とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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上条美琴の禁書目録Bサイドこぼれ話 前編



上条「は?」
美琴「何その第一声」
上条「いや、今回は時系列順からすればエンデュミオンか大覇星祭じゃねーの? 何このタイトル、原作1巻に戻ってんじゃん。今はこのシリーズでコンビ組んでる二人の作者たちが、このお話は、それぞれがピンでやったんだから、さすがにもうネタないだろ?」
美琴「はぁ? 何言ってんのよアンタ。タイトルをよく見なさい。『Bサイド』って謳ってるじゃない」
上条「び、『Bサイド』……?」
美琴「そ。つまり、アンタがあのちっこいのにかまけてた原作1巻、その裏で私が何をやっていたかを紹介しようってわけ。原作1巻の開始は七月十九日なんだけど、私はそれより前からちょっとした事件に巻き込まれてたのよ。マンガ『超電磁砲【外伝】』の1巻と2巻、『アニメ1期』第19話くらいまで、かしら」
上条「それこそ何で今さら? 興味ないことはないけど、そんなに重要?」
美琴「そりゃあ、私の凛々しい姿をアンタに魅せ……げふんげふん……じゃなくてアンタ、七月二十九日以前の記憶が無いんでしょ。だから、アンタにアンタの記憶の断片を提供しようってことよ。アンタ、前の自分が何してたかに興味ない?」
上条「まあ、知らないよりは知っている方がいいけど――って、ちょっと待て。記憶の断片ってことは俺が出てくるってことか? お前が話の中心なのに? インデックス編の裏サイドなのに?」
美琴「そ、そそそれはその……アアアアンタも結構活躍してるんだし、そういう事があったってことも知ってていいんじゃないっ?///」
上条「なんか釈然としないけど、まあいいか。了解。んじゃ、そろそろゲストに入ってきてもらおうぜ」
美琴「そ、そそうね。てことで自己紹介を兼ねて入ってきて」
??「やってくれましたね御坂さん。確かにあたしは都市伝説大好きっ子ですけど、さすがにこの人と一緒に待たされるのは大変でしたよ? どうりで前に呼ばれたのにゲスト室で待機させられたはずです。あの人を一人にしておけませんもんね」
美琴「あははー。そうなの佐天さん? 私はてっきり意気投合しているもんだとばかり」(ふ……作戦勝ち! 佐天さんに最初から入ってもらってると何言われるか分かったもんじゃないもんね!)
佐天「ええ。確かに最初は衝撃的でしたよ。ですけど、あの人と待たされるのはこっちが逆に恥ずかしかったですよ!」
??「私には同程度の露出であっても水着がOKで、下着がNGという境がよく分からないのだが…それにしてもここは蒸し暑いな…」
上条「って、いきなり何脱ぎ始めてんのこの人!?」
美琴「ちょ、ちょっと! 木山春生先生! ここは脱衣所じゃありませんから!? 相変わらずですけど、所構わず脱がないでくださいお願いだから!!」
佐天「はっはっはー。都市伝説ってのは噂で楽しむものであって、実際に出くわすのは勘弁してほしいって思っちゃいました。割とマジで」
木山「という訳で、よろしく頼むよ…御坂くんと――おや? そちらの彼も久しぶりだな…」
上条「へ?」
美琴「あ、ごめんなさい木山先生。コイツ、先生と出会ったときの記憶が無いんです」
木山「ふむ…そんなに私は印象が薄いのか――それともそちらの彼の記憶力が乏しいのか――」
佐天「いえ、木山先生の印象が薄い、などということは天地がひっくり返ってもあり得ませんので、ここはありていに言いますと上条さんがいわゆるバ――」
上条「言わせねえよ!!」
美琴「(んー佐天さんはコイツの記憶喪失を知ってるはずなんだけどなーちょっとフラストレーションが溜まってんのかな?^^;)てことで今回はこの四人で進めまーす」



