とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part06

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匿名ユーザー

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一体どの位泣いたのだろうか。

ふと、麻琴を幼稚園へ迎えに行かなければならないことを思い出した。
3:50。
ちょうどいつも家を出る時間だったので悲しみで満たされている心を押し殺し、出掛ける準備をしようと立ち上がった。

「!??」

体に力が出ない。
驚いた。
そんなに泣き疲れるなんて。
私、人生で一番泣いたかもね。
疲れて当然か。

それでも、麻琴を迎えに行かない訳にはいかないので、重苦しい体を動かし、幼稚園まで行った。



「ママーーー!!」

私が幼稚園の門の前まで行くと麻琴が幼稚園の中から駆けつけて来た。

「麻琴、今日も幼稚園楽しかった?」
「うんっ!」

麻琴を見れば悲しみで彩られていた私の心もほんの少し軽くなる。

「ねぇ、マ…マ……?」

「?
どうしたの?麻琴?
どこか痛いとこあるの?」

どうしたんだろう?
驚いた顔をして、急に黙りこんだ。

「あ、美琴さん。
どうも、こんにちは。」

幼稚園の先生が挨拶に来た。
もともとレベル5で名前が知られていたので、私は他の人のように『○○ちゃんのお母さん』という風に呼ばれない。

「あ、どうも、こんにちは。
すいません。
今日麻琴に何かありましたか?
急に口数が少なくなっちゃって…」

「え?
特にいつもと変わったよう…すは……」

あれ?
幼稚園の先生までどうしたんだろう?
「あの…美琴さんすいません。
今日…何かあったのでしょうか…。」
「え?
どうしてですか?」

「その…目が物凄い腫れてらっしゃるので…」

「!」

しまった。
あれだけ泣いたのだから、すごい顔になってるのだろう。

「い、いえ!
少し病気にかかりまして!
あ、えと、さようなら!」

私は羞恥心のあまり麻琴の手を引っ張って急いで帰った。



「ママ、だいじょうぶ?」

麻琴が心配そうに私の様子を探る。
私は麻琴を心配させないようにゆっくり微笑んで言う。

「大丈夫よ。
心配してくれてありがとね。」

私は、ずっと心に思ってた事を訊く。
「ねぇ、麻琴。」

「?なぁに、ママー?」

「パパさ、ずっと帰って来てないけど寂しくない?」

「うん、なんだかへんだけどママがいるからさびしくないよ。」

「そっか。
おやすみ、麻琴。」

「おやすみー。」

9:00。

今日は麻琴を先に寝かせた。

私の心はまだ落ち着いてない。
恐らく今日は寝れないかもしれない。
さっきのやりとり。

明らかに麻琴は当麻が居ないことにあまり興味が向いていない。
麻琴は当麻に対して興味を持たない。これもやはり私のせいだろう。

また新たな後悔が襲ってきた。

気持ち悪くなって、水を汲んで飲む。私、こんな生活に耐えれるのかなぁ。途端に、私は本当に生きいて良い人間なのか、と思う。
でも昔のように、安直に自分の命を安く捨てないと決めている。
当麻に助けて貰った命だし、

何より麻琴がいる。





私はこれからも後悔と自責の念に苛まれながらながら生きて行くのだろう。




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