時刻は朝の八時、上条は昨日『明日になったら風紀委員に受け渡す』と言っていたけども
休日という事もありジックリと睡眠を取っている、昨日は色々な意味で疲れたのだろう。
その睡眠中の人間を見て楽しむ者も居れば、早く起きろと心で願う者も居る。
この様に言葉で表すだけなら実に平和的なのだけれど……。
休日という事もありジックリと睡眠を取っている、昨日は色々な意味で疲れたのだろう。
その睡眠中の人間を見て楽しむ者も居れば、早く起きろと心で願う者も居る。
この様に言葉で表すだけなら実に平和的なのだけれど……。
場所を移して、同じく第七学区の常盤台中学女子寮の一室
平和な朝を迎えた上条の学生寮とは真逆の様子だった……。
平和な朝を迎えた上条の学生寮とは真逆の様子だった……。
「結局、朝になってもお戻りになりませんでしたの。ま、まさか、あの殿方と只ならぬ関係に…!?」
早朝帰りを迎え入れる経験は何度かあったのだけど
朝になっても帰ってこないのは今回が初めて。しかも無断…。
風紀委員の少女は昨晩『寮監』を上手く言い包め
(お姉様ったら、どうせあの殿方と戯れているのでしょうね)等と考えていた
――だが朝になっても『お姉様』が戻ってこない。
これは連帯責任だけではなく、常盤台にとっても大きな問題になる恐れがある事。
しかし『お姉様』が一番楽しそうにしているのが『あのバカ(殿方)』に関する話をする時…
何よりも楽しそうに話すので見守るしかないというのが正直な心境だ。
その様子を見て『あの殿方』に好意を寄せている事は嫌という程理解している
だからこそ『やめてくださいまし!』と言えば悲しむかもしれない。
結局は今の関係を維持したいが為に口を出せないでいる
それが自分にとっても『お姉様』にとっても良い選択であると信じていた。
だけども、この様な事になった以上は嫌でも動かざるをえないのだ。
目的はお姉様を連れ戻すこと、そして『あのバカ(殿方)』とお姉様の関係をハッキリとさせる事。
以上のニ点
朝になっても帰ってこないのは今回が初めて。しかも無断…。
風紀委員の少女は昨晩『寮監』を上手く言い包め
(お姉様ったら、どうせあの殿方と戯れているのでしょうね)等と考えていた
――だが朝になっても『お姉様』が戻ってこない。
これは連帯責任だけではなく、常盤台にとっても大きな問題になる恐れがある事。
しかし『お姉様』が一番楽しそうにしているのが『あのバカ(殿方)』に関する話をする時…
何よりも楽しそうに話すので見守るしかないというのが正直な心境だ。
その様子を見て『あの殿方』に好意を寄せている事は嫌という程理解している
だからこそ『やめてくださいまし!』と言えば悲しむかもしれない。
結局は今の関係を維持したいが為に口を出せないでいる
それが自分にとっても『お姉様』にとっても良い選択であると信じていた。
だけども、この様な事になった以上は嫌でも動かざるをえないのだ。
目的はお姉様を連れ戻すこと、そして『あのバカ(殿方)』とお姉様の関係をハッキリとさせる事。
以上のニ点
そして休日は幸いにも朝の見回りがない
本日の門限までに『お姉様』を寮へ連れて帰れば言い訳する必要もなく、一礼するだけで公に出る前に解決する。
『あのバカ(殿方)』の家くらいなら、花飾りの少女に調べさせれば一発だろう。と考え、寮を飛び出した。
本日の門限までに『お姉様』を寮へ連れて帰れば言い訳する必要もなく、一礼するだけで公に出る前に解決する。
『あのバカ(殿方)』の家くらいなら、花飾りの少女に調べさせれば一発だろう。と考え、寮を飛び出した。
場所を戻して、そんな事になってるとは夢にも思っていないし、
ましてや考えてもない、御坂美琴は……。
ましてや考えてもない、御坂美琴は……。
(そろそろ、起こそうかしらね…。それにコイツを起こさないとここから出られないワケだし…)
普通の人間なら一跨ぎで浴槽の外に出る事が出来るだろう、しかし今の御坂美琴には無理だ。
ネコ耳に尻尾まで生えてしまってるだけではなく、小さくなってしまっている……。
しかし戻る方法を知っているだけに自分が心を決めちゃえば解決する問題とも言える。
上条は優しい…そう、優しさしかないと言っても良いくらい優しい人間なのである。
助けを求めれば、彼は絶対に応えてくれるだろう
だからこそ美琴は怖い、彼は『助けるのに理由は要らない』と言うハズだから……。
