「野原………は流石に無理か」
「仕方ないにゃー。交代ぜい、青ピ!」
「仕方ないにゃー。交代ぜい、青ピ!」
野原の容態を確かめる上条だが、野原はうんともすんとも言わなかった。
そのため、土御門は危険を感じて先にアップさせていた青ピとの交代を決めた。
そのため、土御門は危険を感じて先にアップさせていた青ピとの交代を決めた。
「やあ、ツッチー。ようやく僕の出番?」
「ああ。本当は後半からの出場の予定だったが野原はもう無理にゃー」
「任せてツッチー!僕の活躍で残りの前半は無失点で切り抜けたるわー!」
(………何故だが今日の青ピは何かやりそうな気がするにゃー)
「ああ。本当は後半からの出場の予定だったが野原はもう無理にゃー」
「任せてツッチー!僕の活躍で残りの前半は無失点で切り抜けたるわー!」
(………何故だが今日の青ピは何かやりそうな気がするにゃー)
実は青ピは今日の朝に黒子や弟子達と会い、凄い活躍を見せる事を約束していた。
そのためか、今日の青ピはいつもとは違う雰囲気を醸し出していた。
そのためか、今日の青ピはいつもとは違う雰囲気を醸し出していた。
「キーパーが超負傷している今が好機です!追加得点頂きま―――」
「悪いけど、そんな事はさせませんでぇ!」
「悪いけど、そんな事はさせませんでぇ!」
五和が開始早々ボールを奪い絹旗にパス、絹旗必殺の【窒素装甲】による投げシュートのパターンに入ろうとする。
しかし、それをよんでいた青ピは災誤とのぶつかり稽古で鍛え上げられた自らの身体をパスコースに割り込んでのトラッピングを敢行する。
しかし、それをよんでいた青ピは災誤とのぶつかり稽古で鍛え上げられた自らの身体をパスコースに割り込んでのトラッピングを敢行する。
「(本当にツッチーの言ったとおりや。絹旗ちゃんは攻めの機転やな)ほら、行きますでー、白雪はん!」
「オッケー、ナイスだよ、〇〇くん(青ピの本名)!」
「オッケー、ナイスだよ、〇〇くん(青ピの本名)!」
白雪が青ピからボールを貰い、一気に攻めあがる。
しかし目の前にいたステイルはすぐさま反応し、炎剣を繰り出す。
しかし目の前にいたステイルはすぐさま反応し、炎剣を繰り出す。
『ステイル!炎剣を地面に向けて放って!コレでつきよのだいたいの攻撃パターンは潰せるんだよ!そのあと蜃気楼で近づいてボールを奪うんだよ!!』
「分かった!それっ!」
「分かった!それっ!」
言われたとおり、足元に炎剣を放ち、炎の噴出を引き起こすステイル。
白雪が炎の壁で足を止めた隙に蜃気楼で近づきボールを奪い去った。
白雪が炎の壁で足を止めた隙に蜃気楼で近づきボールを奪い去った。
「あ!何時の間に!」
「悪いけど君と遊んでる暇はないんだ。悪く思わないでくれ」
「行かせないよ!」
「悪いけど君と遊んでる暇はないんだ。悪く思わないでくれ」
「行かせないよ!」
白雪を抜き去ったステイルの前に出てきたのはおなじみショタっ子こと月詠翔太だった。
炎の能力者vs炎の魔術師。
なかなかな対戦カードか今ココに揃った。
炎の能力者vs炎の魔術師。
なかなかな対戦カードか今ココに揃った。
「ふむ、炎対炎ですか。なかなか興味深いですね」
「ていうかステイルさんの相手って当麻兄さんの同級生なんですね、あんなに童顔で背も小っちゃいのに」
「ていうかステイルさんの相手って当麻兄さんの同級生なんですね、あんなに童顔で背も小っちゃいのに」
観客席からステイルと翔太を見ているのは神裂と佐天、お互いに興味を持っていたがその内容は別物だった。
その一方で2人の対決にそれほど興味を持てない者達も一緒だった、美琴と初春である。
その一方で2人の対決にそれほど興味を持てない者達も一緒だった、美琴と初春である。
「あーあ、サッカーのせいなのかなー。当麻があんまり活躍してなくて物足りなーい」
「まあまあ美琴お姉さん。きっと後半になったら当麻お兄ちゃんも活躍しますよ(さて、私もそろそろ)」
「まあまあ美琴お姉さん。きっと後半になったら当麻お兄ちゃんも活躍しますよ(さて、私もそろそろ)」
美琴、神裂、初春、佐天の周りには実は人は少なかった、神裂がこっそり張った弱めの人除けの結界のお陰である。
ちなみに打ち止め、滝壺と郭はそれぞれの自分のクラスと、黒子は何故か来ていた寮監に捕まってしまい一緒ではない。
日本出立前に上条達に挨拶しておきたい初春、そろそろ移動しないといけないと思って席を立つが当然ながら神裂が心配そうに声をかける。
ちなみに打ち止め、滝壺と郭はそれぞれの自分のクラスと、黒子は何故か来ていた寮監に捕まってしまい一緒ではない。
