第七話 祭り
―11月末 一端覧祭最終日の午後2時半 家庭科(被服)室前―
当麻「ぷはぁー! やっと今日の昼シフト終了!」
と言い、廊下で一息つく上条。前後2か所ある入口のうち片方だけを店の出入り口にして
もう片方に作った従業員専用口から出ているため、客の目にはつかないようになっている。
もう片方に作った従業員専用口から出ているため、客の目にはつかないようになっている。
青ピ「カミやんおつかれー」
当麻「ったく…期間中ずっと朝+昼シフト+今日以外全部夕方シフトもで上条さんはくたくたですよ」
当麻「ったく…期間中ずっと朝+昼シフト+今日以外全部夕方シフトもで上条さんはくたくたですよ」
要するに、開店直後(9時頃?)~ランチ終了(2時半)と昼3時半~閉店(7時頃?)が昨日まで上条のシフト。
客寄せ要員の上条がホールにいない時間を極力少なくすべく編み出された超厳しいシフトである。
最終日である今日だけは夕方以降のシフトと最終日後片付けの一部が免除されたとはいえ超重労働である。
客寄せ要員の上条がホールにいない時間を極力少なくすべく編み出された超厳しいシフトである。
最終日である今日だけは夕方以降のシフトと最終日後片付けの一部が免除されたとはいえ超重労働である。
青ピ「でも、その割には、あんまりグッタリ感が無いんやない? いつもは体育はおろか普通の授業だけでもあかんのに」
土御門「そりゃそうだにゃー。 だってカミやんは――」
土御門「そりゃそうだにゃー。 だってカミやんは――」
美琴「…あ、来た来た♪ 当麻~♪」
当麻「おぅ美琴! こっちは今ちょうど終わったところ」
当麻「おぅ美琴! こっちは今ちょうど終わったところ」
土御門「――ああやって手作り弁当持参で笑顔で待ってくれる彼女の顔を見るまでは、絶対にくたばれないんだぜい」
青ピ「…………」
青ピ「…………」
比較的楽な作業だったハズの青ピのほうが、二人の桃色空間を見てくたばった。
上条の隣に住んでる土御門は耐性がついてきたが、非リア充歴全日本記録更新中の青ピは未だ慣れないようだ。
上条の隣に住んでる土御門は耐性がついてきたが、非リア充歴全日本記録更新中の青ピは未だ慣れないようだ。
美琴「えっと、確か今日は3時半からのシフトが無いのよね?」
当麻「あぁ。後片付けも後夜祭が終わってからで良いって」
美琴「やったー♪ 当麻と一緒に後夜祭行ける~♪」
当麻「あぁ。後片付けも後夜祭が終わってからで良いって」
美琴「やったー♪ 当麻と一緒に後夜祭行ける~♪」
大満足な笑顔を浮かべる美琴と、その笑顔で疲労が吹き飛んだといった感じの笑顔な上条。
二人でお弁当タイムにすべく、仲良く人混みに紛れてどこかへ歩いて行った。
二人でお弁当タイムにすべく、仲良く人混みに紛れてどこかへ歩いて行った。
一方、後に残された男性陣二人は
青ピ「それにしても、今回のカミやんの働きっぷりは凄かったやんな?」
土御門「あぁ、あの接客態度に厳しい吹寄店長にさえ一度も注意されてないんだぜい」
土御門「あぁ、あの接客態度に厳しい吹寄店長にさえ一度も注意されてないんだぜい」
吹寄「貴様らさっさと仕事しろ!」
青&土「は、はいぃぃぃい!」(全力ダッシュ)
前言撤回。残されたバカ二人は吹寄店長の一喝により急いで仕事に戻っていった。
その吹寄店長も、遠く人混みのほうを眺めて一度溜息をついた後、夕方用の食材の下ごしらえをすべく姫神の待つ調理室へ。
―3時頃 いつもの自販機前ベンチ―
結局あまり空いてるスペースがなく、上条たちはここで弁当を食べていたようだ。
現在は美琴特製のデザートとヤシの実サイダー(自販機蹴らずにちゃんと購入した)がテーブルに並んでいる。
現在は美琴特製のデザートとヤシの実サイダー(自販機蹴らずにちゃんと購入した)がテーブルに並んでいる。
御坂妹「あら、ティータイムですかお姉様。とミサカは尋ねます」
美琴「あぁ、アンタか」
当麻「おーっす、御坂妹」
御坂妹「あなたもいらしたのですね、とミサカは満面の笑みで反応します」
当麻「おーっす、御坂妹」
御坂妹「あなたもいらしたのですね、とミサカは満面の笑みで反応します」
