素直になれない者
御坂美琴は第七学区の公園にいた。
(はあ、また素直になれなかったな。いいかげん、好きって言いたいのに)
美琴が歩いていると反対側からインデックスが歩いてきた。
「あれ、あんた、いつもアイツといるシスター」
「あ、たんぱつ」
インデックスは美琴に話し始める。
「ねえ、たんぱつ、いいかげんとうまにつきまとうのやめてくれないかな」
突然のことに美琴は反撃する。
「な、別にいいじゃない。大体、あんたはアイツのなんなのよ」
「わたしはとうまと一緒にすんでるんだよ!」
「な、てことは、あいつはもうあんたと!?」
「残念だけどそれはまだなんだよ」
「じゃ、じゃあなんで一緒にすんでるのよ!?あいつはまた何か抱え込んでるの!?」
「むー!たんぱつには関係ないんだよ!そもそもどうしてたんぱつはそんなにとうまにつきまとうのかな!?」
「そ、それはアイツの事が・・・・・・あーもう!関係ないじゃないそんなこと!!」
「何やってるんだ?2人とも」
噂をすればなんとやら、話が進まないところに上条がやってきた。
右手には学生カバンを持っている。
「あ、とうま」
「あ、あんたなんでここに!?」
「上条さんは補習の帰りですことよ。それより、き、昨日はありがとな、買い物に付き合ってくれて」
「え、い、いいよのそんなこと」
「そ、そうだ。昨日の例にさ、昼飯、家で食べないか?大したものは作れないけど」
「え、それって、え、でそんな、い、いいよのお礼なんて」
「い、いや、お礼させてくれよ。そうしないと俺の気がすまないから」
いつまでたってもうじうじしてる2人にインデックスが業を煮やして叫ぶ。
「もう!2人ともうじうじしちゃってさ!たんぱつも家に来たいならちゃんと言いなよ!
とうまも家に誘いたいならそう言いなよ!わたし知ってるんだよ!とうまがたんぱつが好きってこと!
とうまいつも帰ってくるとたんぱつの話ばっかだもん。本当に楽しそうに話すからバレバレなんだよ!!
たんぱつだって、早く告白しないと他の女に取られちゃうかもしれないんだよ!!」
「イ、インデックス!何言ってるんだよ!?あ、明日には告白するつもりだったのに!!」
「そ、そうよ!私だって明日には!!」
互いの秘密をインデックスにバラされて焦る2人。
否定するつもりだったのだろうが本音を喋っていた。
ついに観念したのか互いの思いを打ち明ける。
「インデックスの言うとおり、俺はお前が好きだ、御坂。話したり、一緒に帰ったり、ハワイへ行ってグレムリンと戦ったり、気がついたら、お前のことが好きになっていた。」
「私も、あんたのことが好き、気がついたらあんたのことが好きになってた。でも、素直になれなくて、やっと、思いを伝えることができた」
「はは」
「えへへ」
やっと思いを伝えることのできた2人は笑い合う。
「じゃあ、これで俺たちは恋人同士ってことか。よろしくな、美琴」
「うん!よろしくね、当麻」
「やっと、名前で読んでくれたな」
「うん、もう素直になれるから」
「そうか、じゃあ俺の家に来て、昼飯食べてかないか?お前に食べて欲しいんだよ」
「うん!」
「よかったね、たんぱつ」
インデックスが美琴に話しかけてきた。
「うん、ありがとうね。ええっと?」
「わたしの名前はインデックスなんだよ。みこと」
「じゃ、これからよろしくね、インデックス」
この2人も和解できたようだ。
「帰るぞ、インデックス。行くぞ、美琴」
「あ、ちょっと待って」
美琴が上条の左手を握る。
「ずっと、こうしてみたかったんだ」
「そうか」
「む、みことずるいかも。でも、今日だけはみことにゆずるんだよ」
「おーい、インデックス何してるんだよ?帰るぞー」
「あ、待って欲しいんだよー!」
「ねえとうま、今日のお昼はなにかな?」
「うーん、今日は美琴が来るし、腕によりをかけてカレーにするか」
「やったー!」
「それは楽しみね」
第七学区の公園に、3つの笑い声が響いている。