「ん?」
「あ、黒子」
「…通報にあった路地裏に連れこまれた女性というのは――お姉様の事でしたの……」


上条「あー……これがお前のこっち【外伝】の初登場シーン……」
佐天「ひーふーみー――五人がこんがりウェルダンになってますね」
美琴「え? 何かおかしいかな? こういうゴミ退治って悪いことじゃないと思うけど」
木山「レベル5の力でやると正当防衛でも過剰防衛に見えてくるから不思議だ…実に興味深い…」
上条「つーかお前、絶対わざとだろ。いつもゴロツキに絡まれているような気がするんだが?」
美琴「ふっふーん。撒餌が極上であればあるほど、こういう馬鹿は引っかかるのよ。ついで言えば私のストレス解消にもなるんで一石二鳥」
上条「お前なぁ……」
佐天「可愛いって自覚があるお嬢のレベル5って手に負えません御坂さん」
木山「昔あったアニメを思い出すな…えーと何だったかな…? 確か、暴れるモンスターあればとことんぶちのめし、輝くお宝あれば無理矢理一人占め、大胆不敵、電光石火、勝利はあたしのためにある、がキャッチフレーズの…」
美琴「木山先生? 歳がバレますよ?」
上条「ああ、確かドラゴンもまたいで通るっていう…」
美琴「アンタはアンタで、何でそんな余計な情報は覚えてんのよ。記憶喪失なのに」


 逃げまどう強盗の一撃をヒョイとかわしたまでは良かったが、如何せん、右手のものまではかわしきれなかった。
 結果。
 制服にべったり、まだ一口しか付けていないクレープが。
「あ――――黒子?」
「は、はい! ですの!」
「これは私が個人的にケンカを売られたってことだから、手、出してもいいわよね?」


上条「で、お前のことだから、この後、思いっきり超電磁砲をぶっ放したと」
美琴「あはははははーそうねー。でもまあ仕方ないじゃない?(ちょっと何でマンガ版なのよ! アニメ版は勇気を振り絞って子供を助け出した佐天さんの敵討ちでぶっ放したシーンなのに!!)」
木山「やはり、これは過剰防衛ではないのか…?」
佐天「マンガ版の私の登場はもうちょっと後なんですよね。アニメ版だとこの強盗事件のときにはもう御坂さんと知り合いでしたけど」
美琴「そ、そうよね! ここはやっぱアニメ版第1話で紹介すべきだと思わない!?」
佐天「まあ、そっちの方が御坂さんは格好良かったですもんね。上条さんにも良いところを見せられますし」
美琴「って、佐天さん!? さらっとそっちに話持ってく!?///」
上条「?」


『暗証番号ガ違イマス』
「は? いやそんなはずは」
『暗証番号ガ違イマス』
「何でだーーーーっ」
『暗証番号ガ違イマス』
「ああ! もうこなったら別のコンビニで…」
「どうせ門限は過ぎてんだし、コンビニで立ち読みでもしていきますか」
「ぎゃーーーー!! 今度はカードが呑み込まれて出てこないwwwwwwwwwwwww!!」


上条「……」
美琴「……」
佐天「……」
木山「……」
上条「まさかだよな? いや、まさかだと思いたい。まさかなんじゃないかな……?」
美琴「説明は不要ね」


「不幸だぁぁぁぁぁあああああああああああっ!!」


上条「うぉい! こっち【超電磁砲】でも顔出し一発目のセリフはコレなのかよっ!?」
美琴「もはやアンタの代名詞にして決め台詞」
佐天「その幻想をぶち壊す、よりも有名かもしれません」
木山「随分、前衛的な決め台詞だな…少なくとも私ならもっとウィットに富んだセリフを決め台詞にしたいと思うものだが…」
上条「いえいえいえいえいえいえ!! こんな決め台詞要りませんから!! というか、俺もこんなのを決め台詞にしたくありませんから!!」


