手を繋いで
上条「御坂」
美琴「……」
上条「なぁー?」
美琴「……」
上条「その」
美琴「……」
上条「えーと」
美琴「……」
上条「そろそろ……」
美琴「……」
上条「ご機嫌を直して頂けませんか?」
美琴「ちゃんと言って」
上条「わ、私上条当麻が悪う御座いましたっ!」
美琴「そうじゃなくて」
上条「?」
美琴「はぁぁぁぁぁぁ」
上条「そ、そのため息は呆れてらっしゃる!」ガビーン
美琴「せっかくの春休みを利用して、どこに来てると思ってんのよっ!」
上条「は、はい。ここは、京都です。春休み中とはいえよく外出許可が出たなー」
美琴「そうね、またナンかあるんでしょうけど」
上条「土御門からの招待ってのが、どーみても怪しいよな」
美琴「まぁ、覚悟しとくしかないわよ……アンタと一緒だと99.9999999パーセント巻き込まれるもの」
上条「うっ……いや、そんな事は無いって、何も起こらない確率が天文学的数字なんて」
美琴「学園都市の『外』に出て何も起こらなかった事は?」
上条「……すいませんでした」
美琴「私も『外』に出るたび、事件に巻き込まれてるから人の事言えないけど、だから遊べる間は遊ぼうって事になったわね?」
上条「その通りです」
美琴「んで、私はホテルから外出するにあたって着替えて来たのよね?」
上条「はい」
美琴「で、私の格好は?」
上条「着物姿です」
美琴「でっ?」
上条「でっ?と申されましても、一番高いやつを借りたんだよな、さすがお嬢様」
美琴「一番高いのじゃなくて一番良いのを借りたの、ってそんな事聞いてんじゃないちゅーの!」
上条「お、おい。御坂、怒ったりしたら可愛いい姿が台無しだぞ」
美琴「か、可愛い?」
上条「いつもと違う風情でさ、なんて言ったらいいか言葉が出なかったけど一言で言い表したらやっぱり可愛いとしか言いようが無くて、語彙が少なくてすいません」
美琴「……良いわよ、それで」
上条「?……そ、それじゃ、行くか」スイ
美琴「ナニよこの手?」
上条「着物で歩くのに馴れてないだろ?」
美琴「……もう、アンタは」