衣替え
『そ、その人、誰?』
『ん? あぁ、この間一緒に戦ったやつでさ』
『一緒に住んでんの?』
『あぁ、事情があって匿ってんだ』
『お、男の子よね!!?』
『これがなかなかこう見えて男らしいやつで『アンタがそんな趣味してたなんてぇぇぇぇぇえええええええ!!!!』とんでもなく愉快な勘違いしてらっしゃる!!!!? ま、待ちやがれぇぇぇぇぇえええええええ!!!』
システム復旧率23%
木の葉が舞う。
どんなものにも終わりがある。
夏が、過去になる。
どんなものにも終わりがある。
夏が、過去になる。
「へくちっ!!」
「くっちょっ!!」
「ふぁぐしょおい!!」
美琴、インデックス、上条の3人がハーモニーを奏でた。
今日も3人は仲良く外出である。
今日も3人は仲良く外出である。
「うー、最近、気温の変化が激しいな」
「明日から学校も衣替えだしね」
「うー……くっちょっ!!」
「あらら」
「はい、インデックス、ちーんして」
「ちゅーん!!」
「それじゃ、さっさと買い物終わらせるか」
「そうね、掃除まだ終わってないし」
「あい……くっちょっ!!」
変化、というものは少しずつ訪れる。
変化があった本人達は気付かない速度で。
変化があった本人達は気付かない速度で。
第一次上琴条約。
仰々しい名前だが、要は遊びに誘われたら遊びに行けってことだ。
だがしかし、
仰々しい名前だが、要は遊びに誘われたら遊びに行けってことだ。
だがしかし、
「えーと、お姉さま?」
「えっ? 何?」
「何見てるんですか?」
「インデックスの靴がね、小さくなったのよ」
「はぁ、ですが何で靴ではなく裁縫セットを見てるんです?」
「あの靴この間買ったばかりなのよ? いっそ、当麻の服が破れたときみたいにわたしが縫った方が安くすむかなぁって思って」
(主婦か!!)
(嫁か!!)
(ツッコミ雑!!)
「なぁ」
「どうした? カミやん」」
「これと、これ、どっちがいいと思う?
「……どっちも同じだと思「「ふざけんな‼」」なんだ!?」
「「こっちはゲコ太でこっちはケロヨン!! ゲコ太はケロヨンの隣に住んでいるおじさんで乗り物に弱くてゲコゲコするからゲコ太と呼ばれてるんだ(よ)!! こんな簡単な違いも分からんの(か)!!?」
「……全然わからんぜよ。つか、なんでそんな詳しいんだニャー?」
「そりゃ一部の女の子に大ブームなラブリーミトンシリーズやもん。ボクが、チェックしてないわけがないやん!!」
「一部なのか大ブームなのか、そこが問題だぜい」
「は? なにいってんだよ。こんくらい常識だろ?」
「「……常識ではないかな?」」
「知ってるか? ゲコ太は第63話でケロヨン達とバスに乗ってんだ。別にミスとかじゃなくて、そのあとしばらく登場しないし、後で旅行の時はトイレにこもったっていってるから、やっぱりゲコゲコしてたみたいだぞ」
「カミやんが遠くに行ってしまった感があるぜい」
「そ、そんな、ボクが追い付けへんなんて……」
「オレから見たらどっちも同じカエルだぜよ」
「……そうだよな、どっちもとればいいんだよな」
「「???」」
「ここにあるのは今朝、美琴からもらったお小遣い!!」
「お小遣い制なんやね」
「1週間分!!」
「にしては心許ないにゃー」
「それをこのクレーンゲームに注ぎ込む!! インデックスと美琴の笑顔のために、唸れおれの右手!!!」
「「待て!! カミやん!! 死亡フラグだ!!!」」
自覚のない変化は周囲にも派生し、
周囲もまた、変化していく。
周囲もまた、変化していく。
「どうしたら美琴と付き合えるだろう?」
「どうやったら、当麻に振り向いてもらえるんだろ?」
あんだけ熟年夫婦っぷりを見せつけて、隙があれば互いのノロケを撒き散らす。
そんな公害からもちかけられた相談が、週4回とも同じ台詞だった。
もう、こてんぱんにするしかないのだった。
そんな公害からもちかけられた相談が、週4回とも同じ台詞だった。
もう、こてんぱんにするしかないのだった。
「ま、待って!! なんで怒ってんの佐天さん!!? 初春さんもシカトしてないで助けて!!」
「ごべぶはぶっ!! にゃにしゅるんふぇふゅか!! あと白井はどっから出てきた!!?」
木の葉が舞う。
どんなものにも終わりがある。
どんなものにも終わりがある。
「……こんなに、早く、ですか。綿辺先生」
「ええ、ようやくです。寮監さん、あなたがいちばん喜ぶと思ってましたが、何かあったんですか?」
「……いえ」
「しっかりしてください。貴女がしゃんとしないと、示しがつきませんよ」
どんなものにも終わりがある。
「せっかく来週には寮が完成するんですから」
変化、というものは少しずつ訪れる。
変化があった本人達は気付かない速度で。
変化があった本人達は気付かない速度で。
「……くっちょ!! う、くっくっちょ!! くっちょ!! コホッ コホッ コホッ」