ネコ耳に尻尾まで生えてしまってるだけではなく、小さくなってしまっている……。
しかし戻る方法を知っているだけに自分が心を決めちゃえば解決する問題とも言える。
上条は優しい…そう、優しさしかないと言っても良いくらい優しい人間なのである。
助けを求めれば、彼は絶対に応えてくれるだろう
だからこそ美琴は怖い、彼は『助けるのに理由は要らない』と言うハズだから……。
「とーま!とーま!!!」
その時、浴室の扉がガタガタ揺れる。小さくなってる美琴からしてみたらちょっとした恐怖だろう。
恐らくは我慢(ご飯)の限界が来て、こうして上条を呼びに来た…と考えるのが妥当。同時に薄暗い浴室に照明が灯る。
恐らくは我慢(ご飯)の限界が来て、こうして上条を呼びに来た…と考えるのが妥当。同時に薄暗い浴室に照明が灯る。
「うぉ…眩しい……」
「アンタ、早く起きにゃさいってば」
「アンタ……? 俺っていつ結婚したんだっけ?」
「け、結婚…まだ出来にゃいわよ!あ、後2年くらい…じゃにゃくて、寝ぼけてないでさっさと起きろこらぁ!」
「アンタ、早く起きにゃさいってば」
「アンタ……? 俺っていつ結婚したんだっけ?」
「け、結婚…まだ出来にゃいわよ!あ、後2年くらい…じゃにゃくて、寝ぼけてないでさっさと起きろこらぁ!」
パチッと音が鳴る、強い電撃こそは使えないモノの、人を起床させるには十分すぎる威力と言って良いはず。
「いてっ!? 朝っぱらからなんなんですかぁ!」
「そ、それはコッチのセリフよ!」
「痴話喧嘩…」
「「え」」
「そ、それはコッチのセリフよ!」
「痴話喧嘩…」
「「え」」
浴室の外から何やら耳を疑う言葉が飛んできた…上条は『何でそんな難しい言葉を知ってるんだ…?』という驚き。
美琴は『た、他人から見てそう見えるって事は…』という嬉し恥ずかし…。
美琴は『た、他人から見てそう見えるって事は…』という嬉し恥ずかし…。
「今ので目は覚めたわ…こんな所じゃアレだし、外出るか」
「そ、そうね」
「とーまご飯!」
「わーってるって」
「そ、そうね」
「とーまご飯!」
「わーってるって」
上条は美琴を肩に乗せて、浴室を出る。
その姿を見ると某アニメのDVD特典を思い出してしまうワケだけど、誰も突っ込む人間はいない。
しかし上条が浴室の外に出た瞬間飛んできた言葉は…。
その姿を見ると某アニメのDVD特典を思い出してしまうワケだけど、誰も突っ込む人間はいない。
しかし上条が浴室の外に出た瞬間飛んできた言葉は…。
「短髪!何で元に戻ってないの!?」
サラウンドスピーカーもビックリの大音量でインデックスの言葉が家中…いや、絶対に外にまで響いてる。
「ちょっと、とーま! 詳しく説明してもらいたいかも」
「……あ、あのインデックスさん? 何のお話でしょうか…?」
「短髪もこうなったら、一緒に聞くんだよ?分かった?」
「……分かったわよ」
「……あ、あのインデックスさん? 何のお話でしょうか…?」
「短髪もこうなったら、一緒に聞くんだよ?分かった?」
「……分かったわよ」
インデックスは先ほどまでのご飯モードから一転、お説教モードに入っている。
ムスッとした表情をし、いかにも不機嫌ですよ…というのを表に出している。
ムスッとした表情をし、いかにも不機嫌ですよ…というのを表に出している。
「もうこうなったら言うしかないんだよ、良いね?短髪。 とーまは聞いてればいい」
「な、何でしょうインデックスさん?」
「な、何でしょうインデックスさん?」
そこに常盤台のエースと呼ばれる人間の風格の欠片もあったものではなかった
もはやただの『借りてきた猫』状態、いつものツンツンした雰囲気も抜けている。
もはやただの『借りてきた猫』状態、いつものツンツンした雰囲気も抜けている。
「早くキスするんだよ!そうすれば短髪は元に戻れるんだから…ね?」
「…おっしゃってる意味が分かりかねます!!」
「つまりだよ――」
インデックスはスフィンクスを自分の目の前に持ち
「――こうすれば解決」
そうして口元に触れるだけのキスをした。
「ネコ相手になら俺も出来るって…」
「短髪って今ネコでしょ? ね?」
インデックスは確認を取るために美琴に視線を送る。
「ま、まあ…そうね」
「ほら? 短髪もそう言ってるし、何の問題もないんだよ」
「…確かに今はネコかもしれない、でも御坂でもあるんだ。まだ中学生の女の子だぞ?
