とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part09

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匿名ユーザー

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第八話 不安


 ―12月上旬金曜日 期末テスト結果発表直後の自販機前―



美琴「あ、来た来た♪ 当麻ぁ~♪」



心待ちにしていた人物がやっと到着したようで、テンションが激上がりする美琴。



当麻「おう、今日期末テストの結果が返ってきましたよ」
美琴「んで、結果はどうだったの? ……補習は無いわよね…?」



当麻「……残念ながら、ございます。ハイ」



一瞬にしてテンション激下がりの美琴。そりゃテスト勉強の手伝いにどれだけ時間を費やしたかというのもあるし、
補習で冬休みの予定まで狂ってしまうかもと思うと、恋人としてこれ以上悲しいことなんてそうそう在るものじゃない。



美琴「そんな…いったい何科目が…」



泣きそうな顔で更に尋ねる美琴。上条の結果(こたえ)は…







当麻「…記録術(かいはつ)1科目だけです」



あー、確かにそればっかりは難しいというものだ。理由は言うまでもないが、敢えて言うなら右手のアレ。

…ん? 待てよ? 上条(こいつ)、確か1科目だけって言ったよな……? という事は…



美琴「………え?」

当麻「なので、補習科目1つしか無いから年末年始の帰省には問題ナシ。美琴と一緒に実家で年を越せます♪」



と言って、以前のオールレッドからここまで成績を上げさせてくれた恋人 兼 家庭教師の美琴を愛と感謝を込めて
ぎゅ~っと抱きしめる上条。ぐぬぬ、学生時代の作者にも美琴みたいな女性がいてくれたら英語の成績が…いや、何でもない。



美琴「もうっ、余計な心配させないでよ当麻ぁ♪」(抱きつき&頬擦り)
当麻「悪ぃ悪ぃ。…ありがとうな美琴。上条さんは美琴のおかげで最高に幸せなのですよ」(ぎゅ~っ&なでなで)
美琴「えへへ♪ 当麻ぁ~♪」



あーもーこの二人は。こんなにいちゃいちゃされたら、この先の部分を(健全な内容だけど)文章で表現できないじゃないかまったく。
いくら人があまり来ないところだって言っても、さすがに公園なんだし、自販機置いてあるんだからたまには人来るはずだし、
完全下校時刻前なんだからそろそろ警備員(アンチスキル)さんの巡回が……あー、ほら、やっぱり来ちゃったよ。



警備B「えっと…あちらが、先輩が先月見た例のバカップルですかー?」
警備A「……あぁ、そうだ」(げんなり)
警備B「あらら、では先輩はお疲れのようなので私が完全下校時刻経過の通知をして来ます♪」


Bさん、上琴桃色空間目撃にもかかわらずダメージなしどころか絶好調だ。恐るべし。
先月(=第3話で)時刻通知したA先輩なんて、あの後、詰め所で「10km走よりも疲れた」とか言っていたのに。

…おっと、そうこう言ってるうちにBさんが時刻通知を終えて来た。



警備B「時刻通知完了、ちゃんと帰り道に向かった模様です」
警備A「ご苦労。ではこの近辺は異常なしのようだし、詰め所に戻ろうか」
警備B「了解です。…にしてもあの二人、良いカップルでしたー♪ 昔好きだった少女漫画を思い出しました」
警備A「……………あーそれはよかったな」(棒)


少女漫画レベルならまだ可愛いものじゃねーか、とA先輩が心の中でツッコむ。



……そのしばらく後、(たまたま門前に寮監がいなかったので)寮の玄関前まで来た二人。


当麻「んじゃ、また明日な」
美琴「うん、またね、当麻」


と言って上条は自分の寮に向かって駆け足で向かい、美琴は寮内へ…


美琴「……? あれ? 当麻、何か用事でもあるのかな…?」


以前なら(少なくとも寮から見える範囲では)“歩いて”帰っていたはずなのに…と妙な違和感を覚える美琴。
まぁ上条にしてみればゲコ太制作を急ぎたいため当然なのだが、それを知らない美琴は不思議そうに眺めている。



寮監「どうした御坂? 門限寸前だぞ。入らないのか?」
美琴「え、あ、あははは…すみません、お手数おかけしまして…」


デパート等で言うところの「化粧室」とかいう所から出てきたらしい寮監からツッコまれ、慌てて美琴が中に入る。



 ―翌日(土曜日)昼過ぎ 上条の寮の部屋内―


当麻「ぷはーっ……なんとか二度縫いは完了したーっ!」



縫うべき線の長さから不安はあったが、慣れもありなんとか二度縫いまでは完了。
さて次は、各部品をつなぎ合わせる作業か…? だとしたら技術指導要員の舞夏を呼ぶべきか…?



ピンポーン(呼び鈴)



当麻「ん…? 美琴との約束よりは随分早いけど、誰だろ?」

と言いつつドアを開けると、そこには吹寄と姫神がいた。


当麻「おーっす…どうしたんだ? 二人揃って」
姫神「土御門君の妹さんから。制作作業進捗の。連絡があったから。そろそろコレ渡そうと思って」
吹寄「……私は…姫神さんの付き添いで」


姫神から渡された紙袋を見ると、何やらツヤのある黒色の物体が。


姫神「ゲコ太のサイズが。ちょっと大きめだったから。着ぐるみ用の“目”を。仕入れてきた。」
当麻「おぅ、サンキュー姫神。……ってコレどうやってゲコ太に装着するんだ?」
姫神「一応。装着方法は。メモを用意してある。ちゃんと。縫い針が通る素材で出来ているから。簡単にできる」


と言って、紙袋の中にある丁寧なメモ(図解入り)を見せる。 うん、これなら出来そうだ。
……まぁ初挑戦の作業なので、今夜にでも舞夏あたりに技術指導を願いたいところだが。


姫神「あと。コレも」
当麻「んー?……げっ、確かコレ学期末までに提出の課題」(冷汗)
吹寄「『げっ』とは何事だ『げっ』とは! まったく貴様は…」
当麻「いやいや、コレを教室に置き忘れてたのを今思い出して、そんな自分に『げっ』と言っただけですが」(冷滝汗)
吹寄「……そ、そうか。てっきり5月頃までのだらしない貴様に戻ったのかと思ったじゃないか」(ぷぃっ)


なんと、上条は美琴と付き合い始める前後から、スケジュール調整に悪影響の出る要因(補習や追加の課題)などを
全力で回避すべく、授業態度から何からいろいろと改善が進んでいたようだ。いやぁ愛の力とは偉大なものである。


姫神「…それにしても」
当麻「うん?」
姫神「…よかった。ゲコ太。ちゃんと。緑色のままで」
当麻「まだそっち心配してたのかよっ!」
吹寄「本当、上条当麻も成長したものだな。絆創膏どころか針の刺さった痕(あと)も無い」
当麻「……あーもう、お前らの俺に対する評価は未だにその程度だったのかよ」


そりゃそうだ(笑)


姫神「それじゃ。私たちはこれで。頑張ってね。上条君」
吹寄「…頑張れよ、上条当麻」
当麻「おう、もちろんだ」(にかっ)









 ―同時刻 上条の寮付近の路上―

美琴「……い、今、当麻の部屋から…女性が…?」









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