とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

17-41

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匿名ユーザー

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「今日は絹旗はお休みですか。あの元気な子が珍しいですね。誰か理由を聞いていませんか? 初春」
「(何で皆に聞いたのに私を後で名指ししたんだろう……)最愛さんなら今日は当麻おに……上条さんの学校で特別課外授業ですよ」
「特別、ですか。ですが学校側には連絡無しですから無断も同然。となるとこの場合は出席にすべきか欠席にすべきか迷いますね」
「出席でいいですよ神裂先生。特別課外授業ですから休んでるわけではありませんし」

 初春の一言に「初春がそう言うなら」と言いながら絹旗を出席扱いにした神裂に誰一人としてツッコミを入れる者は居なかった。
 そのどさくさに紛れて初春の頭を撫でようとした神裂を止めている春上の構図を無視して、佐天が初春に絹旗のことを尋ねる。

「ねえ飾利。最愛が当麻兄さんの学校で課外授業ってことだけどさ、まさか球技大会に参加したりしないよね?」
「そのまさかなんですよ。詳しいことは学校が終わってから話します。最愛さんが参加するのはバスケということだけ教えておきますね」
「分かった。……けど今は神裂さんと春上さんを止めてくれる? HR終わんないからさ」

 絹旗に何が起こったのか気になる佐天だが、今はまずHRを終わらせて欲しかったので初春に頼み込んだ。
 初春に窘められてしゅんとしながらもHRを終了させた神裂、学校が終わったら初春を連れてどこか遊びに行こうかと画策していた。

――――――――――

 同時刻、必要悪の教会・学園都市支部の教会。

「さあ行くよステイル! 私をのけ者にしたとうまたちをあっと言わせてやるんだよ!」
「そうだねインデックス。短期間ながらもそれなりに練習したんだ、優勝して上条当麻や土御門を驚かせてやろう」

 朝早くからインデックスとステイルが張り切っていた、どこから拝借してきたのか友愛高校の体操服に身を包んで。
 そこに相も変わらず朝はゆっくりなシェリーが起きてきて、2人の格好を不思議そうな顔をした。

「おいお前ら、朝から何でそんなにテンション高いうえにいつもと違う格好してんだよ……」
「これはね、球技大会に参加するための戦闘装束なんだよ。バスケットボールが私たちを呼んでるかもって思うとテンションも上がるんだよ」
「悪い禁書目録、その理論は私には分からんわ……。今日は私、朝から第9学区で個展の打ち合わせだから留守だけどあの捕虜2人は誰が監視するんだ?」
「ハイドンとクレインに監視の必要は無いよ。あの2人が初春を裏切って逃亡なんてことをするわけが無いからね(僕だけに生意気なのは今も納得行かないが……)」

 名目上の捕虜であるハイドンとクレインの心配を無用と感じたシェリーはそのまま第9学区へと向かった。
 少しして、インデックスとステイルも友愛高校へと向かうのだった、捕虜2人組に見送られながら。

――――――――――

部外者チームのうちの3人はインデックス、ステイル、絹旗とさせてもらいました。
後の2人も一応考えていますが他の方に任せようかと思います。

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上条たちが、各々の成果を報告しあっていた頃、友愛高校の職員室では。

「皆さんの成長を実感できて先生は本当にうれしいのですよー。みんな木山先生のおかげですー。」
「いや、私は生徒たちの能力の本質を彼らにありのままに伝えているだけであって、全て本人たちの実力なのだが...。」

 試合を撮った動画を見て、感動のあまり、涙目になる小萌先生。そして、素っ気ない受け答えをする木山。
 とはいっても、木山の観察力、指導力は本物で、彼女の指導によってレベルが上がった生徒の一部からは《幻想御手》と呼ばれたりしている。

 ただ、彼女らが行っているのは、試合の観賞会ではなく、一年生最期(←誤字ではない)の行事である【合宿】の準備である。
 今年の一年生は例年よりもレベル(いろいろな意味で)が高いため、特に、ハンターの人選は、慎重にする必要があるのだ。勿論、飛行機のチケットの手配などもあるが...。

