最終話 学園都市の崩壊と自覚と救出
「君が、上条くんか」
結婚式場に向かう途中、上条は少し年を食った男性に話しかけられた。
妙なオーラを醸し出していた。
思わず上条はそのオーラを放つ男性を睨みつけてしまう。心のなかが透かされているようだった。
妙なオーラを醸し出していた。
思わず上条はそのオーラを放つ男性を睨みつけてしまう。心のなかが透かされているようだった。
「俺の名前は御坂旅掛。……美琴の父親だ」
「なっ………アンタが一方通行との政略結婚を進めてきたんだってな。一体どういうつもりだ!」
「俺はな、美琴には幸せになって貰いたかった。子供の頃から、何も手をかけてあげられなかった。彼は第一位だと聴く。
彼なら、誰よりも美琴を幸せに出来る。レベル0やレベル1なんて将来性にない人間に、娘をあげるつもりはない。上条当麻は……美琴が好きなんだろう?
なら、俺の口から『認めてやる』と言わせてみろ。職業柄、誰かに襲われる事も少ない無いからな、鍛えてある。かかってこい、若造!」
「……やるしかねぇか、時間はねぇんだ、10分で終わらせる」
「なっ………アンタが一方通行との政略結婚を進めてきたんだってな。一体どういうつもりだ!」
「俺はな、美琴には幸せになって貰いたかった。子供の頃から、何も手をかけてあげられなかった。彼は第一位だと聴く。
彼なら、誰よりも美琴を幸せに出来る。レベル0やレベル1なんて将来性にない人間に、娘をあげるつもりはない。上条当麻は……美琴が好きなんだろう?
なら、俺の口から『認めてやる』と言わせてみろ。職業柄、誰かに襲われる事も少ない無いからな、鍛えてある。かかってこい、若造!」
「……やるしかねぇか、時間はねぇんだ、10分で終わらせる」
上条は上着を脱ぎ捨てた。旅掛もスーツを脱ぎ捨てて、Yシャツ姿になった。
それほど人は居ない。しかし、二人を包む雰囲気が辺りを注目させた。
上条が踏み出した。旅掛は突っ込んできた上条にカウンターを浴びせるようにパンチを繰り出すが、喧嘩慣れしている上条には読まれていた。
右手で、旅掛の腹を殴った。旅掛は口から唾液を噴きだすが、体制を整えてスピードがついている上条に顔面にパンチをぶち込んだ。
それほど人は居ない。しかし、二人を包む雰囲気が辺りを注目させた。
上条が踏み出した。旅掛は突っ込んできた上条にカウンターを浴びせるようにパンチを繰り出すが、喧嘩慣れしている上条には読まれていた。
右手で、旅掛の腹を殴った。旅掛は口から唾液を噴きだすが、体制を整えてスピードがついている上条に顔面にパンチをぶち込んだ。
「くっ」
「まだだ!」
「まだだ!」
旅掛は右足でよろけた上条の顔面を蹴り飛ばす。後ろに倒れる上条だったが、すぐに起き上がって旅掛の体を掴んだ。
足を蹴り飛ばして、地面に旅掛を投げた。
攻防は続く。上条の拳が旅掛に打ち込まれる。手を引いた瞬間、旅掛は体を勢い良く起こして上条の顔面に頭突きをくらわせて、ボディブローを与えた。
バキッ、と上条の肋骨が折れる音がした。
相当痛いらしく、息が少しおかしくなっていたが、踏み込んで旅掛の腹を二発、三発と殴っていく。
胸ぐらを掴んで、頭突きを繰り出した。旅掛は鼻から血を流して、その場に倒れた。
口に広がる血を吐き出すと、旅掛は起き上がっていた。
足を蹴り飛ばして、地面に旅掛を投げた。
攻防は続く。上条の拳が旅掛に打ち込まれる。手を引いた瞬間、旅掛は体を勢い良く起こして上条の顔面に頭突きをくらわせて、ボディブローを与えた。
バキッ、と上条の肋骨が折れる音がした。
相当痛いらしく、息が少しおかしくなっていたが、踏み込んで旅掛の腹を二発、三発と殴っていく。
胸ぐらを掴んで、頭突きを繰り出した。旅掛は鼻から血を流して、その場に倒れた。
口に広がる血を吐き出すと、旅掛は起き上がっていた。
「……」
「さっさと結婚式場に行けばいい。だが、まだ俺はお前の事を認めてはいないからな」