「キミ可愛いねー うひょー しかも常盤台じゃん!!」
「今からオレ達と遊びに行かない?」
「帰りはオレ達が送ってやっから」


上条「っと、こっからは回想か」
美琴「あー…私とアンタが初めて会うシーンね」
佐天「運命の出会いって訳ですね?」
美琴「そういうんじゃないから!///」
木山「見た所、どうやらスキルアウトに絡まれているようだね」
上条「毎度思うんだけど、こいつらナンパしかやる事ないのか?」
木山「いや、異性を求めるのは生物としての本能だよ。三大欲求の一つだからね」
上条「いやそんなマジレスしなくても……」
佐天「つまり本能に身を任せて、上条さんも御坂さんを襲っちゃえって事ですね?」
美琴「佐天さんどうしてもそっちに話を持っていきたいの!?///」



「いや――― 連れがお世話になりました はい通して―――」


佐天「おお! やっぱり運命の出会いっぽいじゃないですか!」
美琴「いやいやいや、コイツこんなのしょっちゅうだから。日常茶飯事だから」
佐天「えっ!? それって他の女の人にも同じ事してるって事ですか!?」
上条「いやー、何故かそういう場面に出くわす機会が多いものでして……」
木山「なるほど。つまりはそれが君のナンパの手口という訳だね?」
美琴「っ! ……ほほう…?」
上条「誤解にも程があるよ!!? 美琴さんも帯電させんの止めてください! 怖いから!」


「おまっ… 『知り合いのフリして自然にこの場から連れ出す作戦』が台無しだろ――――― 合わせろよっ」
「何でそんなメンドクサイ事しなきゃなんないのよ」


上条「あーあーもう、可哀想な過去条さん」
美琴「この時の私からしたら、ただのお節介だしね」
上条「多分だけど、この時は絡まれてるのがレベル5の人間だったなんて知らなかったんだと思う」
木山「まぁ、常盤台の生徒は全員レベル3以上なのだから、君が割って入らなくても解決していたのではないかな? 例え彼女が超電磁砲だと気づかなくてもね」
美琴「それは…どうですかね。ウチの学校って生粋のお嬢様が多いですから、こんな状況に陥ったら怖くて震えちゃうと思います。…まぁ、一部例外はいますけど。私以外にも」
佐天「でもやっぱり嬉しいですよね。あたしもよく絡まれるから、気持ち分かりますよ」
木山「よく絡まれるのか」


「大体おまえらが声かけた相手よく見てみろよ
 まだ 子供じゃねーか」


美琴「…思い出したら、また腹立ってきた」
上条「美琴さん漫画と連動してバチバチするのやめてくださいマジ怖いですすみません勘弁してください」
木山「これは何とも、綺麗な土下座だね。やりなれているのかな?」
佐天「将来、お尻に敷かれるのか目に見えますね」
美琴「しょ、将来とか!!///」
上条「だからバチバチすんのやめてってば!!!」
木山「ふむ…なるほど。怒った時だけでなく、照れた時も漏電するのか。興味深い現象だ」


「あ―― こんな雑魚共に能力使っちゃ…」
「っぶね――― 何だあ? 今の」


佐天「おお無傷! これが噂の『幻想殺し』ですか! てか都市伝説の『どんな能力もきかない能力を持つ男』って、やっぱり上条さんだったんですね!」
木山「これは…研究者魂に火を点けるような能力だね。どのような原理なのか、是非教えてはもらえないだろうか?」
美琴「原理は本人もよく分かってないと思いますよ。一般的な超能力と違って、演算使わずに勝手に発動するみたいですし」
上条「……ねぇ何か幻想殺しの話ばっかしてるけど、ここで御坂が電撃ぶっ放した事はスルーすんの? 俺以外みんな黒焦げなのよ?」