「とりあえず闇咲先生は決定じゃん。真面目だし、実力もあるし、それに下手に外部の人間に頼んで迷惑をかけるわけにもいかないじゃん。」
「外部......それです!!。外部がダメなら、身内からハンターを選べばいいのですよー。」
「身内?教師陣は脱落者の回収で手いっぱいのはずじゃん?」
「違うのですよー。がんばってもらうのは、上条ちゃんたち2年生なのですー。」

 さっきまで流していた涙はどこへやら、これ以上ないくらいの笑顔をした小萌先生の提案によって、上条たちの無人島行きは決定した。

――――――――――

 一方、友愛高校売店。

「麦野ちゃん、何やってんの?」
「ちょっと、バスケの試合に参加しようと思って」

 見事に友愛高校売店の看板娘となった麦野。
 売店の売り物である友愛高校の体操服に身を包んでいた。

「まあいいんだけど………なんでへそだし?」
「ふふふ、これで悩殺してくれるわ、はまづらぁーー♪」

 麦野は現在、体操服を神裂なみに着崩していた。
 しかしこの後、浜面はこのときの麦野に恐怖を抱き、しまいには神裂までも恐れるようになることを。

――――――――――

 さらに一方、第七学区のいつもの病院。

「ではじゃんけんの結果、ミサカがバスケの代表に決まりました。とミサカ10032号は説明口調で説明します。」
「まあ、じゃんけんで決まったことですしね。とミサカ10039号は実はやりたかったという思いを隠しながら述べてみます。」
「な、納得ができません!とミサカ19090号はじゃんけんのやり直しを要求してみます。」
「そんな時間はありません!!とミサカ10032号はすばやく体操服に着替え、友愛高校へ向かいます。」

――――――――――

 時間軸は戻り友愛高校の体育館、そこには驚きの光景が広がっていた。
 郭率いる黄泉川のクラスが56対12で快勝した次の試合、1年生のクラス同士の試合が始まるはずだった。
 ところが謎の一団が乱入、その2チームと戦って勝利したら球技大会参加を認めろとの宣告をしてきたのだ。

「冗談じゃない! そんな訳の分からない要求が呑めるわけないだろう!」
「部外者は引っ込んでてよ! 大体イロモノ集団に構ってる程こっちも暇じゃないんだから!」
「イロッ……! ふ、ふーん、つまりあなた達はわた、じゃなかったピュアシスター率いる【歩く教会】チームに勝てないから逃げるんだね?」

 ピュアシスターを名乗る人物に挑発されて「受けて立つ!」と【歩く教会】チームと戦うことを了承した2つの1年生チーム、正直楽勝だと踏んでいた。
 しかし結果は50対24、57対27と【歩く教会】チームの快勝、しかし真に恐ろしいのは、

「ち、ちくしょう……。第1Qは互角だったのに何で第2Qは得点出来ねぇんだよ!」
「それはこっちも同じよ。第2Qになったらこっちのフォーメーションも能力使用タイミングが完璧に読まれてるし……」

 第2Qになってまるで動きを予言したかのような【歩く教会】チームによる完璧な試合運びで相手チームを0点に抑えたことである。

「さすがだよピュアシスター。君の完全記憶能力のお陰で相手チームの動きを完全に封じることが出来たよ」
「ううん、まだまだかも。相手チームの動きを記憶するのに時間がかかるから第1Qは互角だったんだよ。むしろシガレットの頑張りが大きかったんだよ」
「こんな所でいちゃつくなんてとても羨ましいです、とミサ……クールビューティーは本音を隠さずにはいられません」
「Cが麦、じゃなかったムギムギというのも超大きいです。その左腕さえあれば浜面たちのチームを倒すなんて超造作もありません」
「とはいっても大きさは制限されてるんだけどねぇ。しっかしシルク、あんたやり過ぎじゃない? 相手ブロックをぶっ飛ばしてのダンクなんてさ」

