とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

17-52

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
「何で俺たちはこんな所に集められているでせうか?」
「さァな。だが決勝戦前の挨拶とかじゃなさそゥだなァ」
「皆さん、とっても重要なお話があるのです!」

 マイクを限界まで下げて段の上にたつ小萌先生。
 そして、小萌先生はこの後の決勝戦の内容とそれに関することを告げた。

「私、というか先生達は思っても無かったのですよ。私のクラス全チームが決勝に残るなんて。バスケくらいは負けると思ってたんですけどね~」

 小萌先生ひどっ、上条のクラスの生徒全員が同じことを思っていた。
 しかし小萌のぶっちゃけトークはまだまだ続く。

「そう考えるともう私のクラスの精鋭さんVS相手の決勝進出チームの精鋭さんの1試合で決勝戦やっちゃおうってことになったのです~。なんかめんどくさいし」
「めんどくさいって何すかそれ! 小萌先生ともあろう方がそんな言葉を吐くなんて予想外にも程がありますよ!」
「上条ちゃんシャラップ。いいじゃないですか、これで勝った方が各種目の優勝もゲットということで。総力戦、響きが何かかっこいいじゃないですか~♪」

 このアイディア、小萌先生のじゃ無いな、普段はおちゃらけてるがやる時はとてもやる土御門はすぐに察した。
 こんなことを考える教師はたった1人しかいないと踏んでいる土御門は、首謀者たる木山に質問する。

「それで木山センセ、オレ達がやる種目ってのは何なんだ? 球技大会を何だかんだで仕切ってるのはアンタだ、この決勝も当然アンタの仕切りだろう。さ、ちゃっちゃと話すぜよ」
「(初春の言った通り土御門は本当は凄い切れ者だったか)いいだろう。種目はサッカー、試合時間は45分ハーフ。相手への直接攻撃ならびに能力使用が禁止されてる以外は普通のサッカーだ、殆どな」

 決勝の種目がサッカーと聞いて嘆いたのは当然ながらサッカーを選択していなかった者達。
 反対に最初からサッカーを選択していたそれぞれの主力メンバーと思しき者達は、

(成程、昨日の試合終了後に木山先生から全く新しいチームになるかもしれないと仰っていたのはこうゆうことだったのですね。それにしてもアク様と試合とは私は何と幸運なのでしょう!)
「良かったよ~、他の種目ならどうしようかと思ったもん。これも私や井ノ原くんや真昼ちゃんの日頃の行いがいいせいかもね♪」
「ま、まあな。しっかし花粉症がここまでふぇ、ふぇっくしょん! はっくしょん! へっきしょん! ぶえっくしょい!」
(確かにサッカーというのは運がいいけど真昼さんがこの調子じゃあなぁ……)

 細かい所が違えどもラッキーと思っていた。
 最初は騒いでいた決勝進出者達も1試合で終われるならそれもいいかと思い始め、決勝のスペシャルマッチを受け入れることに。
 生徒全員が納得した所で木山は上条クラスの相手チームのメンバーを発表する。

「上条達の相手チームは僭越ながら私が選抜した。では発表する。エツァリ、ショチトル、削板軍覇、五和、心理掌握、結標淡希、そして【歩く教会】チーム。以上だ」
「【歩く教会】チーム? 一応聞いておきますけどそれってインデックスとかが覆面被ってる変な一だあだだだだっ! か、噛むなよインデックス!」
「違うんだよ! 私は清純可憐なあのインデックスじゃないんだよ! 私はピュアシスター! とうまの言い方はインデックスに失礼って分からないかな!」

 もの凄く久しぶりにインデックスに噛まれてる上条、最初は久々の衝撃に驚いたがすぐに順応してしまった、難儀なことに。
 噛み続けてるインデックスを器用に頭からぶら下げたまま、上条はパッと見で分からない少女が落ち込んでいるのを発見した。

「あ、あの~そこのお嬢さん。わたくし上条当麻が何か気に障ることでもしたのでせうか?」
「……お兄ちゃん超酷いです。他の人たちはともかく私のことまで超変な一団扱いだなんて……。私はお兄ちゃんと超一緒に遊びたかっただけなのに」
「その喋り方……最愛かよ! ゴメン! 他の連中はともかく最愛は変じゃないもんな。けど俺としてはちょっと嬉しいかな。最愛がここまでして俺と兄妹のスキンシップを取るなんてさ」
「おっ、お兄ちゃんのそうゆう所はお兄ちゃんらしいとは思いますけど相手を超選ぶことを進言します。それと私以外の【歩く教会】の面々が超怒ってることも」