「身体検査では “無能力者”って判定なんだけど」


佐天「えー!? いいなー! あたしもレベル0なんですけど、こんなすごい能力持ってないですよ!?」
上条「いやいや、日常生活ではそんなに役に立つ能力じゃないぞ? 物理攻撃は防げないし、やたらと不幸に巻き込まれるし……それに能力だけで人の価値が分かる訳でもないだろ?」
佐天「うっ…! 耳が痛いです……」
美琴(こいつ【レベル0】が言うと説得力あるわね……私が言うと嫌味にしか聞こえなかったみたいだったし……)
木山「私もだよ…だがその言葉で理解したよ。君が何故レベル5の彼女と対等な関係でいられるかがね。それは君の能力を打ち消す能力のおかげ…というだけでなく、君自身、相手が高位能力者であろうとなかろうと、分け隔てなく接しているからなのだね」
上条「そんな大したモンじゃないですけど…例えばここにいる御坂だって、レベル5の第三位なんて言われてますけど、中身は普通に可愛い女の子じゃないですか」
佐天「!!?」
美琴「!!?///」
木山(さっきは子供扱いしていたけれど…と言いたいところだが、いい雰囲気になってしまったからツッコむのは止めておこう)



「お前暇なんだからいいだろ?」
「いいだろじゃねえっつの! また適当にあしらおうったってそうはいかないわよ! 毎回のらりくらり適当なことばっかり言って! 今日という今日は……!」 
「いやぁ……それにしても暑いな……」
「うわ……」
「ぬわっ!」
「な、何をしているんですか……?」
「炎天下の中、随分歩いたからね……汗びっしょりだ……」


佐天「っと、回想シーンは終わりみたいですね」
上条「いやそれ以前に何よ!? この人!?」
美琴「それは私のセリフだったのよ! って、何で木山先生の初登場シーンはアニメ版なわけ!?」
佐天「はっはっはー。ちょうどこの日、都市伝説の話をしてましたよね。しかもピンポイントで脱ぎ女のお話を」
木山「私がそんな噂になっているとはな…しかし、私のように起伏に乏しい肢体を見て喜ぶ殿方などいるか…?」
上条「プロポーションとかじゃなくて、世の中、女性が公衆の面前で半裸になると、何もしてなくてもたまたま近くに居たってだけで男が濡れ衣を着せられる場合が多々あるんですから止めてください!」
佐天「そもそも女の人が人前で下着を晒すような真似をしちゃいけません!」
美琴(……………………どうしよう? ツッコミ待ちなのかな?)


「と、とにかく! シャツを着てください!」
「キャー! 女の人が襲われてる!」
「えー!? あの男の人が脱がしたの!?」
「ひぇ!? そうじゃない!?」
「ち…違う……誤解だあああああ!!!」


上条「ははは、あるある。みんなも笑ってやってくれよ」
美琴「乾いた笑い声で余計に悲しくなるわね…」
木山「君は少々、誤解されやすい性格をしているようだね」
上条「いや、こん時は半分以上アンタのせいですけどね!?」
佐天「ん~…はっ! 御坂さん! ここは一つ木山先生に対抗して、御坂さんも文字通り人肌脱いでみては!!」
美琴「『みては!!』、じゃないわよ! それもその良いこと思いついたって顔は何!?」


「そうそう…あの彼にも御礼を言っておいてくれ…」
「彼?」
「知り合いなのだろう? 途方に暮れていた私に声をかけてくれたのだよ…」
「へぇ、あいつが?」
「いい子だな」
「お節介なだけですよ。だいたい声をかけておいて人に押し付けておいて姿くらませるなんて無責任ですよ。なんて言うか、人をあしらうのが上手いって言うか、適当って言うか、いろいろむかつくんですよ。いつだって自分が――」
「楽しそうだな…」
「え?」
「きみはアレか…彼が好きなのか…?」
「んなっ!? 何を……」
「ほら…好きな相手には冷たくしてしまうという…昔流行った…ツン…ツン…つんだら…? いや…ツンデレか…」