いやいや、どう見ても普通の顔と笑顔との区別がつかないと思うのだが。
御坂妹「では、バカップルタイムのお邪魔をしないよう、ミサカは出来る妹として他所へ…」
当麻「!? バ……?」
美琴「な、何その『バカップル』って…私たちのこと!?」
御坂妹「はい。先日お姉様たちが抱き合ってラブラブトークを繰り広げているのを目撃した際に、あまりにラブラブだったので
ミサカネットワークでお姉様たちをバカップル認定する決議が全会一致で採択されました、とミサカは報告します」
当麻「!? バ……?」
美琴「な、何その『バカップル』って…私たちのこと!?」
御坂妹「はい。先日お姉様たちが抱き合ってラブラブトークを繰り広げているのを目撃した際に、あまりにラブラブだったので
ミサカネットワークでお姉様たちをバカップル認定する決議が全会一致で採択されました、とミサカは報告します」
ここまで自覚症状が無かったらしく、慌てふためく二人。先に平静を取り戻した上条は
当麻「ま、まぁ俺たちがバカップルに分類されるのかどうかは別として、ラブラブなのは確かだな」
と、にっこり微笑みながら美琴の背に右手を置く。そんな優しい彼のおかげで
ようやく落ち着いた美琴もにっこり微笑み、ヤシの実サイダーを一口飲んで――
ようやく落ち着いた美琴もにっこり微笑み、ヤシの実サイダーを一口飲んで――
御坂妹「……これはあなた(上条)を『お義兄様』と呼ぶ日も近いようですね、とミサカは――」
――噴き出した。
美琴「げほげほっ////」
当麻「み、美琴、大丈夫か?」
御坂妹「大丈夫ですか? お姉様。 とミサカは…」
美琴「と、唐突に何を言うのよアンタは!////」
当麻「み、美琴、大丈夫か?」
御坂妹「大丈夫ですか? お姉様。 とミサカは…」
美琴「と、唐突に何を言うのよアンタは!////」
(美鈴さん以外には)弄られ慣れてない美琴。しばらく姉妹で言い合う。
御坂妹「あまりの仲の良さに、本当にお義兄様と呼ぶ日が近いと思いましたので、とミサカは――」
美琴「も、もうっ!/// 行こう、当麻……あれ?」
美琴「も、もうっ!/// 行こう、当麻……あれ?」
何かを考え中のような上条。美琴が手を目の前でひらひらさせ、やっと戻った。
当麻「――! 悪ぃ、ちょっと考え事してた。んじゃ、お昼も済んだしあちこち見て回ろうぜ、美琴」
その後、仲良く各学校の出し物を見て回ったり、初春&佐天・木山先生・固法先輩らに弄られたり、
後夜祭のステージを二人並んで見……てると思いきや二人見つめ合っていたり、
楽しい時間を満喫し、美琴は寮へ、上条も後片付け終了後に自分の寮に帰って行った。
後夜祭のステージを二人並んで見……てると思いきや二人見つめ合っていたり、
楽しい時間を満喫し、美琴は寮へ、上条も後片付け終了後に自分の寮に帰って行った。
当麻「ふふふん、ふふふん、ふんふんふ~ん♪」
どこかで聞いたような鼻歌を歌いながら、例のゲコ太人形の制作に励む上条。と、そこへ
Prrrrrrr(ピッ)
舞夏「おーっす、上条当麻ー! 例の作業は順調かー?」
当麻「おう、上条さんは今ちょうど赤い線のところ縫い終わったのですよ」
舞夏「そうかそうかー。確認だが、最初に言った通りちゃんと『同じ個所を2回』縫ったんだよなー?」
当麻「おう、上条さんは今ちょうど赤い線のところ縫い終わったのですよ」
舞夏「そうかそうかー。確認だが、最初に言った通りちゃんと『同じ個所を2回』縫ったんだよなー?」
当麻「あ゛」
舞夏「やっぱりかー……まぁ、2回縫う時点でそこそこ丈夫に出来るハズだから、
そこまで細かく丁寧にしすぎる必要もないハズだから、愛しの御坂のためにも頑張るんだぞー」
そこまで細かく丁寧にしすぎる必要もないハズだから、愛しの御坂のためにも頑張るんだぞー」
(ピッ)
慌てて作業再開する上条。今までが順調だったり色々忙しかったりで重要なことを忘れていたようだ。
急げ上条! 期末テストを考慮したらクリスマスまであと20日ちょいなんだぞ!
急げ上条! 期末テストを考慮したらクリスマスまであと20日ちょいなんだぞ!
当麻「……それにしても、『お義兄様』か…」