第一、御坂の方が良しとする訳が―――」
「私は大丈夫、アンタにゃら大丈夫よ」
「…御坂さん?今、なんと…?」
「にゃんども言わせにゃいで欲しいんだけど……アンタとにゃら大丈夫って言ってんのよ!」
「……オマエはそれで本当に良いのか?」
「……アンタじゃにゃきゃダメにゃのよ」
美琴は近距離でも聞き取れるか聞き取れないか…の声で発したが、確実に上条の耳にはその言葉が届いた…。
そして上条は心を決めた……。
「…おっしゃってる意味が分かりかねます!!」
「つまりだよ――」
インデックスはスフィンクスを自分の目の前に持ち
「――こうすれば解決」
そうして口元に触れるだけのキスをした。
「ネコ相手になら俺も出来るって…」
「短髪って今ネコでしょ? ね?」
インデックスは確認を取るために美琴に視線を送る。
「ま、まあ…そうね」
「ほら? 短髪もそう言ってるし、何の問題もないんだよ」
「…確かに今はネコかもしれない、でも御坂でもあるんだ。まだ中学生の女の子だぞ?
第一、御坂の方が良しとする訳が―――」
「私は大丈夫、アンタにゃら大丈夫よ」
「…御坂さん?今、なんと…?」
「にゃんども言わせにゃいで欲しいんだけど……アンタとにゃら大丈夫って言ってんのよ!」
「……オマエはそれで本当に良いのか?」
「……アンタじゃにゃきゃダメにゃのよ」
美琴は近距離でも聞き取れるか聞き取れないか…の声で発したが、確実に上条の耳にはその言葉が届いた…。
そして上条は心を決めた……。
そこへ沈黙を切り裂くように呼び鈴が鳴り響く…。実に『悪いタイミングでの来客』とその場にいた全員が心で思った。
しかし悪いのは『タイミング』だけではなかったのだ……。
しかし悪いのは『タイミング』だけではなかったのだ……。
「ったく…誰だよ、こんな時に」
上条は駆け足で玄関へ向かい、新聞勧誘対策のチェーンをかけ
(インデックスが勝手にルールにしている)
玄関のドアを開く…そこに待ち受けていたのは、常盤台の制服を着たツインテールの少女。真剣な表情で上条を見つめる。
(インデックスが勝手にルールにしている)
玄関のドアを開く…そこに待ち受けていたのは、常盤台の制服を着たツインテールの少女。真剣な表情で上条を見つめる。
「えーっと? 白井さんでしたっけ?」
「ええ、白井黒子と申します。貴方は上条当麻さん…と言いましたっけ?」
「ああ上条当麻だけどって俺の家なんだから、俺が出るのは当たり前だろう!」
「そうですわね、一つ調べたい事がありまして…真っ先にここに訪れましたの」
「そ、それは光栄なお話です」
「あんまり長居するつもりはございません、用件だけを話しますと…我が常盤台のエース、御坂美琴お姉様が行方不明でして
捜索を単独でしているというワケですの。もちろん行方不明という事を知っているのは、この私だけですけどね」
「真っ先にここに来た…って言ったよな?何でだよ」
「それはお姉様が貴方に好意を寄せているという事を理解してたからに決まってるじゃありませんの」
「……御坂が俺に好意を寄せてる? なんだそれ、どこの情報だかわかんねぇぞ」
「やはりそういう事でしたか……」
「どういう事でしょう?」
「いえ、こちらの話しですの。今回ここに来たのはそれ以外の理由はございません、知ってるなら知っている。
知らないならば知らない、それだけをハッキリさせて貰いたいだけですので」
「…知っているって言ったら?」
