とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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とある2人の再会秘話【プロローグ】 1




2年という月日はあっという間に過ぎてしまうものだ。
ついこの間まで中学2年生だと思っていた知り合いの女子は高校生だ。上条だって高校3年生。自身の進路へと向かい始める時期である。

「ただいまー」

季節は冬。上条もまた、朝布団から出るのも億劫となる寒さを我慢して、学校へ行き受験勉強に励む学生の1人だ。もしかしたらやりたいことが見つかるかもしれない。そう考えて大学への進学を決めたのだ。

「おかえりとうま」

迎えてくれたのはインデックスである。居候である彼女とも短くない仲だ。2年前と比べても落ち着いているし、随分と大人っぽくなっている。相変わらず機械全般は苦手だが事あるごとに驚くことはなくなったし、、洗濯や掃除などの家事をするようにもなったし、平仮名だけだった手紙にも漢字が増えた。
上条は鞄を置いて床に腰を落ち着けて、ふとあることを思い出していた。

「……とうま、最近本当につまらなそうな顔してるんだよ」
「ん、そうか?」

そういえばここ数日、暇さえあれば同じことを考えていたかもしれない。と上条は気づいた。
とりあえず、気のせいだろ。と誤魔化すとインデックスはそこで話をやめ、不思議そうな顔をしながらも彼と同じように床に座る。
夕飯を作る時間でもない。また暇が出来て、漫画読む気分にもならず、また同じことを考えてしまう。

(御坂、最近何やってんだろうな)

半年以上、彼女とは会っていない。前は学校へ行く途中の道で会い、世間話をしながら分かれ道でまた別れる。放課後だって帰り道や休日に会うことがあった。
しかし、美琴が中学3年生となってからはその機会も減っていった。彼女も高校へ進学するための勉強で忙しくなったのだ。
彼女が無事に合格し進学すると通学路も、買い物をする場所も違くなった。特に理由もなく彼女にメールをするのもどうかと思っていたせいもあり、2人の距離は離れていってしまった。
なんとなく美琴に会いたいとは思う。だが、なぜかこちら側から連絡をする気にはなれなかった。
美琴が電話くれたらいいのになー。などと勝手なこと考えていると、電話のアラームが鳴った。

(嘘……、だろ)

珍しく神様が微笑んでくれたのか、相手は件の御坂美琴。実に10ヶ月ぶりの会話となる。
焦って携帯を落としかけたが、何とか鳴り終わる前にでることが出来た。

『あ、あの……久しぶり』

たった一言だけだったけど、声は大人らしくなり落ち着いていたけれども、まだ中学生だった頃の美琴を思い出させた。
まるで数年ぶりに幼馴染と最会するかのような感覚に陥ってしまう。
この会話をインデックスに聞かれたくない。2人だけの物にしたいと、そう思った。
上条は立ち上がると、走って脱衣所に入り、バタンッ!!と、力いっぱいに扉を閉めた。

「ひ、久しぶりだな。今日はどうしたんだ?」
「それなんだけどね。――――」

その会話がどんな内容だったのか。
また今後2人にどのような影響を与えるのことになるのか。


それは他の誰も立ち入ってはいけない、2人だけの秘密だ。








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