 【歩く教会】チームはお互いのことをコードネームのようなもので呼んでいたが分かる人にはバレバレだったりする。
 しかし全員が全員、覆面で顔を隠しているので口を挟めない、というか関わりたくないというのが現実である(1人は覆面の上に軍用ゴーグル装備)。
 実は【歩く教会】チームが覆面、そしてコードネームを名乗ってるのにはちゃんとした理由があった。

 乱入前の【歩く教会】チーム、彼女たちは体育館の裏で試合スケジュールを見て頭を悩ませていた。

「ど、どうしようステイル。まさかりこうのクラスのチームと同じブロックなんて想定外もいいところなんだよ」
「正直僕も戸惑っている。師匠のクラスとは決勝まで当たりたくなかったからね」
「お前ら今さら何言ってるのさ? 滝壺のクラスだろうと何だろうとぶっ倒して優勝すんだろ? 何を怖気づいてんだよ」
「麦野は超知らないでしょうけどインデックスとステイルは日頃から滝壺さんにお世話になってるんです。恩人に牙を超向けるようなものなんですよ」

 インデックスとステイルと滝壺の関係を麦野に説明してる絹旗だが、彼女も滝壺と同じブロックということには戸惑っていた(理由は先の二人と同じようなもの)。
 そんな中、4人から少し離れた所でうな垂れている御坂妹にインデックスが気付いた。

「どうしたの? クールビューティー。もしかして体調でも悪いの?」
「いえ、体調はすこぶる良好。体操服もこの高校のものを着用で顔もゴーグルで隠すと外見のフォローも完璧とミサカは宣言します」
「じゃあどうしてうなだれてるの?」
「バスケに参加すれば当麻さんに会えると言われて参加したのに当の本人は常盤台でしかも野球に参加してるなんて! とミサカはオーナー初春に詐欺られたと告白します」

 インデックスとステイルはしょうもない理由に呆れ、御坂妹の事情を知っている絹旗と麦野は本当に目の前の少女が美琴のクローンなのかと疑問を抱いていた。
 そんな色々と悩んでいる【歩く教会】チームに救いの手を差し伸べたのはこのチームの存在を事前に初春から知らされていた木山だった。

「君達何をしてるんだい? 乱入するなら早くした方がいいぞ」
「は、はるみ、あのね実は」

 インデックスは自分達の抱えている事情を木山に話した、それはもう深刻そうに。
 ところが木山は全く動揺を見せずに解決方法を提示する。

「まずは妹達の1人の君、上条とは準決勝まで勝ち進めば明日には会える。競技は違うがそれで充分だろう?」
「確かにそうですね、とミサカは気持ちを新たに頑張ることをここに誓います」
「それからインデックス。滝壺のクラスと極力当たりたくないのなら彼女達のクラスの試合の次の試合に乱入しろ。そうすれば準決勝で当たることになる」
「う~ん、本当ならりこうのクラスに迷惑はかけたくないけど準決勝ならりこうもきっと許してくれるかも。分かった、それで行くんだよ」

 インデックスの言葉にステイルと絹旗も同意、ようやく【歩く教会】チーム全員の士気が戻った。
 そして木山から自分達の乱入する試合が次だと告げられ、意気揚々と乗り込もうとしたのだが木山から覆面を手渡される。

「最初はミステリアスな方が盛り上がるだろう。最初から素顔で乗り込むよりはいくらかマシだしな。ついでにコードネームも考えたらどうだ?」

 木山の提案に全員納得して覆面を装着、コードネームもスパッと決めた。
 インデックスはピュアシスター、ステイルはシガレット、絹旗はシルク、麦野はムギムギ、御坂妹はクールビューティーという感じで。
 なお御坂妹だけは上条夫人と名乗りたかったがインデックスと絹旗に猛反対されるという珍事が起きていたりする。
 こうして準備万端という意味で覆面を装備、コードネームを名乗って乱入をしたのだった。

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