美琴「あり得ねえからっ!!!!!?!///」
上条「のわっ!? なんだいきなり!? びりっと来たぞ!!」
美琴「え? あは? 何でしょうねー何でもないですよきっと」
上条「何? その不自然な丁寧語」
佐天「ナイスです木山先生。ちゃんと分かってらっしゃいますね」
木山「そうか…? 実に分かりやすい反応をしていたと思うが…」
美琴「ちょ、ちょっと!?」
木山「これで分からないとすれば相当の鈍感か無神経かヘタレか無自覚か女心が分からないかまだまだ頭の中が中二にすら達してないか…」
上条「何でだろう? 誰を指しているのか分からないのに、そこはかとなく俺のことを言われているような気がする」
佐天「さすがです木山先生…ちゃんと分かってらっしゃいますね……」


「全滅だ……重要なタンパク源が……せっかく……せっかく二時間も並んだのに……」


上条「なあ? この時期の記憶がないんだけど何かあんま今の俺と変わらないんだが?」
佐天「上条さんは上条さんで上条さんだから仕方ありません、としか」
上条「うぉい! 何だよ、そのトートロジー! 意味分かんねえよ!」
木山「なぜ、ここまで不幸なのか…少し研究してみたい…」
美琴「この特売品卵全滅の話、私ちょっと納得いかないんだけど」
上条「何が?」
美琴「二次創作モノだとどういうわけか、これを私が割ったことになってる場合が多いのよ。でもどう見ても私の所為じゃないわよね?」
佐天「御坂さんは御坂さんで御坂さんだから仕方ありません、としか」
美琴「何それ!? コイツの不幸の原因の大半が私の所為みたいじゃない!!」
上条(……大半とは言わんが、結構な割合は占めているだろうな……)
木山「この関連性を調べても面白いかもしれんな…」



「――――よくも私を置いて逃げたわね!」


木山「このセリフだけだと、まるで夜逃げした夫を追ってきた妻っぽいな…」
美琴「って、どうして前後のセリフを無視してここだけ切り抜いてるんですか!?///」
佐天「素晴らしいです。木山先生。でも天然って怖い」
上条「オルソラ辺りがこの人と似てるな……」(ぼそっ)
美琴「……オルソラって誰?」
上条「地獄耳か!? 聞こえたのか!?」
美琴「オルソラって誰?」
上条「いや……それはその……」
木山「このやりとりだと、まるで旦那の浮気現場を見てしまった女房っぽいな…」
佐天「あー……今度は御坂さんの耳に入ってないようですけどねー……」


「こっちだって大変だったんだから! 汚れたスカート脱ぎ出すわ! しょうがないから洗ってあげるわ! 挙句の果てに、ツン……で………………」
「……ツン?」


美琴「ぽん!!///」
木山「どうした…? 急に顔が赤くなったようだが…」
美琴「あうあう……///」
佐天「木山先生、そこはニマニマしながら問いかけましょう。素で聞かれたら余計答えられなくなりますし、御坂さんのリアクションもあまり楽しめません」
上条「で、結局、何て言おうとしたんだ、お前?」
美琴「ええっと……その……///」
佐天「上条さん、160キロの剛速球で真っ直ぐ問いかけるのはやめましょう。それでは答えが引き出せません」
上条「つんで…る? 『詰んでる』かな? いやでも、これぐらいで人生詰んでるとか―――」
美琴&佐天「「………」」
木山「君は鈍感とかそういう以前に、少し頭が悪いのかも知れないね」


「と、とにかく勝負しなさい勝負!」
「勝負勝負って 今までオマエの全戦全敗じゃんか」


上条「あっ、これが例の『俺が御坂を弄んだ』っていうヤツですか?」
美琴「そうね。色んな場所で、色んな事をされたわ」
佐天「!!? いやいやいやいやちょっと待ってください!! その話、もんのすごく興味あるんですけど!!?」
上条「えっ…何が?」
木山「若いのだから、欲情を抑えられないのは仕方ないとしても、公衆の面前でそういった行為をするのはどうだろうか?」
美琴「っ!!! あああ違う違う違う!!! 二人が考えてるような事はしてませんからっ!!!/// ってかアンタに公衆の面前で云々って言われる筋合いはありませんから!?」


