とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part08

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選択と決着 行間 決壊


「だから、全然、後悔なんかしてないんだよ」

イギリスのとある教会、昼間なのに薄暗い空間、そこに二人はいた。
一人はインデックス、もう一人は

「これが本心かも、ステイル」

ステイル=マグヌス。
天才の名をほしいままにする魔術師。

「……もうやめてくれ」

ステイルの言葉にインデックスは怪訝な顔をする。

「なにをやめればいいのかな?」

ステイルはポケットに手を伸ばすが、何かを思いとどまった。

「……嘘を言うことをだ」

空気が、固まる。

「何のこ「とぼけないでくれ」!!」

ステイルは無慈悲に言葉を続ける。

「君は辛いはずだ、泣きたいはずだ、なのにそれを隠し、笑って……」

「うるさい!!!」

何かが崩れた。

「うるさいんだよ!! わかったようなこと言って!! ステイルにはわかるわけない!! これは、私の感情だから!!」

一度決壊した心の奔流は止まらない。

「とうまが、みことを選んだんだよ!! 私や他のみんなの中から、とうまが選んだんだよ!! なら、仕方ないじゃん。応援するしかないじゃん!! みことは頭もいいし、料理も上手だし、優しいし、もっと、もっと嫌な奴だったらよかったのに!! そしたら、とうまを取り返そうとも、思えるのに!!」

文章につながりすらなくなる。

「あんなに幸せそうなんだよ……。いつも不幸だと言ってるとうまが、本当に幸せそうに笑ってるんだよ。それを奪うなんて、できるわけないじゃん!! でも、忘れることは、無理なんだよ……。とうまとの生活も、とうまの戦う姿も、とうまの言葉も、とうまの笑顔も!!! 全部、忘れることができないんだよ……。この辛さを、ステイルが、わかるわけないじゃん!!!」

手にしたいものを手にできなかった者の、絶叫。

「ああ、わかるわけがない」

その絶叫は、ステイルにも覚えがあった。

「だが、耐える必要はない。辛いなら辛いと、苦しいなら苦しいと、言えばいいんだ!!」

あのバカと僕は違う。

「そうすれば、……僕でも、その叫びを聞くことくらいは、できる」

もう、我慢できなかった。
インデックスは大声で泣き喚いた。これほどの感情をあの二人の前では見せなかった。
ステイルにはまだ彼女を抱きしめる資格は無い。
だから、ある決心をした。







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