失ってしまった幸せ
最終章 この手に戻った幸せ~familiar~
あの事故から1月たった。
以前、上条当麻は目を覚まさない。
「ねえ、当麻。あれからもう一ヶ月だよ?私、神裂さんに和食も教えてもらって、
インデックスだって、自分で家事できるようになったんだよ?」
それでも上条当麻は目を覚まさない。
「とう、ま。起きてよ。私、もう、耐えられない!」
少女の涙が、少年の頬にとき、
「ひっ、ぐす、おきてよぉ、とうまぁ」
「なにそんなに泣いてんだよ、美琴」
少女の涙が、奇跡を起こす。
「とう、ま。当麻ぁー!!」
嬉しさの余り美琴は上条に抱きつく。
「うわ!、み、美琴!?」
「だって、だってー!!」
「俺はお前を助けて良かったと思ってる。お前には笑っていて欲しいんだ。」
上条は優しく、美琴を抱き返す。
「だから、泣くなよ」
「でもっ、でもー!」
相変わらず美琴は泣いたままだ。
上条は呆れたように言う。
「はあー、全く美琴さんは」
彼女の涙はこれ以上彼には耐えられない。
「あーあ、上条さん、お腹すいちゃったなー」
2人の幸せを取り戻す時が来た。
「肉じゃが、作ってくれよ。」