「じゃあ、どうしたら終わるんだよ?」
「え? そりゃあ勿論…私が勝ったらよ!」


佐天「なるほど…つまり負け続ければそれを口実に上条さんに会いに行けて、勝ったら勝ったで『私が勝ったんだから言う事を聞きなさいよね』っていう展開に持ち込めるって訳ですね?」
木山「どっちに転んでも利益が出るという事か。流石は超電磁砲【学園都市第三位】、抜け目がないね」
美琴「だから違うってばっ!!! この時はそんな事考えてないですよ!!!///」
上条(『この時は』、って…今はどうなんだよ)


「それで気が済むってんなら…相手になってやる」


美琴「はうっ!///」
佐天「えー、動画をお見せできない為分かりにくいですが、たった今御坂さんは上条さんのイケメンフェイスにやられた所です」
木山「彼のこの表情はAAとしても有名だね」
上条「ちょ、何か恥ずかしいから止めて!?」


「いつでもいいぜ かかってきな」
「言われなくてもこっちはずっとこの時を 待ってたんだからっ」


木山「しかしあれだね」
上条「? 何ですか?」
木山「いや、画面を観ずに君たちの台詞を聞くと、何だか卑猥に感じてしまうものでね」
美琴「ちょっ!!! 何言ってんの!!?///」
佐天「あ~確かに! 『相手になってやる。いつでもいい。かかってきな』から『この時をずっと待ってた』ですもんね! 完全に夜の生活の会話ですよコレ♪」
上条「いやそれはさすがに無理があるだろ…なぁ御坂?」
美琴「そ、そそそそうよ!!! せめて『相手になってやるから服を脱げ』、『こうして抱き締められる時をずっと待ってた』ぐらい言わないと夜の会話になんないわよ!!!///」
上条「美琴センセー!? テンパりすぎてツッコミ方がおかしくなってますよ!? つーかそれ否定しきれてないじゃん!?」



「やっぱ電撃は効かないか……なら!」
「あん?」


佐天「凄……砂鉄が渦巻いて御坂さんの手に集約していくところが迫力満点です……」
木山「このシーンはアレだな。『悪夢の王の一片よ 世界のいましめ解き放たれし 凍れる黒き虚ろの刃よ 我が力 我が身となりて 供に滅びの道を歩まん 神々の魂すらも打ち砕き――』というモノローグっぽいセリフを流すとピッタリだ…」
美琴「木山先生? だから歳がバレますよ?」
上条「俺には、星座をモチーフにした少年たちを描くバトルマンガに出てきた気流を巻き起こして相手の動きを封じる技に見えるんだけど?」
美琴「あー……最初は『何でアンタがそれを知ってるのよ、それって木山先生のセリフよりも前の時代なのよ』、って突っ込もうとしたけど、つい最近、続編があったからそれを見てると知ってなくもないわね」


「砂鉄が振動してチェーンソーみたいになってるから 触れるとちょ――っと血が出たりするかもね」


上条「完全に殺る気じゃねーか! よく無事だったな過去の俺!」
美琴「一応、アンタには能力が効かないっていうのを計算した上での攻撃だったんだけど」
上条「だとしても万が一って事もあるじゃないですかあ!」
美琴「う、うっさいわね! 実際効かなかったんだから別にいいでしょ!?」
上条「だからそれは結果論だろ!? もし直撃してたら上条さん死んでるよ!?」
美琴「アンタはこれくらいじゃ死なないの! 私が大丈夫って言ったら大丈夫なの!」
上条「その根拠の無い自信はどこから来んのさ!? 俺別に、超人でも何でも無いんだぜ!?」
美琴「十分、超人レベルでしょうがアンタは!」
木山「…仲裁に入らないのかい?」
佐天「いやあ、何とか喧嘩は犬も食わないって言いますからね♪」


「取った!! 飛んで来る電撃は打ち消せても!」(あ…電流が…流れて行かない!?)


