とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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ドキドキデート 上条編

ドキドキデート 美琴編 はこちら。



深夜、浴室の中に上条当麻は寝ていた。
(御坂・・・・・・)
最近の上条はこの調子だ。
いつから好きになったのかはわからない。
学園都市で再開した時なのか。
もしかしたら初めてあった時かもしれない。

もっと彼女と仲良くなりたい。
もっと彼女のことが知りたい。
できることなら彼女と付き合いたい。

そんな気持ちが彼の中を占めていた。
もうそれ以外に考えられない。
(どうすれば御坂と仲良くなれんのかな)
考えたが全く思い浮かばない。
上条は携帯電話を取り出すと、ある番号にかけた。
「もしもし土御門か」
彼の親友(?)の土御門元春だ。
『上やん!いったい今何時だと思ってやがる!!』
彼は怒っていた。
この時間にたたき起こされたのだ。仕方がないが、今の上条には関係ない。
「頼む土御門、助けてくれ!びくり」
『どうした上やん!!』
「好きな奴をデートに誘いたんがけどどこに行けばいいか分かんねえんだよ」
『・・・・・・は?』
土御門は絶句した。
無理もない。叩き起された理由がデート場所の相談なのだから。
『デート場所が決められないから、こんな時間に俺を起こしたと?』
「・・・・・・はい」
『はあー、デートといえば、やっぱ遊園地が定番かにゃー』
「遊園地か、そうか!ありがとう土御門!!」
『いやいや、上やんには世話になったからにゃー。当然だぜい』
「そうか、ありがとうな土御門、おやすみ」
『おやすみだぜい』
上条は携帯を閉じる。
(そうか、遊園地か)
明日、御坂を誘おうと決め、彼は眠りにつく。



次の日、上条はさっそく遊園地のチケットを購入した。
現在の家計を考えると痛手である。
(あ、インデックスの食費を減らせばいっか・・・・・・あとは)
あとは例の彼女、御坂美琴を誘うだけである。
昨日土御門に相談したが、学校ではなにもなかった。

下校中、いつもの公園を歩いていると美琴の姿が見えた。
(御坂!!)
勇気をだして誘うことにした。
「おっす、御坂」
(男を見せろ、上条当麻!!)
「なあ、次の日曜日、空いてるか?」
「日曜日?空いてるけど・・・・・・」
「そ、そうか!じゃあ第六学区の遊園地、行かないか?」
懐から二枚、チケットを取り出す上条。
「え!?遊園地!?」
「あ、ああ。いや、な、友達と行くつもりだったんだが
 そいつに予定ができちまったんで、チケットももったいないし、い、一緒にどうだ?」
なぜか暗い顔をしてしまう美琴。
(嫌、だったのかな・・・・・・)
「あ、い、いやならいいんだぞ、他のやつにやるし」
(お前とじゃなきゃ、行く価値ないし)
「え、あ、い、行く!絶対行く!!次の日曜日ね!!うん!わかった!!」
「そ、そうか。い、いやー良かった良かった。チケットも無駄にならずに済んだ。
 集合場所はここに9時!じゃ、またな!」
上条は走って自分の部屋へと向かう。

(よっしゃー!!早く日曜になりやがれこんちくしょう!!)
浮かれながら帰宅する上条。
「ただいまー!!」
「お帰りなんだよ」
(・・・・・・・・・・・・あ)
忘れていた。
デートのためにもこの同居人をどうにかしなくてはいけない。
上条はキッチンへ行くと、携帯をかけ、小声で話す。
もしインデックスに聞かれたのなら噛み付かれるのは必至だ。
「(もしもし、小萌先生ですか)」
『はいなのですー。上条ちゃん、どうかしたのですか?』
「(小萌先生、日曜日、インデックスを預かってくださいませんか)」
『?別にいいのですが、何か用事でもあるのですか?』
「(はい、どうしても外せない用事がありまして。買い物にでも連れて行ってくださいませんか)」
『分かりました。先生に任せるのです』
「(ありがとうございます!それでは日曜日にインデックスを預けに行きます。ではまた)」
『はいなのですー』
インデックスは小萌先生に預かってもらえる。
これで気兼ねなくデートができる。
「インデックス、日曜日に小萌先生が買い物に連れてってくれるってよ」
「こもえが!?早く日曜日になってほしいんだよ!!」
インデックスも喜んでいる。
早く日曜日になて欲しいのは上条も同じである。



日曜日、上条は8時半に約束の場所に来た。
デートが楽しみで早く来たのだが、すでに美琴の姿があった。
「おそい!一体何してた!」
美琴の前髪から電撃が上条へ向かい出てくる。
「おわっ!おぶねえ」
慌てて上条が右手で電撃を打ち消す。
「いやこれでも30分前に来てるんだがな、お前、何時に来てんだよ」
「え、いや、いいじゃない別に!ほら、行くわよ!」
美琴が上条の手を掴んで歩き出す。
(うわっ、ちょ、手!掴まれてる!!)
上条はたとえ掴まれているだけでも恥ずかしかった。

