「ちょっと!なんでいきなり走り出すのよ!?」
食蜂を撒いた上条だが、美琴に怒鳴られてしまった。
「何でいきなり走り出すのよ!」
「あのまま喧嘩してたって時間の無駄だろ」
「あのまま喧嘩してたって時間の無駄だろ」
だがしかし、危機はまだ去っていない。闇雲に走って大通りに出てしまっていたのだ。
「お姉さま?」
その危機は白井黒子。美琴と同室であり、唯一無二のパートナー。
彼女の腕には風紀委員の腕章が付けられている。巡回中なのだろうか。
白井は怪訝な表情で上条を見る。
彼女の腕には風紀委員の腕章が付けられている。巡回中なのだろうか。
白井は怪訝な表情で上条を見る。
「そちらの方は……失礼ですが、お名前は?」
「あ・・・・・・、えっと」
「あ・・・・・・、えっと」
そういえば偽名を考えていなかった。
見知らぬ人間ならば上条を名乗ればいいが、白井とは面識がある。上条を名乗るのはマズイ。
見知らぬ人間ならば上条を名乗ればいいが、白井とは面識がある。上条を名乗るのはマズイ。
「・・・・・・そういえば、どこかで見たような・・・・・・」
感づかれたか。誤魔化さなければバレて厄介なことになるかもしれない。
さっさと偽名を考えつかなければなれないが、焦って何も思い浮かばない。
さっさと偽名を考えつかなければなれないが、焦って何も思い浮かばない。
「どうなされましたの?」
「あ、あの」
「か、神城さんよ!この人、人見知りでね」
「は、はぁ。よろしくお願いしますの。神城さん」
「あ、あの」
「か、神城さんよ!この人、人見知りでね」
「は、はぁ。よろしくお願いしますの。神城さん」
美琴の機転のおかげで白井は納得してくれたようだ。
ひと安心する上条だったが、彼の心を惑わせることがもう一つ起きる。
ひと安心する上条だったが、彼の心を惑わせることがもう一つ起きる。
「黒子は巡回中でしょ?残念ねー。私たちこれからお買い物なの。行きましょ?神城さん」
夏休み最後の日に恋人ごっこをした時と同じくらいに寄り付いてきたのだ。
(あれ、は?んー!?)
時々美琴から香る女の子らしいいい香りが再びする。
白井はそれを見て劇画の様な顔をして固まってしまった。
その隙に今度は美琴が固まった上条を引っ張て逃げ出した。
白井はそれを見て劇画の様な顔をして固まってしまった。
その隙に今度は美琴が固まった上条を引っ張て逃げ出した。
やっとのことでゲートの前まで着いた。
「こっからどうするか、ね」
「・・・・・・」
「どうしたのよアンタ」
「あ、悪い」
「・・・・・・」
「どうしたのよアンタ」
「あ、悪い」
美琴に呼びかけられてハッとする。
「あ、で、どうしたんだ?早く行こうぜ」
「ゲートを通れないのよ。IDがないと。アンタ前はどうやってここから出たのよ。というか何で前にもいたのよ」
「あー、あの時も土御門に連れ込まれてたからなー。出る時も強行突破だったし」
「アンタねぇ」
「ゲートを通れないのよ。IDがないと。アンタ前はどうやってここから出たのよ。というか何で前にもいたのよ」
「あー、あの時も土御門に連れ込まれてたからなー。出る時も強行突破だったし」
「アンタねぇ」
呆れた表情で上条を見る美琴。
門番は女性だ。しかし無理に突破しようとすれば学園都市最先端の装備で取り押さえられるだけだろう。
どうしようと考えていると、2人の横を掃除ロボットが横切る。
門番は女性だ。しかし無理に突破しようとすれば学園都市最先端の装備で取り押さえられるだけだろう。
どうしようと考えていると、2人の横を掃除ロボットが横切る。
「ちょうどいいわね。あれを使いましょう」
美琴は額から電気を発すると、それは掃除ロボットを当てる。