「もちろんお姉様を返して貰いますわ、もしくは情報を提供して頂く」
「じゃ、知らないって言ったら?」
「この家の中を隅から隅まで捜索して、帰らせて頂きますの」
「どっちにしろ、調べられるって事だな。ま、良い…取り敢えず家に上がれよ」
「知っている…という事でよろしいんですのね?では、上がらさせて貰いますの」
「ええ、白井黒子と申します。貴方は上条当麻さん…と言いましたっけ?」
「ああ上条当麻だけどって俺の家なんだから、俺が出るのは当たり前だろう!」
「そうですわね、一つ調べたい事がありまして…真っ先にここに訪れましたの」
「そ、それは光栄なお話です」
「あんまり長居するつもりはございません、用件だけを話しますと…我が常盤台のエース、御坂美琴お姉様が行方不明でして
捜索を単独でしているというワケですの。もちろん行方不明という事を知っているのは、この私だけですけどね」
「真っ先にここに来た…って言ったよな?何でだよ」
「それはお姉様が貴方に好意を寄せているという事を理解してたからに決まってるじゃありませんの」
「……御坂が俺に好意を寄せてる? なんだそれ、どこの情報だかわかんねぇぞ」
「やはりそういう事でしたか……」
「どういう事でしょう?」
「いえ、こちらの話しですの。今回ここに来たのはそれ以外の理由はございません、知ってるなら知っている。
知らないならば知らない、それだけをハッキリさせて貰いたいだけですので」
「…知っているって言ったら?」
「もちろんお姉様を返して貰いますわ、もしくは情報を提供して頂く」
「じゃ、知らないって言ったら?」
「この家の中を隅から隅まで捜索して、帰らせて頂きますの」
「どっちにしろ、調べられるって事だな。ま、良い…取り敢えず家に上がれよ」
「知っている…という事でよろしいんですのね?では、上がらさせて貰いますの」
上条は一旦ドアを閉め、チェーンを外した上で白井を招き入れようとしたのだが。
ドアを閉めたと同時に彼女は自分の後ろに立っていた…。空間移動とは恐ろしいものだ。
ドアを閉めたと同時に彼女は自分の後ろに立っていた…。空間移動とは恐ろしいものだ。
「早速ですが、お姉様のお姿を見せて頂きたいんですの」
「そこに居るじゃねぇか、ほらテーブルの上」
「……さて? 貴方は何のことをおっしゃっているのでしょうか…?」
「もしかして俺とインデックスにしか見えてないのか?」
「そんなコトないよ、誰にだって見えてるはずなんだよ」
「改めて…そのテーブルの上に居るネコみたいな物体が『御坂美琴』」
「……何でしょう、バカにされてるような気がしますわ…」
「嘘だと思うんなら確かめれば良いだろ? その後にまだ不満やら文句があるならいくらでも聞いてやっから」
「そこに居るじゃねぇか、ほらテーブルの上」
「……さて? 貴方は何のことをおっしゃっているのでしょうか…?」
「もしかして俺とインデックスにしか見えてないのか?」
「そんなコトないよ、誰にだって見えてるはずなんだよ」
「改めて…そのテーブルの上に居るネコみたいな物体が『御坂美琴』」
「……何でしょう、バカにされてるような気がしますわ…」
「嘘だと思うんなら確かめれば良いだろ? その後にまだ不満やら文句があるならいくらでも聞いてやっから」
黒子はテーブルの上にちょこんと座っている美琴を恐る恐る抱き抱える
(お姉様は確かにネコが好きでしたわ、ですが毎回毎回逃げられてばかり…。まさかそれでこの様なお姿に…?
