能力覚醒!ぴんちにぱんちっ
1月のある日 ごぜん10じ
年も明け、すっかり冬モードになったみこにゃん。
こたつでみかんを食べたり、まるくなったりでおうちでの生活を満喫していました。
12がつ30にちにすずにゃん(実家)のもとへ上条さんと帰り、そのまま両親と共に年を越したのです。
ちなみに、つい昨日帰ってきたばっかりです。
こたつでみかんを食べたり、まるくなったりでおうちでの生活を満喫していました。
12がつ30にちにすずにゃん(実家)のもとへ上条さんと帰り、そのまま両親と共に年を越したのです。
ちなみに、つい昨日帰ってきたばっかりです。
さて、現在みこにゃんはテレビにくぎ付け。
見ているのはいつものニャル子さんではなく…
見ているのはいつものニャル子さんではなく…
「続いて紹介するのは、なんと超能力で社会貢献をするネコです!
身体検査によって覚醒された能力を使って一体どうやって貢献をしているのでしょうか!?
さっそく見てみましょう!」
身体検査によって覚醒された能力を使って一体どうやって貢献をしているのでしょうか!?
さっそく見てみましょう!」
超能力を持つネコ。
一見不気味なイメージがあり、そんなのあり得ないと信じられない人も多いようですが、学園都市ではこういったことは普通なのです。
能力が覚醒したネコは、研究所か施設に送られることもあり、まさに大事な研究材料になっているそうです。
テレビでは、ある研究所に突入したレポーターが、次々とさまざまな能力を持つネコを紹介していました。
風を操って風力発電したり、水を操って消化活動の訓練に励んだり。
一見不気味なイメージがあり、そんなのあり得ないと信じられない人も多いようですが、学園都市ではこういったことは普通なのです。
能力が覚醒したネコは、研究所か施設に送られることもあり、まさに大事な研究材料になっているそうです。
テレビでは、ある研究所に突入したレポーターが、次々とさまざまな能力を持つネコを紹介していました。
風を操って風力発電したり、水を操って消化活動の訓練に励んだり。
今現在なんの能力も持たないみこにゃんには輝いてみえました。
画面の向こうのネコたちが羨ましくなります。
画面の向こうのネコたちが羨ましくなります。
「にゃー、すごい」
「おー、何見てるんだ?」
そんな興奮気味のみこにゃんを、後ろからひょいっと抱き上げて膝の上に乗せたのは飼い主である上条さん。
番組の特集を見ると、すごいネコもいるんだなーとありきたりな感想を口にしました。
番組の特集を見ると、すごいネコもいるんだなーとありきたりな感想を口にしました。
「私もあんな風ににゃりたい!」
「そうか?」
「身体検査受けたい!」
「うーん……と、言われましても…」
上条さんは真剣に悩み始めました。
身体検査(システムスキャン)を受けると、100%の確率で能力が覚醒すると言われています。
もちろん、超能力の資質を持っているネコとそうでないネコがいるので、素質を持っていないネコは身体検査後に「あなたは超能力を使えない」と
はっきり言われるそうです。まぁ、80%の確率でどんなネコにも素質があるとどこかの優秀な研究者によって証明されたようですが。
しかし、身体検査には欠点があります。身体検査によって覚醒した能力を持つネコのうち、将来能力のレベルが上がるネコは半分にも満たないそうです。
たとえば発電系だったら、静電気程度の電気が出るだけ…といった具合に、覚醒したが日常で使えないようなイメージです。
しかも裏では「身体検査を受けると寿命が縮む」、「副作用がある」などの嫌な噂が出回っているのも事実です。
身体検査(システムスキャン)を受けると、100%の確率で能力が覚醒すると言われています。
もちろん、超能力の資質を持っているネコとそうでないネコがいるので、素質を持っていないネコは身体検査後に「あなたは超能力を使えない」と
はっきり言われるそうです。まぁ、80%の確率でどんなネコにも素質があるとどこかの優秀な研究者によって証明されたようですが。
しかし、身体検査には欠点があります。身体検査によって覚醒した能力を持つネコのうち、将来能力のレベルが上がるネコは半分にも満たないそうです。
たとえば発電系だったら、静電気程度の電気が出るだけ…といった具合に、覚醒したが日常で使えないようなイメージです。
しかも裏では「身体検査を受けると寿命が縮む」、「副作用がある」などの嫌な噂が出回っているのも事実です。
仮にみこにゃんが身体検査をして能力が覚醒された場合、研究所か施設に送られて能力の育成を強要されます。
しかもこの期間、ネコによって変わるようです。早くて1か月、長ければ数年もかかるそうです。
その間はもちろん飼い主と過ごすことはできません。(支障をきたす可能性があるとか)
それにもし、育成期間で強力な能力になればそのまま研究材料になってしまうかもしれません。
薬品の匂いが立ちこもる狭い空間でご飯もろくに与えられず…なんてことはないでしょうが、今のようなのびのびとした暮らしではなくなってしまうはず。
しかもこの期間、ネコによって変わるようです。早くて1か月、長ければ数年もかかるそうです。
その間はもちろん飼い主と過ごすことはできません。(支障をきたす可能性があるとか)
