第七学区、上条行きつけの格安スーパーにて。
二人は無事、タイムセールの間にスーパーに到着した。
二人は無事、タイムセールの間にスーパーに到着した。
「ゼェ…ゼェ…ま、間に合った…」
「ハァ…ハァ…あ、あんた、毎日こんな生活送ってるわけ…?」
美琴がこう言うのにはわけがある。二人の姿格好は先程とはうって変わっていたのだ。
「いくらなんでもおかしいわよ…なんで行く道行く道工事中なのよ!お陰でせいぜい2分程度の距離なのに、10分近くかかったじゃない!それに来るとき犬には追いかけられるわ、スキルアウトには絡まれるわ、おまけになにもしてないのに警備ロボットに囲まれるわ、正直間に合ったのが信じられない位よ!!」
そう、いろいろあったのだ。いろいろと。服がちょっとボロくなるのが霞む位のことがいろいろと。その度その度、美琴が尽力することで、なんとか間に合ったのだ。
「ははは、返す言葉もってとこだけど、今日はまだついてる方だぜ?タイムセールには間に合ったしな。これもお前のお陰だよ。ありがとな。御坂。お前がいなかったら間に合わなかったわ。」
「なっ!?」
上条はとびきりの笑顔でそういってのける。
その笑顔は『御坂美琴には効果バツグンだ!!』と言える物で、美琴は瀕死、もとい、なにも言えなくなってしまう。
その笑顔は『御坂美琴には効果バツグンだ!!』と言える物で、美琴は瀕死、もとい、なにも言えなくなってしまう。
(こ、こいつは、よくもまあ、平然と…そんなこと言われたら何も言えないじゃないの…)
「よし、じゃあ行こうぜ。もう時間ギリギリだしな!」
「はぁ…わかったわ。行きましょ。食材残ってると良いけど…」
「それなら大丈夫だ!上条さんはここの常連なんでせうが、結構な穴場でしてね、いつもそこそこ残ってるんでせう。」
「ふーん。だといいけど。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「穴場、ねえ・・・?」
「ふ、不幸だ・・・なんで今日に限って売り切れ・・・?神様(あの野郎)・・・」
上条がそこまで言うのも無理はない。なんせ上条の目当ての品はことごとく売り切れてしまっていたのである。
やはりどこまで行っても上条は不幸だった。
やはりどこまで行っても上条は不幸だった。
「そう落ち込まないの。こんなのあんたには日常茶飯事なんでしょ?」
「あらためてそう言われると泣きたくなりませう・・・」
「ははは・・・悪かったわよ。ごめん。でも目当てじゃなかったにしても、ある程度食材揃えられたのはよかったじゃない。」
「それはお前が選んだやつだろ?上条さんはそんなオサレな食材の使い方知りませんし・・・宝の持ち腐れでせう。」
ここで美琴はハッとした。これはもしかしたらもしかしなくてもチャンスなのでは!?と。
上条が作れないなら、別の誰かが作ればいいのである!
上条が作れないなら、別の誰かが作ればいいのである!
「な、なら、わt・・・」
「あ、そうだ。舞夏に聞いてみたらなにか教えてくれるかも!」
「・・・」バチィッ!!
「うおぁ!?あぶねぇ!?いきなり何!?俺何かした!?」
「あんた。わざとやってんの?」
「な、なんのことでしょうか御坂様?」
「ふん。もういいわよ・・・ほら人に聞くんでしょ?電話しなさいよ。」
「・・・?じゃ、じゃあ失礼して・・・」prprprprpr
『どうした~?上やん?』
「よ。土御門。お前に用はないんだ。舞夏いるか?」
『なんか酷くないかにゃ~?上やん・・・え~と舞夏だな。ちょっと待つぜよ?
- わたしにようとはなんだ~?かみじょうとうま~?』
「あ~それなんだがな?実はかくかくしかじかで・・・」
『・・・なるほどな~それはわかったけどどうしてかみじょうとうまがそんな食材使うことになったんだ~?』
「ああ、それは御坂が・・・」
『みさか~?それって常盤台のみさかか~?』
「そう。その御坂だよ。あれ?お前ら知り合いなのか?」
そこで舞夏はなにか考え込むように間をあけてからきりだした。
『・・・ふむ~。ちょっとみさかにかわってもらえるか~?』
「え?ちょっと待ってくれよ?
なあ、御坂お前に替われって舞夏が」
なあ、御坂お前に替われって舞夏が」
「へ?私?それに舞夏ってもしかして土御門?」
「そうそう。舞夏の兄貴が俺んちの隣なんだよ。」
「ふ~ん。変な縁ね~。貸して?
- もしもし私だけど、土御門?」
『お前もかみじょうとうまにフラグ建てられたのか~?』
「ぶッ!!????」
『・・・その反応は当たりっぽいな~・・・』
「う、うるさいわよ!?それに『も』って何!?そんなにおるんかい!?もしかしてアンタ!?」
『私はちがうぞ~?そんな普通の恋愛には興味ないからな~
- そうかそうか~あのみさかがな~。よし、ならここはこの私が人肌脱いでやろ~。みさかには世話になってるからな~』
「あ、あんた、なにするつもりよ?」
『いいからいいから~。悪いようにはしないぞ~。かみじょうとうまに代わってくれ~』
「わ、わかったわよ・・・
はい。あんたに代われってさ。」
はい。あんたに代われってさ。」
「ん?もういいのか?
- もしもし舞夏?」
『お~かみじょうとうま~。悪いんだがな~私はこれからアニキに餌付けしないとダメだから教えてる暇はないんだな~』
「・・・そっか~。それはしょうがないな。了解。諦めるわ。」
『諦めるのはまだ早いぞ~?かみじょうとうま~。わたしは無理だが~かみじょうとうまのすぐ横にいいせんせーがいるぞ~』
「え?御坂か?そういや料理はできるようだけど・・・」
『できる、なんてもんじゃないぞ~。常盤台の教育は凄まじいからな~。そこらの店よりはよっぽど美味しいものが作れるはずだぞ~?まあ私ほどじゃないがな~』
「そうなのか。でも御坂がOKするとは思えないしな~・・・」
『大丈夫だと思うぞ~?一回聞いてみろ~』
「・・・わかった。聞いてみるわ。サンキュな舞夏。」
『お~またな~』
と、上条はここで通話を切った。そして舞夏に言われたことをダメもとで実行することにした。
「な、なあ御坂?その~ダメ元で聞くんでせうが、どうかこの不束者上条当麻に料理を教えてください!!」
「・・・いいわよ」
「だよな?やっぱダメ・・・え?いいの?」
「だからそう言ってるでしょ」
「い、いやだってお前だって年頃の女の子なんだし男の部屋にあがるってのは抵抗あると思ったんでせうが・・・」
「いいのよ。私はこれでもアンタのことは信頼してるのよ。これ以上ない位にね。それとも何?アンタ私に何かするつもり?」
「い、いいえ!!決してそのようなことはしないと御坂様に誓います!!
- そ、その信頼してくれてるってのは光栄です・・・」
「ほらじゃあ行くわよ?案内して」
「お、おう」
- 男女間で『これ以上ない信頼』というとそれはもう『愛』なのだが、二人は気づいていなかった・・・うん。上条は言わずもがな、やっぱり美琴も鈍いよね。
まあかくして、舞夏の協力を得て、美琴の作戦はまた一つ成功し、とうとう敵本陣に乗り込むことに成功する・・・が、本陣には強力なBOSSがいるものである。
そしてそれは上条宅も例外ではなかった!!!
そしてそれは上条宅も例外ではなかった!!!