とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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とある少年の泥酔騒動 1




「それでは乾杯!!!」

「いやーどもども」

「………なンで俺が」

とある居酒屋の一角にて、3人の少年が杯を交わしている。
一人はツンツン頭の不幸そうな顔をした少年。その隣に座っているのが茶髪のいかにもチンピラという格好をした少年。そしてツンツン頭の少年向かいに座るのは色の抜けた白い髪、凄みのある紅い瞳を持つ少年がいた。

「…かぁ~~やっぱうめえ!!」

「俺にはまだビールの良さが分かんないな。やっぱ人付き合いのために飲めたほうがいいよな~」

「大将はそのうちキャバクラとかでハーレム作ってそうだな」

「なんで?その手の話とは無縁だぞ」

「そりゃー謙遜にも程があるって」

「………」

「んなこと言ったら今、浜面も意外とハーレムじゃね」

「いや、あいにく俺は滝壺一筋だかんね。……他はありえないし」

「…てか麦野さん?だっけ。その人が俺の殺害依頼に乗り気だったのはマジ?」

「マジ。まあ第1位が敗北したから超能力者に頼るのは止め、って話にはなったな」

「………ふン」

「いや~最初に一方通行と戦うのは正直ビビったけどそれが一番良かったんだな」

「大将が勝ったんだよな?」

「ああ。つってもあの手加減にはそういう意味があったのか、納得」

「チッ」

「え、どゆこと?」

「まあ俺が勝ちを譲ってもらったってことだな。でも他に手はなかったのか?あのあとすげー腫れたんだぞあれ」

「贅沢言ってンじゃねェよ。てめェが五体満足なだけ俺に感謝しやがれ」

「まあ確かに大将はこの通り無事に帰ってきてる訳だし!」

と一言言ってビールを流し込む茶髪の少年こと浜面仕上。それを不思議そうに眺めている不幸な少年、上条当麻はちょっと大人の世界に背伸びしてみたくなるものだった。

「苦くない?」

「ん~まあ最初は苦いと思ったな。ビールはさ、飲み方があんだよ。舌につけないように喉に流し込む、これがのどごしを感じるってやつだな」

「ふーん」

「ま、今日は大将の帰還を祝ってるわけだからさ、グイっとな!!」

「へ?いやいやいきなりジョッキは無理でしょ!!」

「…クソ不味ィ」

ワイワイ騒ぐ2人(もう1人はずっとしかめっ面)。店内には多くの客がおり、夜はいけないテンションで更けていく……………



ありがとうございましたー

店内から出た3人の少年たち。人が多くてバカ騒ぎしても気にならず、店長もユルユルだったため、気兼ねなく最初から最後まで楽しめたといっていい。とくに邪魔もはいらず満喫でき、これからどうするのかと思うが、

まず不幸な少年・上条当麻はこう言った。



「はまぶらべろぶろべらじゃん?」




「…………なぜこうなった」

ぼそっと浜面は呟いた。浜面はすっかり泥酔してしまった上条とまったく動かない一方通行の対処に頭を悩ませていた。

黙ってビールを飲んでいた一方通行が突然チョーカーのスイッチを入れたことには、はしゃいでいた二人共青くなったが一方通行は大人しいままだった。そしてその後はアルコールの含まれているものには一切手をつけなかった。

そして30分後………突然一方通行は横に倒れ、その後モゾモゾ動いていた。
どうやら体内のベクトルを操作してアルコール成分について対処していたらしく、且つ2人には男同士の見栄によって言えないためにバッテリーが切れるまで能力を行使していたのだ。

「どーすんだよこの状況!!!てか酒に対して能力なんか使ってんじゃねーよ!あっこら勝手に離れるんじゃありません!!!」

「うぃーーーー」

「大将を一人にするのは危険…なのか?いやでも酔ったきっかけは俺だしなあ」

「おい、しろいの。のっくだうんですかぁ?」

「うるせーなお前は!!!今ない頭で必死に考えてんだからおとなしくしてろ!!!」

「のおォォっくだああァァうンですかァァああ?」

「ああもう似てねーよ!!!!頼むから静かにしてて……」

いつものアイテムに対する対応をしてしまう浜面仕上。解決の糸口は見つからず、完全下校時間などはとうの昔に過ぎている。

と、そこに一人の少女が通りかかった。

「あれ?アンタは」

ん?とげんなりした顔を上げる浜面。
そこには何度か面識のある常盤台中学の超電磁砲こと、御坂美琴が立っていた。

(この娘は確かハーレムの時にいた…)

