とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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それも美琴の悩む理由

それが美琴の悩む理由 の続編です。



ここは某ホテル。
美琴はベッドに横たわりながら、ポワ~っとした頭を働かせる。
現在、自分のすぐ隣には付き合っている男性【かれし】・上条がおり、
その上条は今、「あれ? パンツどこ行った?」と能天気な事を言いながら、
ベッドの中をまさぐっている。
これはつまりどういう状況かと聞かれれば、『おたのしみでしたね』としか言えないのだが、
そこら辺はまぁアレがナニしたという事で察してほしい。

しかし美琴の身体は「はぁはぁ」と荒い息を吐いて幸せの絶頂だというのに、
その顔はどこか浮かない表情を作っている。
せっかくの上条とのデート、そしてその仕上げに、
世界で一番の幸福な時間を味わったはずなのに、である。

実は彼女、ここ最近、ある大きな悩みを抱えているのだ。
それは付き合う前ならば頭に過ぎりもしなかった悩みだった。
付き合ったからこそ、そして付き合ってしばらく経ち、
心にも多少の余裕が出来たからこその悩みなのだ。
美琴は目を伏せて、胸に手を当てて自分の鼓動を感じながら、
誰に言うでもなく心の中で思う。内に秘めた、その悩みを。

(………当麻が1回イク前に…私、4回もイっちゃった……)

さぁ、急速にどうでもよくなってまいりました。
つまるところ美琴の悩み(笑)とやらは、自分は少々イキやすすぎるのではないかという事だ。
ちなみに、どこへ『行く』のかは、ちょっとよく分からないので割愛しよう。
それと美琴は普段、上条の事を「アイツ」だの「この馬鹿」だの呼んでいるが、
今は『おたのしみでしたね』の後で甘々モードなので、「当麻」と呼んでいる。

「お~、あったあった!」

と安物のトランクスを穿きながら、上条は美琴に顔を向ける。
すると瞬時に、美琴の顔に不満の表情が広がっている事に気付いた。

「ど、どうかしたのか美琴!?
 あの、その…も…もしかして気持ち良くなかったでせうか!?
 あ、えと、か、上条さんも慣れてない、っていうか美琴さんが初めてのお相手でして、
 経験不足は否めませんが何か無作法があっても致し方ないと言いますか
 何かもう本当にすみませんでしたーーーっ!!!」

上条は、自分に何か不備があったものと思い、ベッドの上【そのば】で土下座した。
それは刀夜直伝の、それは綺麗なそれは土下座であった。
美琴と『おたのしみでしたね』をするのは今回が初めてではないが、
これまでの『おたのしみでしたね』も、もしかしてご満足いただけなかったのではないかと、
上条さん自己嫌悪である。そんな上条を横目に、美琴は慌てて否定する。


「あっ! ちち、違うの! 当麻が悪いんじゃなくて!
 って言うかその…気持ち良すぎたのが原因って言うか、私のせいって言うか……」

しかし、その後の言葉が続かずに、美琴は「かあぁ…っ!」と赤面してしまう。

(う~っ! 『4回もイっちゃったから』なんて言える訳ないじゃないの!
 それじゃ私、まるで……す…すごくエッチな女の子みたいじゃない!)

すごくエッチな女の子なのだから仕方ないのではなかろうか。
結局は言えなかった美琴(言えばいいのに)だが、
とりあえず自分に非が無かった事だけでも分かった上条は、ホッして一言。

「良かった~…ミコっちゃんが4回くらいイってたのが、
 俺の事を気遣っての演技なのかと思ったよ。焦った~」
「べあっ!!?」

バレてやがる。

「ななななな何の事っ!!? よよよ、4回なんてイってないけど!!?」
「えっ?」

何度もイってしまった事を必死に無かった事にしようとする美琴だが、
上条はそんな美琴を見つめて、「何を今更」と目で訴える。バレてやがるのである。

「いやいやいや。美琴センセー、4回くらい『アレ』してたじゃないッスか」
「し、ししし、してないわよっ!!! 『アレ』したのは3回だけだもん!」

『アレ』が一体、何なのかは一先ず置いておくとして、
美琴は4回中3回は『アレ』しながらイって、残り1回は『アレ』せずにイったらしい。
それはともかく、どんだけイったイった言っているのだろうか。

上条はふいに距離を詰め、美琴を抱き寄せる。
そして突然、美琴のおへそに人差し指を「つぷっ」と突っ込んだ。
美琴のおへそは、上条の指先をぱくっと咥え込む。

「ひんっ!?」

いきなりの不意打ちに、美琴は声を漏らしてしまう。
上条はそれを楽しむかのように、そのまま指をクリクリと掻き回した。

「な、に…んんっ! すんの、よ、ぉ…!」
「いやぁ。本当は感じやすいのに、それを必死に隠そうとするミコっちゃんが可愛いもんで」

そう言いながら美琴の反応を面白がる上条だが、
しかしせっかく弄るなら、おへそより『上』とか『下』を弄れと思わなくもない。
まぁ、その辺りは『おたのしみでしたね』中に散々弄り回したのだろうが。

「馬っ、鹿、ぁ…そんな、あっ! こ、と……は、ぁあ…ない、も…んぁっ!」

それでも尚、抵抗する美琴ではあるのだが、しかし抵抗しているのは言葉だけで、
もはや美琴の顔はトロトロにとろけていた。
上条はそんな愛しの彼女の頭を撫でてクスっと笑った後、美琴の唇に優しい口付けをする。
そして耳元で、甘い言葉を囁くのだ。

「なぁ、もう一回…しようか」

すると美琴は無言ながら、恥ずかしそうにコクリと頷く。
それは二人の2回戦を告げる、ゴングの代わりになったのである。

はいはいおめでと。じゃあもう撤収撤収。











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