とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

2-301

最終更新:

NwQ12Pw0Fw

- view
だれでも歓迎! 編集

小ネタ あの鉄橋



無敵の超電磁砲……常盤台のエース……

そう、あたしは無敵だった。無敵だから孤独で仕方がないと思っていた……

でも……無敵じゃなくなったのに……あたしはやっぱり孤独だった……

あたしを打ち負かした二人の男……今まで誰にも負けなかった……
自分の力があればどんなこともできると思っていた……

今まで築き上げてきたプライドも今はもうない……

ルームメイトはあたしの変化に敏感だ。
それにあの子は絶対にあたしの絶望を知れば……
その絶望を抱えているのがあたしでなかったとしても
自分の正義を貫くために踏み込んで来る。
だからあの子の前ではあたしは……強い今までの自分を演じ続けなければいけなかった。

もう……無敵ではなくただの弱いひとりの半端ものなのに……

けれど……自分を打ち負かした二人の男は全く違っていて……
一人は蔑みの瞳であたしを見つめ、拒絶した。その凍てつく視線であたしは指一本動かすこともできなかった。

でも、もう一人は……
そいつとの追っかけこは、すごく楽しくて……一晩中続けても飽きなかった。
最後はちょっと怖かったけど……けれど、そいつの隣はあったかくて……すごく居心地がよかった。

昨日久しぶりに逢ったあいつの隣はやっぱり……あたたかくて…………

今日、自分の人生が終わりを迎えるこの日に……
最後にもう一度あいつに逢いたかった……そう思っていたら後ろから声をかけられた……並んで歩けた……それだけでいい……

自分ひとりが助けを求めるのは卑怯だと……
自分のせいで一万人近い『妹達』が殺されて、残る一万人にしても常に死の淵に立たされてる……
そんな自分が一人助けを求めることなど許されるはずがない……

……たすけて

おもわずつぶやきかけた声をのどに押し込めた……

一人でいる今このときにあの時押し込めた声をしぼりだす……

たすけて……

決して誰にも届かない……いや、届かせてはいけないつぶやきが闇ノ中に消える……
たとえこの命を殺してでも、止めなければいけない……
そう……過ちを犯したこの自分自身の手で……

たすけてよ…………

願ってはいけなかったはず……

希望など抱いてはいけなかったはず……



あいつは……あの馬鹿だけは……きてくれた……たすけに、きてくれた……








「まして、アンタはそんなにボロボロじゃない!そんな、そんな状況で、あんな化け物に――」

あたしなんかのために……なんで立ちあがってくれるの……

なんで、あたしの絶望に付き合ってくれるの……

立ち上がれるはずがない……

けれど、アイツは立ち上がった。

「教えろ、御坂。アイツはどこで『実験』をはじめようとしてんだよ」



話してはいけない……

いっちゃあいけない……

まきこんではいけない…………

「おれはさあ……神様も仏様も信じない……いいことなんか何もしてくれなかったしな……
今のお前もそうだろ……もう神様の助けも仏様のやさしさも自分には届かないと思ってるだろ……

けどなあ聞いてくれ…………

  おれは……みかただ。……お前のみかただ。」


そのことばは……やさしすぎて…………

あたしは捕まってしまった……

このやさしい、陽だまりに……もう逃げ出すことはできない。

…………………………………あたしはこうして恋に落ちた

("、"と"・"の連続を"…"に変換しました by まとめ人)

ウィキ募集バナー