とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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愛と勇気のゲコゲコ大作戦




   ~美琴に呼び出されました。不幸だ……~


上条「よぉ~っす、待たせて悪かったな」

美琴「…おす」

上条「んで、何の用だ? 何か電話で『俺にしか頼めない』事があるっつってたけど」

美琴「あの、さ。第13学区に、大きいデパートあるの知ってる?」

上条「ああ、知ってる知ってる。隣にマックがあるとこな。入った事はねーけど」

美琴「あそこって屋上でよく、子供向けのヒーローショーとか着ぐるみショーとかやってんのね?
    ほら! 第13学区って幼稚園や小学校が多いから」

上条「……嫌な予感がしてきた………」

美琴「…それで…さ、今日…その……ゲコ太の着ぐるみショーがあるんだけど………」

上条「やっぱりね!!」



   ~私はどうしても行きたいの!!~


上条「いや、お前が行くのは構わねーけど、俺を巻き込むなよ!
    悪いけど俺、そのカエルに興味ないからな!?」

美琴「何でよ!! こんなにカワイイのに!!」

上条「だったら一人で行きゃいいじゃねーか!」

美琴「イヤよ!! 周りはちっちゃい子ばっかなのよ!?
    一人で行ったら……は…恥ずかしいじゃない!!!」

上条「恥ずかしいって分かってんじゃん!!?」



   ~お前…そこまでしてまで……~


上条「あのなぁ…一人だろうが二人だろうが、どっちみち恥ずかしいだろ」

美琴「いや、二人でいれば、『あれ? 屋上で何かイベントやってるみたいだけど、ちょっと行ってみない?』
    っていう男女に見られなくもないわ!」

上条「……つまり美琴センセーは、カップルに偽装してまで子供向けのショーを観たいと…?」

美琴「カカカ、カップルとか何言ってんのよ馬鹿!!」



   ~中の人とかいないわよ!~


上条「それにしても、何か天気悪いな。もしかして雨でも降るんじゃねーの?」

美琴「大丈夫よ、ゲコ太はカエルだもん。むしろ雨が降ったら元気になるわ」

上条「そりゃアニメの中の話だろ? 
    着ぐるみなんだから、雨降ってまでやったら中の人が可哀相じゃねーか」

美琴「ゲコ太はゲコ太っていう生き物なの!!! 中の人とかいないの!!!
    ガチャピンとムックみたいなモノなの!!!」

上条「着ぐるみショーと言ったのは美琴さんですぞ~?」



   ~あー…行きたくねーなー……~


上条「まぁ…行くのはいいけどよ、こういうイベントって有料だろ? 俺あんま金無いし」

美琴「ううん。誰でも観れるように無料よ」

上条「…俺ゲコ太に詳しく無いから」

美琴「大丈夫。デパートに着くまでに私がゲコ太の魅力を語りつくしてあげる」

上条「……実はこの後予定が」

美琴「電話した時、『今日は特に予定無い』って言ってたわよね」

上条「くそう! 断る理由がもう思いつかない!!」



   ~だ、だって…アンタじゃないと……意味ないんだもん……~


美琴「諦めなさい! アンタは今日、私とゲコ太ショーを観に行く運命なのよ!」

上条「はぁ…分かったよ……
    けど何で俺なんだ? 別に、普通に友達誘っても良かっただろ?」

美琴「!!! と、ととと友達は皆、都合が悪かったのよ!!
    たまたまアンタだけ!! アンタだけがヒマだったの!! そ、それだけよ!!
    ほ、ほ、他に意味なんてないんだから!!!」

上条「そっか…これも俺の不幸体質のなせるわざか……」



   ~デパートに到着しました、っと~


美琴「着いたのはいいけど…ショーまでまだ時間あるわね。どうしよっか」

上条「始まるまでボーっとしてるのもアレだし、店ん中ブラブラしないか?
    でかいデパートって見て回るだけでも楽しいし」

美琴「えっ!? わ、私はいいけど、それって―――」

上条「まぁ…デートみたいになっちまうけど」

美琴「そそ、そうね! デ、デ、デ、デートっぽくなっちゃうわね!!
    仕方ないわよね!! 男女で店の中歩いてれば、周りからはどうしてもデ、デートに見えちゃうわけだし!!
    ま、まぁデートだからって大した事ないし!? デートなんて誰でもすることだし!? 
    デートがデートでデートをデートに―――」

上条(何かやけに『デート』を強調してんなぁ……何でだ?)



