とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

27-016

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匿名ユーザー

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小ネタ とある父親の回想




『ちょっと、買わないんだったらそこどいてよ』

それが俺と美琴との出会いだったんだ。

その前に一度会ったみたいらしいんだけど、俺は覚えてないんだよな。
その次の日だよ。あいつは泣いていたんだ。誰にも助けを求める事も出来ずに、けれども一人じゃ解決できない問題を抱えて。
俺は、放っておけなかったんだ。
なんとか解決は出来たけど、俺は入院してな、今でも言ってないけど、お見舞いにクッキーを買ってきてくれたのは嬉しかったよ。
そういえば俺が退院した日に美琴、何か言おうとしてたけど何だったのかなあれは。後ろに何か隠してたみたいだし。あれが何だったのか、未だに聞いてないんだよな。

それから俺は、美琴と関っていくようになったんだよ。
大覇星祭で勝負もしたな。え、どっちが勝ったかって?……美琴だよ。しょうがないだろ。あの時は他にやる事あったしクラスメイトも負傷するしで。
で、結局罰ゲームで携帯電話のペア契約をさせられたよ。その時に証明として2ショットを撮ったけど、ドキドキしたの、内緒だからな。
そういやその日の夜だったな。事件に巻き込まれて、美琴がいなかったらどうなってたかわからないな。

それからというもの事件に巻き込まれまくったな。いつの間にか、俺がやらなきゃいけないって、一人で突っ走ろうとしたんだ。
その時美琴に、『一人じゃない。アンタが背負っているものを私も背負う』って言ってくれたんだ。
正直救われたよ。思えば美琴を気になり出したのはその時からかもしれんな。

あれから気づけばいつも美琴がいたな。
あいつがいたから俺は戦えた。あいつが横に立ってくれていたから、こうしてその話をお前に出来るんだ。
どっちがという訳でもなく、いつの間にか付き合ってるみたいになってたな。
そして美琴が大学を卒業してから結婚して、麻琴。お前が生まれたんだ。







「……そろそろ美琴が帰ってくるな」
「もうちょっと聞かせてよ。事件の件とか詳しく」
「わざわざ話す事でもないぞ」
「えー」
(さすがに魔術とかクローンとかは言えんしな―)
「はいもう終わり!お前は夕飯まで宿題でもやってなさい」
「ぶー」





次回予告


「アンタなんか大嫌い……だからもう、私に関らないで」

(あの時、美琴の手を掴んで、無理にでも引き止めておけば、あんな事にはならなかったのかもしれない)

「ダメ!それ以上こっちに来ないで!!」

(もう二度と、あいつの泣き顔なんて見たくなかったのに)

「ごめん。それでも私はアンタに……」

「ごめん御坂。俺はずっと」


少女は少年の為に、心を壊し、少年を傷つける。
少年は、それでも少女の笑顔の為に立ちあがる。






注)投下日は4月1日


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