「ん?…げ!!またお酒を飲んだの!!」

「んんんんあ?あれえミコっちゃんじゃないの~」

いくつもの修羅場を乗り越えてきた世紀末帝王HAMADURAは率直にこう思った。

(チャンス!!!!!)


「よし、君には大将を任せる!!家にお持ち帰りするなり、そこらの公園でイチャコラするなりなんなりとせよ!!!!!!!!!!!」


クワッッ!!と目を見開き腰に手を当て美琴に指をさす浜面。
急に言われたトンデモ発言によって美琴の周りの空気が一瞬にして固まる。

「え!!??ちょ、ちょっと待って!私にも心の準備があるとかあのその!!!!!!」

「ミコっちゃん~」

「ひゃい!!宜しくお願いします!!!!」

「さらばだあああああ!!!!!!」

古いアニメの悪役のように一方通行を担いで全力ダッシュで逃げる浜面。
後に残されたのは「14月は何ヶ月後だ???」とか言ってふらふらしている上条と、空を掴んでいる美琴だけだ。




「…てか冷静に考えれば家に送りゃいいだけの話だったわね」

「うい」

「はあ、なんで私がこんな事を」

とか言って嬉しかったりする複雑な乙女心。ちょっとニヤけそうになっているのを見られないように上条に対してそっぽ向いて歩く。
しかし上条にはそんな乙女心はわからないため美琴が自分のことで怒っていると勘違いしてしまった。

「……ミコっちゃん」

「なによ。あとミコっちゃん言うな」


「抱きしめたら許してくれる?」


今コイツはなんて言った?と歩くのをやめ、再び固まる美琴。それをなぜかOKサインと受けとった上条は

「うだあああああ~」

「うにゃああああああああ!!!!!!!!!」

思いっきり後ろから抱きしめた。耳元に吐息付きで。

「は、はははにゃれにゃさいにょ!!!!!!」

「ミコっちゃんってうべだばだああーー」

「くっ!!この!!!!」

「か弱い女の子にゃむりい~はなさねえぞおお」

再び固まる美琴。(いま、か弱い女の子って言った?しかも離さないってっ!!!)なんてことを頭の中で反芻しているうちに

「ふ、、」

「ふ???」

「ふ、ふにゃ」

ああもう駄目だと覚悟する美琴に対して上条は

「おっと、その手には乗りませんのことよおお!!!



はむっ」

「……ぎにゃあああ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!」

美琴の首筋を甘噛みしやがったのだッッッッ!!!!!

「まだ許してもらってないもんね~」

「も、もう…許して………」

もはや美琴は度重なる異常事態に涙目である。嬉しいのは嬉しいんだがあまりにも過激すぎたのだ。

「うんいーよ。…ってあれ?立場逆じゃね?」

「こ、これ以上は、ほんと無理……」

「これ以上ってなに?」

「ふえっ!!」

「お持ち帰り?夜の公園?」

「」

「いやちがうな。お持ち帰り、しろいの、あくせられーた……」

「」

「…あ、そーだ!もやし買って帰らないと!!!」

「」

「んで野菜炒めでも作るか~ってあれ?いま飯食ったっけ?」

「」

「まあいいかあ、どーせ穀潰しがいるし。そだ、ミコっちゃんもくるっしょ?」

「」

「おーいもしもし」

「」

「んじゃ決定ね。おっ持ち帰りい♪おっ持ち帰りい♪」

不穏なワードを鼻歌交じりで歌っていることに気づけないのかこの馬鹿は?
そもそも何してたんだっけという目的を完全に忘れ、完全に意識の途絶えた美琴をおんぶしてデパートに向かう。
これから起きる、測り知れない騒動を予期せずにッッ!!



-To be continue?-










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