遊園地へと向かうバスの中。
上条は美琴の隣に座っている・・・・・・のだが
(うわ、どうしよう、手、握っちゃってたよ)
美琴にはバレていないようだが、上条の顔は真っ赤だ。
(いや、嬉しいんだけど、まだ恋人でもないのに繋ぐなんて)
原因は、手を握っていたこと。
途中からバスに乗るまで握っていたことに気づいていなかった。
「御坂、その、手、すまん」
とりあえず謝ろうとする上条。
「え、いや、いいのよそんなこと」
「そ、そうか、ははは」
「う、うん、ね、遊園地、着いたわよ」

「ここが遊園地か、初めて来たな」
「あんた、遊園地って1度も来たことないの?」
「いや・・・・・・な」
(あ、そうだ、こいつ)
言ってしまった後に美琴は思い出す。
上条には昔の記憶が無いことに。
「・・・・・・ごめん」
「何謝ってんだよ」
「だってあんた、記憶が・・・・・・」
「そんなの気にしてねえよ。それにお前が謝ることなんかないだろ」
それより、と上条は続ける。
「遊園地、楽しもうぜ」
「うん!!」

2人が最初に来たのはジェットコースターだ。
「いきなりジェットコースーかよ」
「別にいいでしょ、ほら並ぶ!」
「はいは・・・・・・い」
上条が見たパンフレットにはこう書いてあった。
『世界最速、時速300m!!100回転の地獄!!!』
「み、御坂センセー、ここ、またあとにしません?」
「なーに言ってるの。はっはーん、まさかあんた、怖くなったんでしょ」
(ふふ、いつもはからかわれるけど、今日だけは形勢逆転ね)
「な、何をー!怖いわけないだろ!」
「じゃ、いいわね」
「いやー!お助けー!!」
美琴は上条を掴んで列へと並ぶ。

「・・・・・・」
「だいじょうぶ?」
先程から上条はこの調子だ。
よほどジェットコースターがショックだったのか。
「ご、ごめんね」
「いや、いいよ。それより次行くか」
「うん」
(いいんだよ、俺はお前とこれただけで)
次の場所へと歩き出す。

次に来たのはお化け屋敷だ
学園都市製であり、その怖さも『外』とは比較にらしい。
「お化け屋敷か。初めて来たわね」
「御坂、引き返すなら今だぞ」
「怖いわけないじゃない、行きましょ」
2人はお化け屋敷の中へと入っていく。

中は和風の、それこそ幽霊がでてきそうな雰囲気だ。
上条のちょっと後ろにいる美琴は考えことをしている。
角を曲がると、突然井戸から包帯まみれの男が出てきた。
「きゃっ!」
美琴が驚いて上条の腕に思いっきり抱きつく。
(うわ、ちょっ、胸が!言うほど無いけど胸がー!!)
なんとかしようとした結果、上条は美琴を冷ややかな目で見て話す。
「お前・・・・・・怖いのか?」
「ちょっと驚いただけよ!!」
何とか美琴を離すことには成功したが、ちょっと心残りな上条であった。



その後2人は様々な場所を巡った。
コーヒーカップにメリーゴーランドや回転ブランコなど。
最後に2人が来たのは観覧車だ。もう日も落ち始めている。
「やっぱ遊園地の締めときたらここだよな」
「ちょっと混んでるけど、やっぱり乗る価値はあるわよね」
(最後に観覧車って、まるで本当にデートだな)
「ここの観覧車って頂上から学園都市が見渡せるらしいぜ」

観覧車が頂上に登った頃、夕日に染まる学園都市が視界一面に広がっていた。
「綺麗ね」
そんな美琴を夕日が照らす。
「・・・・・・きれいだ」
(何言ってんだ俺はあぁー!!)
「・・・・・・うん」
どうやら景色のことをいったと思われたのだろう。
つい本音を言ってしまったが、それほどにまで、彼女が美しく見えた。

楽しい時間も終わり、2人は帰路についていた。
日が暮れて、辺りもすっかり暗くなった頃、いつもの公園だ。
(告白するなら、やっぱここだよね)
上条は最初からデートの後に告白をすることを決めていた。
この場所を選んだのは『今の彼』が初めて会った場所だからである。
「ちょっと、休んでくか」
上条が指差したベンチに座る2人。
「今日は、楽しかったか?」
「うん」
勇気を出すなら今だ。
少年は一世一代の勝負に出る。
「御坂、俺さ、お前が好きだ」
「・・・・・・ふぇ!?」
突然の告白に戸惑う美琴。
「遊園地も最初からお前を誘うつもりだったんだ。
 ただお前と一緒に居たかっただけだ。
 いつからなんてわからない。気づいたら好きななってた。
 俺は頭も悪いし、不幸だ。こんな俺でも、付き合ってくれるか」
(もし駄目でも、俺は忘れることなんて出来ない。だから、頼む!!)
美琴は上条の右手をそっと握る。
「浮気したら、許さないんだから」
(浮気なんて、俺の心の中はお前だけだよ)
「・・・・・・もうこんな時間だし、送ってくよ」

不幸な少年が、幸せを手に入れた時だった。




次の日、学校で上条さんは土御門と青ピに尋問されたとかしないとか






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