とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part02

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誰にも遭遇することなく校門を出ることに成功した。美琴は能力のおかげで周囲にレーダーのようなものが張られているらしいのだ。
学舎の園は中世ヨーロッパのような街並みであるが、生活をするのに必要なものは全て買えそうだと思うほどに店舗は充実していた。さらにここは男子禁制。これならば世間知らずのお嬢様が量産されてしまうもの無理はない。

「なぁ、御さ・・・・・・御坂さん、少し急ぎませんでしょうか」

上条は慣れないながらも女のフリをして美琴に話しかける。
土御門が何を企んでいるか。急いで彼を問い詰めなければ取り返しのつかないことになってしまうかもしれない。
だけども美琴は、そんなことなど気にしないような感じで言う。

「焦ったってしかたがないわ。それにあまり人に会わないようにするとどうしても回り道になっちゃうのよ」
「確かに・・・・・・そう、だけど」

そうだけども、上条はさらに焦ってくる。
だが、制限時間すらわからない試練だけでは終わらない。美琴どころか、上条自身でさえ忘れていたことが1つある。
上条当麻は、不幸である。

「御ぃ坂さん☆」

その話し方に聞き覚えがあったが、。前に学舎の園から脱出する時に協力してくれた少女だ。
常盤台の女王と呼ばれ、精神操作の能力を持つ、学園都市第五位の超能力者。

「食蜂、操祈」
「えっと、君は確か・・・・・・」
「あらぁ、御坂さん、他にお友達いたの?」
「・・・・・・そんなことどうでもいいでしょ。何でアンタがここにいるのよ」

美琴の顔は明らかに敵意を表わにしている。
が、そんなことなど気にせず、食蜂は笑顔でこう言う。

「私の情報力にかかえればぁ、御坂さんがどこにいるかなんて、簡単に分かるんだゾ☆」

美琴はムッとした顔をする。何となく、可愛いなと思ったが、上条にとっては2人に恩があり、あまり関係を悪くはして欲しくはない。
というか彼女の力を借りれば簡単に脱出出来そうだが、女装をしているなど、他の人物に知られたくなかった。
そうなれば、さっさとこの2人を引き離すことが最良だ。

「ほら御坂さん!お買い物に行くのでしょう?行きましょう行きましょう。それでは。食蜂さん!」
「え、あ、ちょっ!?」

美琴の腕を掴み、道など分からずにひたすら走った。




上条が美琴とロッカーで出会う前のことだ。
放課後。それは表に人が最も増える時間帯であり、同時にそれは犯罪が行われる時間帯でもある。
夕日も沈みかけ、さらに暗くなった路地裏に人影が4つ。
下校する学生の格好ではない。だからといって犯罪を企む悪ガキでもない。

「どォいうつもりだ。土御門」
「暗部はもう解散したはずだけど?」

白い髪。赤い目をした少年は学園都市第一位の超能力者。一方通行だ。
赤い髪の少女の方は結標淡希。
どちらも以前は暗部組織、『グループ』に所属していた。今は平穏を取り戻し日常を送っている。

「これは上層部からの依頼じゃない。俺個人の頼みだ。当然報酬も出す」

呼び出した張本人。土御門元春は、いつもの軽薄な態度からは想像もつかない態度で珍しく頭を下げた。
あの土御門が頭を下げるのだ。それ相応のことだと2人は考えた。

「とりあえず、話を聞かせてもらえませんか?」

口を開いたのは海原光貴。と言っても彼は海原の顔を借りているだけの魔術師だ。彼もまた『グループ』のメンバーだった男だ。
海原の問いに土御門は答える。

「魔術師が侵入した」

それにギョッとしたのは海原と一方通行だ。結標はよくわからない顔をしている。

「・・・・・・魔術師?なによそれ」
「外部の能力者だと思ってくれればいい」

それ以上聞くのは面倒だと思ったのか、結標はそれ以上聞こうとはしなかった。
次は一方通行が質問をする。

「またグレムリンとか言う奴らか?」
「いや、また別の組織だ。学園都市に入られた以上イギリス清教も無闇に動けない。だからこっちに仕事が回ってきたんだぜい。奴らの狙いは2人。海原。お前ならわかるだろ?」
「っ、上条当麻と・・・・・・」

海原は、考えたくなかった答えを、少しの間を空けて言う。

「御坂、美琴」
「そうだ。第三次世界大戦の件だけじゃない。グレムリンの他にも超電磁砲は幾度か魔術師と対峙し勝利している。何を考えているかは知らんが、奴らにとっていずれ障害になると判断したんだろう。奴らとて馬鹿じゃない。幻想殺しも超電磁砲も対策を講じてるはずだ。だからこそ、カミやんを学舎の園に隔離する必要があったんだぜい」

土御門は懐から拳銃を取り出し、弾倉の中身を確認すると再び懐に閉まった。

「行くぞ。カミやんと超電磁砲が学舎の園を出る前に片を付ける」

今再び、『グループ』が再結成された。









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