佐天「何気に手を繋ぎましたね」
木山「ああ。これはまごうことなく手を繋いでいるね。もしかしてこれも計画通りなのかな?」
美琴「いやだから二人とも何観てるんですか! どう考えてもそういうシーンじゃないでしょこれ!?///」
上条「つーか手ぐらいで何で今さらそんなに大騒ぎしてんだ? だいたい俺と御坂が手を繋いでるなんてしょっちゅうじゃねえか。さっきのシャッターの前のシーンとか夏休み最後の日とか大覇星祭の借り物競走とかフォークダンスのときとかペア契約のときとかハワイに行く前の日とか」
美琴「ああああ、アンタは何を暴露してやがりますか!?///」
佐天「ほっほ~う? 随分ツッコミどころが満載ですけど、この辺りのことはそれぞれのこぼれ話でやることにしまして、とりあえず言いましたね上条さん。じゃあ今から、御坂さんと手を繋いだままVTRを観てもらいますよ?」
上条「まぁ…別にいいけど。あ、勿論御坂が良ければだけどな」
美琴「ふぁえっ!!? いいいいやでも私結構手に汗掻いちゃう方だし動きづらくなっちゃうしそういう事はまだ早い気がするし!!!///」
上条「要するに駄目だってさ」
佐天「……御坂さん…」
木山「どうやら、君たちの関係が進んでいないのは、彼が鈍感なせいというだけではないようだ」


「ひっ!」
「えーっとぉ…」


佐天「あ、御坂さん涙目になってる。かっわいい~!」
木山「意外だね。こんな顔もするのか」
上条「そうか? 俺の前だとよくこんな顔するぞ。泣き顔とかも見た事あるし」
佐天「その話!」
木山「詳しく聞かせてはくれないだろうか」
美琴「はーいそこまでー! この話ナシナシ!///」


「ギャーーーッ!! マ…マイリマシター」


佐天「これは……」
木山「うむ…さすがに……」
美琴「…でしょ?」
上条「おー、我ながら迫真の演技」
美琴&佐天&木山「「「………え?」」」



「ふ  ふ  ふ ざ け ん なぁあッ」


上条「なぜバレたし!?」
美琴「当たり前でしょうがっ!!」
佐天「上条さん、大根大好きでしょ?」
木山「バレないと思っていたきみに驚きだよ…」


「マジメにやんなさいよっ!」
「だってオマエビビッてんじゃん」
「ビビッてなんかないわよっ」
「うそつけっ!! こーんな風に涙目になって、ビクゥってしてたら…」


佐天「おおぅ…何か御坂さんの意外な顔のオンパレードですね。白井さんが見たらどう思うんだろ」
美琴「あ…あんまり見ないでください……」
上条「だから言ったろ? 中身は普通に可愛い女の子だってさ」
美琴(っ! ま、また言われちゃった……可愛いって……)
木山「しかしそれは、相手が君だからなのではないかな?」
上条「? 俺の幻想殺しで、御坂の電撃が効かないからって意味ですか?」
木山「いやそれもあるが、それ以上に彼女が君の事を―――」
美琴「あーあーあー!!! ホンジャカバンバンホンジャカバンバン!!!///」
上条「え、何? 全然聞こえない」
佐天「ですからそれは、御坂さんが上条さんの事を―――」
美琴「あーあーあー!!! ホンジャカバンバンホンジャカバンバン!!!///」


「私だって今まで人に向けてこんな能力使った事ないわよっ」
「何で俺だけ~~~っ!?」


佐天「上条さんだけ特別って事ですね!」
上条「そんな特別、嬉しくないよ!」
木山「ならば、どんな特別ならいいんだい?」
上条「えっと例えば…『恋人といる時の雪って特別な気分に浸れて僕は好きです』…みたいな?」
美琴「こここここ恋人おおおお!!?///」
木山(全く脈がない訳でもないのか…と言うか彼は、自分の感情にすら鈍感なのか?)


