第六章 全ての真実~radio noise~
少女はフレンダと名乗った。
友達が不良に絡まれてるので助けて欲しいのだという。
上条はフレンダに連れられ先ほどとは違う路地裏に行くが、不良どころか、野良猫一匹いない。
何かあるとすれば壁や地面に白いテープが貼られている。
「おいフレンダ、誰もいないぞ。本当にここなっ!!」
突然背中に衝撃が走り、肺の空気が抜ける感じがして息ができない。
「!・・・!!・・・・・・かはっ・・・はぁ、はぁ、なに、すんだテメェ!」
「結局、依頼だから。悪いけど、死んでもらうってわけよ!」
「依頼?くっ!」
フレンダは上条に駆け寄り四肢を使い上条に攻撃を加える。
防いでも、少しずつ攻撃をくらう。
上条は決して強いわけではない。
それでも不良相手に喧嘩をしたりして慣れている。
しかし、彼女のは路地裏の喧嘩程度で身につくものではない。
これは『殺しの技術』だ。
一方的に押され、少しづつ下がってきている。
上条の足が地面に貼られているテープについたとき、フレンダがスカートの中から何かを取り出す。
そしてそれを『テープらしきもの』に向かって投げようとした。
(マズイ!!)
具体的にはわからない。
でも何か危険を感じ、体を一気に後ろへ下げる。
バンッ!と、テープが爆発した。
「爆弾!?てことは!」
あたりはテープだらけ。
気を抜けば、簡単に爆弾の餌食だ。
「そ、結局、逃げ場はないってわけよ。結局、これも依頼だからおとなしくしなさいってわけよ」
「おい待ってくれよ!そもそも依頼ってなんだよ!」
フレンダは余裕そうに答える。
「研究所の侵入者の撃退、及び追撃、接触した人物の抹殺ってわけよ」
(研究所、シスターズ・・・ああ、そっか)
全てがわかった。
美琴がベランダにいたのも、麦野沈利に襲われたのも、実験のことも。
「うおおおお!!!」
全てがわかって、嬉しかった。
美琴が実験に協力なんてしてない、むしろ実験を止めようとしていたことがわかったから。
『自分の中の美琴』と、何一つ違わないとわかったから。
そして、許せなかった。
金なんかのために美琴の気持ちを踏みにじろうとしている奴らが。
「威勢はいいけど、結局、私にはかなわないってわけよ!!」
怒り、フレンダへ突っ込むが、蹴り飛ばされ、テープの上に転がる。
「がはっ!」
転がった上条の脇腹に、フレンダが何度も蹴りを加える。
上条はもう、動けない
「それじゃ、これで終わりってわけよ」
フレンダがテープを起爆しようとしたその時、携帯電話の鳴る音がする。
「もしもし、麦野?今いいところっって、え?」
電話の持ち主はフレンダのようだが、なにやら様子がおかしい。
「依頼は中止!?ターゲットは殺すな!?・・・・・・まあ、報酬がもらえるならいいけど」
電話が終わるとフレンダが動けない上条に言う。
「結局、運がいいってわけよ。でも、次はないから」
そのままフレンダは去っていった。
「ちく、しょう・・・み、さか」
意識も朦朧としているが、それでも美琴と話がしたくて。
何とかアパートにたどり着き、ドアを開けようとしたとき、目の前が真っ暗になった。
友達が不良に絡まれてるので助けて欲しいのだという。
上条はフレンダに連れられ先ほどとは違う路地裏に行くが、不良どころか、野良猫一匹いない。
何かあるとすれば壁や地面に白いテープが貼られている。
「おいフレンダ、誰もいないぞ。本当にここなっ!!」
突然背中に衝撃が走り、肺の空気が抜ける感じがして息ができない。
「!・・・!!・・・・・・かはっ・・・はぁ、はぁ、なに、すんだテメェ!」
「結局、依頼だから。悪いけど、死んでもらうってわけよ!」
「依頼?くっ!」
フレンダは上条に駆け寄り四肢を使い上条に攻撃を加える。
防いでも、少しずつ攻撃をくらう。
上条は決して強いわけではない。
それでも不良相手に喧嘩をしたりして慣れている。
しかし、彼女のは路地裏の喧嘩程度で身につくものではない。
これは『殺しの技術』だ。
一方的に押され、少しづつ下がってきている。
上条の足が地面に貼られているテープについたとき、フレンダがスカートの中から何かを取り出す。
そしてそれを『テープらしきもの』に向かって投げようとした。
(マズイ!!)
