とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part08

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第七章 微かな希望~hope in hand~


いったいどれだけの間気絶していた。
30分?1時間?
時計を見ると、まだ20分もたっていない。
いそいで行けば、まだ美琴を助けることができるかもしれない。
だけども、美琴は一体どこにいったのか。
この広い学園都市をむやみに走り回ったって、見つけられるはずがない。
「くそっ!なにか、なにか手掛かりが!」
美琴が資料もなしに研究所を襲うなんてことは絶対にしない。
タバコや灰皿をどかして、部屋を散らかしながら必死に探す。
「これは・・・」
ちゃぶ台の近くに4つに折られた紙を見つけた。
中身は第10032次実験の内容と『実験場所の地図』だった。
地図の場所は操車場だった。
ここからまだ距離もある。
見つけるまでに時間はかかったが、走れば美琴に追いつけるかもしれない。
(待ってろ、御坂)
絶対に彼女を死なせるわけにはいかない。
知り合いだから、友達だからというわけではない。
彼女があんな悲しそうな顔をしていると心が痛くなる。
彼女のことを考えると、胸が痛い。
これが『人を好きになる』ということなのだろう。
だけどもそんなことを考える暇はない。
実験場所へと、彼は走り出す。
フレンダとの戦いで傷ついた体が痛む。
それでも、立ち止まるわけにはいかない。
美琴を連れ戻すため、
彼女が死ぬなんて幻想をぶち壊すために。



どうして、置いてきてしまったのだろう。
上条があれを見つければ、迷わず来るに決まっている。
もしかしたら、最初から助けて欲しかったのかもしれない。
決して許されないと分かっていても、救いが欲しかったのかもしれない。
美琴が操車場に来た時にはもう、実験が始まっていた。
すでにミサカ10032号は意識をなくし、一方通行の足元に転がっている。
「久しぶりね。一方通行」
「あァ?お前、超電磁砲か。で、今日はなンのようだ?」
「このふざけた実験を終わらせる」
右手を構え、コインを上へと上げる。
「はァ?学園都市第一位のこの俺に敵うとでも思ってンのか」
美琴はなにも言わずに、コインを打ち出した
(この1発が反射されて私が死ねば、全部、終わる)
だけど、反射され、。直ぐ美琴に戻ってくるはずの超電磁砲は、
一方通行の横側へと飛んでいった。
一方通行はそのまま超電磁砲など気にもとめず、つまらなそうに右手を横に振る。
そうすると、突然、突風が美琴を襲う。
吹き飛ばされ、十数メートル後ろのコンテナに背中からぶつかった彼女に、一緒に飛ばされた石や砂が追い討ちをかける。
「ンじゃァ、これで今日の実験も終了と」
一方通行は再び、意識を10032号へと向ける。
「や・・・めて。もう、やめてよ」
美琴の悲鳴も一方通行には届かない。
一方通行の右手が10032号に触れようとしたその瞬間、
ジャリ、と足音が聞こえた。
「なンだお前」
「あ・・・とう、ま・・・」
とうの昔に錆びたはずの涙腺から、透明な錆がこぼれ落ちえる。
足音の主は、上条だ。
嬉しかった。
ボロボロの体を引きずってでも来たことが。
こんな自分を、助けに来てくれたことが。
「さっさとそいつを倒して帰るぞ、美琴」
「俺を倒す?俺が学園都市第一位って知ってンだろォな」
一方通行は意識を10032号から上条へと向ける。
それ以外はもはや眼中にない。
「ああ」
「それを知って、どォしてお前は俺の前に立てんだよ。」
「理由なんて簡単だ。惚れた女が泣いてんだ。それだけで充分だろ!!」








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