とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part06

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桃太郎に似た例のアレ 前編


さて こんかいは、にほんいち ゆうめいな むかしばなし 「ももたろう」です。
ですが まいかい わたしが かたりてを つとめても げいが ありません。
そこで こんかいは、ももたろうに くわしい こちらのかたに かたりてを やってもらおうと おもいます。

語り手 「コホン! それじゃあ私が桃太郎の話をするんだよ。
      古来より川は此岸と彼岸を分ける境界線として描かれ、川に浮かぶ、川を渡るという言葉は
      文字通り生と死を制御する超越者という意味があるんだよ。
      つまり川から流れてきた桃、というのも生と死を超越した禁断の果実、と受け取るのが正解なんだね。
      それで、東洋文化における不死の果実と言えば聖王母の守る仙桃。
      原題の桃太郎が『桃から生まれた桃太郎』ではなく、『桃を食べたおじいさんとおばあさんが若返って……』
      という話である事から分かる通り、つまりこれは道教における」

ストーップ ストーップ。やっぱり わたしが かたりてを つとめます。

語り手 「練丹術の秘儀を――――って、何でなのかな! せっかく調子が出てきたのに!!」

とある せかいの めいさくげきじょう   「ももたろうに にた れいのアレ」
はじまりはじまり~

語り手 「納得がいかないんだよ!!」



むかしむかし、あるところに おじいさんと おばあさんが おりました。
おじいさんは やまへ まじゅつしがりに

お爺さん 「……まったく、何故僕がこんな事を………」

おばあさんは かわへ せんたくに いきました。

お婆さん 「だ、誰がお婆さんですか!! 私はまだ18です!!」

ほんとうは いえに せんたくきが あるのですが、さいしんききを つかいこなすことが できず、こわしてしまったのです。
なので、しかたなく こうして かわで あらって いるのでした。

お婆さん 「ちち、違います!! あれはむしろ、やたらとボタンの多い洗濯機に問題があったのです!
       洗濯機なんて、『洗う』と『濯ぐ』のボタンがあればそれでいいんですよ! 『洗』『濯』機なんですから!」

やっぱり おばあさんです。

お婆さん 「うるっせぇんだよ、ド素人が!!」

おばあさんが かわで せんたくしていると、かわかみから ソゲブラコ、ソゲブラコと おおきな ももが ながれてきました。

お婆さん 「これは…何とも奇怪な桃ですね……敵の魔術とも限りませんし、
        一度家に持ち帰って、お爺さんと調べてみた方が良さそうですね」

おばあさんは そのももを もってかえりました。かなり おもそうなのに かるがると。
さすがは せかいに 20にんといない せいじんです。

お爺さん 「……特に怪しい魔力は感じられないね。罠の可能性は低そうだ」

お婆さん 「では切って、中も調べてみましょう。  唯  閃 !!!」

ももを きってみると、なかから ふこうそうな おとこのこが でてきました。
てんしをも せつだんする おばあさんの おうぎで きられて、よくもまあ いきていられたものです。

お婆さん 「何と可愛らしい! これはきっと、神が我々に与えてくださったに違いありません!」

おばあさんは おおよろこびです。しかし おじいさんはというと、

お爺さん 「そうかい? こんな不愉快な顔したガキ、僕は生まれて初めて見たけどね。
       今のうちに燃やしてしまってもいいんじゃないか?」

あまり きにいらなかった ようです。
おとこのこは、おじいさんの 「ももから うまれたんだから ももたろうで いいだろう」 という てきとうな りゆうにより、
ももたろうと なづけられました。

ももたろうは スクスクとそだち、やがて りっぱな ツンツンあたまに なりました。

あるとき、ももたろうは おにの うわさを ききました。
なんでも おにがしまの おにたちが、きんぴんを うばったり わるいことを しているというのです。

ももたろうは、こまっている ひとを みすごせない せいかくでした。
エイワスは これを 3しゅるいの ヒーローの ひとつ、
「だれに おしえられなくても、じしんの うちから わく かんじょうに したがって まっすぐに すすもうと するもの」
と しています。

