とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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 【歩く教会】チーム乱入の興奮冷めやらぬ中、滝壺が彼女達について考えていた。
 ちなみに滝壺は競技参加せずにバスケ組のマネージャーをしている。

(いんでっくす、すている、きぬはた、むぎの、多分だけど妹達の誰か、何であんな格好してるんだろう? 素顔で参加したらいいのに)

 乱入にも寛大すぎる滝壺、【歩く教会】チームの素性をばらす為にジャージのポケットに忍ばせていた魚肉ソーセージを思いっきり放り投げた。

―――――――――――――――――――――――――――

「ま、まずい!」

インデックスの目の前に飛んできた魚肉ソーセージを見た【歩く教会】チームの面々は驚き出したが、その合間のうちにインデックスは覆面を剥ぎ取りかぶりついてしまった。

「ムグムグムグムグムグ、ゴックン、ハァ――ご馳走様なんだよ、りこう」
「遅かった!」
「我々チームの唯一の弱点をつかれてしまいましたね。とミサ、クールビューティーは呆れ果ててしまいます」
「滝壺の奴、だんだん腹黒くなってきてないか?」
「麦n、ムギムギそれは超違うと思います、滝壺の場合は超天然なだけだと思いますよ」

 魚肉ソーセージを空中キャッチでかぶりついたインデックスに体育館は静まり返る。
 しかしそんなことはお構いなしのインデックスがなおも滝壺に食べ物をねだるが、

「いんでっくす待って。食べ物なら後であげるからまずは事情を話して」
「分かったんだよ。あ、それと球技大会中はピュアシスターでお願いするんだよ」

 同じく周囲などお構いなしの滝壺に一時制止されて、乱入の理由を話す為にステイル達を呼び寄せた。
 【歩く教会】チームが勢揃いしたところでインデックスが簡潔に理由を話した。

「つまりかみじょう達ばかり楽しいことをしててのけ者にされたから球技大会に乗り込んだ。そうゆうこと?」
「簡単に言うとそうなるかも。あらかじめとうまが教えてくれたらこんな無茶はしなくてきちんと申請して球技大会に参加してたんだよ」
「そう、それなら仕方ないね。それにしてもよくチームを作ったね、えらいよいんでっくす」
(こんな子供のわがままのような理由で納得するとはさすが師匠、心が広い。しかし呼び方は変わらないのか……)

 滝壺の懐の深さに感心していたステイル、この様子なら強制退場は無いだろうと安心していた。
 そんな中、絹旗が滝壺に自分と麦野、それと御坂妹がこのチームに参加している事情を伝える。

「確かに発端はピュアシスターですけどチームを実際に超作ったのは飾利です。私もムギムギもクールビューティーも飾利に超頼まれて参加したんですよ」
「初春には世話になってるし、たまには学生の真似事も悪くないからね。それに浜面と同じ競技で戦うとなると断る理由なんてないし♪」
「私は上位個体の警護、ならびに当麻さんに会えると言われて参加しましたとクールビューティーは告白します。多少、揉めはしましたが」

 実は初春が魔術側の人間と科学側の人間を組ませてどんな反応が起きるのかを知ろうとしているのだが、それにかろうじて気付いているのはステイルのみ。
 そこへ災誤が乗り込んできて【歩く教会】チームへと乱入の件について尋ねてきた。

「こらこらお前達! 一体全体どうゆうつもりだ! 球技大会を滅茶苦茶にしうおっ! な、何だぁ!」
「滝壺さん、この人間の言葉を超巧みに操り、人間の服を着ているゴリラは何なんですか?」
「きぬはた、それはさいごに失礼。さいごはこう見えても人間、しかもうちの学校の教師。だから下ろしてあげて」

 【窒素装甲】を使って軽々と災誤を持ち上げた絹旗、滝壺の説明を受けてポイッと彼を放り投げた。
 絹旗に放り投げられて腰を強く打った災誤が痛みを堪えつつ再度詰め寄ろうとしたが、現れた木山に止められてしまった。

「ど、どうゆうつもりですか木山先生? あの乱入者たちを見過ごすんですか?」
「彼女達は1年生のクラス、しかも2チーム倒しました。実力は申し分ありません。それにすでに生徒達は受け入れ始めています」
「……確かに。分かりました、特例として認めましょう」

 災誤が【歩く教会】チームを認めたのは木山の言葉だけでなく、体育館中の生徒たちが彼女達に期待の眼差しを向けていたからだったりする、いい意味でも悪い意味でも。
 こうして晴れてインデックス率いる【歩く教会】チームがバスケ参加を認められたのだが、インデックスはわざわざ覆面をかぶり始めた。

「いんでっくす、どうして覆面をかぶるの? 正式に参加を認められたんだから顔を隠す必要なんてないのに」
「簡単なことなんだよ。明日、とうま達の目の前で正体を明かして驚かせてやるためなんだよ! それとりこう、今日の私はピュアシスターなんだよ」
「わかった、いんでっくすがそう言うならかみじょう達には内緒にしてあげる」
「だーかーらー!!」

 なおもインデックスをコードネームで呼ばない滝壺を見てステイル、絹旗、麦野は思った、最期までコードネームで呼ばないだろうと。
 乱入者騒ぎが収束した体育館では球技大会が再開され、その後の試合は滞りなく進められるのだった。
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