私はテーブルに置いてある箱にに触れる。
箱を開けてみると中にはブレスレットが入っている。
赤色と透明色の綺麗な石がそれぞれ交互に並べられ、紐が通されてある。
それを腕に巻く。
箱を開けてみると中にはブレスレットが入っている。
赤色と透明色の綺麗な石がそれぞれ交互に並べられ、紐が通されてある。
それを腕に巻く。
当麻からのプレゼント。
赤い石が『ガーネット』、透明な石が『ミルキークォーツ』という石らしい。
あまりオカルトなどは信じないのでパワーストーンの意味などわからないが、当麻が自分を愛してくれていたのだ、と感じる。
あまりオカルトなどは信じないのでパワーストーンの意味などわからないが、当麻が自分を愛してくれていたのだ、と感じる。
「ふぅ…ったく、あの馬鹿。」
誰もいない部屋でポツリと呟く。
「こんなん貰ったって、嬉しくも何ともないのよ。」
当麻に聞かせるかのように私は呟き続ける。
「だって、」
水がテーブルに落ちた。
私の目から溢れ出した水が。
「当麻が……ヒクッ…生きてないじゃ……エグッ……ない……ヒグッ……!」
どうして。
今頃になって。
こんなにも当麻のことを気にかけるの?
「ばかぁ…」
「わたしの………ばかぁ………!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
ごめんなさい。当麻。
今頃気づいて、ごめんなさい。
昔は。
まだ私が中学生だった頃は。
当麻を捕まえる為に。
ロシアにも行ったのに。
ハワイにも付いて行ったのに。
当麻と結婚して、心の底で『もうアイツは逃げない』なんて思って。
当麻のことをほったらかしで。
麻琴とばっかり遊んだ。
当麻に麻琴をさわらせなかった。
欲張りな自分が。
おかげで、麻琴は私にしか懐かなくなった。
私は当麻に『麻琴に愛情を注いでない』なんて言ったけど。
恐らく違う。
当麻は、自分の子供をないがしろにする人じゃない。
恐らく、麻琴が懐かなかっただけだろう。
それに、今にして思えば当麻は私に対してアプローチしていたんじゃないか?
当麻は私達を愛してくれたのに。
私達は当麻を愛さなかった。
前に、当麻の両親から当麻は小さいころ、『疫病神』って呼ばれて嫌われていたと聞いた。
当麻と別れたあの日。
当麻を傷つけるべく。
『疫病神』と言った。
私はなんて最低何だろう。
当麻は何もしていない。
なのに、当麻のトラウマを抉るようなことを言った。
何で。
何でなのよ。
どうしてあんな別れ方をしたの?
どうして、傷つけて別れたの?
会いたいよ。
もう一度『愛してる』って言って欲しいよ。
それから『愛してる』って言いたいよ。
皆でご飯を食べたいよ。
もう一度皆で笑いたいよ。
こんな大切な事に今頃気付くなんて。
今頃後悔するなんて。
今頃後悔するなんて。
ヤダよ。
全然ヤダよ。
謝るから。
お願い。
何度でも謝るから。
本当にお願い。
当麻。
「還ってきてよ…。」