「さっさと結婚式場に行けばいい。だが、まだ俺はお前の事を認めてはいないからな」
既に結婚式場のある多目的ホールの周りは戦場だった。
スクールや、アイテム。プライムなどの暗部がそれぞれの目的を持って、戦っていた。
多目的ホールの中に入って、結婚式場をすぐに見つけると、上条は深呼吸をした。
学園都市の未来と自分の未来が、この結婚式場で決まる。
拳銃をホルダーにあるのを確認して、ドアを蹴り飛ばした。
スクールや、アイテム。プライムなどの暗部がそれぞれの目的を持って、戦っていた。
多目的ホールの中に入って、結婚式場をすぐに見つけると、上条は深呼吸をした。
学園都市の未来と自分の未来が、この結婚式場で決まる。
拳銃をホルダーにあるのを確認して、ドアを蹴り飛ばした。
「久しぶりだな、御坂」
「な、なんでここが……」
「んだよ、水臭いな。こんな茶番するなんて、先に言えよ」
「な、なんでここが……」
「んだよ、水臭いな。こんな茶番するなんて、先に言えよ」
白いスーツを着た一方通行は待ち侘びてたかのように、ニヤリと笑った。
「……御坂さァン、俺帰るから後は二人で何とかしてくださァい」
「はぁ!?」
「こンなのは望まれてなかった。俺だって、テメェと結婚なんてゴメンだしよ」
「はぁ!?」
「こンなのは望まれてなかった。俺だって、テメェと結婚なんてゴメンだしよ」
そう言って、一方通行は結婚式場から消えた。
唖然とする人々だったが、上条は御坂の手を掴んで突然走りだした。
眼球だけを動かして、推進派の動きを判断していた。
御坂が何か叫んでいたが、上条の耳には入って来なかった。
唖然とする人々だったが、上条は御坂の手を掴んで突然走りだした。
眼球だけを動かして、推進派の動きを判断していた。
御坂が何か叫んでいたが、上条の耳には入って来なかった。
「御坂」
「な、なによ」
「俺と一緒に逃げないか。この学園都市から。今なら警備も甘い」
「……それって遠回しに、駆け落ちでもしない?って言ってない?」
「そうにきまってんだろ」
「な、なによ」
「俺と一緒に逃げないか。この学園都市から。今なら警備も甘い」
「……それって遠回しに、駆け落ちでもしない?って言ってない?」
「そうにきまってんだろ」
そう言った瞬間、推進派の軍事組織が上条と御坂のマシンガンを向けた。
数だけでも6人。
御坂はため息をつくと、指を鳴らした。少し綺麗なぐらいの電気が彼女の手の周りを帯電した。
電気は四方に霧散して、マシンガンに反応して軍事組織の兵隊が感電した。
花嫁衣裳で、御坂は落ちているマシンガンを手にとった。その姿はとても綺麗で、上条は嬉しそうに笑う。
数だけでも6人。
御坂はため息をつくと、指を鳴らした。少し綺麗なぐらいの電気が彼女の手の周りを帯電した。
電気は四方に霧散して、マシンガンに反応して軍事組織の兵隊が感電した。
花嫁衣裳で、御坂は落ちているマシンガンを手にとった。その姿はとても綺麗で、上条は嬉しそうに笑う。
「俺、お前が好きだ」
「じゃあ、頑張って私を振り向かせてみなさい」
「そうだな、さて。この街にはもう未練はないか?」
「ない」
「……そうか。御坂、行こう」
「ええ、逃げ切った後は私の家でアンタが養氏兼執事になるわけね」
「まだ……それあるの?」
「当たり前よ、クビにはしたけど。アンタはまだ受理してないわね、だからそれを取り消した」
「ふふっ……じゃあ、美琴お嬢様。屋敷に、帰りましょう」
「そうね、じゃあ行きましょ。当麻」
「じゃあ、頑張って私を振り向かせてみなさい」
「そうだな、さて。この街にはもう未練はないか?」
「ない」
「……そうか。御坂、行こう」
「ええ、逃げ切った後は私の家でアンタが養氏兼執事になるわけね」
「まだ……それあるの?」
「当たり前よ、クビにはしたけど。アンタはまだ受理してないわね、だからそれを取り消した」
「ふふっ……じゃあ、美琴お嬢様。屋敷に、帰りましょう」
