両片思い篇 新学期
目が覚めた。
うつろだった御坂美琴の目が釘付けになる。
ぷにぷにしたほほ、細い眉、天使と見間違えそうになるかわいさ、隣で眠るインデックスの寝顔に。
うつろだった御坂美琴の目が釘付けになる。
ぷにぷにしたほほ、細い眉、天使と見間違えそうになるかわいさ、隣で眠るインデックスの寝顔に。
ではない。
そう、彼女を挟んで向かい側、
だらしなくヨダレを垂らす口、いつもはへたれてるのにここぞというときは引き締まる目、今はあまり元気のない髪。
正直、あまりイケメンとも思えない。
しかし、間違いなく、自分の想い人、
上条当麻のその寝顔。
だらしなくヨダレを垂らす口、いつもはへたれてるのにここぞというときは引き締まる目、今はあまり元気のない髪。
正直、あまりイケメンとも思えない。
しかし、間違いなく、自分の想い人、
上条当麻のその寝顔。
でもない。
さらに、その後ろ。
壁にかけられた時計から目が離せない。
8:20
今日は始業式のはずだった。
壁にかけられた時計から目が離せない。
8:20
今日は始業式のはずだった。
「新学期」
ヤバい、通学路に人影がない。
「ねぇ!! インデックス大丈夫かな!!?」
そう声をかけられた上条は思う。
全力疾走して、息を切らして、顔を紅潮させてる美琴色っぽい。
全力疾走して、息を切らして、顔を紅潮させてる美琴色っぽい。
いや、そんなこと考えている場合じゃないのはわかってるよ、うん。
「大丈夫だろ? 始業式から戻るまではステイルも神裂もいてくれるって言ってるし」
美琴も思い出す。
『インデックス、お利口さんにお留守番しててね』
といったら、
『あい!! おるーば!! がんがる!!』
と両手をグーにしてぶんぶん振り回していたのを。
後ろで侍が身を悶えて、神父が片手で顔を覆いプルプル震えていたことを。
後ろで侍が身を悶えて、神父が片手で顔を覆いプルプル震えていたことを。
「ま、早めに戻ってやろうぜ」
と上条は笑う。
大丈夫、汗を煌めかせて、真剣な表情のなか、こちらを安心させるために笑顔を浮かべる当麻、格好いい!! なんて思う暇はない。
ごめんなさい、嘘です。すごく格好いいです当麻。
そうして別れ道でそれぞれの学校に進む。
が、美琴は少ししてバッとうずくまった。
(あれは反則でしょ!!)
朝のドタバタのなかオモチャのボールを踏みつけて、後ろにたおれそうになった。
そこを颯爽と駆けつけたのが上条だ。
キレイにお姫様抱っこの形になる。
そこを颯爽と駆けつけたのが上条だ。
キレイにお姫様抱っこの形になる。
「大丈夫か?」
上条は着替えの途中なのか、上半身裸だった。
(ふにゃ~~~~~~~~~)
遅刻が決定した。
一方、
ゴツン
という音が響く。
上条は額を風車の柱にぶつけていた。
しかし、わざとである。
上条は額を風車の柱にぶつけていた。
しかし、わざとである。
(あれは、ズルいだろ!!)
朝、頬をぺちぺちと叩かれて目を覚ました。
「起きて!! このままだと遅刻しちゃう!!」
単語ひとつひとつは聞こえるのだが、上条は認識していない。
目の前に美琴がいる。
睫毛まで細かく見える距離だ。
しかも、四つん這いでこちらの顔をみている。
だから、その、少し、パジャマに、よ、余裕ができて、首元のすきまから、その、小さい、ながらも、きちんと自己主張する、かわいい、胸の、下着、が、見
目の前に美琴がいる。
睫毛まで細かく見える距離だ。
しかも、四つん這いでこちらの顔をみている。
だから、その、少し、パジャマに、よ、余裕ができて、首元のすきまから、その、小さい、ながらも、きちんと自己主張する、かわいい、胸の、下着、が、見
ゴツン
とまた音がした。
遅刻が確実なものになった。
遅刻が確実なものになった。
さて、そんな二人だが、
実はまだくっついていない。