   ~コイツって、どんな服が好みなのかな…?~


上条「ここは…婦人服売り場か」

美琴「やっぱ子供向けの、カワイイのが多いわね」

上条「お前、こういうの好きだろ」

美琴「うん、このワンピとかめちゃめちゃ着てみたい。
    けど常盤台って基本、常に制服だから。買ったとしても、着る機会ないのよね……」

上条「試着だけでもしてみれば? 美琴だって女の子なんだから、オシャレとかしたいだろ。
    それに可愛いんだし、似合うと思うぞ?」

美琴「!!!/// じゃ、じゃあちょっと試着してみよっかな…/// 後で感想聞か―――」

上条「おう! そんじゃあ俺は、向こうの休憩所で待ってるわ。
    男が近くにいたら試着し辛いだろうからな。 終わったら呼びにきてくれ………
    って、何故に美琴センセーは、ものすごい形相で睨みつけているのでせうか?」



   ~ちょっと小腹減ったな~


上条「おっ! たい焼き売ってる。 美琴も食う?」

美琴「あ、うん。 食べる食べる」

上条「へぇ~、かなり種類豊富だな…けど俺は定番のアンコだな! 一番安いし」

美琴「私は…ツナマヨかな」

上条「しょっぱい系かよ……」

美琴「何よ、ダメなの?」

上条「いや、男としては、もっと女の子らしいのを頼んで欲しいわけですよ。
    ほら、せっかくイチゴクリームとかあるんだしさ」

美琴「アンタね…女に幻想抱きすぎよ。別にスイーツばっか食べてるわけじゃないのよ?」

上条「そりゃ…そうだよな、うん。本人が食いたいもの食うのが一番だよな。悪かった―――」

美琴「イチゴクリーム一つください」

上条「アレッ!!?」



   ~100均って行ったことないのよね~


上条「100均コーナーもあんのか」

美琴「この化粧品も全部100円!? やっす!!」

上条「けど100均は品質がピンキリだからな。見極めが重要だ」

美琴「このポテチ買わない!?」

上条「…いや、これは俺がいつも行くスーパーなら、88円(税込み)で売ってる。
    12円も高いから買わない」

美琴「そ、そうなんだ」

上条「美琴もこういう目利きスキルを身に付けないと、将来、結婚した時に苦労するぞ」

美琴「けけけけ結婚て!!!/// 気が早すぎるわよ馬鹿!!!///」

上条「?」



   ~…っと、もう時間だな~


美琴「そろそろ始まる時間ね! せっかくだから最前列取るわよ!!」

上条「そこはちっちゃい子に譲ってやれよ……」

美琴「だって楽しみなんだもん!!
    それに先着20名は、ゲコ太と握手ができるのよ!? 早く行かなきゃじゃない!!」

上条「すげーどうでもいい!!」

美琴「どうでもよくな―――」

店内アナウンス『本日はご来店していただき、誠にありがとうございます。
           ご来店中のお客様に、ステージイベントについてのご連絡が御座います。
           本日、屋上キッズ広場にて予定しておりました、
           「ゲコ太ショー ~愛と勇気のゲコゲコ大作戦~」は、悪天候のため中止とさせていただきます。
           大変申し訳ありませんが、何卒、ご了承くださいませ。
           繰り返します。 本日、屋上キッズ広場にて―――』

上条「………美琴」

美琴「…………………ひぐっ……ぇっぐ……ぐすっ………」

上条「泣くほどのことか!!?」



   ~!? !!? !!!?///~


上条「か…帰ろっか」

美琴「ゲコ太と…握手……ゲコ太と…握手ぅぅぅ………」

上条「……美琴、手ぇ出して」

美琴「…はえ?」

上条「ほら」

美琴「!!!? なな、何で手、繋いでんの!!?」

上条「あーいや、ゲコ太の代わりってわけじゃないけど……まぁ、何となく……
    イヤならやめるが……」

美琴「イ、イヤじゃない!!!///」

上条「…そっか」

美琴「…あんたの手、あったかい……///」

上条「そりゃ良かった」

美琴「……………///」

上条「こ、繋いだまま【このまま】帰るか…?///」

美琴「……うん///」








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