ももたろうは けっしんして、おばあさんに いいました。

桃太郎 「婆ちゃん、俺、鬼ヶ島に行って悪い鬼たちをやっつけてくるよ。今まで育ててくれてありがとな」

お婆さん 「桃太郎……」

おばあさんは めに なみだを うかべます。
あんなに ちいさかった ももたろうが、こんなに りっぱに せいちょうして そして すだっていく。かんどうの シーンです。
ところが、

お爺さん 「僕には感謝はないのかい? 恩知らずにも程ってモノがあるぞジャパニーズ」

桃太郎 「テメェに育てられた覚えはねーよ!!」

だいなしです。

いえを でようとする ももたろうに、おばあさんが こえを かけました。

お婆さん 「待ってください。これを」

桃太郎 「これは…」

それは ももたろうの だいこうぶつの きびだんごでした。
おばあさんが たびだつ ももたろうのために、いっしょうけんめい こしらえて くれたのです。

婆さん 「……体には…気をつけて」

桃太郎 「ああ…婆ちゃんもな……」

かんどうの シーンです。

爺さん 「二度と帰ってくるなよ」

桃太郎 「うっせーよ不良神父!!」

だいなしです。



いっぽう そのころ おにがしまでは。

若者 「おぐあああぁあああぁぁぁぁああ!!! ………ぐっ…ボクは…絶対に……諦めへんよ……がくっ……」

わかものが おにの でんげきで たおれました。
さっそく きょうも、わるいことを しているのでしょうか。
おにの こぶんたちは、またか といわんばかりに くちを ひらきます。

子分10101号 「今日もですか、とミサカは溜息します」

子分17777号 「これで今週に入って通算8人目です、とミサカは指を折って数えます」

子分15951号 「いい加減何とかしてください、とミサカは若干イライラしながら苦言を呈します」

すると おにの とうりょうが、うんざり しながら こたえました。

鬼 「そりゃ私だって何とかしたいけど、何でも『私の全力を引き出せれば私との恋が叶う』とかって
    迷惑なデマが広がってるらしくてさ、次から次へと挑戦者が来るのよね。
    オマケに追い払った奴等が財布とか落としてくし……おかげで『金品を奪ってる』なんて噂まで立ってんのよ!?
    あ~もう! ホントにめんどくさい!!」

子分の司令塔 「でもでもそれって、お姉様がすっごいモテモテってことだよね!?
           ってミサカはミサカは大人なお姉様に尊敬の眼差しを向けてみる!!」

番外子分 「いやいや、それは違うよ最終信号。全員返り討ちにしてる時点で、おねーたまはまだまだお子ちゃまだって。
        もしこれがミサカなら、告ってきた相手全員を手玉に取って、その悪女っぷりを遺憾なく発揮しちゃうぜ」

鬼 「あのねぇ…私にだって選ぶ権利くらいあるでしょ。好きでもない相手と付き合いたくないの」

子分10032号 「ではもし、好きな相手がお姉様に挑んできて、挙句その人がお姉様の全力をものともしなかったら、
          お姉様はどうするのですか、とミサカは問い詰めます」

鬼 「そ、そんなヤツ……いる訳ないじゃない…………あの馬鹿くらいしか…………」

おには まっかに なってしまいました。
どうやら こころあたりが あるようです。「あのばか」 とは いったい だれなのでしょうか。

それにしても ももたろうの きいた うわさとは じゃっかん ズレが あるようです。
まあ うわさというのは ひとから ひとに つたわっていくうちに、すこしずつ しんじつと ちがってきてしまうものです。
しかたないでしょう。

それと もうひとつ、このおにたちに ついて きになっていることがあります。
あたまのつのと とらがらビキニ、そして でんげき。
これで かみのいろが みどりなら、かんぜんに あれです。 「ダーリン、うわきは ゆるさないっちゃ!」 の あのひとです。
かんけいないけど。