いやいや、まだこのネコのような物体がお姉様と決まったワケではありませんの…)
(お姉様は確かにネコが好きでしたわ、ですが毎回毎回逃げられてばかり…。まさかそれでこの様なお姿に…?
いやいや、まだこのネコのような物体がお姉様と決まったワケではありませんの…)
「…おはよ黒子」
「……………どういうことなんでしょうね」
「……………どういうことなんでしょうね」
黒子の『お姉様否定論』は一瞬で打ち破られた。
「そういうこった、今はそれが正真正銘『御坂美琴』」
「詳しくお話を聞かせてくれるとありがたいんですの、ここは学園都市…多少の事は受け入れる自信もありますので」
「いやいやいやいや、だいじょーぶよ黒子! 特に大きい問題でもにゃいから!」
「短髪を元の姿に戻す為には―――」
「あ~!!! にゃんでもないのよ黒子、私は元に戻れるから!」
「キ…ッ!?」
「お前の大好きな食パンだ、ほら口の中に詰め込め!もっとあるぞ!」
「詳しくお話を聞かせてくれるとありがたいんですの、ここは学園都市…多少の事は受け入れる自信もありますので」
「いやいやいやいや、だいじょーぶよ黒子! 特に大きい問題でもにゃいから!」
「短髪を元の姿に戻す為には―――」
「あ~!!! にゃんでもないのよ黒子、私は元に戻れるから!」
「キ…ッ!?」
「お前の大好きな食パンだ、ほら口の中に詰め込め!もっとあるぞ!」
上条がインデックスの口を文字通り塞いだ、普通の人間にこんな事したら窒息死の恐れがあるのだけど
インデックスはそんな概念を全て打ち破る、詰め込んだハズのパンがドンドン飲み込まれていくのだ…。
しかし白井はそれに構わず進める。
インデックスはそんな概念を全て打ち破る、詰め込んだハズのパンがドンドン飲み込まれていくのだ…。
しかし白井はそれに構わず進める。
「順序というモノがありますので、まずはどうしてお姉様がこの様なお姿になられてるのかを説明して欲しいんですの」
「簡単に説明するとだよ、短髪は何かに対する想いを積み重ねて来てた。という事」
「どういう事ですの? それならわたくしもお姉様に対する想いを積み重ねて来てますのよ」
「「堂々と良いやがるな(言うわね)」」
「あら…随分と仲がよろしいこと、まさか一晩を共にしたとか……お姉様に限ってあるワケありませんわよね?」
「そ、そ、そんな事あるワケにゃいじゃにゃい! 第一、す、好きでもない男と一晩過ごせるワケ…にゃいわよ」
「ほらそこ! 話を聞くのか聞かないのかハッキリして欲しいんだよ」
「まあまあ白井も御坂も落ち着けって、俺も詳しい事は知らねぇ…だからコイツに教えて貰わねぇと」
「コホンっ…続けるよ、まずはその想いが自分の制御出来る範囲を超えた場合どうなると思う?」
「…それは行動に移すでしょうね、わたくしもそうしてますの」
「簡単に説明するとだよ、短髪は何かに対する想いを積み重ねて来てた。という事」
「どういう事ですの? それならわたくしもお姉様に対する想いを積み重ねて来てますのよ」
「「堂々と良いやがるな(言うわね)」」
「あら…随分と仲がよろしいこと、まさか一晩を共にしたとか……お姉様に限ってあるワケありませんわよね?」
「そ、そ、そんな事あるワケにゃいじゃにゃい! 第一、す、好きでもない男と一晩過ごせるワケ…にゃいわよ」
「ほらそこ! 話を聞くのか聞かないのかハッキリして欲しいんだよ」
「まあまあ白井も御坂も落ち着けって、俺も詳しい事は知らねぇ…だからコイツに教えて貰わねぇと」
「コホンっ…続けるよ、まずはその想いが自分の制御出来る範囲を超えた場合どうなると思う?」
「…それは行動に移すでしょうね、わたくしもそうしてますの」
ここで美琴が何か言いたげな表情をしたが、場の空気を読みグッと堪えた。
「普通はそうなるハズ…でも短髪は行動に移せないまま、ずっと想いを溜め込んでたみたいなんだよ。