ピョコピョコ可愛らしく跳ねる前髪をリモコンのように使い掃除ロボットを操作する。
ピョコピョコ可愛らしく跳ねる前髪をリモコンのように使い掃除ロボットを操作する。
「うわっ!故障なの!?」
掃除ロボットを門番に突撃させ、混乱した門番はゲートから目を離す。
「今のうちに!」
門番の目を盗んでゲートをくぐり、後は一直線に走り出すだけだ。
「ありがとうな御坂」
無事に学舎の園を脱出した上条は美琴を置いて歩き出す。
「どこへ行く気よ。あてはあるの?」
「なくても探すしかないだろ。じゃあな御坂」
「待って。私も行くわよ」
「なくても探すしかないだろ。じゃあな御坂」
「待って。私も行くわよ」
しかし、上条は首を横に振る。
「御坂を巻き込めないし、今回だけじゃない。ロシアまで助けに来てくれたり、ハワイまで来てくれたり。もう十分なほどに助けてもらってきた。これ以上お前に甘えることは出来ない」
踏みとどまった美琴は、少ししてその口を開いた。
「・・・・・・わかったわよ」
そう言うと、ビシッ!と上条を指差した。
「その代わり!もし何かあったら私に連絡すること。いいわね!?」
「ああ」
「ああ」
そして美琴は上条に手を振りながら走っていった。
「バイバーイ!女のアンタといられて、楽しかったわよー!」
女装はもうする気などないが、美琴といられて楽しかったのはこちらも同じだ。
次はちゃんと男としてならばいいかもしれない。と上条は思った。
次はちゃんと男としてならばいいかもしれない。と上条は思った。
美琴と別れてから少し経った。
相変わらず手がかりも掴めず、彷徨うだけだった。
しかし、そこで上条の携帯のアラームが鳴る。発信者は土御門元春。
相変わらず手がかりも掴めず、彷徨うだけだった。
しかし、そこで上条の携帯のアラームが鳴る。発信者は土御門元春。
『カミやん!』
「土御門!?」
『・・・・・・女?ああいい。カミやんに言っておけ。「魔術師がお前らを狙っている。超電磁砲と離れるな!!俺たちもすぐにそっちに行く!」』
「・・・・・・」
「土御門!?」
『・・・・・・女?ああいい。カミやんに言っておけ。「魔術師がお前らを狙っている。超電磁砲と離れるな!!俺たちもすぐにそっちに行く!」』
「・・・・・・」
それだけを伝えられると、電話は切れた。
携帯を持つ腕が垂れ下がる。
携帯を持つ腕が垂れ下がる。
「・・・・・・御坂が?」
また、あの少女を巻き込むのか。
また、自分のせいで。
また。
また、自分のせいで。
また。
「っ、御坂!!」
携帯で美琴に電話をかける。しかしコール音ばかりで美琴は出ない。
「くそっ!!」
追いかければ間に合うかもしれない。
少なくとも彼女の寮へ向かえば合流できるはずだと。
走っている途中で上条はあることに気づく。
放課後で人通りが増えるはずの大通りに誰もいないのだ。
まるで上条だけが迷い込んだかのように。
少なくとも彼女の寮へ向かえば合流できるはずだと。
走っている途中で上条はあることに気づく。
放課後で人通りが増えるはずの大通りに誰もいないのだ。
まるで上条だけが迷い込んだかのように。
「あっれー?幻想殺しって女だったっけ?」
「どのみち『人払い』の影響を受けてないんだ。関係者だろ」
「殺しはすれど、原型は保っておけよ。あれが幻想殺しだと確認できないと報酬も貰えん」
「どのみち『人払い』の影響を受けてないんだ。関係者だろ」
「殺しはすれど、原型は保っておけよ。あれが幻想殺しだと確認できないと報酬も貰えん」
1つは女の声だった。
残りの2つは男の声。
3つとも、駆動鎧のスピーカーから発せられていた。
残りの2つは男の声。
3つとも、駆動鎧のスピーカーから発せられていた。