ももたろうが たびを していると、いじわるそうな おじいさんが いぬを いじめているのを みつけます。
ももたろうは すぐさま かけつけました。

意地悪爺さん 「衝打の弦」

いぬに むかって はなたれた くうきの かたまりを、ももたろうの みぎてが うけとめます。

意地悪爺さん 「……? 何者だ少年。何故私の邪魔をする」

桃太郎 「何故じゃねーだろ!! テメェこそ何してやがる!!」

意地悪爺さん 「これは仕置きだ。ここを掘れば私の欲しい物が手に入るとこの犬は言ったのだ。
          だが出てくるのは蛇や化物ばかり……だから少々痛い目にあってもらおうと思ってな」

桃太郎 「ふざけんな!! そこまでして大判小判なんてモンがほしいのかよ!!」

意地悪爺さん 「そんな物に興味はない。私が欲するのは、『魔道書・抱朴子』だ」

はなしをきくと この いじわるじいさん、たいせつな ひとの のろいを とくため、
どうしても まどうしょが ひつようなのだ とのことでした。
そして このいぬは、まどうしょに きにいられる たいしつ らしく、
じぶんのみに、2さつもの げんてんを やどして いたのです。
なので このいぬが、「ここほれ ワンワン」となくと、そこから まどうしょが でてくる。
そんな うわさが たっていたのでした。

ですがもう、そんな ものは ひつようありません。なぜなら……

桃太郎 「じゃあ、その人のところに案内しろよ」

意地悪爺さん 「……なんだと?」

桃太郎 「俺の右手には、幻想殺しっつー能力が宿っててな。異能の力なら何でもかんでも打ち消せるんだよ。
       当然、それは呪いなんてわっけ分かんねーモンでも例外じゃねぇ」

意地悪爺さん 「な、あ……まさか……」

桃太郎 「まさかじゃねーよ。アンタだって見たろ? はら、早く案内しろって」

意地悪爺さん 「………すまん。恩に着る」

こうして いじわるじいさんの たいせつなひとは、ももたろうに よって たすけられたのです。
そして ももたろうに すくわれた ものが もうひとり。

犬 「いやはや助かりました。あのままでは自分は殺されて、いずれ灰となり、枯れ木に花を咲かせるところでしたよ」

桃太郎 「気にすんなって」

犬 「お礼…というわけではありませんが、自分も貴方の旅に同行させてはいただけませんか?」

桃太郎 「マジで!? ありがとな、助かるよ」

こうして いぬ(ほんみょう?:うなばら イヌき)が なかまに なりました。



ももたろうと いぬが たびを つづけていると、
なにやら むこうから いいあらそう こえが きこえてきました。

猿 「だァかァらァァァ!
   俺の持ってる柿の種と、テメェの持ってるおにぎりを交換しろっつてンだろォがメルヘンガニ!!」

蟹 「ふざけんなよシラガザル! 俺の『おにぎり』に、その柿の種は通用しねぇ!!」

猿 「いィから渡せやァ!! 『柿の帝督』さンよォォォ!!!」

蟹 「『垣根』だ『垣根』!! 勝手に変な名前で呼ぶんじゃねぇよ!!!」

なんだこれ。

ももたろうは ふたりの あいだに わってはいり、どうして こうなったのかを ききました。
きけば さるは とても おなかが すいているようです。ですが かきのたねは たべられません。
そこで、かにの もっていた おにぎりと じぶんの もっていた かきのたねを こうかんしようとしたのですが、
かにが それをこばみ、いいあらそいに はってん したとのことです。