「ちゃんと私の相手しろぉぉぉぉぉおおおおおおお!!!」


美琴(ま、マズイ……ここは絶対に突っ込まれる……!!)
木山「ふむ…どういうことだろう? なんとなくどこかで見たような風景なのだが…」
佐天「あたしもどこかで見た気がするんですよ。この電撃撒き散らしながら影絵で女の子が男の子を追いかける構図って……どこだろ……?」
美琴(あれ……? 二人してツッコミなし……?)
佐天「あ! 思い出しました! この御坂さんのセリフを『待つっちゃ! ダーリン!』にすればいいんですよ木山先生!」
木山「そうかなるほど…! …って、何だ…雰囲気がまったく変わらないじゃないか…」
佐天「ですよねー。MAD動画を作ったら『違和感仕事しろ』とか『混ぜるな自然』ってタグが付くレベルです」
上条「誰と誰だよ!? 俺と御坂みたいなその二人は!?」
美琴「……///」
上条「何で御坂の顔が赤くなってんの!?」
木山「『その二人』の関係を知っているからだろうな…」
上条「?」
佐天「上条さん? いい加減にしないとしまいにゃあたしの堪忍袋の緒が切れますよ?」


「黒子にはその方との諍いを楽しんでおられるように見えますのよ」


佐天「これは漫画版ですね。最後は白井さんの台詞ですか」
上条「…楽しまられてもですなぁ……」
美琴「あ、あくまでも黒子の感想だから。わ…私は別に楽しんでた訳じゃないし!?」
木山「いや、楽しんでいただろう」
佐天「楽しんでましたね」
美琴「二人は私をどうしたいの!?」



佐天「さてと、今回はここまでですね」
上条「あれ…何か今日、早くないか? 俺はメインじゃないからよく知らないけど、この話ってもっと長いんだろ? この一話分だけで前編終わりでいいのか?」
木山「この話はネタにできそうな箇所が多そうだとの事でね、アニメで言えば♯4「都市伝説」、漫画で言えば01巻第3話「七月十七日②」の回だけでも十分な取れ高になるだろうという計算だったのだよ」
佐天「実際、10000文字以上にはなりましたし」
美琴「じゃあ次は、本格的に幻想御手編をやるの?」
佐天「幻想御手編と言うか…グラビトン事件とか盛夏祭とか、お二人の絡みが多い所ですけど」
木山「まぁ…ここはそういうスレだからね」
上条「ん~…でもやっぱり、記憶を失くす以前の自分を見るのは何か複雑だな~。見た感じ、あまり変わってないみたいだけど」
佐天「そうですよね~。せっかくの運命の出会いも覚えてないんですし」
美琴「それもういいからっ!///」
木山「ではこういうのはどうだろう。記憶のない彼の為に、今から二人の出会いを演じてみるというのは」
上条「まためんどくさそうな提案を…」
佐天「いやいや、いい案だと思いますよ! という訳で御坂さん、この食パンをくわえて、そこの曲がり角から全力疾走してきてください」
美琴「私とコイツの出会いって、そんなんだったっけ!?」
木山「同じ事してもつまらないからね。新しい出会い方をした方がいいのではないかという、彼女なりの配慮だろう」
美琴「新しい出会い方っていうか、使い古された出会い方でしょ!」
佐天「まぁまぁ御坂さん。うまくいけば転校生フラグですよ? それで同じ教室で「あー! お前は今朝の!」から始まって、後は正ヒロイン街道まっしぐらです!」
美琴「っ! …ちょ、ちょっとやってみようかな…?///」
上条「えーと…何やら訳の分からない方向に話がズレ始めているようなので、ここらで締めます。次回は後編…場合によっては中編です。ではまたー」
佐天「ちょっとー! 勝手に締めないでくださいよ! ここからが面白くn」









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