それにもし、育成期間で強力な能力になればそのまま研究材料になってしまうかもしれません。
薬品の匂いが立ちこもる狭い空間でご飯もろくに与えられず…なんてことはないでしょうが、今のようなのびのびとした暮らしではなくなってしまうはず。
上条さんはそれを考えた上で、みこにゃんのお願いを断ることにしました。
「うーん、残念だけどそれは聞けないな」
「む!にゃんで!?」
「やっぱり危険な感じするし、それにこれは美鈴さんだって望んでないはずだ。お前は、今のままでいいんだよ」
「むー!」
「それに…研究所に送られたらこわーい白衣の化け物と一緒にせまーい部屋で毎日過ごさないといけないんだぞ」←※嘘です
「にゃっ…ば、ばけもの…」
「ご飯もろくに食べられないみたいだし」←※嘘です
「ま、マシュマロが!」
「嫌なことばっかりだろ?」
「にゃー…た、確かに」
「だから、今のままのみこにゃんで十分なんだよ。俺も変な能力ぶちまけてるネコより、何の変装もないネコの方が好きだぞ」
「にゃー、じゃあ、やめる」
「よしよし、いい子だな」
上条さんにポンポンと頭を撫でられると、みこにゃんは今のままでもいいやと思うようになりました。
いつの間にか、テレビも別の特集をやっていました。
いつの間にか、テレビも別の特集をやっていました。
「(それに…身体検査以外でも能力は覚醒することがあるらしいし)」
上条さんはふと美鈴さんに言われたことを思い出しました。
なんでも、「飼い主がピンチになると突然能力を発揮する」らしいのです。
しかもそれによって覚醒した能力は、身体検査よりはるかに上回ることがほとんどで、レベル4(極稀に5)にあたるとも言われています。
自然に能力を覚醒することは極めて珍しく、これが分かったのもつい最近です。
その最初の事例が、川で溺れかけた飼い主が必死になってもがいていると、いきなり水が盛り上がって岸辺に放り出され、見ると自分のネコが
水流を操って川の流れる向きを変えていたんだそうです。
これに似た事例が後からいくつか起こり、研究者たちがたどり着いた結果が「飼い主がピンチになると突然能力を発揮する」とのこと。
なんでも、「飼い主がピンチになると突然能力を発揮する」らしいのです。
しかもそれによって覚醒した能力は、身体検査よりはるかに上回ることがほとんどで、レベル4(極稀に5)にあたるとも言われています。
自然に能力を覚醒することは極めて珍しく、これが分かったのもつい最近です。
その最初の事例が、川で溺れかけた飼い主が必死になってもがいていると、いきなり水が盛り上がって岸辺に放り出され、見ると自分のネコが
水流を操って川の流れる向きを変えていたんだそうです。
これに似た事例が後からいくつか起こり、研究者たちがたどり着いた結果が「飼い主がピンチになると突然能力を発揮する」とのこと。
「(まぁ、俺はなるべく今のままでいてほしいけど)」
上条さんは、頭を撫でられて気持ちよさそうに目を細めるみこにゃんをみて、そう思うのでした。
すうじつご ごご1じ
みこにゃんは上条さんとお買いものにきていました。
いつものスーパーではなく、今日は街に出て大きなスーパヘとやってきました。
ここで1週間分の食料や日用品を買い、公園でひとやすみ。公園にはクレープ屋さんが来ていたので、上条さんがマシュマロ入りのクレープを
買ってくれました。
いつものスーパーではなく、今日は街に出て大きなスーパヘとやってきました。
ここで1週間分の食料や日用品を買い、公園でひとやすみ。公園にはクレープ屋さんが来ていたので、上条さんがマシュマロ入りのクレープを
買ってくれました。
「んー、おいひーっ!」
はむはむと頬張りながら、みこにゃんは幸せそうな声で言いました。
「はは…もうちょっと安くしてくれると嬉しいんですがね…」
人間よりネコの方が高いクレープ屋ってどうなんだと云々言いながらソフトクリーム(300円)を食べる上条さんでした。
どうじつ ごご3じ
「あれ?ここって工事中だったけ?」
クレープを食べてひとやすみしたみこにゃんたちは、帰りみちで首を傾げました。
公園に寄ったため、行きと帰りで風景が違うのですが、駅までの道のりはあってるはずです。
公園に寄ったため、行きと帰りで風景が違うのですが、駅までの道のりはあってるはずです。
「この間来たときはこんな工事やってなかったはずだけど…」
なにやら建物の耐震工事を行っているようです。
幸い、通行止めにはなっていないので、遠回りする必要はなさそうです。
幸い、通行止めにはなっていないので、遠回りする必要はなさそうです。
「にゃー」
「まいっか、通ろうぜ」
上条さんが歩き始めたそのときです。
真上から叫ぶ声が聞こえました。
真上から叫ぶ声が聞こえました。
「あぶないッッ!!そこの少年、ーッ!!!!」
上条さんが「え?」と上を見上げたとき、
長さ6メートルほどの鉄骨が、垂直落下していて―――……
「(ま、ずッ……今からじゃ、避けられなッ…!!」」
上条さんが半ばあきらめかけたとき、ふわっと肩が軽くなりました。
見ると、なんと目の前でみこにゃんが飛び出したのです。
見ると、なんと目の前でみこにゃんが飛び出したのです。
そうして、そのまま、
バチイイイイィィィィィッッッッッ!!!!!!!!!!
