とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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「さて、俺らの第一試合は野球だにゃー」
「相手は………どこだっけ?」
「それはな、カミやん……カミやんに恨みを持つ一年生だにゃー!!」
「ピッチャー返しには気をつけるんやで、カミやん!」

 上条たちのクラスの最初の相手は主に上条に恨みを持つとある一年生のクラスであった。
 青ピのその発言で野球組は全員笑い始め、緊張していた奴(情報屋など)の緊張がほぐれた。
 しかし、このとき誰も気付かなかった。
 実はこのクラス内は白雪ファンクラブなるもの(通称『月夜様に氷付けにされたい同盟』)で満たされており、彼らの狙いは上条ではなく土御門であることに(しかし上条にも恨みはある)…

「なあ、土御門。俺達のクラスってこんなに少なかったか?」
「言われれば確かにそうだにゃー。というか野球組と青ピと浜面って少なすぎる気がするぜよ」
「大方、どっかで道草でも食ってンだろ? さっさと俺達も準備してグラウンドに乗り込むぞ」
「同情する、俺はこの悪魔のような連中と試合する羽目になってる一年生に心から同情する」

 のんびりムードが漂う当麻のクラスの教室、しかしそれもバレー組が入ってきたことで壊されることに。

「あれ? 吹寄、茜川、野原達ってことはバレー組か。他の奴らはどうしたんだ?」
「……どうしたじゃないわよーーーーっ! 貴様達こそこんな所で油売ってる場合じゃないでしょ! 早く試合会場の常盤台に向かいなさい!」
「まったまたー、吹寄はんも冗談ばっかしー♪ ボクらが常盤台で球技大会する意味が分からんわ」
「そっちこそ冗談きついよ~♪ Aブロックはここで試合だけどBブロックは常盤台のグラウンドや体育館を借りて試合だよ……ってもしかして知らないの?」

 そう、この球技大会、AブロックとBブロックに分かれており各ブロックで勝ち残った2チームが準決勝以降へと駒を進めるのだ。
 ブロックごとで試合会場を分けたのは単に時間の短縮を狙ったものだが同時に各々のブロックの決勝進出チームの情報を必要以上に流さない為でもある(準決勝以降は全試合友愛高校で)。
 この事実をようやく知った野球組と青ピと浜面は、顔を青くさせながら既に分かりきっている自分達の参加するブロックを確認し始める。

「え~っと、バレーがAブロックで野球とサッカーとバスケはBブロック。つまり……俺達は今すぐ常盤台に向かわなきゃいかんということかーーっ!」
「テメェは状況を飲み込むのが遅ェんだよ上条ォ! ンじゃまァお先にィ!」
「アクセラてめっ! クソッ! オレらも全速力で常盤台に向かうぞ!」

 一足先に窓からダイブし、凄まじい速度で常盤台に向かった一方通行を呪いつつ、土御門は柄にも無くシリアス口調で他の野球組、青ピと浜面と一緒に常盤台へと向かった。
 その様子を呆れた感じで見ていた赤音のもとに真夜から電話がかかる。

『赤音さん、上条たち野球組と青ピと浜面ってもしかしてまだそっち?』
「ううん、今さっきそっちに向かったよ」
『そっか、それなら何とか間に合いそうだね』

 真夜の全く慌てていない口ぶりを不思議に思った赤音がその理由を自分の恋人に尋ねる。
 そして真夜の口から自分の予想を超えた答えが返ってきた。

「間に合うって上条君たちの試合時間ってもう過ぎてるよ? そっちで何が起きてるの?」
『分かりやすく言うとね、白雪さんが常盤台の生徒の大半から熱烈歓迎受けてて試合始められないんだ。詳しいことは後で話すから赤音さんも試合頑張ってね』

 親友の月夜に何が起きてるのか興味があった赤音だが、井ノ原ツインズと離れた寂しさの埋め合わせとして今夜の混浴を強引に取り付ける(タオル絶対着用が条件)。
 電話を終えてすっかり上機嫌になった赤音は吹寄たちバレー組の面々と一緒に、自分達の試合が行われる体育館へと向かうのだった。

――――――――――

少しして遅刻組で一番早く常盤台に到着した一方通行、彼はそこで月夜のファンクラブこと『月夜様に氷漬けにされたい同盟』の凄まじさを目の当たりにすることに。
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