…こうしてこの現象が起こってる限りは間違いないと思う」
「つまり、お姉様は上条さんに対する想いを制御出来なくなるまで溜め込んでた…とおっしゃいますの?」
「ちょ、にゃ、にゃんでそうにゃるのよ!」
「あら…違うと? それならそれで黒子は構いませんのよ」
「ち、違うとも言ってにゃいわよ…」
「ま、このコンビじゃ両想いとなることはあり得ないでしょうね」
「…ちょっとお二方、何のお話を…?」
「この調子ですしね、黒子に敵は居ませんの」
…こうしてこの現象が起こってる限りは間違いないと思う」
「つまり、お姉様は上条さんに対する想いを制御出来なくなるまで溜め込んでた…とおっしゃいますの?」
「ちょ、にゃ、にゃんでそうにゃるのよ!」
「あら…違うと? それならそれで黒子は構いませんのよ」
「ち、違うとも言ってにゃいわよ…」
「ま、このコンビじゃ両想いとなることはあり得ないでしょうね」
「…ちょっとお二方、何のお話を…?」
「この調子ですしね、黒子に敵は居ませんの」
三人のやり取りを見ながらもインデックスは構わずに続ける。
「でも短髪はその『想い』を心の中で否定し続けた、だからコントロールが出来なくなっちゃったんだと思うよ
後はある程度の『力』の持ち主である事が条件。その『力』と『想い』が暴走した結果がこの状態と言う事なんだよ」
「色々と複雑ですのね…でも先程おっしゃられてた様に、元に戻す方法はあるのでしょう?」
「実例があり証明されている方法が存在するけど…」
「では…早速、お姉様を元に戻して欲しいんですの。タイムリミットは午後の八時まで…それまでにお願いしますの」
「一瞬で済むからそんなに時間は必要ないよ、ただこの二人だから難しいかも…」
「…どういう事ですの?」
「えーっとだよ、つまり…やることをやらないといけないんだよ」
「ヤル事をヤラないとイケない…。な゛な゛…お姉様に何をぉおおおおおおおおおお!!」
「どうして思考がそっちに働くのよ! でもまぁ…うん、そういうんじゃにゃいんだけど、そういうのというか…」
「断じて許しませんの! もうこのままでも…お姉様を連れて帰らせて貰います!」
後はある程度の『力』の持ち主である事が条件。その『力』と『想い』が暴走した結果がこの状態と言う事なんだよ」
「色々と複雑ですのね…でも先程おっしゃられてた様に、元に戻す方法はあるのでしょう?」
「実例があり証明されている方法が存在するけど…」
「では…早速、お姉様を元に戻して欲しいんですの。タイムリミットは午後の八時まで…それまでにお願いしますの」
「一瞬で済むからそんなに時間は必要ないよ、ただこの二人だから難しいかも…」
「…どういう事ですの?」
「えーっとだよ、つまり…やることをやらないといけないんだよ」
「ヤル事をヤラないとイケない…。な゛な゛…お姉様に何をぉおおおおおおおおおお!!」
「どうして思考がそっちに働くのよ! でもまぁ…うん、そういうんじゃにゃいんだけど、そういうのというか…」
「断じて許しませんの! もうこのままでも…お姉様を連れて帰らせて貰います!」
黒子が空間移動を使おうとした瞬間、上条が黒子の肩を右手でソッと掴んだ
…もちろん空間移動出来るワケでもなく。
…もちろん空間移動出来るワケでもなく。
「くっ…」
「待て白井…そんなに急がなくたって良いんだろ?」
「そうよ黒子、まだお昼前だし門限までまだまだ時間があるじゃにゃい…ねっ?」
「お姉様がそうおっしゃられるなら…でもそのような行為は一切許しません!」
「短髪が元に戻れなくて良いの…?」
「構いませんのよ、この変態猿人類にお姉様を渡すくらいならこのままの方が良いですもの」
「……変態猿人類。さすがの上条さんも傷つきますよ…」
「私はこのままじゃ嫌にゃんだけど…」
「お姉様はこの猿人類とそのような行為をしたいとおっしゃいますの!?」
「……私は別に」
「何ですの、その反応は…? まるで恋する乙女…黒子は許しません、絶対に許しませんの!」