もういちど いいます。
なんだこれ。

ももたろうは きびだんごを さるに わけてあげました。

猿 「チッ…命拾いしたよォだなァオイ!」

蟹 「そりゃこっちのセリフだよ第一位! そこの兄ちゃんに感謝するんだな!」

なかわるいなぁ このふたり。

猿 「よォ、世話ンなったなァ三下」

桃太郎 「まぁいいって。団子もこんなにあるんだからさ」

猿 「………俺は他人に借りを作りたかねェ。借りなンざ八兆円の借金だけで十分だ」

さらりと とんでもないことを いいやがりました。

猿 「だから俺もテメェの旅に同行させやがれ。……文句なンざねェだろォな…?」

桃太郎 「あ…はい……ありません…です……」

こうして さる(ほんみょう?:アクさるレータ)が なかまに なりました。



ももたろうと いぬと さるが たびを つづけていると、
ワナにかかっている キジを はっけんします。
おびきよせる エサは、キジの だいこうぶつの はなのたねや こんちゅう……ではなく、
だれかの たんパンと、ときわだいのせいふく でした。
キジは それを くんかくんか していたのです。
さすがの ももたろうも、いっしゅん みすてようかと おもいましたが、やっぱり たすけて あげました。
キジは、ワナを はずしてくれた ももたろうに かるく おじぎをすると、テレポートで きえていってしまいました。
とばねぇのかよ。

そのひのよる。
ももたろうたちが だれもいない はいおくで やどを とっていると、
そのいえの とを トントンと たたくおとが きこえてきました。

娘 「ちょっとよろしいですの? ここを開けてくださいまし」

ももたろうが とを あけると、そこには ツインテールのむすめが たっていました。

娘 「道に迷ってしまったようですの。今夜一晩だけでも、泊めていただけるとありがたいのですが……」

桃太郎 「そっか。俺は別に構わねーけど…悪いな、男三人のむさっ苦しいところで」

きほんてきに たのみごとを ことわらない ももたろうは、むすめを はいおくのなかへと とおしました。
むすめは いぬと さるにも あいさつすると、おくの へやへと はいっていきます。

娘 「申し訳ありませんが、決して中は覗かないでくださいな」

そりゃそうです。わかい むすめの へやを むだんで のぞく。ひとは それを はんざいと よぶのです。
いぬも さるも きょうみが ないらしく、へやを のぞこうとは しませんでした。
もちろん ももたろうも のぞくきは ありません。
しかし かれじしんには そにきが なくても、かれの たいしつが それを ゆるしては くれませんでした。
「ふこうたいしつ」 それと 「ラッキースケベ」 です。
ももたろうが トイレに いこうと たちあがったとき、
あしを ふみはずし そのまま むすめの へやに あたまから つっこんでしまったのです。
そのとき ももたろうが みたものは、むすめの あられもないすがた…まさに うまれたままの すがたでした。

雉 「ななな何ですの!!? あれほど覗くなと言いましたのに!!!」

キジでした。わかいむすめの しょうたいは、ひるまに たすけた キジだったのです。
チクショー かねかえせ。

きけば キジは、たすけてくれた おれいに じぶんの はねで うつくしい きものを つくろうと していたようです。
しかし ももたろうは、

桃太郎 「いや…俺そんなの着ねぇし……」

雉 「…それでは恩が返せませんの……」

桃太郎 「う~ん…別にそんなことの為に助けた訳じゃないしな~……」

こまる ふたりに いぬが ていあん します。

犬 「では我々と同様、彼の旅に同行するというのはどうでしょう」

雉 「どういうことですの?」

すると さるも くちを ひらきます。

猿 「俺たちはそこの三下と、鬼退治の旅をしてンだよ」

雉 「なるほど…そこにわたくしも加われと……なかなか良い案ですわね。よろしいですの?」

桃太郎 「まぁ、二人も三人も変わらないからな」

こうして キジ(ほんみょう:しらキ ジろこ)が なかまに なりました。

アステカの まじゅつを つかう いぬ。
あらゆる ベクトルを そうさする さる。
テレポートつかいの キジ。
せんとうのうりょくが じぶんよりも はるかに たかい 3にんを みかたをつけ、
ももたろうは たびを つづけます。

ですが じゃっかん ふあんが のこります。
いや たしかに かれらは つよい。とくに さるは、てんしと ごかくに わたりあえるほどの ばけものです。
しかし はたして このメンバー、あの おにたちと 「まともに」 たたかうことが できるのでしょうか。

そのへんのことが きになりつつも、
いざ めざすは おにがしま。
ももたろうたちは、ついに てきの ほんきょちに、あしを ふみいれる ことになるのです。






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