神「こっちは。 ―――――時に。 ―――――と良い。」
当麻「あぁ、なるほど。そいつは助かる」



――― ピンポンパンポーン


当麻「……ん?」


――― 昼休み終了、10分前です。 教室移動がある生徒は、早めにお願いします。


当麻「うぉあ!? そういえば次は体育じゃねーか! 遅れたらまた酷ぇ目にあうぞ! 急ぐぞ土御門!」
土御門「おう! 正座で見学は勘弁なんだぜい!」


と言って、急いで駆ける上条と、その後ろを走る土御門。
ちなみに2年生となった今年も男子の体育の担当はあの先生なので、遅刻は命の危機にすらなり得る。


吹寄「私たちも急ぎましょう。罰の有無以前に遅刻なんて人として有るまじき行為だわ」
姫神「うん。早くしないと。授業が始まっちゃう」


女子の体育は遅刻も大して危機ではないのだが、常識人な2人も急いで体育館へ向かう。



吹寄「…ところで姫神さん、よくあんな上質な布の売ってる店を見つけたわね」
姫神「…元々は。私が。彼へのプレゼントに。使おうと思ってた。
    望んでた形とは。だいぶ違ったけど。でも。喜んでもらえて。すごく嬉しい」
吹寄「………(どこまでも殊勝な子ね…姫神さん)」



―――


―――


 ―同日夕方 寮の上条の部屋―



この日は美琴のほうが一端覧祭関係の打ち合わせがあるとメールがあったため、真っ直ぐ帰宅していた。
兄(土御門)から連絡があったらしい舞夏から基本的な手ほどきを受けたらしく、さっそく制作に取り掛かることにしたようだ。


当麻「さて……さっき帰った舞夏の言う通り、まずはこの赤い線から縫い始めますか」


布には(舞夏によって)しっかりチャコペン(裁縫時の縫い位置を記す専用の鉛筆)でどこを縫えば良いか記されていた。
複数色持っていたようで、先に縫うところ、部品同士の繋ぎ目なので後で縫うところ、綿を詰めた後で最後に縫うところといった具合にきちんと色分けしてくれたので、いくら上条でも間違えることなく作業することが可能になっている。


当麻「しかし、本当にこの方法だと早く進むな。本当に賢い友人を持って上条さんは助かりましたよ」


本当なら丈夫に縫うために『本返し縫い』『半返し縫い』を用いるべきだが、上条のスキルや不幸体質で時間が足りなくなると判断した舞夏は、『なみ縫い』で同じ個所を2回縫うように指示を出していた。
その『なみ縫い』を高速化する裏ワザもしっかり教えてもらったため、思ったより早く進んでいる。

………今回は指に針が刺さることもなく順調なようだ。



当麻「♪上条さん~夜なべ~をして ゲコ太~を縫っていた~」(←小声で気持ち良く歌う)



普段なら大抵のことは面倒くさがる上条だが、美琴の笑顔のためにやることはむしろ楽しいようで
自作の歌まで歌いながら作業を楽しく進めていた。





……と、そこへ。





ガチャガチャッ ……カチャッ …キィ



美琴「当麻ぁ~♪ 打ち合わせが思ったより早く終わったから来たわよ~♪」


合鍵GET済みの美琴がニコニコ顔で入ってきた。ちょっと大きめの手提げ袋を左手に持って。


美琴「……って、あれ? 今日は何を縫ってるの? 布地からして雑巾じゃなさそうだけど?」



…ゲコ太制作真っ最中の上条を発見。果たしてどうなる…?






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