具体的にはわからない。
でも何か危険を感じ、体を一気に後ろへ下げる。
バンッ!と、テープが爆発した。
「爆弾!?てことは!」
あたりはテープだらけ。
気を抜けば、簡単に爆弾の餌食だ。
「そ、結局、逃げ場はないってわけよ。結局、これも依頼だからおとなしくしなさいってわけよ」
「おい待ってくれよ!そもそも依頼ってなんだよ!」
フレンダは余裕そうに答える。
「研究所の侵入者の撃退、及び追撃、接触した人物の抹殺ってわけよ」
(研究所、シスターズ・・・ああ、そっか)
全てがわかった。
美琴がベランダにいたのも、麦野沈利に襲われたのも、実験のことも。
「うおおおお!!!」
全てがわかって、嬉しかった。
美琴が実験に協力なんてしてない、むしろ実験を止めようとしていたことがわかったから。
『自分の中の美琴』と、何一つ違わないとわかったから。
そして、許せなかった。
金なんかのために美琴の気持ちを踏みにじろうとしている奴らが。
「威勢はいいけど、結局、私にはかなわないってわけよ!!」
怒り、フレンダへ突っ込むが、蹴り飛ばされ、テープの上に転がる。
「がはっ!」
転がった上条の脇腹に、フレンダが何度も蹴りを加える。
上条はもう、動けない
「それじゃ、これで終わりってわけよ」
フレンダがテープを起爆しようとしたその時、携帯電話の鳴る音がする。
「もしもし、麦野?今いいところっって、え?」
電話の持ち主はフレンダのようだが、なにやら様子がおかしい。
「依頼は中止!?ターゲットは殺すな!?・・・・・・まあ、報酬がもらえるならいいけど」
電話が終わるとフレンダが動けない上条に言う。
「結局、運がいいってわけよ。でも、次はないから」
そのままフレンダは去っていった。
「ちく、しょう・・・み、さか」
意識も朦朧としているが、それでも美琴と話がしたくて。
何とかアパートにたどり着き、ドアを開けようとしたとき、目の前が真っ暗になった。
目が覚めたら、美琴がいた。
「大丈夫なの!?あんたドアの前で倒れてたのよ!!」
「・・・・・・」
上条は覚悟を決める。
美琴の気持ちを踏みにじることになると知っていても、言わなければならないことがある。
「全部、知っちまった。クローンのことも、実験のことも、お前が止めようと研究所に忍び込んだことも」
「・・・知っちゃったんだ・・・・・・全部」
美琴は玄関へ向かって歩き出す。
「どこに行くつもりだ」
「樹形図の設計者のシュミレーションだと、一方通行は128回、私を殺せば絶対能力者になれる。でも、
超能力者の量産はできない。1人しかいない私を128回も殺すことはできない。
だからあの子達が作られた。私の代わりに、殺されるために」
でも、と美琴は彼が決して聞きたくない、最悪の言葉を放つ。
「もし、私が最初の1手で死んだら?」
「やめろよ」
「やっぱり機械にも間違いはあるんだって思わせれば、実験は中断する」
「もう1回樹形図の設計者で演算したら!」
「わかってる。でも、もうこれしかあの子達を救う方法がないの」
「まだ、まだ何かできることがあるはずだろ!」
決して認めたくなかった。
彼女が死んで全てが終わるなど。
こんな優しい少女を、こんなことで死なせるわけにはいかない。
「やったわよ!全部!!それでも一方通行には勝てないし、研究所をいくら潰したってすぐに移転して・・・・・・もう、これしかないのよ!!」
「だったら俺が戦う!」
「無茶よ!あいつはあらゆるものの運動量、熱量の向きを操作できるし全ての攻撃を反射できる。私だって、手も足もだせなかったのに」
「俺の右手ならその反射だって聞かないはずだ」
「どうして、どうしてあんたはそんなに」
美琴は、今にも泣きそうだ。
「守りたいとか、助けたいとか、そういんじゃない。ただ、楽しかったんだ。お前と過ごして1日が。もっと一緒にいたいんだ。お前を、こんなことで死なせたくないんだよ」
「私のせいでこうなったの。責任はちゃんととる。あんたが傷つくところなんてもう見たくない」
「だけど!」
「・・・・・・ごめんね」
彼女は彼の右の手首を掴みながら、キスをする。
「好きだよ、当麻」
上条は美琴の電撃を浴び、再び意識をなくす。
意識がない中で、それでも、『助けて』と言う美琴の声が聞こえた気がした。
「大丈夫なの!?あんたドアの前で倒れてたのよ!!」
「・・・・・・」
上条は覚悟を決める。
美琴の気持ちを踏みにじることになると知っていても、言わなければならないことがある。
「全部、知っちまった。クローンのことも、実験のことも、お前が止めようと研究所に忍び込んだことも」
「・・・知っちゃったんだ・・・・・・全部」
美琴は玄関へ向かって歩き出す。
「どこに行くつもりだ」
「樹形図の設計者のシュミレーションだと、一方通行は128回、私を殺せば絶対能力者になれる。でも、
超能力者の量産はできない。1人しかいない私を128回も殺すことはできない。
だからあの子達が作られた。私の代わりに、殺されるために」
でも、と美琴は彼が決して聞きたくない、最悪の言葉を放つ。
「もし、私が最初の1手で死んだら?」
「やめろよ」
「やっぱり機械にも間違いはあるんだって思わせれば、実験は中断する」
「もう1回樹形図の設計者で演算したら!」
「わかってる。でも、もうこれしかあの子達を救う方法がないの」
「まだ、まだ何かできることがあるはずだろ!」
決して認めたくなかった。
彼女が死んで全てが終わるなど。
こんな優しい少女を、こんなことで死なせるわけにはいかない。
「やったわよ!全部!!それでも一方通行には勝てないし、研究所をいくら潰したってすぐに移転して・・・・・・もう、これしかないのよ!!」
「だったら俺が戦う!」
「無茶よ!あいつはあらゆるものの運動量、熱量の向きを操作できるし全ての攻撃を反射できる。私だって、手も足もだせなかったのに」
「俺の右手ならその反射だって聞かないはずだ」
「どうして、どうしてあんたはそんなに」
美琴は、今にも泣きそうだ。
「守りたいとか、助けたいとか、そういんじゃない。ただ、楽しかったんだ。お前と過ごして1日が。もっと一緒にいたいんだ。お前を、こんなことで死なせたくないんだよ」
「私のせいでこうなったの。責任はちゃんととる。あんたが傷つくところなんてもう見たくない」
「だけど!」
「・・・・・・ごめんね」
彼女は彼の右の手首を掴みながら、キスをする。
「好きだよ、当麻」
上条は美琴の電撃を浴び、再び意識をなくす。
意識がない中で、それでも、『助けて』と言う美琴の声が聞こえた気がした。