「そうね、じゃあ行きましょ。当麻」
学園都市という名の箱庭の中で二人は手をつなぎあった。
一点の曇もない青空の下、未来を掲げて。
一点の曇もない青空の下、未来を掲げて。
『昔々、ある所に1人の男の人がいました。
男の人はお金がなくて、貧乏な暮らしをしていました。
ある時、大金持ちの少女の執事さんとなり、それはそれは幸せな日々を過ごしました。
気づけば、男の人は少女が好きになっていたのでした。
しかし、ある時。少女は遠くはなれてしまいました。
男の人は過去の友人と共に、少女を助けるために色々働きかけました。
しかし、努力は実りません。
少女は王国のでも一番強い騎士と結婚しなければなりませんでした。男の人は少女のお父さんの仲を認めさせ、二人は無事再会出来ました。
ソレに感動した騎士は、結婚を諦め、旅に出てしまいます。
二人は王国の宮殿前で、未来を誓い合い、そして王国には未来永劫帰ってくる事はありませんでした。
二人はどこかで幸せになり、質素な結婚式をあげて、子供も作って、幸せな余生を過ごしました。おしまい』
男の人はお金がなくて、貧乏な暮らしをしていました。
ある時、大金持ちの少女の執事さんとなり、それはそれは幸せな日々を過ごしました。
気づけば、男の人は少女が好きになっていたのでした。
しかし、ある時。少女は遠くはなれてしまいました。
男の人は過去の友人と共に、少女を助けるために色々働きかけました。
しかし、努力は実りません。
少女は王国のでも一番強い騎士と結婚しなければなりませんでした。男の人は少女のお父さんの仲を認めさせ、二人は無事再会出来ました。
ソレに感動した騎士は、結婚を諦め、旅に出てしまいます。
二人は王国の宮殿前で、未来を誓い合い、そして王国には未来永劫帰ってくる事はありませんでした。
二人はどこかで幸せになり、質素な結婚式をあげて、子供も作って、幸せな余生を過ごしました。おしまい』
「悲しいね」
「私、この物語をお祖母ちゃんに教えてもらって感動した。実はこの話はホントにあった話しなのよ」
「そうなの!?」
「そう、美咲のお祖母ちゃんとお祖父ちゃんが登場人物らしいの。今度、話聞きに言ってみようか!」
「私、この物語をお祖母ちゃんに教えてもらって感動した。実はこの話はホントにあった話しなのよ」
「そうなの!?」
「そう、美咲のお祖母ちゃんとお祖父ちゃんが登場人物らしいの。今度、話聞きに言ってみようか!」
時間は過ぎる。あれから50年も前の話だ。遠く、信憑性のない話だったが夫婦にとっては実話だった。
子供が居て、孫がいて、カピカピのご飯と鮭の残り物を食べてたとは思えないほど、幸せだ。
上条当麻は、お伽話だと思われていた物語の主人公だ。日本中で話題となった。
子供が居て、孫がいて、カピカピのご飯と鮭の残り物を食べてたとは思えないほど、幸せだ。
上条当麻は、お伽話だと思われていた物語の主人公だ。日本中で話題となった。
「おじいちゃん!」
「美咲か、よく来たな!麻琴も一緒に来たのか?」
「ママも一緒に来たよ!おばあちゃんと玄関でおしゃべりしてる」
「久しぶりお父さん、元気そうね。相変わらずお母さんの尻に敷かれてるらしくて、安心したわ」
「敷かれとんわ!美咲はオレンジジュース、麻琴は紅茶、美琴はどうする?」
「私も紅茶で」
「りょーかい」
「美咲か、よく来たな!麻琴も一緒に来たのか?」
「ママも一緒に来たよ!おばあちゃんと玄関でおしゃべりしてる」
「久しぶりお父さん、元気そうね。相変わらずお母さんの尻に敷かれてるらしくて、安心したわ」
「敷かれとんわ!美咲はオレンジジュース、麻琴は紅茶、美琴はどうする?」
「私も紅茶で」
「りょーかい」
日本料理コンテストで最年長で受賞した上条の手際は熟練した主婦よりも良かった。
「当麻」
「どうした美琴」
「……なんでもないわ」
「そうか」
「どうした美琴」
「……なんでもないわ」
「そうか」
二人は微笑み合う。
『終わり』