日本出立前に上条達に挨拶しておきたい初春、そろそろ移動しないといけないと思って席を立つが当然ながら神裂が心配そうに声をかける。
「か、飾利? どうしたのですか、まだ前半は終わってませんよ。何か用事があるなら私も」
「大丈夫ですよ火織お姉ちゃん。美琴お姉さんと涙子さんが一緒ですから。火織お姉ちゃんは待っていて下さい」
「御坂と佐天が一緒ならやはり私も! 飾利のお姉ちゃんとして…………っ!!」
「大丈夫ですよ火織お姉ちゃん。美琴お姉さんと涙子さんが一緒ですから。火織お姉ちゃんは待っていて下さい」
「御坂と佐天が一緒ならやはり私も! 飾利のお姉ちゃんとして…………っ!!」
神裂の追求を止めたのは初春からのハグで、これだけで神裂は借りてきた猫のように大人しくなってしまう。
普段は神裂から初春へのハグばかりだがその逆、つまり初春から神裂へのハグは極めてレアなのだ。
普段は神裂から初春へのハグばかりだがその逆、つまり初春から神裂へのハグは極めてレアなのだ。
「(さすが対馬さん、火織お姉ちゃんのこと分かってるなぁ)じゃあ行ってきます。私が帰って来るまで待って下さいね、火織お姉ちゃん♪」
「ええ♪ 飾利も気をつけて。御坂に佐天、飾利のことはお任せします」
「「は、はぁ……」」
「では行きましょう2人とも」
「ええ♪ 飾利も気をつけて。御坂に佐天、飾利のことはお任せします」
「「は、はぁ……」」
「では行きましょう2人とも」
少し席を外すだけで大げさな神裂に呆れる美琴と佐天だが、神裂のシスコン(初春限定)レベルを考えると妙に納得してしまった。
席を立って全天候型スタジアムの屋内へと先頭に立って進む初春から美琴と佐天に思いがけない言葉が投げかけられる。
席を立って全天候型スタジアムの屋内へと先頭に立って進む初春から美琴と佐天に思いがけない言葉が投げかけられる。
「あの調子なら火織お姉ちゃんも2週間は大丈夫でしょう。後は当麻お兄ちゃん達にロンドン行きを報告するだけです」
「「…………2週間? ロンドン? 飾利、どうゆうこと?」」
「お2人への報告が遅くなってゴメンなさい。私、今からロンドンに短期留学すはわわわわわっ!」
「「…………2週間? ロンドン? 飾利、どうゆうこと?」」
「お2人への報告が遅くなってゴメンなさい。私、今からロンドンに短期留学すはわわわわわっ!」
初春のロンドン行きを聞かされた美琴と佐天は事情を詳しく聞く為に初春の肩を掴んでユサユサと揺さぶりながら話を聞こうとした。
しかしそれでは話を聞けないことにようやく気付いた美琴と佐天は軽いパニックから回復、同じく目を回していた初春が回復するのを待って事情を聞いた。
しかしそれでは話を聞けないことにようやく気付いた美琴と佐天は軽いパニックから回復、同じく目を回していた初春が回復するのを待って事情を聞いた。
「キャーリサさんとヴィリアンさんと一緒に思い出作り、ねぇ。飾利ってホントにお姉さん達に愛されてるわね。というか留学じゃなくてただの旅行でしょ、それ」
「う~ん、キャーリサ姉さまとヴィリアン姉さまと遊ぶのは後半の一週間で前半の一週間は本当に勉強するから嘘は言ってませんよ」
「そう考えるとさっきの神裂さんへの言葉も嘘じゃないってことか。飾利って本当にいい性格になりつつあるよね……」
「涙子さんったら褒めても何も出ませんよ♪ じゃあ行きましょう」
「う~ん、キャーリサ姉さまとヴィリアン姉さまと遊ぶのは後半の一週間で前半の一週間は本当に勉強するから嘘は言ってませんよ」
「そう考えるとさっきの神裂さんへの言葉も嘘じゃないってことか。飾利って本当にいい性格になりつつあるよね……」
「涙子さんったら褒めても何も出ませんよ♪ じゃあ行きましょう」
佐天は口を滑らせて出た言葉で初春に怒られると思っていたので少々驚いていた。
当の初春は全く気にするどころがやや上機嫌で美琴と佐天と一緒に上条チームの控え室へと向かうのだった。
当の初春は全く気にするどころがやや上機嫌で美琴と佐天と一緒に上条チームの控え室へと向かうのだった。
――――――――――
一方のステイルVS翔太だがこちらの一対一はまだ続いていた。
というのもステイルも翔太もこうもお互いの距離が近いと自分の炎で相手に直接攻撃してしまうということで能力使用を控えたのだ。
膠着状態に入った2人の対決、45分経過してロスタイムが1分と発表された所でついに動きを見せる。
というのもステイルも翔太もこうもお互いの距離が近いと自分の炎で相手に直接攻撃してしまうということで能力使用を控えたのだ。
膠着状態に入った2人の対決、45分経過してロスタイムが1分と発表された所でついに動きを見せる。