「待て白井…そんなに急がなくたって良いんだろ?」
「そうよ黒子、まだお昼前だし門限までまだまだ時間があるじゃにゃい…ねっ?」
「お姉様がそうおっしゃられるなら…でもそのような行為は一切許しません!」
「短髪が元に戻れなくて良いの…?」
「構いませんのよ、この変態猿人類にお姉様を渡すくらいならこのままの方が良いですもの」
「……変態猿人類。さすがの上条さんも傷つきますよ…」
「私はこのままじゃ嫌にゃんだけど…」
「お姉様はこの猿人類とそのような行為をしたいとおっしゃいますの!?」
「……私は別に」
「何ですの、その反応は…? まるで恋する乙女…黒子は許しません、絶対に許しませんの!」
永遠と続きそうな争いを前に、上条は『さっさと決めちまおう』という気持ちで行動に出る。
「後でオマエの言う事は何でも聞いてやる、だから御坂をこっちへ――」
美琴を黒子の手中から、奪う…いや取り返すべく、上条が腕を伸ばす―――
しかしそう簡単には行かなかった…黒子は咄嗟に美琴だけを空間移動させたのだ。
しかしそう簡単には行かなかった…黒子は咄嗟に美琴だけを空間移動させたのだ。
「…ッ!? 御坂をどこにやった!」
「後の事は全て任せましたわ。本日の午後八時までに寮の方へ帰してくださればそれで…」
「それってどういう事だ? って白井!」
「後の事は全て任せましたわ。本日の午後八時までに寮の方へ帰してくださればそれで…」
「それってどういう事だ? って白井!」
黒子はその場から空間移動を使い去った…ように上条には見えている。
実際はベランダの影に隠れているのだけど…。
実際はベランダの影に隠れているのだけど…。
「御坂はどこだ…? おーい!御坂、聞こえてたら返事を…」
「とーま? 本当に気付いてないの…?」
「ん?」
「ここよ、バカ!」
「とーま? 本当に気付いてないの…?」
「ん?」
「ここよ、バカ!」
実は黒子が空間移動させた場所は、上条の頭上…普通なら気付くハズなのだが……。
「って頭の上!? オマエいつから…」
「黒子が空間移動させた場所が、アンタの頭の上にゃのよ」
「へ…? それってどういうことでしょう」
「黒子なりに気を使ってくれたんじゃにゃいかしら?」
「んじゃ…オマエを元に戻しますか…俺は覚悟出来てる、後は御坂…オマエだけだ」
「ちょ、いきにゃり過ぎるわよ!! こ、こ、心の準備ってモノがあるでしょうが!」
「その調子じゃ、いつになったら元に戻れるか分かったもんじゃねぇな」
「ア、アンタはにゃにも思わにゃいって言うワケ?」
「……思わないワケないだろ…。もう一回聞くぞ、本当に俺でいいんかよ?」
「アンタじゃにゃきゃダメ…アンタ以外の誰ともこんにゃ事するつもりにゃいんだから!」
「黒子が空間移動させた場所が、アンタの頭の上にゃのよ」
「へ…? それってどういうことでしょう」
「黒子なりに気を使ってくれたんじゃにゃいかしら?」
「んじゃ…オマエを元に戻しますか…俺は覚悟出来てる、後は御坂…オマエだけだ」
「ちょ、いきにゃり過ぎるわよ!! こ、こ、心の準備ってモノがあるでしょうが!」
「その調子じゃ、いつになったら元に戻れるか分かったもんじゃねぇな」
「ア、アンタはにゃにも思わにゃいって言うワケ?」
「……思わないワケないだろ…。もう一回聞くぞ、本当に俺でいいんかよ?」
「アンタじゃにゃきゃダメ…アンタ以外の誰ともこんにゃ事するつもりにゃいんだから!」
(良い雰囲気過ぎてムカつきますの! だけどここはお姉様の為に耐えといた方が利益に……なりますわよね)
「じゃ、行くぞ御坂…」
「…う、うん」
「…う、うん」
(キィイイイイ!!もう耐えられませんの! 女には負けると分かっていてもドロップキックしなければならない時が…)
「あるんですの!!」
次の瞬間、美琴が宙を浮き、上条が壁に向かって突き刺さるかの如くすっ飛んで行った…。