<エピローグ 『私』と「わたし」の幸せ>
私は、彼等二人に何か、時代を超えて自分達と似ているところがあると思うのです。
だからこんな形でしか、彼等二人の本当の愛を、確かめることができなかったのでしょう。
幻想を殺して取り戻せる記憶など、所詮『夢』でしかないのです。
それを乗り越えていく過程…。
――若い頃の私達に似てますよね?
結局、彼等に「答え」なんて見つけられませんでしたが…
………
……
…
……
…
『なぜこんなことまでして、お前は結論を出せないんだ?』
…あら、それを他でもない、あなたが仰いますか?
…
……
………
……
………
確かに『私』の記憶の中で、彼等と共に過ごした日々は、単なる幻想にすぎないのかもしれません。
あなたと共に、夢見ていた日々の思い出が、私には眩しすぎたからでしょう。
しかし彼等二人が、手と手で紡いでいく物語は、……これから始まるのですよ?
例えいつでも、彼等二人を見ていたとしても、彼等の一挙一投足を忘れない能力を持っていたとしても、
彼等やその仲間達、家族と共に、ずっと一緒にいたとしても、
……その一生は語り尽くせない程の、――――笑顔と希望に満ちている。
そういうところが『私』にとって、彼等二人の未来に「答え」を見出せない、最大の要因なのでしょうね。
――――――パタン。
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あら、…何かお忘れ物ですか?
おやおやいけませんね、大事な家族を部屋に置いてきてしまうなんて…
ほら、彼等が帰ってきましたよ。 皆で迎えてあげましょう。
急いで急いで、でも転ばないように気を付けて。
―――『神』が愛する二人を引き離すことなど、ありはしない。
ずっと言いたかった言葉があるのでしょう? 最終確認です。…覚えていますね?
―――なぜなら、…神様だって恋をするのだ。
「「ただいま、インデックス!」」
―――そして、「ここ」にいるのは確かに、
「おかえり、みこと!とうま!」
―――私達の、可愛らしい娘なのだから…
== HAPPY END ==