――――青白い光と共に、電撃を放ちました。
電撃によって速度を落とした鉄骨は、上条さんの目の前にズシリと落ちてきました。
その鉄骨の上に、
その鉄骨の上に、
「みこにゃんっ!!」
上条さんがと抱きあげると、みこにゃんが「今、わたし…」と不安げな声で上条さんに抱きつきました。
「当麻を助けなきゃって思ったら…突然身体が動いて、それで…」
「バカ…危ないだろ…ッッ!?」
「違うの!大丈夫な気がしたのっ!」
「死んだらどうするんだよッッ!!?」
「そしたら、前髪から電気が出てきたのっ!!」
上条さんがはっとなってみこにゃんの頭に触れました。すると、パキン!!と何かを打ち消す音がしました。
静電気でしょうか。とにかく能力を打ち消したことに変わりはありません。
ということは…
静電気でしょうか。とにかく能力を打ち消したことに変わりはありません。
ということは…
「能力が、覚醒した…?」
どうじつ ごご4じはん
「ふむ…つまり、自然に能力が覚醒したってことだね?」
「はい」
家に帰った後、病院に向かった上条さん。今日はいつもの病院ではなく、有名なカエルに似た医者のいる大きな病院です。
「君が落ちてきた鉄骨の下敷きになるのを守ろうとして覚醒したんだろうね?」
「そんな…けど、アイツは、今までなんの能力も持ってなかったのに…」
「これを見てほしい」
カエル医者が、レポート用紙を上条さんに渡しました。
タイトルは「自然覚醒の条件」。
タイトルは「自然覚醒の条件」。
一通り目を通すと、驚くべき事実がわかりました。
「これでわかったかい?なぜある日突然あの子が能力を発揮したのか」
「はい…」
自然覚醒の条件。それは、飼い主へのなつき度が関係しているのだそうです。
まだ研究段階ですが、これは確実に関係していると書かれています。
飼い主を守りたい、という意識が強ければ強いほど、ピンチになったときに覚醒しやすいそうです。
そのため、いつどこでどんな能力が発揮するか分からないのです。
まだ研究段階ですが、これは確実に関係していると書かれています。
飼い主を守りたい、という意識が強ければ強いほど、ピンチになったときに覚醒しやすいそうです。
そのため、いつどこでどんな能力が発揮するか分からないのです。
「そろそろ別室で行っている能力測定数値が来るはずだけど…お、来たようだね?」
やってきた看護婦さんがカエル医者に一枚の紙切れを渡しました。
「おぉ、これはすごいね?」
「なにかあったんですか!?」
「あの子の能力は、レベル5級だそうだよ?」
「れ、レベル5…?それって、一番高いんじゃ…」
「レベル5のネコはまだ2匹しかいないんだ、あの子で3匹めだね?」
と、ここで看護婦さんに連れられてみこにゃんがやってきました。
「にゃー!」
「みこにゃん!」
上条さんを見つけると、飛び乗ってきました。
「痛くなかったか?」
「うん!」
「見た限りじゃとてもなついているようにみえるね?さて、君たちには研究所に行くか行かないかを決めてもらわないとだね?」
「みこにゃん、行きたいか?」
「にゃ、いかにゃい!」
「研究所が強制じゃなくてよかったね?わかった、それじゃあいつもどおりの生活を送るといいね?」
「はい、ありがとうございます!」
「にゃー!」
どうじつ ごご 4じ45ふん
病室を後にして、みこにゃんたちは夕日のさす廊下を歩いていました。
「ねー、当麻」
「ん?」
「私のこと、嫌いになった?」
「いきなりどうしたんだ?」
「前、変な能力使うネコは嫌だって言ってた」
「そんな理由で、嫌いになる訳ないだろ?それになんか電撃使いのネコって、かっこよくないか?」
「ほんとに!?」
「ああ。上条さんはラッキーですよ」
「にゃー、よかった」
電気を自由に操れるようになったみこにゃん。
きっと、他のネコにはできない技もたくさんマスターすることでしょう。
そして、2人の未来も明るく照らしてくれるはずです。
きっと、他のネコにはできない技もたくさんマスターすることでしょう。
そして、2人の未来も明るく照らしてくれるはずです。
―ふぃん―