 絹旗は素直に自分のことを気にかけてくれるのは嬉しかったが、思わせぶりな言葉がフラグ立てになることもそれとなく忠告した。
 その後、覆面を脱ぎ捨てた(御坂妹はゴーグル着用)絹旗以外の【歩く教会】チームから集団リンチを受けてる上条を尻目に土御門は自分達のチーム選びについて木山に尋ねる。

「なあ木山センセ。こっちのチーム選びはどうするぜよ? あんたが選んだ選抜メンバーがギリギリということを考えるとこっちも11人キッカリしか参加できないのかにゃー?」
「そっちの交代は自由だ。何せ選抜チームは全員が全員、優れた実力を持っている。そっちは君を含め実力者揃いといっても無能力者が少なくない。それくらいは融通してやらないとな」

 それを聞いて安心してチームメンバーを選べると思った土御門は、今度は声を落として試合に関する制限について尋ねた。
 声を落としたのは参加者の中に魔術サイドの人間が数名混じってることが理由である。

「ところで制限とかはどうなるんだ? 能力者はともかく魔術師はあんたは専門外だ。どうするつもりぜよ」
「基本、得物は持たせないつもりだ。魔力で生み出した武器は別としてな。後は闇咲先生にお願いしてある。能力者に関しては対象者のみ決勝開始前に集めて私が説明するさ」
「ま、誰が対象者かは想像はつくとしてだ、オレから頼みがある。井ノ原弟に能力のフル使用を認めてくれ。相手を考えるとチトきついぜい」
「(フル使用でなくとも全箇所70ずつでも今の真夜なら充分なのだが……)それは無理だな。詳しいことは本人に聞くといい。というわけで全員解散」

 木山の解散の合図を受けて小萌と木山は職員室へと、決勝選抜メンバーと上条のクラス以外の生徒達は昼食を摂る為に思い思いに移動を開始した。
 土御門は木山の言葉が気になり、真夜に彼の能力について尋ねると意外な答えが返ってきた。

「うん、確かに今からだと無理かな。フル使用、つまり全箇所90の強化にするには一旦能力を解除するかリミット待たないといけないし」
「だったら何の問題も無いはずぜよ。リミットはともかく一旦解除してすぐに【瞬間超人】の全箇所90強化するがいいんだにゃー♪」
「だからそれが出来ないんだよ、すぐには。自分で解除、リミットで能力オフになるにしてもインターバルで450分待たないと能力使用出来ないんだ」

 そう、真夜の【瞬間超人】の最大使用時間は強化できる数値の総量の分数(今なら450なので450分)なのだ。
 しかも最初に使用した総合数値をその状態から引き上げることは出来ず、総合数値を上げる場合は自分で解除してから再度使用する必要がある。
 そして再度使用する場合のインターバルはどれだけ強化しても最大使用時間と同じ時間が必要となることが最近の木山の調べでようやく判明したのだった。

「(例外は上条の右手でキャンセルされた時だったかな、バレンタインで殴られた時はすぐに能力使用出来たし)まあ、そうゆうこと。それと決勝は真昼さんの看病したいから出るつもりは無いよ」
「びえっくし! ぶわっくしょい! はっくしょん! あ゛~、ようやぐ風邪の実感が出てきた気がするぜ……。頭痛ぇし体寒ぃし……」
「はーい真昼ちゃん鼻水出てるからチーンしようねー。真夜君、私も一緒に看病する?」
「赤音さんは試合に出て球技大会楽しんでよ。こっちは俺1人で大丈夫だから。じゃあ行くよ、真昼さんをベッドで休ませたいから」

 最後に真夜は今日の弁当をみんなで分けるように茜川に頼み込むと、真昼を背負って保健室へと向かうのだった。
 土御門も真夜の恋人優先主義は知ってるので何も言わずに了承したが、戦力と考えていた二人が抜けたのはかなり痛かった。

(まさか双子が出ないとは誤算もいいところだ。井ノ原弟は可能性はあるだろうがフル出場は望めないだろうな。アクセラは打ち止めちゃんに充電してもらえればフル出場はいけるが……)
「サッカーってのは予定外だがやるこたァ同じだ。正々堂々と敵をブッ倒して優勝だァ! 見てろよ打ち止め、俺なりのフェアプレイってのをよォ!」
「一方通行のフェアプレイがすっごく楽しみだから頑張って応援するねってミサカはミサカは宣言してみる!」

 今のアクセラは充電を受け付けないだろうな、土御門は青春してる学園都市最強を見て断念した(能力の使用時間、残り55分)。
 上条の方を見ると絹旗以外の【歩く教会】チームのフルボッコが継続中なので、仕方なく土御門は上条と井ノ原ツインズ以外のクラスメートを集めて参加する選手について話し合うことに。
ウィキ募集バナー